第713回 新人・見習騎手を考える(2)|競馬情報ならJRA-VAN

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第713回 新人・見習騎手を考える(2)

2013/7/1(月)

今年2月に取り上げた新人・見習い騎手。その後、菱田騎手は51勝に到達して先週から☆1キロ減での騎乗となり、中井騎手も順調に勝ち鞍を伸ばしている。また、3月にデビューした今年の新人騎手も、先週土曜の函館で城戸騎手が勝利を挙げ、これで4名すべてが初勝利を記録した。そこで今回は、昨年デビュー騎手のその後の成績と、本年デビュー騎手について、いくつかデータを調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

最近のデータを見る前におさらいしておきたいのは、昨年デビュー騎手の今年2月3日までの成績について。「第673回 新人・見習騎手を考える」では、▲3キロ減の騎手は芝よりもダートの成績が良い傾向にあり、特に昨年デビューの5名に関しては、その傾向が顕著に出ていることを紹介した。ただ、過去の傾向では△2キロ減になると芝とダートの成績差が小さくなるため、今年の菱田騎手や中井騎手もそういった傾向が出てくるのか、それともダートが得意な騎手なのかが注目された。

■表1 菱田、中井両騎手の△(2キロ減)期間の成績

騎手 条件 コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
菱田裕二 平場 7-9-8-81/105 6.7% 15.2% 22.9% 51% 104%
ダート 10-11-11-123/155 6.5% 13.5% 20.6% 66% 55%
特別(減量なし) 0-0-7-41/48 0.0% 0.0% 14.6% 0% 49%
ダート 1-1-3-11/16 6.3% 12.5% 31.3% 31% 150%
中井裕二 平場 4-10-8-83/105 3.8% 13.3% 21.0% 39% 91%
ダート 7-5-6-111/129 5.4% 9.3% 14.0% 56% 114%
特別(減量なし) 0-0-4-33/37 0.0% 0.0% 10.8% 0% 39%
ダート 0-1-0-10/11 0.0% 9.1% 9.1% 0% 15%


まず表1は、菱田騎手(△2月16日〜6月23日)と中井騎手(△3月2日〜)の△2キロ減期間の成績をまとめたものである。参考に▲期間(減量のない特別戦も含む)の成績を紹介すると、菱田騎手は芝連対率7.3%、ダート連対率15.1%。そして中井騎手は芝7.7%、ダート11.4%と、両騎手ともダートの成績が芝を上回っていた。

しかし△期間に入ると、減量のある平場戦ではともに芝の連対率がダートを逆転。近年の他の▲騎手に比べ芝ダートの成績差が大きかった両騎手だが、△になってからは差が縮まるどころか、むしろ芝の方が良い成績を残すようになっている。もっとも、特別戦も含めたトータルでは菱田騎手が芝連対率10.5%、ダート連対率13.5%とダートの方が高く、中井騎手は芝9.9%、ダート9.3%と平場戦ほどの差はついていない。このあたりは騎乗馬の関係もありそうだが、いずれにしても▲期間の「芝よりもダートで特に注目」という成績ではなくなってきていることは確かだ。

■表2 昨年デビュー騎手(関東所属)の本年芝ダート別成績

騎手 コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
長岡禎仁 2-2-1-36/41 4.9% 9.8% 12.2% 337% 96%
ダート 1-2-2-84/89 1.1% 3.4% 5.6% 25% 25%
原田和真
0-2-1-22/25 0.0% 8.0% 12.0% 0% 26%
ダート 1-0-0-40/41 2.4% 2.4% 2.4% 35% 11%
山崎亮誠 0-0-1-36/37 0.0% 0.0% 2.7% 0% 10%
ダート 2-0-5-72/79 2.5% 2.5% 8.9% 33% 32%
3騎手計 2-4-3-94/103 1.9% 5.8% 8.7% 134% 48%
ダート 4-2-7-196/209 1.9% 2.9% 6.2% 30% 25%

2013/5/26 東京5R ホープフルジョッキーズ 1着 12番 リアライズナマステ 山崎亮誠騎手

続いて表2は、関東所属で昨年デビューした長岡、原田和、山崎騎手の、本年の芝ダート別成績をまとめたものである。こちらの3騎手も2月にデータを調べた際には芝よりもダートという傾向だったのだが、本年限定でダートのほうが好成績なのは、「ホープフルジョッキーズ(ダート1600m)」で特別勝ちを挙げた山崎騎手のみ。一時栗東に滞在して関西で多く騎乗した長岡騎手や、原田和騎手は、芝の連対率・複勝率がダートを上回っている。まだダートで何回か好走すれば、すぐに芝ダート逆転する可能性はあるものの、関西の2名と同様に傾向に変化が出てきている点には注意したい。


続いて表2は、関東所属で昨年デビューした長岡、原田和、山崎騎手の、本年の芝ダート別成績をまとめたものである。こちらの3騎手も2月にデータを調べた際には芝よりもダートという傾向だったのだが、本年限定でダートのほうが好成績なのは、「ホープフルジョッキーズ(ダート1600m)」で特別勝ちを挙げた山崎騎手のみ。一時栗東に滞在して関西で多く騎乗した長岡騎手や、原田和騎手は、芝の連対率・複勝率がダートを上回っている。まだダートで何回か好走すれば、すぐに芝ダート逆転する可能性はあるものの、関西の2名と同様に傾向に変化が出てきている点には注意したい。

■表3 「2年目」騎手の芝ダート別成績(10.3.6〜13.2.24、平場戦のみ)

減量 コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
なし 7-10-7-69/93 7.5% 18.3% 25.8% 26% 52%
ダート 21-20-18-125/184 11.4% 22.3% 32.1% 87% 111%
56-36-51-669/812 6.9% 11.3% 17.6% 58% 61%
ダート 100-66-80-894/1140 8.8% 14.6% 21.6% 85% 80%
29-18-20-244/311 9.3% 15.1% 21.5% 114% 71%
ダート 40-40-34-430/544 7.4% 14.7% 21.0% 58% 68%
49-50-60-1300/1459 3.4% 6.8% 10.9% 50% 59%
ダート 91-98-119-2056/2364 3.8% 8.0% 13.0% 39% 65%


表1〜2の結果を受けて、▲(3キロ減)か△(2キロ減)かよりも、レース経験の差が芝ダートの成績差に繋がるのではないかと考え、表3では10年3月から本年2月までの「デビュー2年目」の騎手成績を芝ダート別に調べてみた。しかし、その結果はデビュー2年目でも▲ならダートの方が好成績、というものだった。昨年デビューの5名は、1年目の芝ダートの極端な成績差や、2年目に一気に芝ダート逆転、あるいはそれに近い成績を残すなど、近年の他の世代とは違った傾向にある。果たして今後どういった結果を出していくのか、たとえば山崎騎手が他の4名とともに芝ダート互角以上の成績を残していくのか(本稿執筆中の土曜福島8R・芝1200m戦で11番人気2着)、それとも長岡騎手や原田和騎手が今後はダートで成績を伸ばすのか、注目して見ていきたい。

■表4 本年デビュー騎手の芝ダート別成績(6月23日まで)

騎手 コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
岩崎翼 0-0-1-36/37 0.0% 0.0% 2.7% 0% 8%
ダート 2-4-5-73/84 2.4% 7.1% 13.1% 46% 60%
城戸義政 0-1-1-27/29 0.0% 3.4% 6.9% 0% 93%
ダート 0-4-0-33/37 0.0% 10.8% 10.8% 0% 66%
原田敬伍 1-0-0-33/34 2.9% 2.9% 2.9% 7% 4%
ダート 2-2-2-41/47 4.3% 8.5% 12.8% 14% 95%
伴啓太 1-2-0-26/29 3.4% 10.3% 10.3% 6% 130%
ダート 1-0-1-48/50 2.0% 2.0% 4.0% 7% 8%
4騎手計 2-3-2-122/129 1.6% 3.9% 5.4% 3% 53%
ダート 5-10-8-195/218 2.3% 6.9% 10.6% 22% 57%


2013/6/29 函館2R 3歳未勝利 1着 8番 アテンファースト 城戸義政騎手

続いて表4は、本年デビュー騎手の芝ダート別成績である。本稿執筆時点でJRA-VANのデータが提供されている6月23日分までを対象としているため城戸騎手は未勝利だが、冒頭でも触れたように、6月29日に函館2レース(ダート1700m)で待望の初勝利を挙げ、直後の3レース(ダート1000m)でも2着と好走している。


表の下部に記した4名全体の成績を見ると、やはり近年の▲騎手の傾向通りダートの成績が芝よりも良く、連対率で3ポイント、複勝率で5ポイントほどの差がついている。しかしそんな中、芝の成績がダートを上回るのが、4騎手の中で唯一関東所属の伴騎手である。同期の中では1週遅れのデビューになった伴騎手だが、その後は関東所属の新人としては多くの騎乗馬を集め、初連対は芝2戦目(通算18戦目)、そして初勝利も芝5戦目で挙げている。これから夏競馬で飛躍のきっかけをつかむことも多い新人騎手。そのきざしを見逃さずにできるだけ早く掴めれば馬券妙味も大きいもので、関西所属の岩崎、城戸、原田敬騎手は過去の▲騎手の傾向通りにダートを中心に、そして関東の伴騎手は芝でも警戒して見ていきたい現在の成績だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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