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第703回 夏競馬スタート! 夏にまつわる様々なファクターを分析する

2013/5/27(月)

当コーナーでは第307回にも「夏競馬に強いのは誰かを占う!」と題して夏競馬についてのデータを分析しているが、すでに4年が経過しており、データにも大きな変化が現れていることと思われる。新たにデータを確認し直しておく意義は大きいはずだ。もちろん、データの切り口にはさらなる工夫を凝らしている。集計期間は過去3年、2010〜2012年の夏季開催における平地競走。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 夏競馬・前走同クラス・昇級戦・降級戦成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同クラス 2091- 2122- 2178-23600/29991 7.0% 14.0% 21.3% 71% 77%
昇級戦 219-  191-  185- 1716/ 2311 9.5% 17.7% 25.7% 72% 79%
降級戦 194-  187-  138-  904/ 1423 13.6% 26.8% 36.5% 73% 84%

夏競馬といえば4歳馬の降級が大きなテーマとなる。そこで、はじめに確認しておきたいのが昇級や降級に関するデータ。まずは年齢を問わず、「前走と同クラスに出走した馬=同クラス」「前走から昇級となるレースに出走した馬=昇級戦」「前走から降級となるレースに出走した馬=昇級戦」を単純に比較して、基本的な傾向を確認しておこう。表1を見ると、やはり好走率が高いのは「降級戦」。人気を集めやすい傾向はあるものの、それでも単勝、複勝の回収率は「同クラス」や「昇級戦」より高いので狙う価値はある。また、「同クラス」より「昇級戦」のほうが好成績を収めている点にも注目したい。「夏は格より調子」という有名な格言も教えるとおり、同じクラスにとどまっている馬より、前走を勝って昇級してきた馬を狙ってみるほうが好結果につながりやすいようだ。

■表2 夏競馬・4歳・降級戦・単勝人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 75-  42-  20-  81/ 218 34.4% 53.7% 62.8% 82% 84%
2番人気 23-  42-  27-  72/ 164 14.0% 39.6% 56.1% 54% 91%
3番人気 21-  37-  20-  92/ 170 12.4% 34.1% 45.9% 66% 92%
4番人気 6-  11-  20-  85/ 122 4.9% 13.9% 30.3% 44% 73%
5番人気 6-   9-   9-  69/  93 6.5% 16.1% 25.8% 71% 68%
6番人気 10-   5-   4-  65/  84 11.9% 17.9% 22.6% 177% 85%
7番人気 2-   4-   2-  44/  52 3.8% 11.5% 15.4% 61% 63%
8番人気 3-   1-   2-  39/  45 6.7% 8.9% 13.3% 115% 67%
9番人気 0-   2-   1-  30/  33 0.0% 6.1% 9.1% 0% 72%
10番人気 1-   0-   3-  29/  33 3.0% 3.0% 12.1% 127% 162%
11番人気 0-   1-   0-  24/  25 0.0% 4.0% 4.0% 0% 34%
12番人気 0-   0-   0-  15/  15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
13番人気 0-   0-   0-   8/   8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-   1-   0-   6/   7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 142%
15番人気 0-   0-   1-   5/   6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 278%
16番人気 0-   0-   0-   1/   1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
17番人気 0-   0-   0-   2/   2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-   0-   0-   0/   0          

ここからは、気になる「4歳馬に限った降級戦」のデータを確認していきたい。単勝人気別を示したのが表2で、1〜3番人気の複勝回収率はすべて水準の80%を超える数字をマークしており、3着以内を確保してくれそうな軸馬という点では比較的狙いやすいことがわかる。一方、単勝回収率に目を転じると1番人気こそ水準以上の数字を記録しているものの、それぞれ54%、66%と振るわない2番人気と3番人気は1着には狙いづらいことが見てとれる。むしろ、単勝回収率が高いのは6〜10番人気のゾーンで、合計して単勝回収率111%という優秀な数字を残している。夏の降級戦に出走する4歳馬が6〜10番人気の評価にとどまっている場合は、思い切って1着で狙ってみるとおもしろそうだ。

■表3 夏競馬・4歳・降級戦・前走着順別成績

前確定着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 0-  0-  0-  0/  0          
前走2着 21- 13- 11- 23/ 68 30.9% 50.0% 66.2% 80% 88%
前走3着 9- 14-  6- 26/ 55 16.4% 41.8% 52.7% 40% 78%
前走4着 17- 15-  8- 33/ 73 23.3% 43.8% 54.8% 83% 90%
前走5着 11- 16-  9- 38/ 74 14.9% 36.5% 48.6% 79% 85%
前走6〜9着 41- 47- 29-173/290 14.1% 30.3% 40.3% 65% 91%
前走10着〜 48- 49- 46-370/513 9.4% 18.9% 27.9% 76% 76%

「4歳馬に限った降級戦」の前走着順別成績を示したのが表3で、やはり手堅いのは前走で2着に入っていた馬。上のクラスで2着に入るほどの馬が降級戦に出てくれば勝ち負けになるのは当然とも言えるが、単複の回収率も悪くないので十分に狙いが立ちそうだ。ところが、前走3着と前走4着と比較すると、前走4着馬のほうがすべての数値において上回っているのは興味深い。特に差がついているのが勝率と単勝回収率なので、アタマから狙うときは前走3着と前走4着の違いには注意したほうがいいかもしれない。そもそも前走4着のほうが高い勝利を記録しているうえに、前走4着には馬券圏内を外した馬というマイナスのイメージも加わるため、さらに妙味が増して単勝回収率も高く出るのだろう。また、前走6〜9着でも複勝率40.3%、複勝回収率91%となかなか優秀な数字が残っている。前走10着以下となるとさすがに好走率がだいぶ下がってしまうが、前走で掲示板には載れなかったものの、ひとケタ着順はキープしていた4歳降級馬がいたら狙ってみる価値がありそうだ。

■表4 夏競馬・騎手別成績(単勝回収率順・騎乗200レース以上)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
黛弘人 14- 12- 16-274/316 4.4% 8.2% 13.3% 177% 76%
鮫島良太 16- 10- 10-246/282 5.7% 9.2% 12.8% 140% 68%
丸田恭介 43- 39- 33-522/637 6.8% 12.9% 18.1% 120% 79%
中谷雄太 8-  8- 11-196/223 3.6% 7.2% 12.1% 119% 143%
木幡初広 17- 32- 26-364/439 3.9% 11.2% 17.1% 117% 122%
津村明秀 35- 18- 28-336/417 8.4% 12.7% 19.4% 114% 81%
秋山真一郎 52- 47- 38-313/450 11.6% 22.0% 30.4% 110% 101%
宮崎北斗 21- 23- 21-279/344 6.1% 12.8% 18.9% 102% 98%
和田竜二 75- 70- 62-498/705 10.6% 20.6% 29.4% 98% 81%
川田将雅 81- 64- 40-314/499 16.2% 29.1% 37.1% 97% 83%

2012/7/15 函館12R 立待岬特別1着 9番 オレンジティアラ

表4は夏競馬における騎手別成績(騎乗200レース以上)を単勝回収率順に並べたもの。この表に載っていれば「夏競馬で穴をあけるジョッキー」と言い換えてもいいだろう。トップの単勝回収率177%をマークしたのは黛弘人騎手。昨年、立待岬特別で14番人気のオレンジティアラに騎乗して単勝3850円の穴をあけるなど函館に限れば単勝回収率296%にまで上昇するので、札幌がスタンド改修工事中のため函館のロングラン開催となる今年はさらに期待できそうだ。2位の鮫島良太騎手は小倉で単勝回収率192%まで上昇。佐賀県出身で地元に近いこともあって、気合が入るのかもしれない。3位の丸田恭介騎手は、黛騎手と同じく単勝回収率172%の函館が狙い目となるだろう。

■表5 夏競馬・厩舎別成績(単勝回収率順・出走200レース以上)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
(美)水野貴広 27- 30- 24-164/245 11.0% 23.3% 33.1% 167% 120%
(美)矢野英一 21- 14- 15-150/200 10.5% 17.5% 25.0% 160% 106%
(栗)本田優 21- 14- 24-156/215 9.8% 16.3% 27.4% 140% 89%
(栗)鮫島一歩 25- 24- 27-207/283 8.8% 17.3% 26.9% 138% 91%
(栗)須貝尚介 33- 20- 25-130/208 15.9% 25.5% 37.5% 133% 91%
(美)天間昭一 14- 20- 10-171/215 6.5% 15.8% 20.5% 116% 92%
(栗)友道康夫 39- 24- 24-119/206 18.9% 30.6% 42.2% 111% 99%
(美)二ノ宮敬宇 28- 26- 23-170/247 11.3% 21.9% 31.2% 110% 92%
(栗)石坂正 31- 22- 17-142/212 14.6% 25.0% 33.0% 109% 86%
(栗)佐々木晶三 23- 17- 15-154/209 11.0% 19.1% 26.3% 103% 71%

2010/9/5 阪神11R 新潟2歳ステークス(G3)1着 16番 マイネイサベル

表5は夏競馬における厩舎別成績(出走200レース以上)を単勝回収率順に並べたもので、こちらは「夏競馬で穴をあける厩舎」と言えるだろう。トップは単勝回収率167%の水野貴広厩舎。関東所属の厩舎にとって夏のメイン競馬場となる新潟でも、9番人気のマイネイサベルで10年新潟2歳Sを勝つなど単勝回収率163%と好成績を収めているが、狙ってみたいのは単勝回収率384%の函館だ。ただし、それ以上に函館を得意としているのが2位の矢野英一厩舎で、こちらは函館で単勝回収率515%と驚異的な数字を残している。ただ単に穴をあけるだけでなく勝率18.2%と信頼性も高いので、見かけたら積極的に狙ってみたい。3位の本田優厩舎は札幌の11勝に対して函館では1勝のみ。札幌開催がない今年のカレンダーでは心配な面もあるが、函館でも複勝率31.3%、複勝回収率133%と優秀な数字を残しており、たまたま勝ち鞍につながらなかっただけと考えてよさそうだ。

■表6 夏競馬・種牡馬別成績(単勝回収率順・出走200レース以上)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
オペラハウス 18-  25-  15- 242/ 300 6.0% 14.3% 19.3% 194% 95%
フサイチコンコルド 14-  12-  17- 243/ 286 4.9% 9.1% 15.0% 128% 75%
アドマイヤマックス 22-  23-  31- 229/ 305 7.2% 14.8% 24.9% 112% 94%
リンカーン 12-  20-  26- 211/ 269 4.5% 11.9% 21.6% 112% 91%
ファルブラヴ 29-  22-  21- 255/ 327 8.9% 15.6% 22.0% 110% 74%
スペシャルウィーク 58-  63-  64- 550/ 735 7.9% 16.5% 25.2% 107% 95%
ロージズインメイ 51-  57-  47- 429/ 584 8.7% 18.5% 26.5% 106% 87%
アルカセット 19-  10-  13- 237/ 279 6.8% 10.4% 15.1% 102% 50%
アグネスデジタル 37-  44-  43- 398/ 522 7.1% 15.5% 23.8% 98% 118%
ワイルドラッシュ 31-  22-  24- 257/ 334 9.3% 15.9% 23.1% 93% 64%

表6は夏競馬における種牡馬別成績(出走200レース以上)を単勝回収率順に並べたもので、つまり「夏競馬で穴をあける種牡馬」ということになる。トップとなったオペラハウスの単勝回収率194%は、2位以下に大差をつける圧倒的なものだが、単勝4万6080円という大きな配当によって引き上げられた感が否めないので、この数字をそのまま鵜呑みにしないほうがいいかもしれない。そこで、狙ってみたいのは2位のフサイチコンコルド。【1.1.0.43】と振るわない新潟を除けば単勝回収率150%にまで上昇する。複勝率24.9%と信頼性を兼ね備えているのが3位のアドマイヤマックスだ。2、3歳の若駒が好調で、なかでも2歳新馬戦および2、3歳の未勝利戦に限ると単勝回収率164%となっている。

■表7 夏競馬・2歳戦・種牡馬別成績(単勝回収率順・出走50レース以上)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
スズカマンボ 2-  6-  3- 65/ 76 2.6% 10.5% 14.5% 164% 73%
フジキセキ 17- 12- 12- 75/116 14.7% 25.0% 35.3% 123% 91%
ハーツクライ 16-  9-  9- 40/ 74 21.6% 33.8% 45.9% 122% 115%
ジャングルポケット 12-  9-  8- 60/ 89 13.5% 23.6% 32.6% 111% 70%
プリサイスエンド 10-  7-  8- 58/ 83 12.0% 20.5% 30.1% 110% 90%
タニノギムレット 11-  6-  6- 91/114 9.6% 14.9% 20.2% 106% 67%
ロージズインメイ 7- 14-  8-107/136 5.1% 15.4% 21.3% 106% 106%
ダイワメジャー 19- 22-  6-101/148 12.8% 27.7% 31.8% 95% 74%
アドマイヤマックス 11- 11- 13- 73/108 10.2% 20.4% 32.4% 93% 90%
マンハッタンカフェ 13- 11-  6- 55/ 85 15.3% 28.2% 35.3% 86% 103%

最後に、2歳戦に限った種牡馬別成績(出走50レース以上)を単勝回収率順で確認しておこう。トップは単勝回収率164%のスズカマンボ。ただし、集計期間内に2勝のみで、そのうち1勝が単勝1万2190円という配当だったことから偏った数字になってしまった面は否定できない。オークス馬を出して一躍注目を浴びたようにポテンシャルの高い種牡馬であることは間違いないが、夏競馬に関してはしばらく動向に注意しつつ静観したほうがよさそうだ。その点、集計期間内17勝で2位のフジキセキ、同じく16勝で3位のハーツクライであれば、数字の信憑性も大きく増す。それぞれの狙いどころを挙げておくと、フジキセキは17勝中6勝を占めて単勝回収率234%の新潟、ハーツクライは16勝中7勝を占めて単勝回収率178%の小倉の2歳戦を得意としている。いずれも芝が狙い目だ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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