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第767回 1回京都と2回京都の芝における好走脚質の違いを探る

2014/1/13(月)

年が明けてから連続開催がスタートする京都には、前半戦と後半戦で脚質傾向がガラリと変わるイメージがある。一般的には、1回京都では逃げ・先行馬が有利、2回京都では差し・追い込み馬が有利な印象があるが、それはデータにもしっかりと表れているのかどうか、改めて確かめてみたい。集計期間は1回京都がAコース、2回京都がBコースで行なわれるようになった10年から、13年までの4年分。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 1回京都芝・脚質別成績

回り 脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 逃げ 17- 10-  3- 31/ 61 27.9% 44.3% 49.2% 405% 197%
先行 24- 25- 21-145/215 11.2% 22.8% 32.6% 136% 93%
差し 13- 19- 28-247/307 4.2% 10.4% 19.5% 27% 57%
追込 4-  6-  6-254/270 1.5% 3.7% 5.9% 49% 23%
マクリ 2-  0-  2-  3/  7 28.6% 28.6% 57.1% 75% 115%
外回り 逃げ 14-   8-   7-  44/  73 19.2% 30.1% 39.7% 489% 284%
先行 25-  32-  16- 196/ 269 9.3% 21.2% 27.1% 98% 85%
差し 28-  20-  39- 280/ 367 7.6% 13.1% 23.7% 59% 78%
追込 4-  11-   9- 293/ 317 1.3% 4.7% 7.6% 47% 36%
マクリ 0-   0-   0-   3/   3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

まず、1回京都の脚質別成績を、内回りと外回りで分けて確認しておこう。なお、脚質はTARGET frontier JVによる分類を採用しており、TARGET frontier JVにおける「中団」を「差し」、「後方」を「追込」として扱う(以下同)。

やはりと言うべきか、表1の通り、Aコースで行なわれる1回京都の芝では内回り、外回りともに「逃げ」が圧倒的に強い。より逃げ馬が勝ちやすいのは勝率27.9%、単勝回収率405%の内回りで、勝率19.2%、単勝回収率489%という外回りでは逃げ馬がより穴をあける傾向にある。また、「先行」も内回りで単勝回収率136%、外回りで単勝回収率98%といずれも優秀な数字を残しており、「逃げ」ほどではないにしても有利と言える。しかし、「差し」になると好走率、回収率ともに大きくダウンし、「追込」に至っては内回り、外回りともに勝率1%台まで低迷する。「追込」にはそもそもペースについていけない馬も含まれるので好走率が落ちるのは仕方のない部分もあるが、それにしても苦戦の感は否めない。

■表2 1回京都芝・前走4角通過順別成績

回り 前走4角通過順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 1番手 12-  6-  1- 28/ 47 25.5% 38.3% 40.4% 313% 116%
2番手 7-  6-  5- 60/ 78 9.0% 16.7% 23.1% 188% 89%
3〜4番手 6-  8- 12- 88/114 5.3% 12.3% 22.8% 45% 59%
5〜6番手 3-  7-  6- 70/ 86 3.5% 11.6% 18.6% 24% 45%
7〜9番手 7-  8- 13-103/131 5.3% 11.5% 21.4% 48% 65%
10番手以降 8-  9-  7-146/170 4.7% 10.0% 14.1% 103% 49%
外回り 1番手 5- 11-  3- 51/ 70 7.1% 22.9% 27.1% 82% 87%
2番手 8-  6-  6- 60/ 80 10.0% 17.5% 25.0% 208% 127%
3〜4番手 15-  6- 16-136/173 8.7% 12.1% 21.4% 97% 79%
5〜6番手 11- 16- 13-103/143 7.7% 18.9% 28.0% 56% 108%
7〜9番手 16- 15- 13-168/212 7.5% 14.6% 20.8% 167% 97%
10番手以降 12- 13- 15-242/282 4.3% 8.9% 14.2% 50% 50%

表1で見たように、1回京都では「逃げ」か「先行」が強いことがわかった。では、具体的にどんな馬を狙えばいいのだろうか。それを知るための手掛かりとして「前走の4角通過順」に注目してみたい。まず、1回京都の内回りでは、前走4角1番手が勝率25.5%、単勝回収率313%とずば抜けており、前走4角2番手も単勝回収率188%と優秀な数字を残している。やはり、前走でも前に行っていた馬は積極的に狙ってみたいところだ。ところが、前走4角3〜4番手になると単勝回収率45%と大幅にダウンしてしまう。複勝率ベースで比較すると、前走4角2番手が23.1%、前走4角3〜4番手が22.8%と、好走率ではそれほど差がついていないのに回収率では大きな差がついているということは、前走4角2番手の馬はしばしば穴をあけるが、前走4角3〜4番手の馬の好走は上位人気馬が多く、穴をあけるケースはあまりないと考えるべきだろう。そして、前走4角5〜6番手になると好走率、回収率ともにさらにダウンするが、意外なことに前走4角10番手以降の馬は単勝回収率103%と高い。1回京都は前が有利というイメージがあるために前走4角10番手以降の馬は人気にならず、確率は低いが追い込みを決めれば穴になるし、いきなり逃げたり先行したりするとさらに大きな穴につながる場合がある、ということだろう。

1回京都の芝内回りでは大きなアドバンテージを握っていた前走4角1番手の馬だが、最後の直線距離が延びる外回りではそこまでの優位性はないようだ。連対率と複勝率はトップだが、1着5回に対して2着11回と詰めの甘さが見られ、回収率も単勝、複勝ともに80%台と水準をわずかに上回る程度にとどまっている。代わって1回京都の外回りでもっとも優秀なのは前走4角2番手の馬。勝率10.0%はトップで、単勝回収率208%と抜群だ。大雑把なイメージとしては、前走4角2番手の馬が、前走4角1番手の馬を交わしたところがゴールというシーンを思い浮かべると、1回京都の芝外回りのレース傾向を理解しやすいかもしれない。また、前走4角3〜4番手の勝率8.7%、単勝回収率97%も前走4角1番手を上回る数字で、前走4角5〜6番手の複勝回収率108%、前走4角7〜9番手の単勝回収率167%も優秀。1回京都の外回りで明確に苦しいのは前走4角10番手以降の馬だけと言えるだろう。

■表3 2回京都芝・脚質別成績

回り 脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 逃げ 2-  6-  4- 43/ 55 3.6% 14.5% 21.8% 21% 73%
先行 27- 21- 17-139/204 13.2% 23.5% 31.9% 67% 89%
差し 18- 17- 22-214/271 6.6% 12.9% 21.0% 132% 99%
追込 7- 10- 11-212/240 2.9% 7.1% 11.7% 41% 67%
マクリ 0-  0-  1-  2/  3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 120%
外回り 逃げ 9-  8-  4- 54/ 75 12.0% 22.7% 28.0% 57% 90%
先行 33- 32- 26-170/261 12.6% 24.9% 34.9% 81% 85%
差し 21- 21- 30-251/323 6.5% 13.0% 22.3% 85% 78%
追込 9- 10- 12-248/279 3.2% 6.8% 11.1% 15% 40%
マクリ 1-  0-  0-  2/  3 33.3% 33.3% 33.3% 103% 53%

すこし先のことになるが、Bコースに替わる2回京都の芝における脚質別成績も知っておきたい。データを先取りしておくことは重要だし、1回京都の脚質傾向と関連付けておけば覚えやすく、理解も深まるからだ。表3をご覧いただければわかる通り、なんといっても注目すべきなのが、1回京都の芝内回りでは勝率27.9%と圧倒的に有利だった「逃げ」が、2回京都では勝率3.6%と劇的にアドバンテージを失ってしまうことである。代わって2回京都の内回りで浮上するのが「先行」と「差し」。好走率が高く、回収率が低めの「先行」は上位人気馬を中心に、「先行」より好走率は低いものの回収率では上回る「差し」は穴馬を狙っていく作戦が有効になりそうだ。「追込」も1回京都より好走率は上昇するが、それでも積極的に狙えるほどの数字ではないので「先行」か「差し」を狙っていきたい。

2回京都で「逃げ」のアドバンテージが減少するのは、外回りでも同様である。ただし、内回りほどの大幅ダウンではなく、特に1〜3番人気馬が逃げた場合は【9.2.2.4】、勝率52.9%、複勝率76.5%、単勝回収率251%、複勝回収率129%とかなり信頼できる点は知っておきたい。そして、「逃げ」に代わって「先行」がもっとも高い好走率を記録しているのも内回りと同様だが、2回京都の外回りにおける「差し」の好走率は1回京都とほとんど変わらず、むしろわずかに下がっている点には注意すべきだ。「回収率は1回京都より高くなっており、「差し」の穴馬が好走するケースが増えるために2回京都の外回りでは差しが決まるというイメージにつながるのだろうが、実際の好走率は1回京都とほぼ同等程度。2回京都の外回りで中心視すべきは、あくまで「先行」と考えたい。

■表4 2回京都芝・前走4角通過順別成績(前走・同年1回京都芝出走馬のみ)

回り 前走4角通過順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 1番手 3-  3-  0-  7/ 13 23.1% 46.2% 46.2% 58% 77%
2番手 2-  1-  0- 17/ 20 10.0% 15.0% 15.0% 14% 17%
3〜4番手 5-  7-  2- 15/ 29 17.2% 41.4% 48.3% 58% 95%
5〜6番手 3-  1-  3- 17/ 24 12.5% 16.7% 29.2% 45% 48%
7〜9番手 3-  7-  5- 31/ 46 6.5% 21.7% 32.6% 26% 124%
10番手以降 2-  3-  0- 29/ 34 5.9% 14.7% 14.7% 74% 90%
外回り 1番手 1-  3-  1- 13/ 18 5.6% 22.2% 27.8% 35% 84%
2番手 7-  6-  4- 15/ 32 21.9% 40.6% 53.1% 114% 112%
3〜4番手 11-  9-  4- 30/ 54 20.4% 37.0% 44.4% 194% 122%
5〜6番手 8-  5-  4- 25/ 42 19.0% 31.0% 40.5% 116% 76%
7〜9番手 6-  6-  8- 51/ 71 8.5% 16.9% 28.2% 53% 64%
10番手以降 6-  6-  5- 65/ 82 7.3% 14.6% 20.7% 40% 54%

2回京都についても前走の4角通過順別の成績を見ていくが、ここでの前走は1回京都の芝に限定することにした。当然ながら、2回京都出走馬の前走は1回京都であることが多い。つまり、2回京都の芝においては、「逃げ」が圧倒的に有利な1回京都の芝で4角を何番手で通過していた馬を狙うといいのかを調べてみよう、という主旨である。

まず、2回京都の内回りについては、前走の4角通過順が何番手だったかを問わず、総じて単勝回収率が低いことに注意する必要がある。つまり、2回京都の内回りでは、前走で1回京都に出走していた馬が過剰人気になる傾向があるようなのだ。特に危険なのが1回京都の前走で4角2番手だった馬で、単複の回収率はいずれも10%台という厳しい数字になっている。2回京都の内回りで前走1回京都出走馬を狙うのであれば、複勝率48.3%、複勝回収率95%の前走4角3〜4番手か、複勝率32.6%、複勝回収率124%の前走7〜9番手の馬を相手としてピックアップするといいだろう。

2013/2/3 中山11R きさらぎ賞(G3)1着 3番 タマモベストプレイ

一方、2回京都でも外回りになると、前走1回京都出走馬を積極的に狙っていけるようになる。1回京都で4角を2番手から6番手のあいだで通過していた馬は好走率、回収率がともに高く、なかでも複勝率53.1%の前走4角2番手や、単勝回収率194%の前走4角3〜4番手が優秀だ。一方、1回京都で前走4角1番手の馬や、7番手以降だった馬は苦戦している。つまり、1回京都で前走4角1番手だった馬は、馬場の恩恵に与っていた可能性が高く、表3で見た通り、2回京都の外回りは一般的なイメージほど「差し」に有利なわけではないことを思い起こせば、前走4角7番手以降の馬が振るわないことも納得できるはずだ。改めてまとめておくと、2回京都の外回りで狙ってみたいのは、1回京都で4角7番手以降から差し届かなかった馬ではなく、ある程度は前につけて4角を2〜6番手で通過していた馬である。具体例を挙げると、昨年のきさらぎ賞を勝ったタマモベストプレイがこれに該当する。1回京都のシンザン記念では4角3番手から3着に入っていたが、全兄たちが短距離馬ばかりという血統背景もあって、2回京都のきさらぎ賞では6番人気にとどまった。しかし、2回京都の外回りでは、1回京都で4角を2〜6番手で通過していた馬こそが狙い目となり、きさらぎ賞のタマモベストプレイはまさに好走イメージ通りの馬だったのである。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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