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第733回 阪神芝1800mの勝ち馬は出世する!?

2013/9/9(月)

今週日曜日には阪神競馬場でローズSが行われる。同レースの舞台となるのが阪神芝1800m。外回りコース使用で、コーナーが2回というレイアウト。直線部分を走る距離が長く、馬の力がストレートに反映されやすいコースだ。同コースの勝ち馬が出世、つまりその後大きなレースで活躍するという印象を強く持ち始めたのが11年のことだ。

2011/3/26 阪神11R スプリングS(G2)1着 6番 オルフェーヴル

その年は東北大震災により、変則開催となった。本来は中山芝1800mで行われるはずだったが、スプリングSが阪神芝1800mで行われ、そのレースを制したのがオルフェーヴル。同馬は同レースを皮切りに、有馬記念まで6連勝を果たすこととなった。次レースのフラワーCを制したトレンドハンターも桜花賞で3着と好走。翌週に行われた中山牝馬Sを10番人気で制したレディアルバローザも、次走ヴィクトリアマイルで好走することとなる。これらのレースが予定通り中山芝1800mで行われたとしたら、果たして同様の結果になっていただろうか。もはやわからないことだが、とにかく阪神芝1800mというコースに注目すべき結果となった。

JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、今回改めて阪神芝1800mの勝ち馬について調べてみることにした。08年以降、同コースで行われた重賞結果は表1のようになる。ディープスカイ、ブロードストリート、アニメイトバイオ、ルーラーシップとG1好走馬が多数並ぶ。11年以前から実力馬が揃っており、今年は毎日杯を制したキズナが日本ダービーを制することとなった。

■表1 阪神芝1800mの重賞勝ち馬(08年以降)

レース名 馬名 性別 年齢 人気 馬場 タイム 着差 RPCI
13年 毎日杯G3 キズナ 3 1 1462 -0.5 43.8
12年 朝日チャHG3 ショウリュウムーン 5 6 1466 0 43.4
12年 ローズSG2 ジェンティルドンナ 3 1 1468 -0.2 63.1
12年 毎日杯G3 ヒストリカル 3 1 1496 -0.1 50.3
11年 鳴尾記念G3 レッドデイヴィス 3 4 1456 0 50.2
11年 ローズSG2 ホエールキャプチャ 3 1 1481 0 60.8
11年 中山牝馬HG3 レディアルバローザ 4 10 1454 -0.4 42.7
11年 毎日杯G3 レッドデイヴィス 3 2 1471 0 57.6
11年 フラワーG3 トレンドハンター 3 5 1470 -0.2 45
11年 スプリンG2 オルフェーヴル 3 1 1464 -0.1 51.4
10年 鳴尾記念G3 ルーラーシップ 3 2 1449 -0.1 47.8
10年 ローズSG2 アニメイトバイオ 3 4 1458 0 53.7
10年 毎日杯G3 ダノンシャンティ 3 3 1493 -0.2 63.7
09年 鳴尾記念G3 アクシオン 6 7 1465 -0.2 60.8
09年 ローズSG2 ブロードストリート 3 5 1447 0 44.5
09年 毎日杯G3 アイアンルック 3 1 1480 -0.1 57.5
08年 鳴尾記念G3 サクラメガワンダー 5 1 1460 -0.5 42
08年 ローズSG2 マイネレーツェル 3 7 1473 0 43.6
08年 毎日杯G3 ディープスカイ 3 6 1460 -0.4 46.9

表1には馬場状態、タイム、着差、RPCI(レースページチェンジ指数:PCIの詳細については第203回データde出〜たを参考にしてください)も記載した。RPCIについて簡単に説明すると、背景が赤の場合はハイペース、黄色の場合が平均ペース、緑の場合がスローペースと考えていただいて構わない。大半がスローペースとなってもおかしくない芝中距離としては、興味深い傾向が出ていることがわかる。平均ペースやハイペースとなることが多いのだ。ただ、ペースとレースレベルの高さはあまり関係ないように感じる。例えば、スローペースの上がり勝負だったからといってレースレベルに疑問を持つ必要はない。昨年のローズSや10年毎日杯はスローペースだったが、ジェンティルドンナとダノンシャンティは次走G1制覇を果たしている。

走破タイムに関しては馬場差があるので一概には言えない。好タイムで勝ったからと言って強いとは限らない。ただ、時計が遅い決着となった場合は、必ずしも能力通りの着順とはならなかった可能性が高い。というのも重馬場以上の道悪で行われたケースは2回あって、08年ローズSと12年毎日杯がある。いずれのレースの勝ち馬もその後、勝ち鞍を挙げられていないからだ。

■表2 阪神芝1800m・重賞の脚質別成績(08年以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
逃げ 0-  0-  0- 19/ 19 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
先行 3-  2-  5- 56/ 66 4.5% 7.6% 15.2% 12 53
差し 13- 11-  9- 81/114 11.4% 21.1% 28.9% 135 107
追い込み 3-  6-  5- 68/ 82 3.7% 11.0% 17.1% 15 87
マクリ 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
3F 1位 5- 10-  3-  2/ 20 25.0% 75.0% 90.0% 106 388
3F 2位 9-  1-  4-  6/ 20 45.0% 50.0% 70.0% 528 208
3F 3位 4-  2-  5- 11/ 22 18.2% 27.3% 50.0% 207 227
3F〜5位 1-  3-  4- 28/ 36 2.8% 11.1% 22.2% 7 79
3F6位〜 0-  3-  3-177/183 0.0% 1.6% 3.3% 0 17

表2は阪神芝1800m・重賞の脚質別成績だ。非常に特徴的な傾向が見て取れるのでぜひとも覚えておきたい。それは逃げ馬が大苦戦しているということ。また、先行馬と差し馬の成績を比較しても、差し馬が優勢となっている。いくら最後の直線が長いとはいえ、これほど逃げ〜先行馬が押し切れないコースはめずらしい。中盤まではしっかりと脚を溜めて、後半に末脚を爆発させることができる馬が強いコースと言えるだろう。

上がり3ハロン1位の馬は【5.10.3.2】という成績。連対率は75%、複勝率は90%というのは圧倒的な数字だ。ラスト600mで最も速い脚を使える馬が好走しやすいということで、真の実力が問われることになるのだろう。ただ、上がり3ハロン2位の馬の成績は【9.1.4.6】。勝率は45.0%で上がり1位の馬よりも勝っている。勝敗のカギはラスト600mだけではないということだ。残り600mに至るまでの位置取りがポイントで、あまり悠長に後ろで構えていると、良くないと言えるだろう。

■表3 阪神芝1800mのオープン特別勝ち馬(08年以降)

レース名 馬名 性別 年齢 人気 馬場 タイム 着差 RPCI
13年 大阪城SH エアソミュール 4 3 1467 -0.2 48.5
12年 野路菊S ラブリーデイ 2 2 1477 0 53.8
12年 大阪城S ミッキーパンプキン 6 4 1486 0 46.6
11年 野路菊S ダローネガ 2 1 1487 -0.1 56.2
11年 大阪城SH ダンツホウテイ 6 5 1457 0 48.3
10年 野路菊S ウインバリアシオン 2 2 1477 -0.4 59.1
10年 大阪城SH マヤノライジン 9 8 1491 -0.4 55.7
09年 野路菊S リルダヴァル 2 1 1472 -0.4 63.3
09年 大阪城S マストビートゥルー 6 8 1492 -0.2 61.2
08年 野路菊S ホッコータキオン 2 5 1468 -0.2 48.8
08年 大阪城SH オースミグラスワン 6 2 1461 -0.1 47.1

2012/9/16 阪神8R 野路菊ステークス 1着 5番 ラブリーデイ

続いて阪神芝1800mで行われたオープン特別を見ていく(表3参照)。野路菊Sと大阪城Sのみが対象となっているが、前者の勝ち馬は興味深い。ホッコータキオン、リルダヴァル、ウインバリアシオン、ダローネガ、ラブリーデイとすべて後に重賞でも好走している。ラブリーデイは先日の小倉記念で2着。休み明けながら古馬を相手に善戦しており、今後の活躍も期待させる。

大阪城Sは古馬のオープン特別。大物の名前こそないがマヤノライジンやダンツホウテイはG3で複数回激走。高配当をもたらしている。そのあたりも、フロックでは阪神芝1800mは勝てないという証明ではないだろうか。

■表4 阪神芝1800m・1600万クラスの勝ち馬(08年以降)

レース名 馬名 性別 年齢 人気 馬場 タイム 着差 RPCI
13年 垂水S1600 カレンミロティック 5 2 1445 -0.8 51.3
13年 難波S1600 エーシンミズーリ 5 1 1461 -0.2 55.9
12年 逆瀬川S1600 サクラアルディート 4 1 1471 -0.1 62.3
12年 西宮S1600 フレールジャック 4 1 1460 0 55.7
12年 尼崎SH1600 カノンコード 6 3 1465 0 50.9
12年 難波S1600 アグネスワルツ 5 3 1487 -0.5 38.2
11年 逆瀬川S1600 ダノンシャーク 3 1 1487 -0.1 63.8
11年 難波SH1600 ストロングリターン 5 2 1454 -0.2 47.6
10年 逆瀬川S1600 マッハヴェロシティ 4 3 1469 -0.3 53.4
10年 難波SH1600 シルポート 5 3 1466 -0.5 56.4
09年 逆瀬川S1600 ナリタクリスタル 3 1 1464 0 44.3
09年 西宮SH1600 ナムラクレセント 4 2 1448 0 43.3
09年 難波S1600 ブーケフレグランス 4 9 1476 -0.1 51.4
08年 逆瀬川S1600 ダイシンプラン 3 1 1495 -0.1 61.9
08年 西宮SH1600 シゲルフセルト 3 4 1460 0 54.2
08年 垂水S1600 ホッコーパドゥシャ 6 2 1475 -0.6 50.4
08年 難波S1600 キングトップガン 5 3 1462 -0.1 50.9

最後に阪神芝1800mで行われた1600万クラスのレースを見ていく(表4参照)。こちらもキングトップガン、ホッコーパドゥシャ、ナムラクレセント、ナリタクリスタル、シルポート、マッハヴェロシティ、ストロングリターン、ダノンシャークとその後重賞で好走した馬が大変多いことに気付く。昨年以降の勝ち馬はまだ目立った活躍をしていないが、簡単には見限らずに今後の成長を見守りたいところだ。なお、このクラスの脚質傾向に関しては、重賞とは全く違うので注意したい。逃げ切り勝ちもあるし、先行馬と差し馬との比較では先行馬の方が優勢だ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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