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第677回 少頭数のレースは意外と荒れるのか?

2013/2/25(月)

競馬にはよく聞く格言のようなものがいくつかある。「少頭数のレースは意外と荒れる」。長年競馬をやっているファンの方であれば、一度くらいは耳にしたことがある言葉だろう。果たしてそれは本当なのだろうか。今回はその点をデータ的で検証してみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 出走頭数別馬連平均配当(2012年以降の平地・芝)

馬場 頭数 レース数 100〜 500〜 1000〜 2000〜 5000〜 10000〜 馬連平均配当
5 4 50.0% 25.0% 25.0% 0.0% 0.0% 0.0% 705円
6 3 66.7% 0.0% 33.3% 0.0% 0.0% 0.0% 593円
7 18 38.9% 38.9% 11.1% 5.6% 5.6% 0.0% 1237円
8 35 31.4% 20.0% 11.4% 20.0% 14.3% 2.9% 2209円
9 67 20.9% 32.8% 23.9% 13.4% 6.0% 3.0% 1961円
10 103 11.7% 19.4% 29.1% 24.3% 7.8% 7.8% 3416円
11 137 15.3% 26.3% 21.9% 23.4% 10.2% 2.9% 2885円
12 155 11.6% 26.5% 19.4% 23.2% 12.9% 6.5% 3452円
13 129 6.2% 18.6% 25.6% 26.4% 9.3% 14.0% 6176円
14 159 4.4% 23.9% 24.5% 25.8% 9.4% 11.9% 4460円
15 131 3.1% 16.0% 27.5% 26.0% 13.7% 13.7% 5129円
16 534 6.2% 16.7% 21.2% 26.6% 14.6% 14.8% 6862円
17 71 4.2% 19.7% 26.8% 15.5% 15.5% 18.3% 8795円
18 311 3.9% 12.5% 21.2% 28.6% 15.1% 18.6% 9489円

まず表1をご覧いただきたい。これは2012年から今年2月17日開催終了時点までの平地・芝レースを対象に、出走頭数別馬連平均配当を示したものだ。具体的な見方としては、18頭立てのレースは311あった。その内、馬連配当が100円以上500円未満だったレースは3.9%。同様に馬連配当が500円以上1000円未満だったレースは12.5%。馬連が万馬券であったケースは18.6%。最も多くの割合を占めていたのが馬連2000以上5000円未満で、全体の28.6%。総合の馬連平均配当は9489円であった。

その他も頭数ごとに馬連平均配当を出している。17頭立ては8795円、16頭立ては6862円となっている。レース集計期間がほぼ1年分だけではあるが、フルゲートに近い頭数のレースではサンプル数が多いので十分参考にできるはず。とするならば、出走頭数が多くなればなるほど馬連平均配当が高くなっているという事実がここにある。13頭立ての平均配当が6176円と高くなっている点はあるものの、頭数が減るほど平均配当は下がっている。

「少頭数」という定義自体が曖昧なのだが、仮に枠連がギリギリ成立しない8頭立てを基準とし、同頭数が「少頭数」と考えてみる。結果はどうかと言うと、多頭数と同様の傾向が読み取れる。少頭数の競馬の中では8頭立ての平均配当が最も高いし、6頭立て以下は1000円を切る。また、8頭立て以下のレースでは馬連100円以上500円未満の馬券のシェアが最も多くなる。

いい機会なので9頭立ての場合も見ていこう。馬連500円以上1000円未満のシェアが32.8%で最も大きい。同様の傾向は12頭立てあたりまで続く。そして13頭立て以上となると、馬連1000円以上2000円未満のシェアではなく、2000円以上5000円未満のシェアが最も大きくなる。18頭立てのレースでも同じ。シェア率も30%まではいかない。28.6%となっている。異なるのは万馬券のシェア率で、13〜16頭立てでは15%以下であるのに対し、17頭立て以上では18%を超える。この部分の差が、馬連平均配当を押し上げているという印象だ。

■表2 出走頭数別馬連平均配当(2012年以降の平地・ダート)

馬場 頭数 レース数 100〜 500〜 1000〜 2000〜 5000〜 10000〜 馬連平均配当
ダート 5 0              
ダート 6 1 0.0% 100.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 500円
ダート 7 0              
ダート 8 12 33.3% 25.0% 16.7% 16.7% 0.0% 8.3% 2117円
ダート 9 27 29.6% 37.0% 14.8% 3.7% 11.1% 3.7% 1791円
ダート 10 39 20.5% 23.1% 23.1% 15.4% 7.7% 10.3% 2966円
ダート 11 51 27.5% 21.6% 23.5% 15.7% 5.9% 5.9% 2796円
ダート 12 123 18.7% 20.3% 16.3% 23.6% 11.4% 9.8% 4806円
ダート 13 175 14.9% 20.6% 23.4% 22.3% 11.4% 7.4% 3662円
ダート 14 144 9.0% 18.8% 22.9% 29.2% 8.3% 11.8% 4642円
ダート 15 315 6.3% 17.8% 25.7% 22.9% 12.1% 15.2% 7049円
ダート 16 1039 7.7% 18.9% 21.6% 22.2% 13.1% 16.6% 7374円
ダート 17 0              
ダート 18 0              

続いて平地のダートについて調べてみることにする。表2は先ほどと同期間のレースを対象とした、出走頭数別馬連平均配当だ。ダート場合はフルゲートが16頭となるので、同頭数のレースが1039と図抜けて多くなっている。同頭数の馬連配当のシェアを見ると、2000円以上5000円未満の配当が22.2%。芝の同頭数と比べて若干下がるものの、万馬券のシェア率は16.6%。平均配当は7374円で最も高い。15頭立ても平均配当が7000円台であり、14頭以下の平均配当を大きく引き離している。14頭立て以下と15頭立て以上では高配当馬券の期待値がかなり違うといっていいだろう。また、ダートの15〜16頭立てでは芝の同頭数に比べて平均配当は高い。

2012/8/18 新潟11R BSN賞 1着 3番 アドバンスウェイ

平均配当は11頭立てになると2000円台まで大きく下がる。この点は芝と同じだ。11頭立ての配当シェアは100円以上500円未満が27.5%で最も高い。少頭数の場合に目を移すと、レース数そのものが芝に比べて圧倒的に少なくなる。したがって、わずか1年のデータでは精度を欠く面は否めないが、少なくとも昨年は平穏な決着が多かった。馬連万馬券となったのは8/18に行われたBSN賞(新潟ダート1200m・OP)だった。このレースは圧倒的1番人気(単勝1.9倍)に支持されたデュアルスウォードが7着に敗れ、7番人気のアドバンスウェイと6番人気のマルカフリートで決まり馬連11,720円の配当となった。8頭立てのメインレースで、馬連万馬券となったことから記憶に新しいファンの方もいることだろう。

だが、ここまでのデータを見る限りでは、少頭数のレースだからといって「意外と荒れる」という事実はない。むしろ、少頭数のレースが荒れるケースは少ない。平均配当は出走頭数に比例しており、多頭数の競馬ほど高配当はでやすい。馬券の組み合わせの数が増えるという単純な理由があるからだ。では、なぜ「少頭数のレースは意外と荒れる」というようなことが言われるのか。もしかすると印象度の問題かもしれない。少頭数のレースでは荒れるケースが少ないため、荒れた際のインパクトが大きいからだ。あるいは、競馬に携わる際の心構え・戒めとしての格言。「勝負ごとに絶対はない」という教え。そして「少頭数=荒れない・堅い」という固定観念を持つのはよくないという意味なのかもしれない。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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