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第657回 接戦が多い条件とは?

2012/12/10(月)

2012/12/8 阪神11R 朝日チャレンジカップ(G3)

先週の朝日チャレンジCは直線で各馬横に広がる大激戦。出走全馬が勝ち馬から0.6秒差以内に入線し、今年からハンデ戦に変更された影響がその初回から結果に現われた印象だった。ただ、こういったレースは「ハンデ戦らしい」とよく言われるが、本当にハンデ戦には接戦が多いのだろうか。月曜掲載分の今回は、そのハンデ戦も含め接戦について調べてみた。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、集計期間は08年以降、本年12月2日まで。集計対象は、特記のないかぎり芝の1000万条件以上としている。なお、今週のG1・朝日杯FSは木曜分で取り上げる予定だ。

本題に入る前にもうひとつ「ハンデ戦らしい」と言われるレースについて。結果ではなく予想の段階で難しいレース、オッズが割れているレースも、よくそのように表現される。上記集計対象で調べてみると、ハンデ戦における1番人気の単勝平均オッズは2.9倍、ハンデ戦以外は2.59倍と、1番人気についてはハンデ戦のオッズが高い傾向にある。これが4番人気になるとハンデ戦は7.99倍、ハンデ戦以外は8.40倍と逆転。一般的な印象通りに、ハンデ戦は難しい、人気が割れがちだと言っていいだろう。

■表1 3着まで同タイムのレース数と占有率

全レース数(A)
3着タイム差なし(B)
接戦率(B/A)
ハンデ
その他
ハンデ
その他
ハンデ
その他
08
144
356
10
30
6.9%
8.4%
09
149
366
18
17
12.1%
4.6%
10
147
383
14
25
9.5%
6.5%
11
143
368
9
30
6.3%
8.2%
12
128
374
8
21
6.3%
5.6%
711
1847
59
123
8.3%
6.7%

さて、ここからが本題。まず表1は、上位3頭が同タイムだったレースがどの程度あったのかを調べたものだ(2着同着は2着まで)。その結果は、集計対象レースのうちハンデ戦は711レースで、そのうち59レースが3着までタイム差なし。この接戦になる割合をここでは「接戦率」としたが、ハンデ戦ではこれが8.3%になる。一方、ハンデ戦以外は1847レース中123レースが3着まで同タイムで、接戦率は6.7%。確かにハンデ戦のほうが1.6ポイント接戦率は高いという結果が出た。ただ、年によってはハンデ戦とそれ以外が逆転していることもあるほか、トータルでの差もわずかで、ハンデ戦とそれ以外では100レースのうち1レース、2レース程度しか接戦になるレース数には違いがない、とも言える。

■表2 5着まで0.1秒差以内のレース数と占有率

全レース数(A)
5着0.1秒差以内(B)
接戦率(B/A)
ハンデ
その他
ハンデ
その他
ハンデ
その他
08
144
356
6
19
4.2%
5.3%
09
149
366
10
6
6.7%
1.6%
10
147
383
6
15
4.1%
3.9%
11
143
368
7
15
4.9%
4.1%
12
128
374
7
10
5.5%
2.7%
711
1847
36
65
5.1%
3.5%

■表3 5着まで0.2秒差以内のレース数と占有率

全レース数(A)
5着0.2秒差以内(B)
接戦率(B/A)
ハンデ
その他
ハンデ
その他
ハンデ
その他
08
144
356
20
61
13.9%
17.1%
09
149
366
24
37
16.1%
10.1%
10
147
383
29
58
19.7%
15.1%
11
143
368
29
52
20.3%
14.1%
12
128
374
23
49
18.0%
13.1%
711
1847
125
257
17.6%
13.9%

では、もう少し条件を変えてみるとどうだろう。表2は5着まで0.1秒差以内、表3では5着まで0.2秒差以内のレース数を調べた(4着同着は4着まで)。すると、5着まで0.1秒差以内でハンデ戦が5.1%、それ以外は3.5%とやはり1.6ポイント差。0.2秒差以内では3.7ポイント差まで広がるが、それでも100レースにつき3〜4レースの差しか出ない。ひとくちに混戦といっても、直線半ばあたりで多くの馬にチャンスがありそうだったレースでも同様の印象を受けることもあり、必ずしも僅差で入線した頭数だけで判断されるものではない。ただ、この結果からは、ゴール板通過時に馬券と関係ありそうな着順の範囲内では、ハンデ戦とそれ以外の接戦率に極端に大きな差はないことがわかる。

■表4 5着まで0.2秒差以内のレース数と占有率(ダート1000万上)

全レース数(A)
5着0.2秒差以内(B)
接戦率(B/A)
ハンデ
その他
ハンデ
その他
ハンデ
その他
08
59
259
1
17
1.7%
6.6%
09
62
265
3
18
4.8%
6.8%
10
63
255
4
11
6.3%
4.3%
11
62
253
6
16
9.7%
6.3%
12
64
223
6
18
9.4%
8.1%
310
1255
20
80
6.5%
6.4%

表4は参考までに、同様のデータをダート戦について調べたものである(08年以降の1000万条件以上)。表3と同じく5着まで0.2秒差以内を条件にしたが(4着同着は4着まで、3着3頭同着は3着まで)、そもそもダートは芝に比べ接戦になる確率が低い。そして、ここ3年こそハンデ戦の接戦率がやや高いものの、08、09年は逆転しており、トータルではハンデ戦とそれ以外にほとんど差がないという結果になった。

■表5 対象全レースの人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
1番人気
737-468-344-1009/2558
28.8%
47.1%
60.6%
76%
83%
2番人気
455-400-344-1359/2558
17.8%
33.4%
46.9%
79%
80%
3番人気
306-375-322-1555/2558
12.0%
26.6%
39.2%
73%
80%
4番人気
274-263-260-1762/2559
10.7%
21.0%
31.1%
88%
79%
5番人気
204-237-257-1859/2557
8.0%
17.2%
27.3%
88%
84%
6番人気
172-199-228-1957/2556
6.7%
14.5%
23.4%
91%
86%
7番人気
107-159-190-2094/2550
4.2%
10.4%
17.9%
77%
80%
8番人気
96-110-140-2187/2533
3.8%
8.1%
13.7%
93%
78%
9番人気
66-100-119-2202/2487
2.7%
6.7%
11.5%
67%
77%
10番人気
33-75-101-2160/2369
1.4%
4.6%
8.8%
54%
73%
11〜人気
114-170-258-10185/10727
1.1%
2.6%
5.1%
71%
72%

■表6 5着まで0.2秒差以内だったレースの人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
対象全レースとの差
勝率
連対率
複勝率
1番人気
78-56-50-198/382
20.4%
35.1%
48.2%
62
70
-8.4%
-12.0%
-12.4%
2番人気
51-48-56-227/382
13.4%
25.9%
40.6%
64
72
-4.4%
-7.5%
-6.3%
3番人気
47-46-35-254/382
12.3%
24.3%
33.5%
79
75
0.3%
-2.3%
-5.7%
4番人気
46-34-32-270/382
12.0%
20.9%
29.3%
99
78
1.3%
-0.1%
-1.8%
5番人気
40-30-39-273/382
10.5%
18.3%
28.5%
117
93
2.5%
1.1%
1.2%
6番人気
35-44-33-270/382
9.2%
20.7%
29.3%
127
112
2.5%
6.2%
5.9%
7番人気
21-27-37-297/382
5.5%
12.6%
22.3%
95
99
1.3%
2.2%
4.4%
8番人気
15-17-18-331/381
3.9%
8.4%
13.1%
102
73
0.1%
0.3%
-0.6%
9番人気
13-21-18-328/380
3.4%
8.9%
13.7%
96
91
0.7%
2.2%
2.2%
10番人気
7-18-18-322/365
1.9%
6.8%
11.8%
74
102
0.5%
2.2%
3.0%
11〜人気
30-41-50-1728/1849
1.6%
3.8%
6.5%
92
87
0.5%
1.2%
1.4%

ここまで、ハンデ戦には接戦が多いのかどうか調べてきたが、特に馬券作戦に役立つ話でもないため、ここからはハンデ戦かどうかに関わらず、「接戦」についてもう少し考えてみたい。芝に戻り、表5は今回の対象全レースについて、そして表6は5着まで0.2秒差以内だったレースについて、人気別成績を調べたものだ。
特に注目したいのは表6になるが、結果として接戦になったレースでも、勝率は1番人気から下位に行くに従って人気順通りに下がっていくことがわかる。ただ、接戦になれば上位人気の好走確率は全レースに比べ下がり、逆に5番人気あたりからは好走確率が高くなる。特に6番人気前後は全レースとの差は比較的大きく、回収率の面でも100%前後の数字が出るなど注目に値する成績だ。

■表7 距離別の接戦率

2012/9/9 阪神11R セントウルステークス(G2)

距離
レース数
5着まで0.2秒差以内
接戦率
1000m〜1300m
508
102
20.1%
1400m〜1600m
765
126
16.5%
1700m〜2000m
895
120
13.4%
2100m〜2400m
254
23
9.1%
2500m〜
136
11
8.1%

表6から、事前に接戦になりそうなレースがある程度わかれば、上位人気の評価を下げたり、6番人気前後を軸にちょっとした穴を狙ったりという馬券作戦も立てられる。接戦といえばハンデ戦、という発想は表1〜3から少々使いづらい。その他で僅差のレースが多い印象がある条件としては、短距離戦が挙げられる。実際に調べると、今回の集計対象である08年以降、芝の1000万以上という条件では、確かに距離が短いほど接戦になる確率が高いという集計結果がでてきた。

■表8 距離別のレース占有率

距離
ハンデ戦
レース数
占有率
レース数
占有率
1000m〜1300m
508
19.9%
145
20.4%
1400m〜1600m
765
29.9%
162
22.8%
1700m〜2000m
895
35.0%
236
33.2%
2100m〜2400m
254
9.9%
103
14.5%
2500m〜
136
5.3%
65
9.1%
2558
100.0%
711
100.0%

この表7の結果を受け、改めてハンデ戦とそれ以外について、距離別のレース数と占有率を調べてみた。その結果、表8にあるようにハンデ戦は全レースに比べ、芝14〜1600mのレースが少なく、2000mを超える距離のレースが多いことがわかる。表7の結果も踏まえれば、ハンデ戦は接戦になりやすい条件のレースが少ない、と言い換えることも可能だ。そんなレース設定も含めての表1〜3であり、そこで出た数字よりはもう少し接戦になる確率は高いと言ってもいいだろう。

■表9 対象全レースの人気別成績(距離別)

人気
1600m以下
1700m以上
勝率差
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
1番人気
27.6%
45.1%
57.3%
76%
81%
30.0%
49.1%
63.8%
77%
85%
-2.4%
2番人気
18.0%
32.6%
44.2%
82%
78%
17.6%
34.2%
49.5%
76%
82%
0.4%
3番人気
11.5%
25.8%
37.1%
72%
81%
12.5%
27.4%
41.3%
73%
80%
-1.0%
4番人気
10.3%
19.6%
29.5%
87%
77%
11.1%
22.3%
32.8%
89%
81%
-0.8%
5番人気
7.9%
17.8%
27.4%
89%
86%
8.0%
16.7%
27.2%
87%
81%
-0.1%
6番人気
6.2%
14.5%
23.8%
83%
90%
7.2%
14.5%
23.1%
100%
82%
-1.0%
7番人気
4.2%
10.4%
18.4%
70%
83%
4.2%
10.5%
17.4%
84%
78%
0.0%
8番人気
4.9%
8.5%
14.7%
108%
81%
2.7%
7.8%
12.6%
79%
76%
2.2%
9番人気
3.4%
7.8%
12.7%
87%
82%
1.9%
5.5%
10.2%
47%
73%
1.5%
10番人気
1.2%
4.5%
8.8%
45%
67%
1.6%
4.6%
8.8%
63%
79%
-0.4%
11〜人気
1.0%
2.8%
5.4%
68%
77%
1.1%
2.5%
4.6%
74%
65%
-0.1%

さて、表7の「短距離戦は接戦が多い」こと、そして表6の「接戦では上位人気の好走確率が低い」ことを併せ、「短距離戦では上位人気の好走確率が低い」となるのかどうかを調べたのが表9だ。ここでは1600m以下と1700m以上を比較しており、1番人気は実際に1600m以下のほうが勝率から複勝率まですべて低くなっている。ただ、「どこを買えばいいのか」は難しい。一応8番人気の単勝回収率が100%を超えているが、前後の人気が良いわけでもなく、表6のようにある程度の幅を持って狙えると強調できる部分はない。また、別途もう少し短い距離に限定しても調べたが、似たような結果が出ている。この距離という視点では、1番人気の評価がやや下がること以外、単純に「短距離戦は接戦が多いからこのあたりの人気を」とは言えないデータになってしまった。

以上、前半はハンデ戦と接戦の関係について、中盤からは接戦時の人気成績を中心にいくつかデータを調べてみた。馬券作戦としては、接戦になることさえ予想できれば1〜2番人気を嫌い、6番人気前後を狙うのが有効であることが表6からわかる。そんな馬券作戦にも繋がる接戦をいかに発見するかがポイントで、今回の対象条件下では、距離は馬券作戦としてのカギとしてはやや使いづらいという結果だった。ほかに、たとえばJRA-VANで提供されるタイム型データマイニングなど、ふだんは狙い馬の取捨に利用している指数類を接戦探しにも活用し、予想に活かせそうなものを見つけ出してみてもおもしろそうだ。また、人気順ではなく単勝オッズ等の切り口もあるので、興味のある方はぜひともチャレンジしてみていただきたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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