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第712回 良馬場と道悪で分けて考えてみたいCBC賞

2013/6/27(木)

東西の主場がローカルに移る今週の重賞は、福島でラジオNIKKEI賞、中京でCBC賞が組まれている。昨年の当週はラジオNIKKEI賞を取り上げたので、今年はCBC賞を分析してみたい。ただし、中京競馬場の改修もあって、現行の条件でCBC賞が行なわれた昨年の1回のみ。そこで昨年の結果だけでなく、改修後の中京芝1200m全体の傾向も踏まえながら今年のレースに対応できそうなデータを考えていきたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 12年CBC賞の1〜3着馬および1〜5番人気馬の成績

着順 人気 脚質 馬名 芝1200m成績(出走時) 芝1400m成績(出走時)
着別度数 重賞1〜3着実績 着別度数 重賞1〜3着実績
1 2 先行 マジンプロスパー 【1.0.0.2】 なし 【3.0.0.1】 阪急杯 1着
2 7 後方 スプリングサンダー 【1.0.0.4】 なし 【4.3.1.4】 阪急杯 2着 など
3 1 中団 ダッシャーゴーゴー 【3.2.1.8】 セントウルS 1着 など 【1.0.0.2】 なし
5 4 先行 エーシンヒットマン 【5.2.2.2】 なし 【0.0.0.2】 なし
7 5 逃げ エーシンダックマン 【4.4.0.9】 シルクロードS 2着 【2.0.0.2】 なし
9 3 先行 グランプリエンゼル 【4.4.2.15】 函館スプリントS 1着 など 【0.0.0.5】 なし

※脚質はTARGET frontier JVによる分類

表1は、12年CBC賞で1〜3着に入った馬と1〜5番人気に推されていた馬、合わせて6頭をまとめたもので、この6頭が出走時点で芝1200mと芝1400mでそれぞれどのような成績を収めていたのか、に注目してみた。というのも、昨年のCBC賞では施行距離の芝1200mではなく芝1400mでより多くの勝ち鞍を挙げ、重賞でも芝1400mのほうで実績を挙げていたマジンプロスパーとスプリングサンダーが揃って連対を果たしたからである。

一方、連対した2頭とは対照的に、芝1400mより芝1200mでより多くの勝ち鞍を挙げていたダッシャーゴーゴー、エーシンヒットマン、エーシンダックマン、グランプリエンゼルの4頭は、いずれも1〜5番人気に推されながら自身の単勝人気順を下回る着順しか残せなかった。このなかではダッシャーゴーゴーは3着を確保して最低限の責任を果たしてはいるが、3着では1番人気の期待に完全に応えたとは言い難い。この結果から推測するに、12年CBC賞は、施行距離の芝1200mではなく、もうすこし長い芝1400mに高い適性を持つ馬にとって好走しやすいレースだったと考えられるのではないだろうか。

■表2 中京芝1200m・良馬場・前走距離別成績(前走は芝のみ)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同距離 16-13- 20-175/224 7.1% 12.9% 21.9% 88% 74%
今回短縮 3- 5-2-60/70 4.3% 11.4% 14.3% 42% 47%


■表3 中京芝1200m・稍重〜不良馬場・前走距離別成績(前走は芝のみ)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同距離 3- 1- 3-36/43 7.0% 9.3% 16.3% 26% 27%
今回短縮 4- 3- 2-18/27 14.8% 25.9% 33.3% 104% 147%

とはいえ、1回のみのレース結果から、現行のCBC賞では芝1400m適性の高い馬を狙えと断言してしまうのは暴論だろう。というのも、昨年のレースは重馬場で行なわれており、たまたま道悪のタフなコンディションになったために芝1400m適性の高い馬が連対を占めたとも考えられるからだ。

そこで、コース改修後に行なわれた中京芝1200mにおいて、前走でも同じ芝1200mを走っていた馬と、前走では芝1200mより長い距離を走っていた馬がどのような成績を残しているのかということを、良馬場と稍重〜不良馬場に分けて比較してみたのが表2と表3で、表2が良馬場、表3が稍重〜不良馬場のものとなっている。そして、このふたつの表からは、良馬場であれば前走でも芝1200mを走っていた馬のほうが、稍重〜不良馬場になれば前走で芝1200mより長い距離を走っていた馬のほうが好成績を収めていることが一目瞭然だ。この傾向と昨年のCBC賞の結果を照らし合わせると、やはり昨年は重馬場になったがゆえに芝1400mで高い実績を持っていたマジンプロスパーとスプリングサンダーが連対を果たし、一方、芝1200mを中心に勝ち鞍を重ねていたダッシャーゴーゴーらは人気を下回る着順しか残せなかった、と考えるのが自然なのではないだろうか。

なお、13年の2回中京開催終了時点で、芝1200mに限らずコース改修後の中京芝では不良馬場のレースが行なわれたことがまだ一度もない。よって、表3(および後述する表5)のデータは、実際には稍重〜重馬場のものとなっている点には注意したい。

■表4 中京芝1200m・良馬場・脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 2-3-3-16/24 8.3% 20.8% 33.3% 234% 187%
先行 3-5-14-69/91 3.3% 8.8% 24.2% 10% 61%
中団 14-14-7-134/169 8.3% 16.6% 20.7% 193% 85%
後方 6-1-0-113/120 5.0% 5.8% 5.8% 37% 17%
マクリ 0-0-0-0/0          

※脚質はTARGET frontier JVによる分類


■表5 中京芝1200m・稍重〜不良馬場・脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 1-0-0-6/7 14.3% 14.3% 14.3% 51% 34%
先行 2-1-2-24/29 6.9% 10.3% 17.2% 42% 107%
中団 3-2-3-36/44 6.8% 11.4% 18.2% 42% 53%
後方 1-4-2-26/33 3.0% 15.2% 21.2% 15% 94%
マクリ 0-0-0-0/0          

※脚質はTARGET frontier JVによる分類

表1を改めて確認していただきたいが、重馬場で行なわれた昨年のCBC賞では逃げ・先行勢に苦戦傾向があった。1〜5番人気に推された馬のうち、逃げ・先行で馬券圏内を確保したのは芝1400m実績が豊富なマジンプロスパーだけで、芝1200m中心に実績を残していたエーシンヒットマン、エーシンダックマン、グランプリエンゼルの3頭は人気を裏切る結果に終わってしまった。一方、7番人気のスプリングサンダーは後方の位置どりから2着にまで突っ込んできている。つまり、昨年のCBC賞は、逃げや先行の脚質で芝1200m実績を残していたようなスピードタイプの馬には苦しく、一方で、芝1400mで差して好走していたような馬には走りやすいレースだったのではないかとも考えられるのだ。

そこで、脚質についても、良馬場と稍重〜不良馬場に分けて調べてみたい。表4が良馬場、表5が稍重〜不良馬場の道悪時の脚質別成績である。まず、表4の良馬場の場合、勝率〜複勝回収率の5項目すべてでもっとも優秀なのが「逃げ」、単勝回収率を除く4項目でもっとも悪いのが「後方」となっており、全体的に見ても前に行った脚質ほど好成績と言えるだけの成績になっていることがわかる。対して、表5の稍重〜不良馬場の場合、勝率ベースでは前の脚質ほど数字が良く、複勝率ベースでは一転して後ろの脚質ほど数字が良いという珍しい傾向になっている。すなわち、表4と表5から読み取れるのは、馬場状態を問わず1着を獲るという点では、なるべく前の脚質のほうが有利ということ。そして、3着以内というという点では良馬場なら前の脚質のほうが有利だが、道悪になればむしろ後ろの脚質のほうが有利ということである。つまり、先行したマジンプロスパーが1着に入り、後方のスプリングサンダーが2着、中団のダッシャーゴーゴーが3着に入った昨年のCBC賞は、道悪時の中京芝1200mにおける脚質傾向に沿った結果だったと判断してもいいのではないだろうか。となれば、そもそも開幕週の開催ということを考えても、今年のCBC賞が良馬場になれば、重馬場だった昨年とは打って変わって逃げ・先行馬が上位を独占するケースも視野に入れたほうがよさそうだ。

【結論】

以上を踏まえて、良馬場時と稍重〜不良馬場時の2パターンに分けて、今年のCBC賞登録馬について考えてみたい。

2012/11/24 京都11R 京阪杯 1着 1番 ハクサンムーン

まず、良馬場になった場合は、開幕週ということもあって高速決着のスピード勝負となる可能性が十分に考えられるので、芝1200mで実績を積んできた逃げ・先行脚質の馬を重視してみたい。このタイプの筆頭格となりそうなのが、昨年の京阪杯を逃げ切り、今年の高松宮記念でも逃げて3着に粘ったハクサンムーンだろう。ほかには、アイラブリリ、エーシンダックマン、キョウワマグナム、バーバラといったあたりも芝1200mで前に行って勝ち上がってきた馬たちで、かつては追い込みのイメージがあったツルマルレオンも今年の高松宮記念で先行するレースを見せており、前に行ければ良馬場時に怖い存在となりそうだ。

2012/7/1 中京11R CBC賞(G3) 1着 16番 マジンプロスパー

一方、稍重〜不良馬場になった場合は、昨年と同様に芝1400mに実績のある馬を上位にとってみたい。そして、道悪になれば後ろからの脚質でも好走できる確率が高くなるものの、勝ち切れるのはそれでも前に行った馬という傾向もあった。そうしたことから道悪時に有力視できるのは、やはり昨年の勝ち馬であるマジンプロスパーだろう。昨年に比べてハンデが0.5キロほど重い58キロとなるが、今年のシルクロードSで58キロを背負って0秒1差の4着に入っており、克服のメドは立っている。ほかに芝1400m実績がある馬としてはウインドジャズ、ザッハトルテ、ヤマカツハクリュウ、ラトルスネークといった馬たちの名前も挙げられる。この4頭はいずれも中団〜後方から進むタイプなので勝ち切るまでは難しいかもしれないが、道悪になったほうが好走できる確率は高くなるはず。また、久しぶりに芝のレースに登録してきたファリダットも、芝では1200mより1400mに実績があるので道悪は歓迎だろう。

そのほか、さらに長い距離を中心に使われてきたゴールスキー、フレールジャック、ザラストロなども登録がある。開幕週、良馬場の芝1200mでスピード勝負になると追走できずにレースが終わってしまうケースも考えられることから、これらの転身組にとっても道悪になったほうがチャンスはありそうだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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