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第718回 逃げ切り勝ちは危ない? 函館2歳Sを占う

2013/7/18(木)

今週の日曜日は、函館競馬場で函館2歳Sが行われる。今年デビューを迎えた2歳世代にとっては最初のJRA重賞。早々と勝ち名乗りを上げ、年末から来年にかけてのG1戦線に向かうのはどの馬か。過去10年のデータをもとに、分析・展望をしていきたい。データは過去10年(札幌で行われた09年を含む)分を分析。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 函館2歳S出走馬の前走コース別成績(過去10年)

前走コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
函館・芝1200 7- 9- 5-61/82 8.5% 19.5% 25.6% 78 80
函館・芝1000 2- 0- 1- 4/ 7 28.6% 28.6% 42.9% 290 101
札幌・芝1200 1- 1- 1- 8/11 9.1% 18.2% 27.3% 32 60
福島・芝1200 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0 50
新潟・芝1200 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 295
阪神・芝1200 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 95
函館・ダ1000 0- 0- 0-16/16 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
中山・芝1200 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
札幌・ダ1000 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
福島・ダ1000 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
門別・ダ1200 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
門別・ダ1000 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
新潟・芝1400 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
新潟・ダ1200 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

キャリアが浅い2歳戦は全般的に、データ分析は難しい。特にこの時期はそうだ。それに追い打ちをかけるファクターがラベンダー賞の廃止。昨年から開催日程が繰り上がると同時に、前哨戦だったラベンダー賞がなくなったことで、1勝馬による戦いとなった。以前に比べると、データ分析で参考となる判断材料が減った。その点を踏まえて、まずは函館2歳S出走馬の前走コース別成績(過去10年)を示してみることにする。

前走コース別成績に関してはラベンダー賞廃止の影響はほとんどないとみられる。同レースの有無にかかわらず、出走馬の大半は前走函館1000〜1200m組だ。函館2歳Sの好走馬、特に連対馬は同組の馬。札幌で行われた09年のみ前走札幌芝1200m組の馬が上位を独占しているだけ。通常は函館芝コース経験が大きな強みとなる。同じ函館でもダート1000m組は【0.0.0.16】。一般的にはダート→芝替わりというのは穴で警戒すべきものなのだが、このレースに関しては軽視すべきだろう。

他場の芝を勝ち上がってきた馬も苦戦。好走できても3着までとなっており、函館芝コースの経験が何よりも大切であることがわかる。

■表2 前走函館芝1000m出走馬の前走脚質別成績

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0%
先行 2- 0- 1- 1/ 4 50.0% 50.0% 75.0%
差し 0- 0- 0- 0/ 0
追い込み 0- 0- 0- 0/ 0

出走馬・好走馬の数は函館芝1000mよりも芝1200m組の方が圧倒的に多い。だが、勝率・連対率・複勝率、そして回収率に至ってもすべて函館芝1000mが上回っている。表2はその函館芝1000m組の前走脚質別成績。どのような脚質で勝ち上がってきたかを調べたものだ。集計数は少ないが、前走逃げていた馬の成績は【0.0.0.3】。一方、先行馬の成績は【2.0.1.1】。先行馬の方が成績がよい。こうした結果になっているのは、以下のような理由が考えられる。

新馬戦や未勝利戦では、どうしてもスピードの違いで逃げ切り勝ち、というシーンがめずらしくない。だが、そうして勝ち上がってきた馬が一堂に会した場合、再び主導権を握ることができるのはほぼ1頭。それ以外の馬は控える競馬を強いられることになる。無理にハナに立とうとすればオーバーペースとなってしまうだろう。したがって、好位差しをすでに経験している馬の方が、重賞の流れにもすんなりと対応できるのではないだろうか。

■表3 前走函館芝1200m出走馬の前走脚質別成績

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1- 3- 0-14/18 5.6% 22.2% 22.2%
先行 6- 5- 5-33/49 12.2% 22.4% 32.7%
差し 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0%
追い込み 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7%

前走函館芝1200m組の馬にも同じことが言える。表3は同組の前走脚質別成績。連対は逃げ馬と先行馬が22%台で拮抗しているが、勝率と複勝率は前走先行していた馬に分がある。好走馬の数もかなり違う。前走逃げ切り勝ち(あるいは逃げていた馬)を収めていた馬によっては不安となる傾向だ。そして、前走差し〜追い込みだった馬も苦しい。

■表4 表3・逃げ馬の前走着差別成績

前走着差 着別度数 勝率 連対率 複勝率
勝2.0〜 0- 0- 0- 0/ 0
勝1.0〜1.9 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0%
勝0.6〜0.9 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0%
勝0.3〜0.5 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7%
勝0.1〜0.2 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0%
勝0.0 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0%

前走函館芝1200mを逃げていた馬についてもう少し踏み込むため、表4のデータを用意した。これは前走着差。基本的には勝っていた馬が多く、前走2着馬にどれぐらいの着差をつけていたかに注目した。0.0秒の僅差、あるいは0.1〜0.2秒の少差だった馬は、すべて4着以下。0.3〜0.5秒差も勝ち馬が1頭だけで、それほど好走率が高いわけではない。0.6〜0.9秒、1.0〜1.9秒と大きな差をつけていた馬の方が好走率は高そうな印象を受ける。

ちなみ前走函館芝1200mの先行馬、前走函館芝1000mの逃げ馬に関しては前走着差はあまり問題にはならない。前走函館芝1200m組の逃げ馬にのみあてはまる傾向だ。基本的には逃げて勝ってきた馬は割り引きが必要になりそうだが、0.6秒以上の大きな差をつけて勝ってきた馬については有力視できそうだ。

【結論】
今年の函館2歳Sの出走予定馬は表5の通り(7/17午前現在・フルゲート16頭)。

■表5 今年の函館2歳S出走予定馬

2013/6/30 函館5R サラ2歳新馬 1着 6番 クリスマス

2013/6/16 函館5R サラ2歳新馬 1着 9番 オールパーパス

馬名 前走コース 着差 位置
ヴァイサーリッター 函館芝1200m 0.1 1.1.1
ウインイルソーレ 東京芝1600m 0 1.1.1
オールパーパス 函館芝1200m 0.2 2.2.2
キタサンラブコール 函館芝1200m 0.2 1.1.1
クリスマス 函館芝1200m 1.1 1.1.1
セトアロー 未出走    
テルミドール 福島芝1200m 0.1 1.1.1
トーセンシルエット 東京芝1400m 0 4.4.3
ドラゴンスズラン 函館ダ1000m 0.6 2.2.1
ニシケンムート 門別ダ1000m 0.1 2.1.2
ハッピースプリント 門別ダ1700m 0.9 1.1.1.1
ビービーブレイン 函館芝1000m 0.5 1.1.1
ファイトバック 函館芝1200m 0 4.4.5
ファソン 函館芝1000m 0.4 1.1.1
プラチナティアラ 函館芝1200m 0.8 1.1.1
マイネルディアベル 福島芝1200m 0.2 5.5.3
マイネルフォルス 函館芝1200m 0.1 2.2.1

冒頭に述べたようにラベンダー賞がなくなったため、出走予定全馬が前走1着という成績。中には道営所属の馬も混じっている。このレースは比較的道営所属馬にもチャンスがある一戦だが、ダートからの勝ち上がりで芝を経験できていない点は大きな不利となりそうだ。また、東京や福島を勝ち上がってきた馬も何頭かいるものの、連軸には押しにくい。やはり中心は前走函館芝1000〜1200mを勝ち上がってきた馬だ。

まず前走函館芝1000m組だが、ビービーブレインとファソンの2頭が該当。ともに着差で見れば完勝というものだったが、逃げ切りであった。表2のデータからは危険視すべきタイプだ。

前走函館芝1200m組も実は逃げ切り勝ちの馬が多い。今年は全般的にこの手のタイプが多いという印象だ。本番では勝ちにくいと予想されるが、前走2着馬に1.1秒離してのレコード勝ちだったクリスマス。そして0.8秒離して勝ったプラチナティアラに関しては一目置く必要がありそうだ。

数少ない前走先行からの勝利馬はオールパーパスとファイトバック。ともに着差は目立たないが、控える競馬ですでに結果を残している点に注目。有力馬として考えてみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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