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第645回 世代別古馬G1勝利数を考察する

2012/10/29(月)

今週は中央のG1はお休みだが、G1に関するとあるデータについて考えてみたい。世代全体の強さを語る上で欠かせないのがG1の勝利数。1頭の馬が複数のG1を勝つケースや、複数の馬によって勝利が積み重なるパターンがあるだろうが、トータルのG1勝利数はその世代の強さを示す一つの指標となる。近年は果たしてどの世代が最も多くのG1を勝っているのだろうか。国内の古馬G1を芝2000m以上、芝1600m以下、牝馬限定の3つのカテゴリーに分けて考えてみたい。本来であればダートのレースも含めるべきだが、現在のダートグレードは地方競馬がかかわる割合が大きいため、今回は割愛させていただくことにする。1999年から2008年に生まれた競走馬を集計対象とし、各世代のG1勝利数をまとめていくことにする。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 世代別古馬G1勝利数(芝2000m以上)

生年
勝利数
優勝馬
ダービー馬
08年
2
オルフェーヴル(2) オルフェーヴル
07年
4
ビートブラック、ヒルノダムール、ローズキングダム、ヴィクトワールピサ エイシンフラッシュ
06年
4
ブエナビスタ(2)、ナカヤマフェスタ、トーセンジョーダン ロジユニヴァース
05年
1
アーネストリー ディープスカイ
04年
8
ウオッカ(2)、ドリームジャーニー(2)、ダイワスカーレット
マツリダゴッホ、スクリーンヒーロー、ジャガーメイル
ウオッカ
03年
6
メイショウサムソン(2)、アドマイヤムーン(2)、アドマイヤジュピタ、マイネルキッツ メイショウサムソン
02年
5
ディープインパクト(4)、エイシンデピュティ ディープインパクト
01年
5
スズカマンボ、スイープトウショウ、カンパニー、ダイワメジャー、ハーツクライ キングカメハメハ
00年
4
ゼンノロブロイ(3)、ヘヴンリーロマンス ネオユニヴァース
99年
7
シンボリクリスエス(4)、ヒシミラクル(2)、イングランディーレ タニノギムレット
※3歳時に牡馬・牝馬三冠レースのいずれかを制した牡馬は青字、牝馬は赤字。

まずは国内の芝2000m以上のG1(エリザベス女王杯は除く)についての分析(表1参照)。対象レースは天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)、JC、有馬記念となる。表1の世代の中で最も古いのが、99年生まれの馬たち。この年のダービー馬はタニノギムレット。その世代の特徴を考える上で参考になるので、そのほかの世代のダービー馬も記載してある。99年生まれの馬に話を戻すと、シンボリクリスエスが筆頭格となる。有馬記念と天皇賞(秋)をそれぞれ2勝した。そのほかの同世代馬ではヒシミラクルが天皇賞(春)と宝塚記念を優勝。あとはイングランディーレが天皇賞(春)を優勝。3頭で合計G1・7勝をマークした。

この7という数字は非常に優秀な成績。00年生まれの馬ではゼンノロブロイが4歳時に秋のG1を3連勝したが、そのほかではヘヴンリーロマンスの天皇賞(秋)1勝の上積みにとどまり、この世代では合計4勝。01年生まれではダイワメジャーをはじめ5頭のG1馬が誕生するが、それぞれ1勝で合計5勝。02年はあのディープインパクトが誕生したが、世代全体では5勝。03年はメイショウサムソンとアドマイヤムーンが2勝ずつをマークするも合計6勝となっている。

2009/12/27 中山10R 有馬記念(G1)1着 9番 ドリームジャーニー

99年を超えたのが04年生まれの世代。牝馬のウオッカが日本ダービーを制するという特別な年だったわけだが、同馬は古馬になっても天皇賞(秋)とJCを優勝。牡馬顔負けの実力を持っていた牝馬が同馬だけでなく、ダイワスカーレットがいたことも好結果につながっている。一方、同世代の牡馬も決して弱かったわけではない。ドリームジャーニーは同一年のグランプリを制覇。そのほか、マツリダゴッホ、スクリーンヒーロー、ジャガーメイルがG1馬となっている。

翌年、05年生まれの世代はアーネストリーの宝塚記念1勝のみ。表1で示した10世代の中では最も少ない数字となっている。今後増える可能性はゼロではないが、04年世代の分厚い壁を壊せなかった印象を受ける。06年以降の世代については現時点での成績という意味合いが強い。数多くの現役馬がいるからだ。焦点は今後の戦い。現3歳世代(09年生まれ)の勢い、強さに注目が集まっており、この勝負の行方次第だ。本稿執筆時点(10/25)では天皇賞(秋)の結果はわからないが、もし3歳馬がアッサリと勝つようであれば、06〜08年世代は苦しくなりそうだ。

注目の現3歳世代の一つ上には三冠馬オルフェーヴルがいるものの、牡馬クラシック馬の質が古馬G1勝利数に及ぼす影響は、実はそれほど大きくない。それは表1全体を見ての印象だ。例えば01年世代はキングカメハメハが古馬のG1に出走すらできずに現役を終えた。ダービーを圧勝した実力馬が欠けたわけだが、他馬が補うことによって勝利数を5まで伸ばした。3歳時にクラシックを制することができなかった馬が、その後どれだけ活躍するかがポイントになってくる。

■表2 世代別古馬G1勝利数(芝1600m以下)

生年
勝利数
優勝馬
08年
2
リアルインパクト、ロードカナロア
07年
3
カレンチャン(2)、エイシンアポロン
06年
1
ストロングリターン
05年
1
エーシンフォワード
04年
7
ウオッカ(2)、ローレルゲレイロ(2)、ショウワモダン、スリープレスナイト、アストンマーチャン
03年
4
ブルーメンブラット、キンシャサノキセキ(2)、ファイングレイン
02年
1
スズカフェニックス
01年
5
ダイワメジャー(3)、カンパニー、ハットトリック
00年
1
オレハマッテルゼ
99年
6
デュランダル(3)、アサクサデンエン、アドマイヤマックス、サニングデール
※3歳時に牡馬・牝馬三冠レースのいずれかを制した牡馬は青字、牝馬は赤字。

2009/6/7 東京11R 安田記念(G1)1着 3番 ウオッカ

続いてマイル以下の芝G1について見ていこう。対象レースは安田記念、マイルCS、スプリンターズS、高松宮記念。表2では各世代の勝ち馬の勝ち鞍数を示した。ここはいきなり結論から言うべきだろう。表1同様、04年生まれの世代が強すぎる。安田記念を連覇したウオッカの存在がここでも光るのだが、そのほかにもローレルゲレイロ、ショウワモダン、スリープレスナイト、アストンマーチャンがG1制覇を成し遂げた。合計勝ち鞍は7勝でトップの成績。世代レベルの比較材料はG1数だけではないだろうし、強さの定義は難しい。だが、表1の結果と合わせて考えると、04年生まれの世代が近年の「最強世代」と呼ぶにふさわしい結果を残してる。

04年世代に隠れがちだが99年世代も素晴らしい。マイル以下の部門でもデュランダルを筆頭にG1を6勝。表1同様、04年世代に次ぐ活躍を見せた。距離によってカテゴリーを大きく2つにわけて考えたものの、結果的には表1も表2も同じような序列ができたことになる。

■表3 世代別古馬牝馬G1勝利数

生年
勝利数
優勝馬
桜花賞馬
08年
1
ホエールキャプチャ マルセリーナ
07年
2
アパパネ アパパネ
06年
1
ブエナビスタ ブエナビスタ
05年
1
リトルアマポーラ レジネッタ
04年
3
クィーンスプマンテ、ダイワスカーレットウオッカ、エイジアンウインズ ダイワスカーレット
03年
2
フサイチパンドラ、コイウタ キストゥヘヴン
02年
0
  ラインクラフト
01年
2
スイープトウショウダンスインザムード ダンスインザムード
00年
2
アドマイヤグルーヴ(2) スティルインラブ
99年
1
ファインモーション アローキャリー
※3歳時に牡馬・牝馬三冠いずれかのレース制した馬は赤字。

最後に牝馬限定のG1について見ていこう。表3はヴィクトリアマイルとエリザベス女王杯を対象とした世代別の勝利数。参考データとして各世代の桜花賞馬を記載してある。レース数が少ないので差は出にくくなっているが、ここでも04年世代がトップの3勝。エイジアンウインズは大本命のウオッカを倒してのヴィクトリアマイル制覇であり、あらためてその勝利の価値を称讃できる。クィーンスプマンテは展開の利を味方にしての勝利だったが、ブエナビスタらを退けてのエリザベス女王杯優勝と、これまたインパクトは強い。02年は勝利数ゼロという残念な世代。だが、ラインクラフト、シーザリオ、エアメサイアという素質馬がクラシックで好勝負を繰り広げた世代であり、決してレベルは低くなかったはず。特にシーザリオは日米オークス制覇を果たした後の引退。実力馬の早期離脱も、こうした結果につながった。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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