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第697回 6歳牝馬について考える

2013/5/6(月)

今週は古牝馬によるG1競走・ヴィクトリアマイルが行われる。このレースの年齢別成績を調べると、過去7回の連対馬14頭中11頭が4歳馬で、残る3頭は5歳馬と、6歳以上は少々買いづらい。しかし、他のレースでは6歳牝馬が波乱を演出する例も少なくない印象がある。そこで今回は、6歳牝馬について調べてみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。なお、ヴィクトリアマイルは木曜掲載分で取り上げる予定だ。

■表1 ヴィクトリアM(過去7年)とエリザベス女王杯(過去10年)の年齢別成績

レース 年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ヴィクトリアM 4歳 5-6-3-53/67 7.5% 16.4% 20.9% 129% 92%
5歳 2-1-2-27/32 6.3% 9.4% 15.6% 17% 43%
6歳 0-0-2-17/19 0.0% 0.0% 10.5% 0% 77%
7歳以上 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
女王杯 3歳 5-3-2-43/53 9.4% 15.1% 18.9% 100% 35%
4歳 3-2-5-42/52 5.8% 9.6% 19.2% 16% 58%
5歳 2-4-2-36/44 4.5% 13.6% 18.2% 227% 71%
6歳 0-1-1-10/12 0.0% 8.3% 16.7% 0% 196%
7歳以上 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

まず表1は、古牝馬によるG1・ヴィクトリアM(創設以来の7回)とエリザベス女王杯(過去10年)の年齢別成績である。ヴィクトリアMは冒頭にも触れたように、好走馬の大半を4歳馬が占めており、6歳馬は連対ナシの3着2回。7歳以上は09年のジョリーダンス5着が最高だ。一方、エリザベス女王杯は6歳馬の出走すら少なく、ヴィクトリアM7回では平均3頭近くの出走があったのに対し、こちらは10年平均で1頭少々で、結果以前にサンプル不足だ。ただ、両G1を合わせて集計してみると、6歳牝馬の複勝回収率は123%になり、好走馬の少なさで消してしまうには惜しい印象もある。

■表2 古馬平地オープン・重賞の性齢別成績(08年以降)

性別 年齢 着別度数 出走占有率 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
牡・セン 3歳 54-44-30-321 4.5% 12.0% 21.8% 28.5% 78% 95%
4歳 167-162-148-1112 16.1% 10.5% 20.7% 30.0% 71% 83%
5歳 226-216-194-1800 24.6% 9.3% 18.1% 26.1% 95% 86%
6歳 129-131-154-2112 25.5% 5.1% 10.3% 16.4% 91% 79%
7歳以上 77-119-124-2570 29.2% 2.7% 6.8% 11.1% 51% 66%
牝馬 3歳 12-16-17-164 9.2% 5.7% 13.4% 21.5% 38% 65%
4歳 68-41-53-534 30.6% 9.8% 15.7% 23.3% 86% 72%
5歳 52-57-57-618 34.4% 6.6% 13.9% 21.2% 117% 87%
6歳 18-19-30-347 18.2% 4.3% 8.9% 16.2% 98% 103%
7歳以上 5-0-2-167 7.6% 2.9% 2.9% 4.0% 45% 20%

続いて表2は、08年以降、本年4月までの古馬平地オープン・重賞競走について性齢別の成績を調べたものだ。「出走占有率」は、性別にそれぞれの年齢が全出走馬の何パーセントを占めていたかを示しており、3歳牝馬なら牝馬の全出走2277頭中209頭で9.2%である。6歳牝馬はその出走占有率が18.2%。牡・セン馬は6歳や7歳以上の出走も多く見られるが、繁殖入りのハードルが低い牝馬は、6歳を迎えると明らかに出走数が少なくなる。ただ、好走確率は同じ牝馬の中で4、5歳と比べると見劣るものの、牡・セン馬の6歳とは大差ない。そして単勝回収率98%、複勝回収率103%と、6歳を迎えても現役にとどまった牝馬なら狙ってみるのも悪くない、積極的に買う手すらありそうな印象だ。

■表3 6歳牝馬の成績推移(平地オープン・重賞)

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2003年 3-5-10-99/117 2.6% 6.8% 15.4% 25 83
2004年 5-3-8-35/51 9.8% 15.7% 31.4% 50 100
2005年 1-4-2-79/86 1.2% 5.8% 8.1% 41 28
2006年 7-3-4-37/51 13.7% 19.6% 27.5% 120 72
2007年 3-6-9-57/75 4.0% 12.0% 24.0% 32 82
2008年 2-2-2-49/55 3.6% 7.3% 10.9% 33 58
2009年 3-3-6-55/67 4.5% 9.0% 17.9% 96 149
2010年 6-6-9-70/91 6.6% 13.2% 23.1% 67 128
2011年 3-4-5-64/76 3.9% 9.2% 15.8% 68 89
2012年 3-1-6-80/90 3.3% 4.4% 11.1% 176 88
2013年 1-3-2-29/35 2.9% 11.4% 17.1% 152 86

2013/1/6 中山11R ジャニュアリーS 1着 15番 キョウエイカルラ

表3は、同じく古馬の平地オープン・重賞競走について、6歳牝馬に絞って年別の成績推移を調べたものである。この表の前半、08年までは必ずしも「買い」とは言えない数字になっているが、後半の09年以降は控除率も考慮すれば優秀な複勝回収率80%以上を安定して確保。単勝回収率も昨年が176%、そして今年も4月まで152%という高い値を記録している。
ただ、今年の35頭で1勝(ジャニュアリーS、キョウエイカルラ・13番人気)、勝率2.9%という数字からもわかるように、買う機会が少ない上になかなか勝たない、そして馬単や3連単での「抜け」の可能性も考えると、常に1着候補として考えるのは苦しい感もある。たまたま買わなかったときに勝たれると、次にいつ勝つのかわからないという面もあり、どちらかといえば複勝やワイド、3連複で狙った方が良さそうな印象だ。複勝率なら表2にあったように08年以降でも16.2%と、見かけたら買ってみる、という形でも悪くない。

■表4 12年以降の平地オープン・重賞における6歳牝馬の好走馬

レース 馬名 人気 着順 単勝 複勝
12 ジャニュアリーS レディルージュ 2 3   170円
オーシャンS ワンカラット 9 1 2690円 580円
グランプリエンゼル 5 2   440円
中山牝馬S エオリアンハープ 11 3   680円
阪神牝馬S フミノイマージン 4 3   240円
函館スプリントS ビスカヤ 11 3   1820円
プロキオンS トシキャンディ 12 1 11920円 1540円
しらかばS プリンセスペスカ 13 3   1290円
札幌記念 フミノイマージン 4 1 1240円 220円
朱鷺S チャームポット 13 3   950円
13 ジャニュアリーS キョウエイカルラ 13 1 5340円 1200円
淀短距離S メイショウデイム 11 2   520円
京都牝馬S ベストクルーズ 10 3   410円
シルクロードS メイショウデイム 11 3   500円
ポラリスS スティールパス 2 2   170円
中山牝馬S スマートシルエット 2 2   210円

表4は、昨年1月以降の古馬平地オープン・重賞競走で好走した6歳牝馬を列挙したもので、2桁人気での好走馬が該当馬16頭中9頭と半数以上を占めている。4〜5歳に比べ複勝率が高くない中での高回収率、当然穴馬の好走が多いことは予想されたが、予想以上に2桁人気馬が多い印象も受ける結果だ。

■表5 平地オープン・重賞競走における6歳牝馬の月別成績(09年〜12年)

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1月 1-0-3-39/43 2.3% 2.3% 9.3% 80% 47%
2月 1-1-3-22/27 3.7% 7.4% 18.5% 21% 67%
3月 3-2-2-23/30 10.0% 16.7% 23.3% 141% 124%
4月 0-2-5-23/30 0.0% 6.7% 23.3% 0% 86%
5月 1-0-2-25/28 3.6% 3.6% 10.7% 71% 68%
6月 1-1-2-17/21 4.8% 9.5% 19.0% 105% 246%
7月 2-2-1-21/26 7.7% 15.4% 19.2% 508% 121%
8月 3-2-3-29/37 8.1% 13.5% 21.6% 92% 157%
9月 0-0-1-12/13 0.0% 0.0% 7.7% 0% 30%
10月 1-1-1-27/30 3.3% 6.7% 10.0% 92% 89%
11月 0-2-2-18/22 0.0% 9.1% 18.2% 0% 230%
12月 2-1-1-13/17 11.8% 17.6% 23.5% 110% 120%
1〜3月 5-3-8-84/100 5.0% 8.0% 16.0% 82% 76%
4〜6月 2-3-9-65/79 2.5% 6.3% 17.7% 53% 122%
7〜9月 5-4-5-62/76 6.6% 11.8% 18.4% 218% 123%
10〜12月 3-4-4-58/69 4.3% 10.1% 15.9% 67% 142%

表2では「過去5年」プラス数ヶ月ということで08年以降について調べたが、ここからは表3で複勝高回収率が続く09年以降のデータを見ていきたい。表4で少し気になったのは、昨年の6歳牝馬の好走馬が、夏の朱鷺Sを最後に出ていなかった点だ。そこで表5では月別成績を調べてみた。出走数も見たいため本年1〜4月分は除外しているが、その出走数は確かに秋競馬に入ると減少する傾向が見られる。ただ、不振なのは9月のみで、10月以降は複勝回収率が高く、特に11、12月は複勝率も水準以上。6歳牝馬全体と同様に、7歳が近くなっても現役にとどまってさえいれば狙い目はある。また、今月・5月こそひと息なものの、6〜8月は好走確率、回収率ともに高い傾向にあり、「夏の牝馬」は6歳馬でも大いに注目したい。

■表6 平地オープン・重賞競走における6歳牝馬の人気別成績(09年以降)

条件 人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
牡馬混合 1〜3 2-2-1-21/26 7.7% 15.4% 19.2% 41% 39%
4〜6 4-3-7-27/41 9.8% 17.1% 34.1% 131% 119%
7〜9 2-3-2-60/67 3.0% 7.5% 10.4% 59% 57%
10〜12 3-4-4-55/66 4.5% 10.6% 16.7% 274% 148%
13〜15 1-0-3-42/46 2.2% 2.2% 8.7% 116% 98%
16〜18 0-0-1-16/17 0.0% 0.0% 5.9% 0% 117%
牝馬限定 1〜3 0-1-2-8/11 0.0% 9.1% 27.3% 0% 53%
4〜6 3-0-1-10/14 21.4% 21.4% 28.6% 209% 85%
7〜9 1-1-1-8/11 9.1% 18.2% 27.3% 200% 153%
10〜12 0-1-5-15/21 0.0% 4.8% 28.6% 0% 281%
13〜15 0-2-1-24/27 0.0% 7.4% 11.1% 0% 148%
16〜18 0-0-0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2012/7/8 中京11R 東海テレビ杯プロキオンS 1着 6番 トシキャンディ

表6は人気別の成績を見たものである。ポイントは、牡馬混合か牝馬限定かに関わらず、1〜3番人気の回収率が低いことだ。特に牝馬限定戦では12番人気あたりまでなら上位から下位まで複勝率に差はなく、その分、下位人気ほど複勝回収率が高くなっている。6歳牝馬は「人気薄でも買える」ではなく「人気薄こそ買い」。人気になる馬自体も少ないが、そういった人気馬は逆に疑ってかかっても良さそうな印象を受ける。

■表7 平地オープン・重賞競走における6歳牝馬の前走着順、前走人気別成績(09年以降)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
着順 1着 1-0-6-26/33 3.0% 3.0% 21.2% 14% 120%
2着 0-3-2-11/16 0.0% 18.8% 31.3% 0% 229%
3着 1-1-1-27/30 3.3% 6.7% 10.0% 43% 44%
4着 1-2-4-10/17 5.9% 17.6% 41.2% 158% 160%
5着 1-4-0-9/14 7.1% 35.7% 35.7% 52% 213%
6〜9着 6-2-8-93/109 5.5% 7.3% 14.7% 164% 80%
10着〜 6-5-7-120/138 4.3% 8.0% 13.0% 115% 116%
人気 1人気 2-0-0-7/9 22.2% 22.2% 22.2% 214% 83%
2人気 0-2-1-13/16 0.0% 12.5% 18.8% 0% 103%
3人気 1-1-2-13/17 5.9% 11.8% 23.5% 158% 105%
4人気 0-0-4-20/24 0.0% 0.0% 16.7% 0% 116%
5人気 2-2-1-21/26 7.7% 15.4% 19.2% 75% 71%
6〜9人 8-6-7-85/106 7.5% 13.2% 19.8% 243% 122%
10人〜 3-6-12-138/159 1.9% 5.7% 13.2% 41% 109%

前走着順や、前走人気別の成績も見てみたい。こちらは複勝回収率としては、ほぼどんな馬を買っても悪くない、といった傾向だ。ただ、そんな中で目立つのは前走4〜5着馬の高複勝率だ。別途人気別の成績を調べると、さすがに前走4〜5着では人気薄ばかりではなくなるが、それでも好走12頭中半数の6頭が8番人気以下だった。「6歳牝馬をひたすら買い続けるのはちょっと……」という方なら、この前走4〜5着馬を買ってみると、比較的高い確率で期待に応えてくれるという09年以降のデータだ。ちなみにすぐ下の前走6着馬は【1.1.2.27】で複勝率は12.9%と、4〜5着馬とは大差がついている。(複勝回収率は86%)。

■表8 6歳牝馬のクラス別成績(09年以降)

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
500万下 28-45-48-828/949 3.0% 7.7% 12.8% 45% 68%
1000万下 26-40-43-1077/1186 2.2% 5.6% 9.2% 43% 57%
1600万下 13-18-23-417/471 2.8% 6.6% 11.5% 53% 75%
OPEN特別 5-8-11-116/140 3.6% 9.3% 17.1% 81% 101%
G3 9-7-10-117/143 6.3% 11.2% 18.2% 160% 131%
G2 2-1-4-41/48 4.2% 6.3% 14.6% 97% 54%
G1 0-1-3-24/28 0.0% 3.6% 14.3% 0% 138%

ここまで、オープン・重賞に絞ってデータを見てきたが、最後に条件戦も含めた6歳牝馬のクラス別成績も見ておきたい。条件戦全体としてはこれまでのデータとは一転、複勝回収率、複勝率ともに、あまり手を出したくない成績で、1600万条件でも複勝回収率は75%止まり。悪いとまでは言えないものの、オープン・重賞に比べれば少々の見劣りは否めない。また、オープン・重賞の中ではG2のみが複勝回収率100%を下回る54にとどまっている。

以上、6歳牝馬について主にオープン・重賞を中心にいくつかのデータを調べてみた。冒頭にも触れたように、今週のヴィクトリアM過去7回のデータだけを見ると少々買いづらいが、3着2頭は09年・7番人気のショウナンラノビアと、10年・11番人気のニシノブルームーンと、ともに人気薄。サンプルが少なく「もう1頭好走すれば……」という面もあるほか、オープン・重賞で継続的に買えば悪くない数字になっているだけに、少なくとも年齢だけで消すのは避けた方が良さそうな印象だ。また表5にもあったように、これから夏に向けてはぜひとも注目していきたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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