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第762回 10年ぶりの有馬記念2勝馬誕生か? 有馬記念を分析する

2013/12/19(木)

今年の中央競馬を締めくくる大一番、有馬記念。今年は一昨年の覇者オルフェーヴル、昨年の覇者ゴールドシップと、2頭の優勝実績馬が参戦してきた。ただ、海外遠征帰りや近走不振といった不安材料もあり、ライバルたちも虎視眈々と勝機をうかがっている。果たして02〜03年のシンボリクリスエス以来10年ぶりに有馬記念2勝馬が誕生するのか、それとも他馬が待ったをかけるのか。データから分析してみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 古馬G1で好走した前走海外出走の中央競馬所属馬(03年〜)

レース 馬名 人気 着順 前年以前当該レース 前走 着順
04 有馬記念 タップダンスシチー 3 2 前々年2着 凱旋門賞 17
05 スプリンターズS デュランダル 2 2 前々年1着 香港マイル 5
天皇賞(秋) ゼンノロブロイ 1 2 前年1着 インターナショナルS 2
06 安田記念 アサクサデンエン 10 2 前年1着 ドバイデューティーフリー 15
ジャパンC ディープインパクト 1 1 未経験 凱旋門賞 3失
有馬記念 ポップロック 6 2 未経験 メルボルンC 2
07 安田記念 ダイワメジャー 2 1 前年4着 ドバイデューティーフリー 3
宝塚記念 アドマイヤムーン 3 1 未経験 QE2世C 3
08 ヴィクトリアM ウオッカ 1 2 未経験 ドバイデューティーフリー 4
09 ヴィクトリアM ウオッカ 1 1 前年2着 ドバイデューティーフリー 7
10 ヴィクトリアM ブエナビスタ 1 1 未経験 ドバイシーマクラシック 2
ジャパンC ヴィクトワールピサ 8 3 未経験 凱旋門賞 7
11 ヴィクトリアM ブエナビスタ 1 2 前年1着 ドバイワールドC 8
南部杯 トランセンド 1 1 未経験 ドバイワールドC 2
12 宝塚記念 ルーラーシップ 2 2 前年5着 QE2世C 1
ジャパンC オルフェーヴル 1 2 未経験 凱旋門賞 2
13 宝塚記念 ジェンティルドンナ 1 3 未経験 ドバイシーマクラシック 2

今年、もっとも注目を集める存在は凱旋門賞帰りのオルフェーヴル。そこで表1は、前走で海外の競馬に出走し、古馬G1で3着以内に出走した中央馬について調べたものだ(03年以降)。この好走馬17頭中15頭に共通するのは、前走の海外で3位以内入線、または前年以前の当該レースで連対した実績を持っていたこと。今年のオルフェーヴルは前走2着、そして一昨年の有馬記念優勝で、その両条件をクリアしている。
なお、古馬G1で前走が海外だった中央馬全体の成績は、03年以降【6.9.2.27】で連対率34.1%。このうち1番人気馬は【4.4.1.0で、オルフェーヴルが1番人気に推されれば、より信頼性は高くなりそうだ。また、有馬記念の前走海外組は【0.2.0.5】で、04年2着のタップダンスシチーは前々年の有馬記念2着馬。そして06年2着のポップロックは同年の目黒記念1着馬と、ともに芝2500mの重賞連対実績馬だった。この点でも、有馬記念優勝実績を持つオルフェーヴルは条件をクリアする。

■表2 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年
1 6-3-0-1/10 60.0% 90.0% 90.0% 133% 111% 3-2-0-0
2 2-0-1-7/10 20.0% 20.0% 30.0% 124% 49% 2-0-1-2
3 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 67% 0-0-0-5
4 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 171% 49% 0-0-0-5
5 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 37% 0-0-0-5
6 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 122% 0-0-0-5
7 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 49% 0-1-0-4
8 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5
9 1-0-2-7/10 10.0% 10.0% 30.0% 523% 213% 0-0-1-4
10 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 113% 0-1-1-3
11〜 0-1-2-43/46 0.0% 2.2% 6.5% 0% 85% 0-1-2-21

2012/12/23 中山10R 有馬記念(G1)1着 13番 ゴールドシップ 1番人気

ここからは、有馬記念の傾向を見ていきたい。まず表2は人気別の成績で、1番人気は【6.3.0.1でなんと連対率90.0%。着外8着に敗れた07年のメイショウサムソンは前年も5着敗退を喫しており、他の連対した9頭は既に有馬記念で3着以内の好走実績を持つ馬か、3歳の有馬記念未経験馬だった。
1番人気以外は下位人気まで好走馬が広く分散しているが、そんな中で注目したいのは、表の右に記した08年以降の傾向だ。この5年間の優勝馬はすべて1〜2番人気。そして3着以内馬は1〜2番人気以外なら7番人気以下ばかりで、3〜6番人気は【0.0.0.20】。単勝オッズで見ると8.5〜26.7倍の馬は【0.0.0.27である。また、5年連続で9番人気以下から最低1頭は2〜3着馬が出ており(6年前は1着が9番人気)、相手候補にはぜひ穴馬を拾いたい傾向だ。

■表3 牡・セン馬年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
3歳 3-2-2-28/35 8.6% 14.3% 20.0% 38% 64%
4歳 5-2-1-21/29 17.2% 24.1% 27.6% 259% 116%
5歳 1-1-4-24/30 3.3% 6.7% 20.0% 13% 52%
6歳 0-0-1-20/21 0.0% 0.0% 4.8% 0% 25%
7歳以上 0-2-2-14/18 0.0% 11.1% 22.2% 0% 196%

今年は牝馬の登録がないため、表3では牡・セン馬に限定した年齢別の成績を調べてみた。好成績を挙げているのは10年で5勝の4歳馬で(ほかに牝馬1勝)、好走確率や単複の回収率でも一歩リード。これに続くのが3歳馬で、牡・セン馬の優勝馬9頭中8頭、連対馬16頭中12頭が3〜4歳馬から出ている。その他では、5歳馬や7歳以上は複勝率なら20%台になり、3連複の候補としては軽視禁物。6歳馬は21頭が出走して3着1回の不振である。
なお、牝馬も含めた成績では過去10年のうち9回は4歳馬が連対。連対のなかった09年は4歳馬の出走自体がなく、出走1頭だった04年はゼンノロブロイが1着。2頭だった03年はシンボリクリスエス、06年はディープインパクトが優勝している。出走馬が1頭でもいれば連対候補に加えたいのが4歳馬だ。また、ここ3年は3着以内馬9頭中8頭が3〜4歳馬である。

■表4 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 2-2-0-11/15 13.3% 26.7% 26.7% 69% 54%
2枠 1-0-2-13/16 6.3% 6.3% 18.8% 326% 108%
3枠 1-3-1-12/17 5.9% 23.5% 29.4% 7% 80%
4枠 0-3-3-13/19 0.0% 15.8% 31.6% 0% 113%
5枠 2-1-2-14/19 10.5% 15.8% 26.3% 111% 82%
6枠 1-0-1-18/20 5.0% 5.0% 10.0% 11% 70%
7枠 1-0-1-18/20 5.0% 5.0% 10.0% 13% 23%
8枠 2-1-0-17/20 10.0% 15.0% 15.0% 26% 126%

枠番別の成績では、1枠から8枠まですべて連対馬を輩出。ただ、6、7枠は連対率5.0%、複勝率10.0%に終わっており、5枠以内が優勢だ。外枠なら6〜7枠より、むしろ大外8枠のほうが好走確率は高く出ている。

■表5 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
逃げ 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 26% 40%
先行 5-4-5-25/39 12.8% 23.1% 35.9% 211% 137%
中団 4-4-3-43/54 7.4% 14.8% 20.4% 18% 64%
後方 0-1-2-39/42 0.0% 2.4% 7.1% 0% 66%
マクリ 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

Target frontier JVによる脚質傾向では「先行」が9連対、「中団」が8連対など、3着以内馬30頭中25頭が「先行」または「中団」に分類された馬だった。1番人気で唯一連対を外した07年のメイショウサムソンは、道中11番手でこの分類では「後方」に入る位置取りだった。09年のドリームジャーニーや、一昨年のオルフェーヴル、昨年のゴールドシップなど、たとえレース前半は後方に位置していても、勝負どころでは中団あたりまで取りつきたい。
また、ダイワスカーレットが逃げ切った08年は、2着アドマイヤモナークが「後方」の馬。そして10年は上位6頭中5頭が4角4番手以内の中で、2着ブエナビスタだけが8番手から差し込んだ例などがあり、同脚質同士の組み合わせで馬券を固めてしまうのは危険である。

■表6 前走レース別成績

前走レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ジャパンC 5-3-4-55/67 7.5% 11.9% 17.9% 46% 78%
天皇賞(秋) 3-0-2-6/11 27.3% 27.3% 45.5% 535% 206%
菊花賞 2-2-1-6/11 18.2% 36.4% 45.5% 44% 71%
エリザベス女王杯 0-2-0-4/6 0.0% 33.3% 33.3% 0% 85%
金鯱賞 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 265%
凱旋門賞 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 135%
メルボルンC 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 180%
マイルCS 0-0-2-0/2 0.0% 0.0% 100.0% 0% 380%
中日新聞杯 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 630%
JC以外の国内芝G1 5-4-5-18/32 15.6% 28.1% 43.8% 199% 135%
※好走馬輩出レースを抜粋、赤字はG1、背景灰色は本年登録馬なし

続いて表6は前走レース別の成績。最多の好走馬12頭を輩出するのはジャパンC組だが、連対率は11.9%止まり。過去10年全馬の連対率13.7%を下回り、好走確率の面では「平均以下」という結果に終わっているため、その中で取捨をしっかり考える必要がある。一方、そのジャパンCを除いた国内芝G1組は連対率28.1%、複勝率43.8の好成績。今年の登録馬では秋の天皇賞からの直行馬が該当するが、単複の回収率も高く、注目は欠かせない。
また、前走がG1以外だった好走馬は、10年3着のトゥザグローリー(中日新聞杯1着)と、昨年2着のオーシャンブルー(金鯱賞1着)2頭のみ。10年の中日新聞杯は現在の金鯱賞と近い条件で行われており、前走G1組以外を狙うなら金鯱賞優勝馬だ。なお、今年の登録馬が該当するその他のレースでは、ステイヤーズS組が【0.0.0.12】、福島記念組が【0.0.0.4】。そして現在の朝日チャレンジCに相当する鳴尾記念組が【0.0.0.6】である。

■表7 前走ジャパンC組の好走馬

馬名 有馬記念 ジャパンC 中山芝2500m重賞実績 その他同年実績
人気 着順 人気 着順
03 シンボリクリスエス 1 1 1 3 前年1着  
04 ゼンノロブロイ 1 1 1 1 前年3着、同年日経賞2着  
05 ハーツクライ 4 1 2 2 前年9着 宝塚記念2着
リンカーン 6 3 9 4 前々年2着  
06 ディープインパクト 1 1 1 1 前年2着  
08 アドマイヤモナーク 14 2 16 12 同年日経賞3着  
09 エアシェイディ 11 3 11 5 前年3着  
10 ヴィクトワールピサ 2 1 8 3 未経験 皐月賞1着
ブエナビスタ 1 2 1 1降2 前年2着  
11 エイシンフラッシュ 7 2 5 8 前年7着 宝塚記念3着
トゥザグローリー 9 3 8 11 前年3着  
12 ルーラーシップ 2 3 2 3 前年4着、同年日経賞3着  

表7は、前走ジャパンC組の好走馬12頭である。そのジャパンCでの成績は12頭中9頭が5着以内、そして半数の6頭が3着以内と、掲示板くらいは確保しているのが理想だ。また、実績面では12頭中9頭が前年以前の有馬記念か、同じ中山芝2500mで行われる同年の日経賞で3着以内の実績を持つ馬だった。残る3頭は同年に、中山でG1を勝っているか、春のグランプリ・宝塚記念(阪神内回り2200m)で3着以内の馬である。東京のジャパンCで好走するだけではなく、中山芝2500mのG2以上や、小回りコースのG1で結果を出していることも取捨のポイントになる。

■表8 前走天皇賞(秋)組の好走馬

馬名 有馬記念 天皇賞(秋) 前年有馬記念以降の主な実績
人気 着順 人気 着順
04 シルクフェイマス 9 3 5 10 宝塚記念2着、京都記念1着
07 マツリダゴッホ 9 1 8 15 アメリカJCC1着、オールカマー1着
08 ダイワスカーレット 1 1 2 2 (前年有馬記念2着)、大阪杯1着
エアシェイディ 10 3 8 5 アメリカJCC1着
09 ドリームジャーニー 2 1 4 6 宝塚記念1着、大阪杯1着

表8は、前走天皇賞(秋)組の好走馬5頭である。こちらは5頭中4頭が天皇賞馬券圏外、3頭が掲示板外と、大きく負けていた馬でも巻き返しは可能だ。この5頭の共通点としては、直近2回のグランプリ(前年の有馬記念か、同年の宝塚記念)で連対しているか、過去1年以内に中山でG2勝ちがあったことが挙げられる。

【結論】
1番人気馬が過去10年で連対率90.0%の有馬記念。過去5年の好走馬は1〜2番人気か7番人気以下にかぎられる。年齢別では3〜4歳が優勢。前走別ではジャパンC組の好走が多いものの好走確率は低く、その他の国内芝G1組にも注目したい。

2011/12/25 中山10R 有馬記念(G1)1着 9番 オルフェーヴル

今年、人気の中心になりそうなオルフェーヴルは、表1で触れたように前走海外組のG1好走条件はことごとくクリア。気になるのは5歳という年齢(表3)だが、有馬記念で好走した前走海外組は、タップダンスシチーが7歳馬、そしてポップロックが5歳馬と、ともに過去10年で好走の多い3〜4歳からは外れた馬だった。そしてなにより、1番人気の支持を受けそうなことが一番の強調材料で、このレースの過去10年では【6.3.0.1】(表2)。そして03年以降の古馬G1で1番人気に推された前走海外の中央馬は【4.4.1.0】(表1本文)。今年は他馬に減点材料が多いこともあり、力通りの走りを期待して良さそうな印象だ。

その他では、まず好走確率が高い「前走ジャパンC以外の芝G1組」(表6)から、ヴェルデグリーンダノンバラードの2頭。ヴェルデグリーンは前々走のオールカマー勝ち、ダノンバラードは本年のアメリカJCC勝ちに宝塚記念2着で、天皇賞組の好走条件はクリアしている(表8)。さらに、前走金鯱賞1着(表6本文)のカレンミロティックも候補の1頭だ。ただ、この3頭は成績ひと息の5歳馬である(表3)。金鯱賞(G2)が昨年からこの時期になり、これから有力なステップレースになると考える方なら、同レース2着だった3歳馬(表3)のラブリーデイまで加える手もある。このあたりは表2の近5年の傾向で記した「7番人気以下」に該当する馬も多くなりそうで、穴候補として注目したい。

一方、好走馬の多く輩出する前走ジャパンC組は一長一短である。この組の前走着順(表7)では3着のトーセンジョーダンと4着のアドマイヤラクティだが、ともに中山芝2500mの重賞実績をクリアできない(同じく表7)。逆に、有馬記念の好走実績があるエイシンフラッシュとゴールドシップは、ジャパンC10、15着という着順が減点材料だ。そんな中では、強調材料も併せ持つのが4歳のゴールドシップで、4歳馬は出走がなかった09年以外は毎年連対を果たしている(表3本文)。また、上位人気が予想されるこの4頭の中で、表2で触れた近5年の「1〜2番人気か7番人気以下」という傾向から、2番人気に推される馬にも要注意。もしゴールドシップが2番人気になれば、より有力な候補として挙げられる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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