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第746回 実績馬か、それとも新星誕生か? 天皇賞(秋)を分析する

2013/10/24(木)

今週のG1は秋の天皇賞。ここからジャパンC、有馬記念と繋がる、いわゆる「秋の古馬三冠」開幕戦となる。昨年の年度代表馬・ジェンティルドンナや、連覇を狙うエイシンフラッシュの名前も見られる一方で、多くの実績馬が回避し、ここでG1初制覇を目論む馬も多数参戦する。実績馬がその力を改めて見せつけるのか、それとも新星誕生となるのか。データから分析してみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 06年〜
1 5-2-1-2/10 50.0% 70.0% 80.0% 139% 105% 3-1-1-2
2 0-2-3-5/10 0.0% 20.0% 50.0% 0% 97% 0-2-3-2
3 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 15% 0-0-1-6
4 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 70% 48% 1-1-0-5
5 2-1-0-7/10 20.0% 30.0% 30.0% 281% 87% 2-0-0-5
6 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 104% 0-0-2-5
7 1-3-0-6/10 10.0% 40.0% 40.0% 333% 276% 1-3-0-3
8 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-7
9 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 56% 0-0-0-7
10 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 56% 0-0-0-7
11〜 1-1-1-71/74 1.4% 2.7% 4.1% 102% 45% 0-0-0-51

過去10年、1番人気は【5.2.1.2で連対率70.0%、複勝率80.0%の安定感を誇る。ただ、2番人気は複勝率こそ50.0%ながら勝利はなく3番人気は3着1回のみにとどまる。その一方で人気薄側も8番人気以下の好走馬5頭は03〜05年に出ており、06年以降の好走馬はすべて7番人気以内だ。また、その06年以降にかぎれば2番人気も【0.2.3.2】複勝率71.4%になり、特に3連複の候補としては有力になる。

■表2 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 牝馬
3歳 0-3-2-11/16 0.0% 18.8% 31.3% 0% 112% 0-1-0-1
4歳 5-3-3-33/44 11.4% 18.2% 25.0% 31% 84% 2-1-2-1
5歳 4-4-4-40/52 7.7% 15.4% 23.1% 255% 102% 1-0-1-4
6歳 0-0-1-27/28 0.0% 0.0% 3.6% 0% 24% 0-0-0-1
7歳以上 1-0-0-33/34 2.9% 2.9% 2.9% 33% 7% 出走なし

2008/11/2 東京11R 天皇賞(秋)(G1)1着 14番 ウオッカ

年齢別では4、5歳に好走馬が集中しており、勝ち馬10頭中9頭、連対馬20頭中16頭はこの4〜5歳から出ている。特に4歳の牝馬は【2.1.2.1。表1にあった1番人気の3着以下3頭はすべて牝馬だが、いずれも5歳の牝馬だった。
なお、3歳の好走馬5頭はG2以上の優勝実績馬で、前走もG2以上で1番人気かつ5着以内。また、6歳以上の好走は2回ともカンパニーで、2度とも前走で重賞制覇を果たしていた。

■表3 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 3-1-1-15/20 15.0% 20.0% 25.0% 404% 123%
2枠 1-2-1-16/20 5.0% 15.0% 20.0% 57% 99%
3枠 0-0-2-17/19 0.0% 0.0% 10.5% 0% 46%
4枠 0-4-3-13/20 0.0% 20.0% 35.0% 0% 95%
5枠 0-2-0-18/20 0.0% 10.0% 10.0% 0% 60%
6枠 2-0-2-16/20 10.0% 10.0% 20.0% 249% 117%
7枠 3-1-0-22/26 11.5% 15.4% 15.4% 50% 24%
8枠 1-0-1-27/29 3.4% 3.4% 6.9% 9% 13%

枠番別で複数の勝ち馬を出しているのは、1、6、7枠。他の枠にも2〜3着は多く、特に4枠は好走馬7頭で複勝率トップの35.0%を記録するものの、1着候補としては勝ち馬の出ていない3〜5枠は減点材料になる。

■表4 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
逃げ 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 13%
先行 2-3-2-28/35 5.7% 14.3% 20.0% 28% 96%
中団 8-4-5-64/81 9.9% 14.8% 21.0% 182% 88%
後方 0-2-3-43/48 0.0% 4.2% 10.4% 0% 23%

Target frontier JVの脚質分類によると、「先行」での優勝は06年のダイワメジャーと、07年のメイショウサムソンのみ。他の優勝馬8頭は「中団」から出ている。「後方」になると好走5頭とも2〜3着止まりで、優勝は95年のサクラチトセオーが最後となっている。また、「逃げ」に分類された馬の勝利は91年のプレクラスニー(2位入線繰り上がり)、1位入線なら87年のニッポーテイオーまでさかのぼる。この2回は重〜不良馬場で行われたレースだった。

■表5 前走クラス/レース別成績

前走クラス/レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1600万下 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
OPEN特別 該当馬なし
G3 0-0-2-11/13 0.0% 0.0% 15.4% 0% 127%
G2 7-6-6-100/119 5.9% 10.9% 16.0% 126% 59%
G1 3-3-2-25/33 9.1% 18.2% 24.2% 23% 88%
毎日王冠 4-3-2-54/63 6.3% 11.1% 14.3% 60% 46%
宝塚記念 3-2-1-16/22 13.6% 22.7% 27.3% 35% 70%
札幌記念 2-0-2-6/10 20.0% 20.0% 40.0% 1091% 259%
京都大賞典 1-0-1-14/16 6.3% 6.3% 12.5% 21% 43%
オールカマー 0-1-0-21/22 0.0% 4.5% 4.5% 0% 19%
秋華賞 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 515%
セントライト記念 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 70%
大阪杯 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 130%
インターナショナルS 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 130%
天皇賞(春) 0-0-1-4/5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 70%
神戸新聞杯 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 75%
府中牝馬S 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 970%
関屋記念 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 690%
※クラスは中央競馬のみ、レースは好走馬輩出レース

前走レース別で多くの出走馬を出しているのは、毎日王冠、宝塚記念、オールカマー、京都大賞典、そして札幌記念のG1〜G2で、G3以下では好走しても3着まで。中でも好走確率が高いのは宝塚記念と札幌記念多数の好走馬を輩出するのは毎日王冠だ。この3レース以外は多くても3着以内2頭、連対馬1頭にとどまる。

■表6 G1連対実績を持たない好走馬

馬名 天皇賞 前走
人気 着順 レース 人気 着順
03 テンザンセイザ 10 3 毎日王冠 8 5
05 ヘヴンリーロマンス 14 1 札幌記念 9 1
06 スウィフトカレント 7 2 オールカマー 3 4
アドマイヤムーン 2 3 札幌記念 1 1
07 アグネスアーク 7 2 毎日王冠 5 2
カンパニー 6 3 関屋記念 1 1
09 カンパニー 5 1 毎日王冠 4 1
10 ペルーサ 4 2 毎日王冠 1 5
アーネストリー 2 3 札幌記念 1 1
11 トーセンジョーダン 7 1 札幌記念 1 1
ダークシャドウ 2 2 毎日王冠 1 1

今年はG1実績を持たない馬も多く参戦が予定されているが、過去10年、G1で連対経験のなかった好走馬は表6の11頭で、すべて前走5着以内、そして9頭は毎日王冠か札幌記念に出走していた。

■表7 前走毎日王冠組の好走馬

馬名 天皇賞 毎日王冠
人気 着順 人気 着順
03 テンザンセイザ 10 3 8 5
06 ダイワメジャー 4 1 3 1
07 アグネスアーク 7 2 5 2
08 ウオッカ 1 1 1 2
09 カンパニー 5 1 4 1
ウオッカ 1 3 1 2
10 ペルーサ 4 2 1 5
11 ダークシャドウ 2 2 1 1
12 エイシンフラッシュ 5 1 2 9

ここからは前走レース別のデータをもう少し掘り下げたい。最多の好走馬9頭を出す毎日王冠組は、過去10年では05年まで3着1回のみだったが、06年以降は7年連続連対中。好走確率こそ低くても、何頭かは候補に組み入れておきたいレースになる。取捨のポイントは前走の着順と人気で、その06年以降の好走馬は毎日王冠で1〜2番人気に推された馬か、連対馬だった。

■表8 前走宝塚記念組の好走馬

馬名 天皇賞 宝塚記念 東京G1 その他G1
人気 着順 人気 着順
03 シンボリクリスエス 1 1 1 5 ダービー2着 天皇賞(秋)1着(中山)
ツルマルボーイ 5 2 8 2 未経験 宝塚記念2着
07 メイショウサムソン 1 1 2 2 ダービー1着 天皇賞(春)1着
09 スクリーンヒーロー 7 2 6 5 ジャパンC1着 有馬記念5着
10 ブエナビスタ 1 1 1 2 オークス1着 桜花賞1着
12 ルーラーシップ 2 3 2 2 ダービー5着 QE2世C1着(香港)

続いて前走宝塚記念からの直行馬。こちらは宝塚記念で5着以内が条件で、加えてG1勝ち(6頭中5頭)や東京のG1で連対実績(同4頭)を持つことが望ましい。G1は宝塚記念2着が最高だったツルマルボーイは、G1馬で東京のG1・2着もあったシンボリクリスエス(宝塚記念は5着)の逆転を許している。なお、直行馬以外も含めた同年の宝塚記念出走馬は過去10年で8勝、2着3回、3着2回。この好走馬13頭中11頭は宝塚記念5着以内、6着以下の2頭は間に1レース挟んでいる。

■表9 前走札幌記念組の好走馬

馬名 天皇賞 札幌記念
人気 着順 人気 着順
05 ヘヴンリーロマンス 14 1 9 1
06 アドマイヤムーン 2 3 1 1
10 アーネストリー 2 3 1 1
11 トーセンジョーダン 7 1 1 1

表9は、宝塚記念と同じく好走確率の高い札幌記念組。こちらは非常にシンプルで、狙えるのは札幌記念優勝馬のみ。また、4頭のうちヘヴンリーロマンスを除く3頭は札幌記念で1番人気に推された馬だった。

■表10 表7〜9以外の好走馬

馬名 天皇賞 前走 2000m重賞 東京重賞
人気 着順 レース 人気 着順
04 ゼンノロブロイ 1 1 京都大賞典 1 2 神戸新聞杯1着 青葉賞1着
ダンスインザムード 13 2 秋華賞 1 4 アメリカンオークス2着 オークス4着
アドマイヤグルーヴ 9 3 京都大賞典 2 4 ローズS1着 オークス7着
05 ゼンノロブロイ 1 2 英・インターナショナルS 2 天皇賞(秋)1着 ジャパンC1着
ダンスインザムード 13 3 府中牝馬S 2 8 天皇賞(秋)2着 天皇賞(秋)2着
06 スウィフトカレント 7 2 オールカマー 3 4 小倉記念1着 青葉賞4着
07 カンパニー 6 3 関屋記念 1 1 大阪杯1着 安田記念5着
08 ダイワスカーレット 2 2 大阪杯 1 1 秋華賞1着 未経験
ディープスカイ 3 3 神戸新聞杯 1 1 未経験 ダービー1着
11 ペルーサ 6 3 天皇賞(春) 4 8 天皇賞(秋)2着 青葉賞1着
12 フェノーメノ 1 2 セントライト記念 1 1 弥生賞6着 青葉賞1着(ダービー2着)

最後に表10は、表7〜9の毎日王冠、宝塚記念、札幌記念以外をステップにした好走馬だが、ここ4年は好走馬2頭と、近年は主要ステップ3競走に押され気味だ。また、好走馬11頭中10頭が2〜3着で05年以降は勝ち馬が出ていない。
この11頭中9頭に共通するのは前走4着以内だったことで、残る2頭・05年のダンスインザムードと11年のペルーサは、前年のこのレース連対実績馬だった。さらに、前走2番人気以内(日本で出走した10頭中8頭)、2000mでの重賞勝ちかG1連対(11頭中9頭)も条件になる。2000mでの重賞実績に欠けた2頭は、東京コースでのG1勝ち、あるいはG1連対+重賞勝ちという実績を残していた。

【結論】
1番人気が複勝率80.0%と安定している天皇賞(秋)。06年以降の好走馬は7番人気以内で、以前のような超人気薄の激走も見られなくなっている。年齢は4〜5歳が中心。前走は毎日王冠、宝塚記念、札幌記念からの好走馬が多く、特にここ4年はこの3レースが好走馬12頭中10頭を占めている。

2012/11/25 東京11R ジャパンカップ(G1)1着 15番 ジェンティルドンナ

当日の人気(3番人気不振・表1)や、枠順(3〜5枠は勝利なし・表3)も押さえておきたいデータになるが、現時点での有力どころを挙げると、まずは昨年の年度代表馬・ジェンティルドンナ。宝塚記念以来の休養明けは5着以内馬なら問題なく、この組に必要な東京G1実績もジャパンC制覇などで不足はない(表8)。表8本文でも触れたように、近年は直行馬以外も含め同年の宝塚記念出走馬が多く勝利している点も好材料だ。4歳牝馬の安定感も見逃せない(表2)。

続いてはジャスタウェイ。毎日王冠組で狙えるのは連対馬か1〜2番人気馬で(表7)、2着のこの馬は条件をクリア。また、過去10年で最多の5勝を数える4歳馬(表2)だ。あまり人気薄になると狙いづらいが、7番人気以内に踏みとどまればチャンスがある(表1)。そして同じく4歳で、札幌記念を制した(表9)トウケイヘイローも、脚質面(表4)を除けば有力な1頭になる。この2頭はG1連対実績を持たないものの、そういった馬でも多く好走しているのが毎日王冠・札幌記念組(表6)。もし今年G1初制覇があるなら、まずこの2頭の名前が挙がってくる。

その他では、宝塚記念2着、オールカマー3着の5歳馬・ダノンバラード。5歳馬は4歳馬と並ぶ8連対(表2)。主要ステップ3競走以外は主に2〜3着候補になるものの(表10)、前走は1番人気3着、2000mでの重賞優勝実績(ラジオNIKKEI杯2歳S)と条件をクリアし、相手候補としては有力な1頭だ。そして連覇を狙うエイシンフラッシュは、毎日王冠の優勝馬(表7)。昨年からひとつ年齢を重ね6歳になったことは減点材料ながら(表2)、前走で重賞制覇という点ではカンパニーの6歳以上での好走2回と合致する(同本文)。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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