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第693回 この20年の天皇賞(春)優勝馬を振り返る

2013/4/22(月)

今週日曜日は天皇賞(春)が行われる。今回は過去20年の天皇賞(春)優勝馬にスポットを当て、同レース全体の流れを大きく考えていくことにしたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去20年の天皇賞(春)優勝馬(1)

優勝馬 性齢 初勝利 コース
93年 ライスシャワー 牡4 2歳8月 1 新潟芝1000m 8 2 1
94年 ビワハヤヒデ 牡4 2歳9月 1 阪神芝1600m 2 2 1
95年 ライスシャワー 牡6 2歳8月 1 新潟芝1000m 8 2 1
96年 サクラローレル 牡5 3歳1月 3 東京ダ1400m
97年 マヤノトップガン 牡5 3歳3月 4 京都ダ1200m 1
98年 メジロブライト 牡4 2歳8月 1 函館芝1800m 4 3 3
99年 スペシャルウィーク 牡4 2歳11月 1 阪神芝1600m 3 1 2
00年 テイエムオペラオー 牡4 3歳2月 3 京都ダ1800m 1 3 2
01年 テイエムオペラオー 牡5 3歳2月 3 京都ダ1800m 1 3 2
02年 マンハッタンカフェ 牡4 3歳2月 2 東京芝1800m 1
03年 ヒシミラクル 牡4 3歳5月 10 中京芝2000m 1
04年 イングランディーレ 牡5 2歳10月 4 東京ダ1200m
05年 スズカマンボ 牡4 2歳8月 2 札幌芝1800m 17 5 6
06年 ディープインパクト 牡4 2歳12月 1 阪神芝2000m 1 1 1
07年 メイショウサムソン 牡4 2歳9月 3 小倉芝1800m 1 1 4
08年 アドマイヤジュピタ 牡5 2歳12月 3 阪神芝2000m
09年 マイネルキッツ 牡6 2歳10月 2 東京芝1800m
10年 ジャガーメイル 牡6 3歳9月 1 中山芝2000m
11年 ヒルノダムール 牡4 2歳11月 2 京都芝1800m 2 9 7
12年 ビートブラック 牡5 3歳2月 7 阪神ダ1400m 3

1993/4/25 京都10R 天皇賞(春)(G1)1着 3番 ライスシャワー

表1は過去20年の天皇賞(春)優勝馬の一覧。一番新しいところでは昨年のビートブラックで、93年のライスシャワーまでさかのぼることになる。昨今では天皇賞(秋)やJC、有馬記念といった古馬の大レースでも牝馬が勝つことはめずらしくなくなった。しかし、天皇賞(春)に限れば過去20年の優勝は牡馬。牝馬は出走そのものが少ないという背景もあるのだが、牡馬による戦いが長い間続いている。ステイヤーに関しては性による得手・不得手という特徴があるのかもしれない。

そして一般的にステイヤーといえば、遅咲きというイメージはある。だが、実際には早い時期にデビューし、勝ち鞍を挙げている馬が多い。ライスシャワーは2歳8月という早いデビュー。そこで見事に勝利を飾った。同じく生粋のステイヤーというべき活躍を果たしたメジロブライトも2歳8月でのデビュー。やはり同じく初陣で勝利をつかんだ。比較的長い間活躍した馬でも、デビューは早かった。

また、90年代は早期にデビューし、その後にクラシック戦線に乗る馬が多かった。ライスシャワー、ビワハヤヒデ、スペシャルウィークなどは牡馬クラック戦線を戦い抜き、そこで好成績を収めていた。特に菊花賞の優勝馬が多いことがわかる。97年優勝のマヤノトップガンは皐月賞と日本ダービーは不出走だったが、秋の菊花賞で素質を開花させた。

過去20年を10年ずつで二つにわけると、93〜02年までは3歳時に牡馬クラシック戦線で安定した成績を収めていた馬が多く、名を連ねている。クラシックに全く縁がなかったのは96年優勝のサクラローレルだけ。そのほかの年では菊花賞で3着以内に入っていた馬が勝利を収めていたことになる。

ところが03年以降の10年では、傾向が大きく変わる。クラシックで安定して好成績を収めていたのはディープインパクトとメイショウサムソンだけ。イングランディーレやアドマイヤジュピタなど、クラシックに出走できなかった馬の活躍が多くなっている。それだけでなく、クラシックに出走していたが結果を出せなかったスズカマンボやヒルノダムールのようなタイプまで優勝するケースが出てきた。勝ち馬のタイプが多様化したことで、後半の10年のほうが明らかに、予想は難しくなってきている。

2004/5/2 京都11R 天皇賞(春)(G1)1着 6番 イングランディーレ

そんな中でも優勝馬のデビューコース(距離)は一定の傾向が保たれている。競馬場はどこでもよいが、距離は1800〜2000mでデビューを迎えた馬が多い。陣営による距離適性の判断が正しかったことの証明にもなるだろうか。逆に短距離でのデビューは少ない。ただ、ダート戦のデビューも案外いることは興味深い。ビートブラックは阪神ダート1400m、イングランディーレは東京ダート1200mのデビューしていた。中距離ではなく短距離でのデビューだったことも驚きだ。デビュー時点ではとても後に天皇賞(春)を勝つとは思えない。そしてビートブラックとイングランディーレはともに天皇賞(春)を逃げ切っての優勝。奇しくもそのような共通点がある。「ダートの短距離が向いているのではないか?」と思われていた馬が、後々天皇賞(春)で穴をあけているのだ。

■表2 過去20年の天皇賞(春)優勝馬(2)

優勝馬 人気 オッズ 頭数
93年 ライスシャワー 2 5.2 15
94年 ビワハヤヒデ 1 1.3 11
95年 ライスシャワー 4 5.8 18
96年 サクラローレル 3 14.5 16
97年 マヤノトップガン 2 3.7 16
98年 メジロブライト 2 2.3 14
99年 スペシャルウィーク 1 2.3 12
00年 テイエムオペラオー 1 1.7 12
01年 テイエムオペラオー 1 2 12
02年 マンハッタンカフェ 2 2.9 11
03年 ヒシミラクル 7 16.1 18
04年 イングランディーレ 10 71 18
05年 スズカマンボ 13 35.1 18
06年 ディープインパクト 1 1.1 17
07年 メイショウサムソン 2 4.5 16
08年 アドマイヤジュピタ 3 5.8 14
09年 マイネルキッツ 12 46.5 18
10年 ジャガーメイル 2 5.9 18
11年 ヒルノダムール 7 16.9 18
12年 ビートブラック 14 159.6 18

表2は過去20年の天皇賞(春)優勝馬の単勝オッズと出走頭数。前述したことと重複する面もあるが93〜02年は、勝ち馬の人気は1番人気から4番人気までに収まっていた。比較的堅い決着が多かったのがこの時代だ。03年以降は二けた人気馬の優勝がたびたびある。1番人気で制したのはディープインパクト1頭。同馬が別格であることを考えると、後半の10年はほぼ荒れるというような雰囲気だ。

波乱含みになると同時に出走頭数が増えていることもわかる。「強い馬に恐れをなして」という理由もありそうだが、93〜02年の間ではフルゲートになることがほとんどなかった。11〜12頭という競馬が多かった。しかし、近年はフルゲートの競馬が多くなっている。出走頭数の増加も波乱の要因と考えられそうだ。

■表3 天皇賞(春)優勝馬の馬体重分類(過去20年)

馬体重 着別度数 主な優勝馬
〜399kg 0- 0- 0- 0/ 0  
400〜419kg 0- 0- 0- 0/ 0  
420〜439kg 2- 0- 0- 0/ 2 ディープインパクト
440〜459kg 3- 0- 0- 0/ 3 ヒシミラクル
460〜479kg 7- 0- 0- 0/ 7 ヒルノダムール
480〜499kg 4- 0- 0- 0/ 4 マイネルキッツ
500〜519kg 4- 0- 0- 0/ 4 ビートブラック
520〜539kg 0- 0- 0- 0/ 0  
540〜 0- 0- 0- 0/ 0  

最後に表3を見ていただきたい。過去20年の天皇賞(春)優勝馬の馬体重を分類した。460〜479キロの優勝が最も多く7回。サラブレッドの水準とも思える馬体重で、優勝馬が多いことはうなずける。一般的にはスプリンターは筋骨隆々で馬体重が重い馬が多い。しかし、大型馬といわれる500キロ以上の馬でも天皇賞(春)を優勝している。4勝の内訳はビートブラック、メイショウサムソン、イングランディーレ、マンハッタンカフェ。二けた人気での優勝馬が2頭含まれている。480〜499キロの馬に目を向けるとマイネルキッツ、アドマイヤジュピタ、スズカマンボ、サクラローレルが該当。ここでも二けた人気馬が2頭入っている。つまり、天皇賞(春)を二けた人気で優勝した馬はすべて480キロ以上の大柄な馬だったのだ。長距離ランナーらしい(?)小柄で引き締まった馬が穴をあけているわけではないというのが興味深い。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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