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第720回 前走の4角通過順が重要なアイビスサマーダッシュ

2013/7/25(木)

今週末の平地重賞は新潟でアイビスサマーダッシュ、函館でクイーンSが予定されているが、例年であれば札幌で行なわれるクイーンSはこれまでのデータを参照にすることができないため、今回はアイビスサマーダッシュのレース傾向を近10年の結果から調べてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 単勝人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2-  1-  0-  7/ 10 20.0% 30.0% 30.0% 56% 44%
2番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 54% 60%
3番人気 1-  3-  0-  6/ 10 10.0% 40.0% 40.0% 75% 95%
4番人気 0-  0-  3-  7/ 10 0.0% 0.0% 30.0% 0% 76%
5番人気 0-  3-  1-  6/ 10 0.0% 30.0% 40.0% 0% 121%
6番人気 1-  1-  2-  6/ 10 10.0% 20.0% 40.0% 114% 129%
7番人気 3-  0-  0-  7/ 10 30.0% 30.0% 30.0% 512% 130%
8番人気 1-  0-  0-  9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 130% 41%
9番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気 0-  1-  1-  8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 128%
11番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 66%
12番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 1-  0-  0-  8/  9 11.1% 11.1% 11.1% 856% 156%
14番人気 0-  0-  0-  8/  8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0-  8/  8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-  0-  1-  5/  6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 300%
17番人気 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は単勝人気別の成績で、1〜7番人気の複勝率がほぼ横並びとなっており、過去10年では7番人気が最多の3勝を挙げている点も見逃せない。つまり、アイビスサマーダッシュにおいては1〜7番人気の範囲に収まってさえいれば好走の確率はほとんど変わらず、むしろその下限である6〜7番人気あたりのほうが狙い目となると考えていいだろう。8番人気以下でも好走のチャンスはあるが、ふたケタ人気馬がバンバン激走しているというほどではない。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
03〜12年 1枠 0- 0- 1-16/17 0.0% 0.0% 5.9% 0% 20%
2枠 1- 0- 4-13/18 5.6% 5.6% 27.8% 18% 183%
3枠 0- 1- 0-16/17 0.0% 5.9% 5.9% 0% 31%
4枠 1- 0- 0-18/19 5.3% 5.3% 5.3% 60% 15%
5枠 3- 1- 0-16/20 15.0% 20.0% 20.0% 189% 62%
6枠 0- 2- 1-17/20 0.0% 10.0% 15.0% 0% 37%
7枠 2- 2- 3-18/25 8.0% 16.0% 28.0% 376% 143%
8枠 3- 4- 1-17/25 12.0% 28.0% 32.0% 98% 81%
06〜11年 1枠 0- 0- 1-11/12 0.0% 0.0% 8.3% 0% 28%
2枠 1- 0- 2- 9/12 8.3% 8.3% 25.0% 28% 185%
3枠 0- 1- 0-10/11 0.0% 9.1% 9.1% 0% 49%
4枠 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5枠 1- 1- 0-10/12 8.3% 16.7% 16.7% 108% 55%
6枠 0- 2- 1- 9/12 0.0% 16.7% 25.0% 0% 62%
7枠 2- 0- 2-12/16 12.5% 12.5% 25.0% 587% 179%
8枠 2- 2- 0-12/16 12.5% 25.0% 25.0% 80% 60%

新潟芝1000mの直線コースは外枠有利というのはよく知られており、それはアイビスサマーダッシュでも変わらない。表2の枠番別成績(03〜12年)を見ればひと目でわかるとおり、5〜8枠の好走率が明らかに高い。基本的には、このコースのセオリーどおりに外寄りの枠に入った馬を重視したほうがいいだろう。なお、アイビスサマーダッシュの開催時期は03〜05年が通算6週目(連続開催後半の2週目)、06〜11年が開幕週、12年が2週目と変遷しており、今年は開幕週に戻っている。そこで今年と同じ開幕週に行なわれた06〜11年に限ったデータも確認してみたい。それが表2の下半分に掲載したもので、内外の馬場状態の差があまりない開幕週であっても、やはり外枠有利の傾向に変化は見られないようだ。

■表3 牡牝別成績

性別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡・セン馬 2-  6-  6- 86/100 2.0% 8.0% 14.0% 13% 63%
牝馬 8- 4- 4-45/61 13.1% 19.7% 26.2% 258% 94%

新潟芝1000mの直線コースは牝馬有利というのもよく知られたセオリーのひとつで、表3のとおりアイビスサマーダッシュでも牝馬のほうが好成績を収めている。10年に16番人気3着のマルブツイースター、11年に11番人気3着のアポロフェニックス、12年に7番人気1着のパドトロワと近年は牡馬の激走も目立ってはいるが、牝馬8勝、牡馬2勝という近10年の成績からは、やはり全体的には牝馬優勢と考えるべきだろう。

■表4 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 2-  1-  3- 10/ 16 12.5% 18.8% 37.5% 247% 159%
4歳 2-  4-  1- 15/ 22 9.1% 27.3% 31.8% 40% 66%
5歳 3-  2-  4- 32/ 41 7.3% 12.2% 22.0% 234% 128%
6歳 3-  3-  2- 34/ 42 7.1% 14.3% 19.0% 63% 67%
7歳以上 0-  0-  0- 40/ 40 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は年齢別成績で、これを見る限りはアイビスサマーダッシュでは若い馬ほど有利と言える。勝率と複勝率に関しては年齢を重ねるほど数字が落ちていく相関関係が綺麗に出ており、なかでも7歳以上は近10年で40頭走って1頭も3着以内に入っていない。前項と合わせて、アイビスサマーダッシュでは迷ったら牝馬、迷ったら若い馬と考えるのが的中への近道となりそうだ。

■表5 斤量別成績

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
51kg 2-  1-  1-  3/  7 28.6% 42.9% 57.1% 565% 210%
52kg 0-  0-  0-  0/  0          
53kg 0-  0-  2-  7/  9 0.0% 0.0% 22.2% 0% 120%
54kg 5-  3-  2- 41/ 51 9.8% 15.7% 19.6% 216% 72%
55kg 1-  0-  1-  0/  2 50.0% 50.0% 100.0% 375% 300%
56kg 2-  5-  4- 68/ 79 2.5% 8.9% 13.9% 17% 59%
57kg 0-  1-  0-  7/  8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 67%
58kg 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
59kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は斤量別成績で、今回はセックスアローワンス(中央競馬では3歳以降、牝馬2キロ減)を意図的に無視して牡牝を合算したデータを採用した。まず、近10年で57キロ以上の斤量を背負って3着以内に好走したのが1頭のみ(08年2着シンボリグラン)となっているように、アイビスサマーダッシュでは57キロ以上の重い斤量を背負わされると不利になることがわかる。極限のスピードを競う直線芝1000m重賞だけに、スタートダッシュや最後のひと踏ん張りが効きづらくなってしまうのかもしれない。また、51キロの好走率や回収率が非常に高くなっているが、ここに該当する7頭はすべて3歳牝馬で、表3や表4の項で確認した好走傾向に合致している点についても確認しておきたい。

■表6 前走コース別成績

前走コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新潟芝1000m 2- 2- 1-11/16 12.5% 25.0% 31.3% 163% 76%
それ以外 8-  8-  9-120/145 5.5% 11.0% 17.2% 100% 75%

表6は前走コース別の成績で、前走でもアイビスサマーダッシュと同じ新潟芝1000mを走っていた馬と、新潟芝1000m以外の周回コースを走っていた馬の成績を比較してみた。これを見ると、前走でも新潟芝1000mを走っていた馬のほうが安定した成績を収めているようだ。とはいえ、好走馬の数そのものは前走で新潟芝1000m以外のコースを走っていた馬のほうが圧倒的に多く、こちらを無視して予想を組み立てることは実際には不可能なので、それぞれの組でどんな馬が好走しやすいのかをしっかりと見極めることが不可欠であることも間違いない。

■表7 前走新潟芝1000m出走・着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 85% 77%
前走2着 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 47%
前走3着 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 120%
前走4着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 756% 160%
前走10着〜 0- 0- 0- 0/ 0          

まず、前走でも新潟芝1000mを走っていた馬で好走しやすいのは、表7のとおり、前走でも3着以内に入っていた馬。唯一の例外として前走4着以下から巻き返したのが05年1着のテイエムチュラサンで、この馬は3歳牝馬で斤量が51キロと軽量だったことが巻き返しの要因となったのかもしれない。

■表8 前走新潟芝1000m以外出走・4角通過順別成績

前走4角 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3番手以内 4-  6-  3- 48/ 61 6.6% 16.4% 21.3% 170% 77%
4番手以降 4-  2-  5- 69/ 80 5.0% 7.5% 13.8% 51% 72%

では、前走で新潟芝1000m以外の周回コースを走っていた馬で好走しやすいのはどのようなタイプの馬か。それを知るためにチェックしたいのが前走の4角通過順だ。直線1000mで行なわれるアイビスサマーダッシュは究極のスピード比べとなる。当然ながら、一級品のスピードを持っていなければ苦戦は必至だ。よって、前走で新潟芝1000m以外の周回コースを走っていた場合は、しっかりと先行するスピードを見せていた馬を優先して狙いたい。具体的には前走で4角3番手以内。表8のとおり、4角4番手以降だった馬と比較して勝率〜複勝回収率の5項目すべてで上回る数字を残していることがわかる。

■表9 前走新潟芝1000m以外出走・4角3番手以内・前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 0- 1- 3- 8/12 0.0% 8.3% 33.3% 0% 94%
前走2着 0- 2- 0- 7/ 9 0.0% 22.2% 22.2% 0% 47%
前走3着 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7% 506% 173%
前走4着 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 232% 118%
前走5着 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 150%
前走6〜9着 0- 1- 0-11/12 0.0% 8.3% 8.3% 0% 27%
前走10着〜 1- 0- 0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 428% 78%

周回コースを走った前走で4角3番手以内につけるスピードを見せていたとしても、直線で失速してしまってはあまり強調できない。前走着順別成績を確認したところ、4角3番手以内から掲示板圏内の5着以内に踏ん張っていた馬と、6着以下に失速していた馬では明らかに成績の差があることがわかったからだ。表9のとおり、「前走で新潟芝1000m以外の周回コースを走って、4角を3番手以内で通過し、5着以内」だった馬の成績を合計すると、【3.5.3.20】で勝率9.7%、複勝率35.5%だったのに対して、「前走で新潟芝1000m以外の周回コースを走って、4角を3番手以内で通過し、6着以下」だった馬の成績を合計すると【1.1.0.28】で勝率3.3%、複勝率6.7%と大幅にダウンしてしまうのである。好走率の低い後者から好走した数少ない例となったのは07年1着のサンアディユと12年2着のエーシンダックマンで、この2頭はそれぞれこのレースが新潟芝1000m初出走という共通点があった。

■表10 前走新潟芝1000m以外出走・4角4番手以降・前走上がり順別成績

前走上がり 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3位以内 3- 0- 3-14/20 15.0% 15.0% 30.0% 168% 108%
4位以下 1- 2- 2-53/58 1.7% 5.2% 8.6% 12% 63%

前走で新潟芝1000m以外の周回コースを走っていた馬の4角通過順が4番手以降でも【4.2.5.69】と好走例はそれなりにあるため、こちらのパターンであってもどんな馬なら好走できたのかについても知っておきたい。この場合、チェックしたいのは前走の上がり順位で、前走の上がり順が3位以内なら【3.0.3.14】で勝率15.0%、複勝率30.0なのに対して、4位以下だと【1.2.2.53】で勝率1.7%、複勝率8.6%と好走率が大きく下がってしまうのだ。なお、上がり順が4位以下でも好走できた馬が5頭いるが、09年1着のカノヤザクラと09年2着のアポロドルチェの2頭には、前年のアイビスサマーダッシュでも3着以内に好走していたという共通点があった。また、08年2着のシンボリグランと10年3着のマルブツイースターの2頭には芝1200m重賞の勝ち馬という共通点があった。つまり、アイビスサマーダッシュというレース自体に強いことをすでに証明している馬か、芝1200m重賞勝ちという高い実績を持つ馬だからこそ、前走4角4番手以降で上がり順も4位以下という苦しい条件からでも巻き返すことができたと考えられるだろう。そして、この条件から巻き返したもう1頭の馬である03年3着のトーセンオリオンは新潟芝1000mへの出走が初めてだった。前項でも直線コース初出走だったサンアディユとエーシンダックマンがデータを覆して好走していたことを考えると、それまで直線コースに出走したことがなかった馬が初出走で意外な適性を見せるケースには注意したほうがいいようだ。

【結論】

2012/11/24 京都11R 京阪杯(G3)1着 1番 ハクサンムーン

2012/8/19 小倉11R TV西日本北九州記念(G3)1着 16番 スギノエンデバー

今年のアイビスサマーダッシュ登録馬のうち、前走でも新潟芝1000mを走っていたのはビラゴーティアラの1頭のみ。その前走着順は1着で、好走条件である3着以内をクリアしている。若い馬のほうが有利なレースなので6歳という点はやや気になるが、牝馬という点は評価でき、好走の可能性は十分にありそうだ。

残る登録馬はすべて前走で新潟芝1000m以外の周回コースを走っているので、前走の4角通過順で分けて考えていきたい。まず、前走で4角通過順が3番手以内だった馬のなかで、好走確率の高い前走5着以内にも該当するのはハクサンムーン、パドトロワ、フォーエバーマークヤマニンパピオネリトルゲルダの5頭となる。ただし、昨年の覇者でもあるパドトロワは、今年は59キロという厳しい斤量を背負わなければならず、表5で見たとおり、57キロ以上の斤量はアイビスサマーダッシュではかなり不利な材料となるため評価を下げたい。

前走の4角通過順が4番手以降だった馬は、その前走の上がり順が3位以内ということが第一の条件となり、これに該当するスギノエンデバープリンセスメモリーの名前を挙げたい(※もう1頭のゴールスキーは回避予定)。上がり4位以下の場合はすでにアイビスサマーダッシュで好走歴があるか芝1200m重賞の勝ち馬であれば可能性があるが、今年の登録馬には該当する馬は見当たらない。

その他に激走する可能性があるのは、直線コースに初出走となる馬が意外な適性を見せる場合。また、7歳以上の好走馬は近10年にはいないので、6歳までで直線コース初出走となるアンシェルブルーインプレスウィナーカラフルデイズティアモブリーオデュアルスウォードハッピーカオルにも注意を払っておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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