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第673回 新人・見習騎手を考える

2013/2/11(月)

先週、騎手免許試験の合格者が発表され、地方競馬出身の2名以外では4人の新人騎手が3月にデビューを迎えることになった。一方、もうすぐ「先輩」になる昨年デビューのジョッキーでは、先々週まで29勝だった菱田裕二騎手が先週4勝をマークして▲(3キロ減)から△(2キロ減)に。中井裕二騎手もあと一歩で△というところまで迫っている。そこで月曜掲載分の今回は、見習騎手にスポットを当てていくつかデータを紹介したい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 昨年デビュー騎手の成績(2月3日まで)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 平均人気 1〜3人気
菱田裕二(西) 29-30-28-420/507 5.7% 11.6% 17.2% 80% 76% 9.2人気 13-13-9-36/71
中井裕二(西) 28-25-34-477/564 5.0% 9.4% 15.4% 74% 58% 9.3人気 11-12-9-35/67
山崎亮誠(東) 3-2-5-125/135 2.2% 3.7% 7.4% 20% 103% 11.4人気 2-0-0-6/8
原田和真(東) 2-5-1-165/173 1.2% 4.0% 4.6% 104% 19% 12.1人気 1-2-0-6/9
長岡禎仁(東) 1-4-4-98/107 0.9% 4.7% 8.4% 11% 48% 10.9人気 0-0-0-5/5

2012/12/23 阪神10R クリスマスキャロル賞 1着 14番 サマールナ 菱田裕二騎手

まずは昨年デビュー騎手の成績から(本稿執筆時にデータが提供されている先々週・2月3日分まで)。29勝を挙げてトップに立っているのは菱田裕二騎手、そして1勝差で中井裕二騎手と、栗東所属の両騎手が多くの勝ち鞍を重ねている。昨年にかぎったことではないが、関西ではより積極的に新人騎手・見習騎手を起用する傾向にあり、全騎乗数や、表の右に記した人気馬への騎乗数でも東西で大きな差がついている。

■表2 昨年デビュー騎手の芝ダート別成績

騎手 ダート
着別度数 勝率 連対率 単回収 着別度数 勝率 連対率 単回収
菱田裕二 4-6-12-156/178 2.2% 5.6% 47% 25-24-16-264/329 7.6% 14.9% 98%
中井裕二 8-8-18-220/254 3.1% 6.3% 61% 20-17-16-257/310 6.5% 11.9% 84%
山崎亮誠 1-0-1-56/58 1.7% 1.7% 8% 2-2-4-69/77 2.6% 5.2% 29%
原田和真 0-3-0-80/83 0.0% 3.6% 0% 2-2-1-85/90 2.2% 4.4% 201%
長岡禎仁 0-0-0-37/37 0.0% 0.0% 0% 1-4-4-61/70 1.4% 7.1% 18%
合計 13-17-31-549/610 2.1% 4.9% 40% 50-49-41-736/876 5.7% 11.3% 91%

2012/10/13 新潟3R サラ3歳上500万下 1着 4番 アグネスダリム 中井裕二騎手

表2は、その5名について芝ダート別に成績をまとめたものだ。この5名の合計で芝は13勝、ダートは50勝。勝率や連対率などでもダートの方が圧倒的に良い成績を残しているほか、芝では【13.17.31.549】と好走しても2〜3着が多いのに対し、ダートは【50.49.41.736】と3着以内好走時の3分の1以上は1着となっている。漠然と、芝よりダートは減量が効きやすいとか、ダートは比較的わかりやすい展開で経験の少ない騎手でも結果を残しやすい、という印象もあったものだが、特に昨年の5名は芝よりダートという傾向が強く出ている。

■表3 減量別騎手成績(03〜12年平場戦、昨年デビュー騎手も同期間平場戦のみ)

減量 馬場状態 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
☆(1kg) 349-334-337-4405/5425 6.4% 12.6% 18.8% 72% 74%
ダート 482-452-528-5980/7442 6.5% 12.6% 19.6% 64% 73%
△(2kg) 240-255-248-3589/4332 5.5% 11.4% 17.2% 77% 76%
ダート 389-433-462-5400/6684 5.8% 12.3% 19.2% 63% 76%
▲(3kg) 520-604-678-12739/14541 3.6% 7.7% 12.4% 57% 70%
ダート 1046-1187-1269-20260/23762 4.4% 9.4% 14.7% 69% 69%
昨年デビュー 11-14-26-474/525 2.1% 4.8% 9.7% 33% 44%
ダート 50-49-41-711/851 5.9% 11.6% 16.5% 94% 74%

昨年デビュー騎手に関しては表2のように芝とダートで大きな差がついていたが、見習騎手の成績にこれほどまで芝とダートで差がある印象はなかったため、03〜12年の10年間について調べたものが表3である(平地競走、見習騎手に減量のある平場戦のみ)。その結果、芝よりダートのほうがフルゲートの頭数が少ないコースが多いためか、減量の種別を問わず芝よりもダートのほうが好走確率は高く出ている。また、連対率を見ると1キロ減の☆は芝ダート同率なのに対し、△(2キロ減)は0.9%差、▲(3キロ減)は1.7%差。減量が大きくなればなるほど、ダートの好走確率が芝に比べ高くなっている。勝率や複勝率でも同様の傾向だ。

ただ、昨年デビュー5名の連対率で6.8%の差は、表3の過去10年▲騎手全体に比べれば非常に大きい。芝ダート別に見ると、昨年の5名合計では芝の成績は平均以下、逆にダートは平均を上回っていることで、より大きな差になっていることがわかる。冒頭でも触れたように菱田裕二騎手は△になり、中井裕二騎手もあと3勝で△。傾向通りならそろそろ芝での成績が向上する可能性もある一方で、単にダートが得意で芝が苦手という可能性もまた残している現状だ。菱田裕二騎手は先週芝ばかりで4勝を挙げており、苦手ということはないかもしれないが、今後の推移を見守りたい。

■表4 ▲騎手の距離別成績(03〜12年平場戦)

コース 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000m〜1300m 216-255-263-4359/5093 4.2% 9.2% 14.4% 57% 75%
1400m〜1600m 90-112-131-2648/2981 3.0% 6.8% 11.2% 59% 69%
1700m〜2000m 182-195-238-4766/5381 3.4% 7.0% 11.4% 60% 68%
2100m〜2400m 20-25-28-603/676 3.0% 6.7% 10.8% 37% 47%
2500m〜 12-17-18-363/410 2.9% 7.1% 11.5% 50% 69%
ダート 1000m〜1300m 427-514-523-8077/9541 4.5% 9.9% 15.3% 65% 69%
1400m〜1600m 118-126-140-2844/3228 3.7% 7.6% 11.9% 74% 65%
1700m〜2000m 476-529-587-8994/10586 4.5% 9.5% 15.0% 70% 72%
2100m〜2400m 24-17-18-325/384 6.3% 10.7% 15.4% 108% 60%
2500m〜 1-1-1-20/23 4.3% 8.7% 13.0% 10% 47%

表4は、同じく03〜12年について、▲騎手の距離別成績を調べたものである。特徴的なのは、芝でも短距離にかぎればダートに匹敵する好走確率を残していること。ダートは1400〜1600mでやや成績を落としているものの、1700〜2000mでは短距離と変わらぬ好走確率が出ている。表3で芝の成績がダートに比べ見劣った要因は、主に中距離での成績にあると言っていいだろう。

■表5 ▲騎手のクラス・競馬場別成績(03〜12年平地平場戦)

クラス・場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 70-70-86-1522/1748 4.0% 8.0% 12.9% 82% 75%
未勝利 714-778-903-16563/18958 3.8% 7.9% 12.6% 62% 65%
500万下 720-862-870-13325/15777 4.6% 10.0% 15.5% 64% 73%
1000万下 62-80-87-1584/1813 3.4% 7.8% 12.6% 82% 83%
1600万下 0-1-1-5/7 0.0% 14.3% 28.6% 0% 100%
札幌 87-91-106-1558/1842 4.7% 9.7% 15.4% 75% 73%
函館 80-89-84-1359/1612 5.0% 10.5% 15.7% 63% 63%
福島 214-251-275-3863/4603 4.6% 10.1% 16.1% 63% 80%
新潟 214-262-256-4539/5271 4.1% 9.0% 13.9% 55% 65%
東京 106-128-129-3038/3401 3.1% 6.9% 10.7% 66% 65%
中山 126-154-158-3769/4207 3.0% 6.7% 10.4% 55% 66%
中京 233-249-276-4214/4972 4.7% 9.7% 15.2% 79% 71%
京都 154-180-201-3705/4240 3.6% 7.9% 12.6% 67% 65%
阪神 149-180-188-3399/3916 3.8% 8.4% 13.2% 69% 67%
小倉 203-207-274-3555/4239 4.8% 9.7% 16.1% 61% 77%
中央開催 535-642-676-13911/15764 3.4% 7.5% 11.8% 64% 65%
ローカル 1031-1149-1271-19088/22539 4.6% 9.7% 15.3% 65% 72%

最後に、▲騎手のクラス別と競馬場別の成績も見ておきたい。減量の特典がある平場戦に限定して調べているため、クラス別は1000万条件以下が中心。中でも500万条件での成績が良い傾向だ。ただ、単複の回収率では1000万条件のほうが良いという結果が出ている。また、競馬場別ではやはりローカルが中央4場を上回るが、単勝回収率は中央4場も互角の数字になっている。このあたりは、確率を取るか的中時の高配当を取るかで狙いも変わってくるところだろう。

以上、新人・見習騎手、特に3キロ減の▲騎手を中心にいくつかデータを拾ってみた。同じ見習騎手、新人騎手でも条件によって得手、不得手はあるはずだが、特に新人騎手は一定の騎乗数に達しないと傾向は掴みづらいもの。また、ローカルや平場戦での騎乗が多いため、ふだんそのあたりのレースを買わない方は、どうにもピンと来ないというケースもあるだろう。その取捨に悩んだ際には、ダート戦か芝でも短距離戦なら候補に加えてみるのもひとつの手と言えそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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