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第671回 さらばアンカツ! 鞭を置く安藤勝己騎手をデータで振り返る

2013/2/4(月)

去る1月30日、安藤勝己騎手が記者会見を行ない、翌31日付で騎手免許を返上、現役からの引退を発表した。18年連続でリーディングジョッキーに輝き、オグリキャップの主戦を務めた笠松時代、キングカメハメハやダイワスカーレットなどでG1を計22勝した中央時代の実績もさることながら、地方競馬から中央競馬への移籍を実現したパイオニアとしての功績はあまりにも大きい。そこで今回は、ターフを去る安藤勝己騎手の歩みをデータから振り返ってみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 安藤勝己騎手・年別成績(笠松在籍時・95〜02年、中央移籍後・03年〜12年)

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率 G1勝利 G2勝利 G3勝利
1995年 4-  3-  3- 24/ 34 11.8% 20.6% 29.4% 82% 75% 0 1 0
1996年 1-  1-  0-  9/ 11 9.1% 18.2% 18.2% 60% 53% 0 0 0
1997年 0-  4-  4- 14/ 22 0.0% 18.2% 36.4% 0% 160% 0 0 0
1998年 7- 10-  8- 65/ 90 7.8% 18.9% 27.8% 65% 84% 0 0 0
1999年 55- 54- 50-296/455 12.1% 24.0% 34.9% 95% 92% 0 1 1
2000年 33- 41- 35-221/330 10.0% 22.4% 33.0% 67% 84% 0 1 1
2001年 42- 32- 37-251/362 11.6% 20.4% 30.7% 95% 78% 0 1 2
2002年 44- 34- 27-223/328 13.4% 23.8% 32.0% 86% 77% 0 1 1
2003年 112- 99- 76-389/676 16.6% 31.2% 42.5% 74% 82% 2 2 6
2004年 127- 97- 91-359/674 18.8% 33.2% 46.7% 77% 77% 4 4 1
2005年 104- 84- 74-419/681 15.3% 27.6% 38.5% 82% 77% 1 0 3
2006年 120- 84- 73-348/625 19.2% 32.6% 44.3% 97% 87% 3 2 5
2007年 136- 98- 65-272/571 23.8% 41.0% 52.4% 91% 87% 6 2 3
2008年 119- 72- 78-286/555 21.4% 34.4% 48.5% 88% 84% 2 3 3
2009年 87- 61- 49-217/414 21.0% 35.7% 47.6% 86% 80% 2 0 4
2010年 56- 52- 39-206/353 15.9% 30.6% 41.6% 58% 73% 1 1 3
2011年 46- 40- 27-132/245 18.8% 35.1% 46.1% 85% 86% 1 2 1
2012年 14- 18- 17-104/153 9.2% 20.9% 32.0% 50% 62% 0 0 4

まず、安藤勝己騎手の騎乗記録を駆け足で振り返りたい。初騎乗は1976年10月20日の笠松競馬場で、3日後の23日に初勝利をマーク。中央競馬での初騎乗は1980年5月11日の阪神10R・地方競馬騎手招待競走で、同時に中央での初勝利も記録している(1着ヤマニンスキー)。通算勝利数は4464勝。中央競馬では重賞81勝(うちG1は22勝)を含む1111勝を挙げた。

では、安藤騎手の中央競馬における年度別成績を見てみよう。集計期間は地方競馬との交流が本格化して「交流元年」と呼ばれた95年以降で、笠松在籍時の02年12月まで(※03年1、2月は中央での騎乗がないので割愛)と、中央移籍後の03年3月以降を区切って集計をとった。

1995/3/19 京都11R 報知杯4歳牝馬特別(G2)1着 2番 ライデンリーダー

笠松在籍時代の安藤騎手が中央競馬で挙げた勝利といえば、真っ先に95年の報知杯4歳牝馬特別(※現在のフィリーズレビュー)を勝ったライデンリーダーを挙げなくてはならないだろう。笠松で10戦10勝の女傑という噂に違わぬ末脚を披露し、衝撃的な差し切り勝ちを決めると、桜花賞とオークスでも中央馬を差し置いて1番人気に。残念ながら桜花賞4着、オークス13着、秋のエリザベス女王杯(※当時は旧年齢4歳牝馬の限定戦)でも13着とG1では結果を残せなかったものの、この年の牝馬クラシック路線の主役の1頭を務め、「交流元年」の象徴的な存在となった。この95年から98年までの4年間は中央での騎乗数が100レース未満で、重賞もライデンリーダーの1勝のみにとどまったが、99年から02年までの4年間は騎乗数が急増。G1にこそ手が届かなかったものの重賞を毎年勝利し、複勝率も30%以上をキープと抜群の存在感を示した。

03年3月に中央所属となってからは、さらに名手の腕が冴えわたる。移籍直後の03年3月、高松宮記念でビリーヴを1着に導いてG1初勝利を飾ると、翌04年にはキングカメハメハでダービージョッキーの仲間入りを果たす。中央所属騎手としてのピークと呼べるのは07だろう。勝率23.8%、連対率41.0%、複勝率52.4%と、騎乗機会100回以上の騎手のなかでいずれもトップの数字をマークし、JRA賞最高勝率騎手を受賞。G1もフェブラリーSのサンライズバッカスを皮切りに6勝を挙げ、これは05、06年の武豊騎手、12年の岩田康誠騎手と並ぶ年間中央G1勝利の最多記録となっている。

馬券という観点から見たピークも、その前年の06年から07年にかけてのあたり。中央移籍直後はやや過剰人気気味で、03年と04年の単勝回収率は80%を割り込んでしまったが、06年と07年は90%を超え、08年も88%、09年も86%の数字を残した。この06〜09年の4年間は、3頭に1頭は1番人気、3頭に2頭は1〜3番人気と、騎乗馬の大半を上位人気馬が占めており、高い回収率を出すには厳しい条件だったのだが、ファンの期待にしっかりと応えて単勝回収率の水準となる80%を超える数字をキープしていた。

中央騎手として最多騎乗を記録したのは05年の681レース。その後は騎乗数が徐々に減少していったものの、11年まで9年連続でG1を勝ち、最後のG1勝利となった11年桜花賞(マルセリーナ)は、クラシックにおける最年長勝利記録(51歳と13日)となった。

■表2 安藤勝己騎手・クラス別成績(笠松在籍時・95〜02年、中央移籍後・03年〜12年)

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
95〜02年 新馬 17-  14-  14- 105/ 150 11.3% 20.7% 30.0% 38% 64%
未勝利 52-  54-  47- 267/ 420 12.4% 25.2% 36.4% 58% 86%
500万下 52-  51-  47- 395/ 545 9.5% 18.9% 27.5% 92% 79%
1000万下 35-  27-  31- 159/ 252 13.9% 24.6% 36.9% 102% 95%
1600万下 13-  13-  13-  54/  93 14.0% 28.0% 41.9% 98% 92%
オープン特別 7-   9-   7-  48/  71 9.9% 22.5% 32.4% 103% 113%
G3 5-   3-   1-  28/  37 13.5% 21.6% 24.3% 134% 61%
G2 5-   5-   3-  28/  41 12.2% 24.4% 31.7% 244% 108%
G1 0-   3-   1-  19/  23 0.0% 13.0% 17.4% 0% 60%
03〜12年 新馬 72-  63-  52- 221/ 408 17.6% 33.1% 45.8% 73% 73%
未勝利 281- 192- 158- 666/1297 21.7% 36.5% 48.7% 79% 79%
500万下 254- 187- 155- 706/1302 19.5% 33.9% 45.8% 83% 83%
1000万下 171- 110- 100- 473/ 854 20.0% 32.9% 44.6% 96% 87%
1600万下 41-  46-  37- 184/ 308 13.3% 28.2% 40.3% 97% 82%
オープン特別 31-  35-  34- 163/ 263 11.8% 25.1% 38.0% 46% 66%
G3 33-  38-  25- 120/ 216 15.3% 32.9% 44.4% 75% 87%
G2 16-  20-  12-  96/ 144 11.1% 25.0% 33.3% 61% 79%
G1 22-  14-  16- 103/ 155 14.2% 23.2% 33.5% 93% 91%

次は、クラス別の成績を見てみよう。笠松在籍時の中央成績で目につくのが、500万下からG2までの回収率が非常に優秀なこと。そして、対照的に新馬戦や未勝利戦、そしてG1では振るわないことである。この時期の安藤騎手はスポット参戦という立場で、条件戦や重賞でもG2までならその腕を買われて有力馬や一発を秘めたダークホースに騎乗する機会があっても、経験の浅い馬にレースを学習させる要素もある新馬戦や未勝利戦では手綱を任せづらい面があり、また、G1でも有力馬に騎乗するチャンスがあまりなかったようだ。

中央移籍後はクラスごとの成績のムラは小さくなり、むしろ新馬戦や未勝利戦では好走率が非常に高くなった。継続して騎乗できる立場となり、豊富な経験を若駒に活かすような騎乗依頼が増えたのかもしれない。また、重賞でもG2やG3では2着数のほうが1着数より多いのに、G1になると1着数が2着数を逆転する点も注目に値する。G2やG3ではしっかりと騎乗馬の実力や相手関係を計り、勝負がかかるG1で勝ち切ってくるのは、まさに熟練の技術を感じさせるデータと言えるだろう。ここから思い出すのは、前哨戦のチューリップ賞ではウオッカに敗れたものの、本番ではきっちりと雪辱を果たした07年の桜花賞、ダイワスカーレットの姿だ。

■表3 安藤勝己騎手・競馬場別成績(笠松在籍時・95〜02年、中央移籍後・03年〜12年)

馬場 場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
95〜02年 札幌 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
函館 0-  0-  0-  0/  0          
福島 0-  0-  0-  0/  0          
新潟 3-  1-  3- 17/ 24 12.5% 16.7% 29.2% 60% 100%
東京 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 18%
中山 1-  2-  4- 15/ 22 4.5% 13.6% 31.8% 10% 60%
中京 15- 16- 14- 75/120 12.5% 25.8% 37.5% 69% 94%
京都 37- 41- 32-230/340 10.9% 22.9% 32.4% 81% 93%
阪神 31- 27- 15-186/259 12.0% 22.4% 28.2% 143% 82%
小倉 8-  7-  3- 31/ 49 16.3% 30.6% 36.7% 53% 60%
ダート 札幌 0-  1-  0-  2/  3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 86%
函館 0-  0-  0-  0/  0          
福島 0-  0-  0-  0/  0          
新潟 3-  2-  2-  7/ 14 21.4% 35.7% 50.0% 126% 76%
東京 1-  0-  2-  3/  6 16.7% 16.7% 50.0% 140% 166%
中山 1-  3-  1- 15/ 20 5.0% 20.0% 25.0% 62% 98%
中京 9-  3-  6- 54/ 72 12.5% 16.7% 25.0% 130% 61%
京都 32- 32- 35-230/329 9.7% 19.5% 30.1% 60% 77%
阪神 40- 40- 44-211/335 11.9% 23.9% 37.0% 75% 91%
小倉 5-  4-  2- 14/ 25 20.0% 36.0% 44.0% 83% 66%
03〜12年 札幌 43-  30-  25- 113/ 211 20.4% 34.6% 46.4% 78% 78%
函館 35-  29-  26- 125/ 215 16.3% 29.8% 41.9% 69% 78%
福島 1-   2-   0-   4/   7 14.3% 42.9% 42.9% 111% 78%
新潟 7-   3-   3-  16/  29 24.1% 34.5% 44.8% 137% 91%
東京 60-  49-  29- 200/ 338 17.8% 32.2% 40.8% 79% 92%
中山 23-  23-  20- 120/ 186 12.4% 24.7% 35.5% 61% 78%
中京 37-  32-  18-  76/ 163 22.7% 42.3% 53.4% 85% 90%
京都 154- 103- 107- 397/ 761 20.2% 33.8% 47.8% 103% 85%
阪神 107-  93-  81- 380/ 661 16.2% 30.3% 42.5% 77% 79%
小倉 52-  31-  19- 111/ 213 24.4% 39.0% 47.9% 74% 79%
ダート 札幌 33-  25-  18-  79/ 155 21.3% 37.4% 49.0% 78% 74%
函館 41-  26-  11-  79/ 157 26.1% 42.7% 49.7% 88% 73%
福島 1-   0-   0-   2/   3 33.3% 33.3% 33.3% 56% 36%
新潟 2-   0-   0-   8/  10 20.0% 20.0% 20.0% 82% 28%
東京 43-  35-  28- 130/ 236 18.2% 33.1% 44.9% 112% 101%
中山 25-  17-  22-  74/ 138 18.1% 30.4% 46.4% 75% 83%
中京 17-  13-  11-  56/  97 17.5% 30.9% 42.3% 73% 75%
京都 121-  95-  86- 353/ 655 18.5% 33.0% 46.1% 82% 79%
阪神 105-  91-  79- 340/ 615 17.1% 31.9% 44.7% 64% 77%
小倉 14-   8-   6-  69/  97 14.4% 22.7% 28.9% 70% 54%

2004/5/30 東京10R 東京優駿(G1)1着 12番 キングカメハメハ

表3は競馬場別の成績。ここでは集計期間内に改修のあった競馬場も、便宜的に一括して扱うこととする。笠松在籍時代の競馬場別成績で注目したいのが、ダートコースのみの笠松所属でありながら芝でもダートと変わりない好成績を残していたこと。その理由として考えられるのが、かつての東海地区公営では笠松競馬場と名古屋競馬場のほかに中京競馬場でも開催があり、芝のレースが組まれていたことである。安藤騎手もオグリキャップで芝1200mの中京盃を制すなど中京の芝には乗り慣れていたため、京都や阪神などの芝コースにも違和感なく対応できたのだろう。

中央移籍後は関東での騎乗機会も増え、夏場は北海道を中心に騎乗するようになった。芝、ダートともにどの競馬場でも総じて高い好走率をマークしているが、芝では中山の複勝率が唯一40%台を割り込んでいる点が目を引く。トリッキーなコースと言われる中山は騎乗経験を重ねるまで苦戦する騎手も少なくなく、40歳を過ぎて中央に移籍した安藤騎手にとっては対応に苦慮するコースだったのかもしれない。計22勝したG1のうち、中山での勝利は08年有馬記念のダイワスカーレットだけというデータにもそれは表れている。ちなみに、もっともG1を勝った競馬場はキングカメハメハの04年ダービーなど9勝を挙げた東京で、以下、京都で6勝、阪神で5勝、中山と中京で各1勝となっている。

■表4 安藤勝己騎手・厩舎別成績(中央移籍後・03年3月〜)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
松田博資 109- 57- 54-287/507 21.5% 32.7% 43.4% 90% 75%
鮫島一歩 72- 58- 47-203/380 18.9% 34.2% 46.6% 98% 89%
橋口弘次郎 41- 27- 29- 79/176 23.3% 38.6% 55.1% 107% 99%
松田国英 38- 18- 23- 72/151 25.2% 37.1% 52.3% 76% 76%
橋田満 30- 31- 22- 95/178 16.9% 34.3% 46.6% 78% 84%
領家政蔵 23- 17- 10- 34/ 84 27.4% 47.6% 59.5% 114% 112%
松元茂樹 22- 18- 13- 61/114 19.3% 35.1% 46.5% 75% 84%
加藤征弘 22- 17- 15- 73/127 17.3% 30.7% 42.5% 71% 79%
藤沢和雄 21- 15-  7- 54/ 97 21.6% 37.1% 44.3% 52% 65%
友道康夫 18- 10- 15- 30/ 73 24.7% 38.4% 58.9% 84% 88%
中村均 17- 18- 10- 46/ 91 18.7% 38.5% 49.5% 68% 78%
安田隆行 16- 10- 10- 38/ 74 21.6% 35.1% 48.6% 90% 75%
戸田博文 16-  6-  8- 37/ 67 23.9% 32.8% 44.8% 237% 120%
坂口正大 15- 12- 13- 41/ 81 18.5% 33.3% 49.4% 49% 86%
加藤敬二 15-  8-  8- 54/ 85 17.6% 27.1% 36.5% 73% 71%
加用正 14- 11- 12- 34/ 71 19.7% 35.2% 52.1% 111% 92%
萩原清 14- 10- 16- 64/104 13.5% 23.1% 38.5% 97% 92%
池江泰寿 13- 11-  4- 17/ 45 28.9% 53.3% 62.2% 74% 95%
坂口正則 13-  9-  9- 42/ 73 17.8% 30.1% 42.5% 62% 66%
宮本博 12-  4-  3- 20/ 39 30.8% 41.0% 48.7% 103% 73%

厩舎別の成績は中央移籍後のものに限ったデータを確認してみたい。最多勝は松田博資厩舎で109勝にも上っている。移籍後の中央で挙げた勝利数が921勝なので、12%近くを松田博厩舎で記録したことになる。重賞も15勝をマークしており、最後のG1勝利となったマルセリーナも同厩舎の所属。忘れてはならないのがブエナビスタで、3着に敗れた09年エリザベス女王杯をもってコンビを解消することになったとはいえ、阪神JF、桜花賞、オークスの3つのG1勝利に導いたのはもちろん安藤騎手だ。

2位の鮫島一歩厩舎では72勝を記録。騎乗数を153レースまで制限した12年のうち、4分の1を超える40レースが鮫島厩舎の馬だったことからも深い信頼関係を築いていたことがうかがえ、最後の重賞勝利となった12年キーンランドCのパドトロワも鮫島厩舎の所属馬だった。

馬券的な妙味という点では、41勝で3位の橋口弘次郎厩舎、23勝で6位の領家政蔵厩舎、16勝で13位の戸田博文厩舎といったあたりの回収率が高かった。橋口厩舎ではザッツザプレンティで03年菊花賞、ツルマルボーイで04年安田記念とG1を2勝し、戸田厩舎でもキストゥヘヴンで06年桜花賞を勝利。領家厩舎では重賞を4勝したが、ビービーガルダンで09年スプリンターズS、10年高松宮記念といずれもハナ差2着で惜しくもG1には手が届かなかった。

■表5 安藤勝己騎手・種牡馬別成績(中央移籍後・03年3月〜)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
サンデーサイレンス 76- 55- 46-194/371 20.5% 35.3% 47.7% 80% 85%
ブライアンズタイム 43- 37- 22-118/220 19.5% 36.4% 46.4% 89% 81%
フジキセキ 43- 22- 19- 95/179 24.0% 36.3% 46.9% 96% 81%
ダンスインザダーク 39- 21- 27-120/207 18.8% 29.0% 42.0% 86% 74%
アグネスタキオン 35- 20- 15- 70/140 25.0% 39.3% 50.0% 78% 84%
スペシャルウィーク 25- 10- 16- 56/107 23.4% 32.7% 47.7% 85% 81%
クロフネ 24- 24- 17- 55/120 20.0% 40.0% 54.2% 69% 86%
フレンチデピュティ 22- 16- 11- 66/115 19.1% 33.0% 42.6% 67% 75%
サクラバクシンオー 20- 15-  9- 61/105 19.0% 33.3% 41.9% 79% 76%
マヤノトップガン 18-  8- 10- 46/ 82 22.0% 31.7% 43.9% 82% 90%
キングカメハメハ 16- 20-  8- 47/ 91 17.6% 39.6% 48.4% 46% 74%
タイキシャトル 14- 12-  7- 54/ 87 16.1% 29.9% 37.9% 99% 71%
キングヘイロー 13- 10-  7- 16/ 46 28.3% 50.0% 65.2% 116% 106%
タニノギムレット 13-  9-  5- 29/ 56 23.2% 39.3% 48.2% 110% 81%
シンボリクリスエス 13-  8-  9- 42/ 72 18.1% 29.2% 41.7% 89% 63%
アフリート 13-  4-  8- 37/ 62 21.0% 27.4% 40.3% 99% 78%
エンドスウィープ 12- 10-  4- 24/ 50 24.0% 44.0% 52.0% 105% 84%
チーフベアハート 12-  7-  4- 11/ 34 35.3% 55.9% 67.6% 147% 115%
マンハッタンカフェ 12-  5-  5- 30/ 52 23.1% 32.7% 42.3% 81% 61%
エリシオ 12-  5-  5- 29/ 51 23.5% 33.3% 43.1% 105% 94%

最後に種牡馬別の成績を見てみよう。こちらも中央移籍後のものに限っている。トップの76勝を挙げたのは、やはりと言うべきかサンデーサイレンスだった。03年高松宮記念でG1初勝利を飾ったビリーヴ、05年天皇賞・春で大穴をあけたスズカマンボも印象深いが、安藤騎手とコンビを組んだサンデーサイレンス産駒といえばダイワメジャーをおいて他にないだろう。この馬が全盛を迎えた06年秋には毎日王冠、天皇賞・秋、マイルCSで3連勝を挙げ、翌07年も安田記念、マイルCSと春秋マイルG1連覇を飾り、同馬ではG1を計4勝した。

2位のブライアンズタイムを挟んで、3〜6位に並んだのはサンデーサイレンスの後継種牡馬たち。3位のフジキセキ、4位のダンスインザダーク、5位のアグネスタキオン、6位のスペシャルウィークの産駒でいずれもG1を制したほか、表には入らなかったがディープインパクトとアドマイヤベガの産駒でもG1を勝っている。実は、サンデーサイレンスの後継種牡馬でG1を12勝というのは12年末時点で最多記録となっており、サンデーサイレンス系とは抜群の相性を誇っていた。そう考えると中央移籍が03年だったこともあって、サンデーサイレンスの直仔に騎乗する機会が限られていたことが惜しまれる。スポーツの世界で「たられば」は禁句とはいえ、安藤勝己騎手を背にターフを駆けるディープインパクトやサイレンススズカの姿も見てみたかったというのは、競馬ファンの誰もが夢想することなのではないだろうか。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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