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第679回 「逃げ切って勝った馬の次走」は狙えるのか?

2013/3/4(月)

2013/3/2 阪神11R チューリップ賞(G3)1着 7番 クロフネサプライズ

桜花賞の最有力トライアルと言われるチューリップ賞を制したのは、3番人気のクロフネサプライズだった。2着馬に3馬身半という大きな着差をつけての快勝で、本番の桜花賞でも有力視されることは間違いないが、前半600m通過が35秒9の落ち着いた流れをマイペースで逃げたことや、1番人気のレッドオーヴァルと2番人気のローブティサージュの後方待機策が不発に終わったことなどから展開に恵まれての逃げ切り勝ちだったのではないかという見方もでき、桜花賞前には改めて能力比較に悩まされることになるかもしれない。そこで今回の『データde出〜た』ではこうしたケースの指針になるよう、「逃げ切って勝った馬の次走は狙えるのか?」という視点からデータを分析してみたい。集計対象は、10年1月5日〜13年2月24日の平地レースを逃げ切って勝った馬の次走成績。データ分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 逃げ切って勝った馬の次走・芝ダート別成績

馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
194- 141- 142-1431/1908 10.2% 17.6% 25.0% 83% 75%
100-  75-  74- 694/ 943 10.6% 18.6% 26.4% 110% 90%
ダート 94-  66-  68- 737/ 965 9.7% 16.6% 23.6% 56% 59%

Target frontier JVの「レース検索」機能

Target frontier JVの「レース検索」機能から、選択馬条件で「逃げた馬」の項目にチェックを入れ、「着順の種類と範囲の指定」で「確定着順」「1着」を選択することで、「逃げて勝った馬」のみを抽出することができる。その次走成績を分析することで「前走で逃げ切って勝っていた馬は狙うべきなのか否か」がわかり、「もし狙えるのであれば、どんな条件だとより好成績を残しているのか」を見極めることもできるはずだ。

最初に調べてみたのが、芝・ダート別の成績。逃げ切って勝った馬が次走で芝のレースを走ったときとダートのレースを走ったときの成績を比較すると、表1のとおり、勝率以下の5項目すべてで芝のほうが高い数字をマークしている。現行のルールではレースを勝利した馬は大半の場合、次走では昇級してより強い相手と戦うことになるが、それでも芝のレースでは単勝回収率は110%と非常に優秀な数字が残っているので、積極的に狙ってみる価値がありそうだ。

ただし、芝とダートの成績を改めて確認すると、勝率、連対率、複勝率には極端な差がないにもかかわらず、単複の回収率では大きな差がついていることもわかる。その理由としては、ダート戦では逃げ、先行が有利ということが常識となっていることが考えられる。つまり、馬券を買うファンにとって、ダート戦では前走で逃げて勝っていた馬は狙いやすく、人気を集めやすい。一方、他の馬に騎乗するジョッキーたちからはマークの対象になりやすく、思ったほどの成績や回収率が上がらないという構図があるのではないだろうか。なお、芝・ダートともに共通する傾向としては、好走時には1着になることが多く、2、3着の数はほぼ同程度というものがあるので、前走で逃げて勝っていた馬を狙う際は単勝や馬単、3連単の1着固定で勝負してみたい。

■表2 逃げ切って勝った馬の次走(芝のみ)・人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 23- 17-  5- 30/ 75 30.7% 53.3% 60.0% 77% 80%
2番人気 19- 12- 13- 57/101 18.8% 30.7% 43.6% 76% 73%
3番人気 16- 18- 10- 56/100 16.0% 34.0% 44.0% 103% 96%
4番人気 11-  9- 16- 56/ 92 12.0% 21.7% 39.1% 99% 96%
5番人気 11-  5-  4- 62/ 82 13.4% 19.5% 24.4% 134% 73%
6番人気 2-  4-  5- 75/ 86 2.3% 7.0% 12.8% 23% 47%
7番人気 6-  1-  9- 59/ 75 8.0% 9.3% 21.3% 144% 96%
8番人気 7-  3-  4- 56/ 70 10.0% 14.3% 20.0% 413% 194%
9番人気 1-  3-  5- 62/ 71 1.4% 5.6% 12.7% 35% 125%
10番人気 3-  1-  1- 45/ 50 6.0% 8.0% 10.0% 219% 87%
11番人気 0-  1-  1- 43/ 45 0.0% 2.2% 4.4% 0% 58%
12番人気 1-  0-  0- 34/ 35 2.9% 2.9% 2.9% 146% 42%
13番人気 0-  0-  1- 22/ 23 0.0% 0.0% 4.3% 0% 113%
14番人気 0-  0-  0- 14/ 14 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  1-  0- 13/ 14 0.0% 7.1% 7.1% 0% 173%
16番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
17番人気 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
18番人気 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は、逃げ切って勝った馬の次走成績(芝のみ)を人気別に示したもの。これを見ると、1、2番人気はそれほどでもないが、3〜10番人気あたりの回収率(特に単勝)が高いことがわかる。つまり、逃げ切って勝った馬が次走に芝のレースを使ってきて人気の盲点になっているようなら狙ってみる価値があると言えるだろう。とはいえ、さらに人気を落として11〜18番人気になると、合計して勝率0.7%、複勝率3.5%、単勝回収率36%、複勝回収率64%と厳しい数字が残っている。これほど人気がない場合は、前走の逃げ切り勝ちが展開に恵まれてのものということが誰の目にも明らか、などのケースなどが想定され、実際に結果も伴っていないようだ。

■表3 逃げ切って勝った馬の次走(ダートのみ)・人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 40- 17- 16- 53/126 31.7% 45.2% 57.9% 68% 76%
2番人気 19- 14- 11- 70/114 16.7% 28.9% 38.6% 76% 66%
3番人気 14-  5-  9- 71/ 99 14.1% 19.2% 28.3% 79% 58%
4番人気 6- 11- 11- 50/ 78 7.7% 21.8% 35.9% 60% 94%
5番人気 6-  3-  4- 86/ 99 6.1% 9.1% 13.1% 62% 43%
6番人気 4-  2-  5- 82/ 93 4.3% 6.5% 11.8% 63% 48%
7番人気 1-  4-  5- 74/ 84 1.2% 6.0% 11.9% 16% 52%
8番人気 3-  2-  2- 48/ 55 5.5% 9.1% 12.7% 126% 66%
9番人気 0-  6-  2- 45/ 53 0.0% 11.3% 15.1% 0% 93%
10番人気 1-  0-  1- 48/ 50 2.0% 2.0% 4.0% 85% 29%
11番人気 0-  0-  1- 44/ 45 0.0% 0.0% 2.2% 0% 27%
12番人気 0-  2-  1- 26/ 29 0.0% 6.9% 10.3% 0% 94%
13番人気 0-  0-  0- 18/ 18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
14番人気 0-  0-  0- 16/ 16 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
15番人気 0-  0-  0-  5/  5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
16番人気 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

今度は、逃げ切って勝った馬の次走成績をダートのみで示したものだが、全体的にどの人気でも回収率が低くなっている。その象徴が1番人気で、勝率31.7%は芝の1番人気(勝率30.7%)を上回っているにもかかわらず、単勝回収率は9ポイントも低い68%にとどまっている。以下、2番人気から7番人気までの単勝回収率も標準となる80%をいずれも下回っているところからも、ダート戦においては前走を逃げて勝っていた馬が過剰に人気を集めやすい傾向にあることは間違いなさそうだ。

■表4 逃げ切って勝った馬の次走(芝のみ)・距離変化別成績

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同距離 54- 34- 43-333/464 11.6% 19.0% 28.2% 99% 81%
今回短縮 21- 14- 12-124/171 12.3% 20.5% 27.5% 182% 119%
今回延長 25- 27- 19-237/308 8.1% 16.9% 23.1% 88% 87%

次に、逃げ切って勝った馬は、次走が同距離、距離短縮、距離延長の3パターンのうちどれが狙えるのかを調べてみよう。まず、次走が芝の場合を見ると、距離短縮の勝率がもっとも高く、回収率も単複ともに100%を超えており、なかでも単勝回収率は182%と抜群だ。前走で逃げて勝っていた馬が距離短縮で出走してきた場合、他の出走馬にダッシュ力の優れた馬が増えることが多いため「今度は逃げられないのではないか?」という不安を抱くかもしれないが、実際には同距離や距離延長より勝ち切ることが多く、前述した不安の影響で人気を落としがちなので単勝回収率も高くなるのだろう。

同距離の好走率は距離短縮とほぼ同等だが、距離延長だといずれの数字もダウンしてしまう。回収率は単複いずれも80%台後半と悪くはないのでまったく狙えないわけではないが、距離短縮や同距離で狙ったほうがより確実なのも間違いない。

■表5 逃げ切って勝った馬の次走(ダートのみ)・距離変化別成績

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
同距離 59- 44- 42-391/536 11.0% 19.2% 27.1% 52% 62%
今回短縮 25- 13- 12-119/169 14.8% 22.5% 29.6% 104% 85%
今回延長 10-  9- 14-227/260 3.8% 7.3% 12.7% 34% 36%

ダートの距離変化についても、芝と同じような傾向が見られる。やはり、もっとも狙えるのは距離短縮で、勝率14.8%、単勝回収率104%と優秀だ。ダート戦で距離短縮となると、芝以上に先行争いが激化するので逃げられずに惨敗というケースを想定してしまうかもしれないが、意外とアッサリ先手を奪って逃げ切ってしまうケースも少なくないようだ。同距離の場合は、好走率では距離短縮と遜色ない数字が残っているが、単複ともに回収率が低いのが難点。そして、距離延長ではさらに厳しい数字が並んでいるので、基本的には手を出さないほうがよさそうだ。

■表6 逃げ切って勝った馬の次走・コース別成績(勝率順)

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
京都芝1400m内 3- 1- 0- 9/13 23.1% 30.8% 30.8% 114% 91%
阪神芝2400m 3- 1- 1- 9/14 21.4% 28.6% 35.7% 150% 110%
小倉芝1200m 12- 3- 2-40/57 21.1% 26.3% 29.8% 100% 52%
札幌芝1200m 4- 3- 5- 9/21 19.0% 33.3% 57.1% 85% 179%
阪神ダ1800m 9- 2- 2-36/49 18.4% 22.4% 26.5% 68% 52%
函館ダ1000m 3- 2- 3- 9/17 17.6% 29.4% 47.1% 52% 61%
中山芝1600m 7- 4- 2-29/42 16.7% 26.2% 31.0% 131% 71%
札幌ダ1000m 3- 2- 1-12/18 16.7% 27.8% 33.3% 71% 65%
阪神芝1200m 3- 3- 1-12/19 15.8% 31.6% 36.8% 193% 97%
京都芝1200m 5- 2- 3-22/32 15.6% 21.9% 31.3% 123% 77%
京都芝1600m内 3- 0- 1-16/20 15.0% 15.0% 20.0% 88% 41%
京都ダ1800m 12- 8- 5-59/84 14.3% 23.8% 29.8% 106% 76%
函館芝1800m 2- 4- 1- 7/14 14.3% 42.9% 50.0% 204% 117%
京都芝1800m 4- 2- 2-21/29 13.8% 20.7% 27.6% 736% 290%
中山芝2000m 4- 2- 0-23/29 13.8% 20.7% 20.7% 99% 52%
※該当10レース以上

最後に、逃げて勝っていた馬が次走でどのコースに出走したときに好成績を残しているのかを確認しておこう。勝率がもっとも高かったのは京都芝1400mの内回りコース。ただし、勝率が2番目に高い阪神芝2400ともども該当レース数がそれほど多くはないので、実質的に勝率がもっとも高いコースと言えるのは小倉芝1200と考えてもいいかもしれない。この小倉芝1200mに前走で逃げて勝っていた馬が出走してきた場合は【12.3.2.40】となっており、好走時は勝ち切ってしまう傾向が顕著なので1着固定で勝負してみたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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