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第744回 エピファネイアの好走可能性は高いが!? 菊花賞を占う

2013/10/17(木)

今年の菊花賞は皐月賞馬ロゴタイプ、ダービー馬キズナがともに不在のなかで行なわれることとなった。そうなると、春の二冠でいずれも2着に惜敗したエピファネイアに注目が集まるのは当然だろう。断然の1番人気に支持されることが予想されるなか、期待に応えて最後の一冠を射止めることができるのか、エピファネイアが敗れるとしたらどんな馬なのか、過去の傾向から調べてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 皐月賞馬とダービー馬不在の菊花賞で1番人気に推されたダービー2着馬の成績(86年以降)

着順 馬名 皐月賞 ダービー 前走
90 3 メジロライアン 3着 2着 京都新聞杯1着
97 5 シルクジャスティス 不出走 2着 京都大賞典1着
04 7 ハーツクライ 14着 2着 神戸新聞杯3着
10 2 ローズキングダム 4着 2着 神戸新聞杯1着

JRA-VAN DataLab.によってデータが提供されている1986年以降、皐月賞馬とダービー馬がともに不在となった菊花賞で、ダービー2着馬が1番人気に推されたケースは1990年、1997年、2004年、2010年と4回あった。しかし、表1のようにこのケースに該当する4頭のなかに1番人気に応えて菊花賞を制した馬はおらず、4頭のうち2頭は馬券圏内に入ることもできなかった。つまり、皐月賞やダービーを制したライバルが不在になったからといって、1番人気に推されたダービー2着馬がすんなりと1着に繰り上がれるかといえば、実際にはそれほど簡単ではないと考えたほうがいいようなのだ。

皐月賞馬とダービー馬が不在の菊花賞で1番人気に推されたダービー2着馬のうち、勝てないまでも馬券圏内には入ったのが90年3着のメジロライアンと10年2着のローズキングダム。一方、馬券圏内に入れなかったのが97年5着のシルクジャスティスと04年7着のハーツクライ。この4頭の菊花賞まで戦績を比較すると、皐月賞および前走の成績に好走できるかどうかのカギが潜んでいるようだ。まず、好走したメジロライアンとローズキングダムの皐月賞と前走の成績を確認すると、皐月賞ではダービーの優先出走権を得られる4着以内を確保し、前走では勝利を収めていたことがわかる。ところが、好走できなかった2頭であるシルクジャスティスとハーツクライは、皐月賞に出走できなかったか大敗を喫していた。さらに、前走でも3着に敗れていたハーツクライは菊花賞で掲示板を確保することすら叶わなかった。

以上をまとめると、1986年以降、皐月賞馬とダービー馬が不在の菊花賞で、1番人気に応えて勝ったダービー2着馬はいない。ただし、皐月賞で4着以内に入り、前走を勝っていた馬であれば馬券圏内を確保する可能性は高い。そのように考えられるのではないだろうか。

■表2 春の二冠勝ち馬が不在でダービー2着馬が1番人気に推された菊花賞の1〜3着馬(86年以降)

着順 人気 馬名 前走 2走前 3走前 4走前 好走パターン
距離 クラス 着順 クラス 着順 クラス 着順 クラス 着順
90 1 4 メジロマックイーン 芝3000m 1500万下 2 900万下 1 500万下 1 500万下 2 C
2 2 ホワイトストーン 芝2200m G2 1 G1 3 G2 3 G1 8 A
3 1 メジロライアン 芝2200m G2 1 G1 2 G1 3 G2 1 A
97 1 3 マチカネフクキタル 芝2200m G2 1 G2 1 900万下 1 G1 7 B
2 7 ダイワオーシュウ 芝2200m G2 2 900万下 1 500万下 1 未勝利 1 B
3 2 メジロブライト 芝2200m G2 3 G1 3 G1 4 G2 2 A
04 1 8 デルタブルース 芝2500m 1000万下 1 1000万下 5 500万下 1 G2 13 C
2 4 ホオキパウェーブ 芝2200m G2 2 G1 9 G2 2 500万下 1 B
3 6 オペラシチー 芝2000m 古馬G3 7 1000万下 1 500万下 1 未勝利 1 B
10 1 7 ビッグウィーク 芝2400m G2 3 1000万下 1 500万下 1 未勝利 1 B
2 1 ローズキングダム 芝2400m G2 1 G1 2 G1 4 G2 3 A
3 13 ビートブラック 芝2400m 1000万下 1 1000万下 7 OP特別 5 500万下 1 C
※1500万下は現在の1600万下、900万下は現在の1000万下に相当
※古馬と付いていない重賞はすべて3歳限定戦

ここからは90年、97年、04年、10年の菊花賞ではどんな馬が好走していたのかを、前4走の成績から確認していこう。

まず触れなくてはならないのが、表2の12頭のうち11頭までが前走で3着以内に入っていたことである。唯一、前走で3着以内に入れなかったのが04年3着のオペラシチーで、この馬は古馬混合G3を使ってコンマ3秒差の7着に破れていた。つまり、裏を返せば、前走で条件戦か同じ3歳馬相手の重賞を使って4着以下に敗れているようでは厳しいということだろう。皐月賞馬もダービー馬も不在となればついつい波乱を期待したくなってしまうかもしれないが、基本的には前走で3着以内にしっかりと走っていた馬を狙わなければならない。

ここからは4つに分類して、好走パターンを見て行きたい。最初のパターンが「前4走ですべて重賞に出走」していた馬で、このパターンの好走馬には「前4走のうち3走以上で3着以内」に入っていたという共通点がある。90年2着のホワイトストーン、97年3着のメジロブライトのほか、表1で触れた90年3着のメジロライアンと10年2着のローズキングダムもこの条件を満たしている。ただし、この4頭はいずれもダービーで3着以内に入っていたほどの実力馬でありながら、勝ち馬にはなれなかった点に注意しなくてはならないだろう。この、前4走ですべて重賞に出走し、3走以上で3着以内だった馬を好走パターンAとする。

好走パターンBは「前4走で重賞と条件戦を走り、前走が重賞だった馬」で、このパターンに合致するのが97年1着のマチカネフクキタル、同年2着のダイワオーシュウ、04年2着のホオキパウェーブ、同年3着のオペラシチー、10年1着のビッグウィークである。1着馬2頭を含むこれら5頭に共通するのが、「前4走のあいだに出走した条件戦をすべて勝っていること」「G1を除く3歳限定重賞では必ず3着以内に入っていたこと」である(※前述したように、オペラシチーの前走7着は古馬混合G3でのもの)。また、この5頭のうち、マチカネフクキタル、ダイワオーシュウ、オペラシチー、ビッグウィークの4頭は前4走のあいだに3連勝を飾っていた点も見逃せず、連勝で一気に力をつけた上り馬がいたら注目したいところだ。

最後の好走パターンCは「前走で条件戦に出走していた馬」で、このパターンに合致するのが90年1着のメジロマックイーン、04年1着のデルタブルース、10年3着のビートブラックで、このパターンからも1着馬が2頭出ている。そして、この3頭から導き出せる好走条件は「前4走のあいだに2勝(以上)を挙げていたこと」「芝2400m以上の長距離戦で1000万下なら1着、1600万下なら2着以内」という好結果を残していたことである。

【結論】

2013/9/22 阪神11R 神戸新聞杯(G2)1着 10番 エピファネイア

2013/9/29 阪神9R 兵庫特別 1着 2番 バンデ

皐月賞馬とダービー馬が不在の菊花賞となる今年、1番人気に推されるダービー2着馬となる可能性が極めて高いのがエピファネイア。しかし、1986年以降、このパターンで期待に応えて菊花賞を勝った馬がいないことはここまでに述べてきたとおり。エピファネイアは皐月賞で2着に入り、前走の神戸新聞杯も完勝したことから馬券圏内に入る可能性は高く、前4走でいずれも重賞を走り、3走以上で3着以内という好走パターンAの条件を満たしていることからも凡走は考えにくそうだが、それでも勝ち切るまでは難しいかもしれない。

となると、勝ち馬がいるとすれば好走パターンBかCに合致する馬ということになるが、その前に、古馬混合G3を使っていた04年3着のオペラシチーを除いて、3歳限定重賞か条件戦を走っていた馬はすべて前走3着以内だったという条件があった。今年の菊花賞登録馬は前走で3歳限定重賞か条件戦を走っていた馬しかいないので、この前走3着以内という条件は最低限満たしておきたい。エピファネイア以外の前走3着以内馬では、好走パターンBを満たす可能性があるのがアドマイヤスピカ、サトノノブレス、ダービーフィズ、マジェスティハーツ、ユールシンギングの5頭、好走パターンCを満たす可能性があるのがインパラトール、バンデ、ピュアソルジャー、フルーキー、マイネルサンオペラの5頭となる。

このうち、好走条件に合致する馬がいるのは好走パターンCである。前述した5頭のうち、「前4走のあいだに2勝を挙げていたこと」と「前走の芝2400m以上の長距離戦で、1000万下なら1着、1600万下なら2着以内」をともに満たすのは、前走で兵庫特別(芝2400m・1000万下)を勝ったバンデのみ。前走で野分特別(1000万下)で1着だったフルーキーは距離が芝1800mだった点、前走で中山芝2500mのレースを勝ったマイネルサンオペラはクラスが500万下だった点が引っ掛かるので保留とする。残るインパラトールとピュアソルジャーは前4走のあいだに1勝しかできなかった。

一方、好走パターンBの条件である「前4走のあいだに出走した条件戦をすべて勝っていること」と「G1を除く3歳限定重賞では必ず3着以内に入っていたこと」を満たす馬は1頭もいなかった。惜しかったのがセントライト記念1着のユールシンギングと神戸新聞杯2着もマジェスティハーツで、いずれも前4走のあいだに連勝を飾っている点は強調材料と言えるのだが、前者は3走前の500万下で2着、後者は4走前の500万下で6着に敗れたため、前4走のあいだに出走した条件戦ですべて1着という条件をクリアできなかった。

よって、データから導き出せる好走候補としては1着バンデ、2着エピファネイアの2頭のみとになる。これだと3着候補が1頭もいないことになってしまうので、好走パターンBとCで次点と呼べるユールシンギング、マジェスティハーツ、フルーキーの3頭および、抽選を突破した場合はマイネルサンオペラを加えた計4頭を3着候補に加えておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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