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第641回 3歳春のG1好走馬の新馬戦成績は?

2012/10/15(月)

秋競馬も2開催目に入り、2歳新馬戦ではクラシックの有力候補とされる馬が多くデビューする時期になってきた。そこで月曜掲載分の今回は、3歳春のG1で好走する馬が、新馬戦ではいったいどのような成績を残していたかを調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。なお、菊花賞については木曜掲載分で取り上げる予定である。

新馬戦の出走機会が1回に限定されたのが03年の2歳世代からのため、集計期間は03年の夏競馬以降とした。そして集計対象は、その世代が3歳を迎えた04年以降の桜花賞、皐月賞、NHKマイルC、オークス、日本ダービーの3着以内馬としている。よって、対象馬の数は04年〜12年の9年間・5レースの3着以内馬のべ135頭。この中には複数のG1で好走した馬もいるほか、ホッカイドウ競馬所属のコスモバルクは中央競馬の新馬戦に出走おらず、実頭数は109頭になる。

■表1 3歳春G1好走(3着以内)馬の新馬戦デビュー月とその成績(03年〜)

デビュー頭数
新馬戦成績
勝率
連対率
3着内率
6月
7
2-1-1-3/7
28.6%
42.9%
57.1%
7月
22
9-6-3-4/22
40.9%
68.2%
81.8%
8月
10
6-2-1-1/10
60.0%
80.0%
90.0%
9月
11
4-3-3-1/11
36.4%
63.6%
90.9%
10月
23
14-5-1-3/23
60.9%
82.6%
87.0%
11月
15
10-3-1-1/15
66.7%
86.7%
93.3%
12月
14
10-4-0-0/14
71.4%
100.0%
100.0%
1月
6
5-1-0-0/6
83.3%
100.0%
100.0%
2月
1
1-0-0-0/1
100.0%
100.0%
100.0%

2006/10/29 京都6R サラ2歳新馬 1着 4番 ウオッカ

まず表1は、3歳春のG1好走馬109頭が、何月の新馬戦でデビューし、どのような成績を残していたかを調べたものである。少々わかりづらいため6月を例にとって説明すると、03年以降に6月の新馬戦でデビューし、翌春のG1で3着以内になった馬は計7頭。このうち、その新馬戦を勝っていたのはローレルゲレイロ(翌春NHKマイルC2着)とエフティマイア(同桜花賞、オークス2着)の2頭だったことを示している。2着1回は、翌年の皐月賞3着馬・セイウンワンダー。そして3着1回は、今年の桜花賞で3着になったアイムユアーズ。残る着外3頭は、コスモサンビーム(新馬5着)、コイウタ(同7着)、そしてサンツェッペリン(同6着)となっている。

そのデビュー月別で、翌春のG1好走馬をもっとも多く出しているのは10月の新馬戦で計23頭。冒頭に「クラシックの有力候補とされる馬が多くデビューする時期」と書いたが、そんな一般的な印象通りの結果が出ていると言っていいだろう。これに次ぐのが7月、そして11、12月の順である。

また、開催が進めば進むほど、新馬戦で負けていた馬がG1で好走する可能性が減っていくこともわかる。前述のように、6月デビューのG1好走馬7頭のうち、新馬戦を勝っていたのは2頭だけ。勝率にすると28.6%に過ぎないが、秋中盤は60%以上、年末から年明けになるとさらに高くなる。また、新馬戦で3着以下に負けていた馬でもG1好走の可能性がまだ多く残されるのは、10月デビューの馬あたりまで。11月デビューになると、新馬戦3着以下からの翌春G1好走はソーマジック、オウケンサクラの牝馬2頭にとどまり、12月以降のデビュー馬は新馬戦連対が条件だ。

■表2 3歳春G1好走(3着以内)馬の新馬戦競馬場と成績

場所
デビュー頭数
着別度数
勝率
連対率
複勝率
札幌
7
4-1-1-1/7
57.1%
71.4%
85.7%
函館
10
4-3-2-1/10
40.0%
70.0%
90.0%
福島
6
2-0-1-3/6
33.3%
33.3%
50.0%
新潟
7
4-2-0-1/7
57.1%
85.7%
85.7%
東京
9
6-1-1-1/9
66.7%
77.8%
88.9%
中山
10
5-3-2-0/10
50.0%
80.0%
100.0%
中京
該当馬なし
京都
33
22-7-1-3/33
66.7%
87.9%
90.9%
阪神
20
10-6-1-3/20
50.0%
80.0%
85.0%
小倉
7
4-2-1-0/7
57.1%
85.7%
100.0%

表2は、3歳春のG1好走馬のデビュー競馬場別成績を調べたもの。こちらは現在開催が行われている京都デビュー馬が他に大差をつける33(そのうち秋競馬27頭)。一方、京都同様にこの時期に連続開催が行われる東京デビュー馬は9頭にとどまる。京都は年明け1月から開催があるほか、昨夏には代替開催があったため、同じ「秋の連続開催」を抱える競馬場として単純には比較できないものの、それを考慮しても東京が劣勢という印象は否めない。

また、今回の集計対象では、残念ながら中京デビューで翌春のG1好走馬は1頭もいない。中京の新馬戦といえば、少々古い話になってきたがミホノブルボンが1000m戦で出遅れから豪快な追い込みを決めたレース(91年)が印象深く、また、90年の暮れにはトウカイテイオーもデビューを飾っているが、ここ10年ほどでの間で古馬G1も含めG1馬のデビューはサニングデールのみ(01年)。その前になると94年のヤマニンパラダイスまでさかのぼる。新コースに替わり、この夏にデビューした馬やこれから暮れの開催でデビューする馬の中から大物が登場することを期待したいところだ。

■表3 東京デビューの3歳春G1好走馬

デビュー戦
馬名
人気
着順
3歳春G1好走
031011 芝1800 ハイアーゲーム
1
1
ダービー3着
061008 芝1800 フサイチホウオー
1
1
皐月賞3着
061015 芝1600 アサクサキングス
3
1
ダービー2着
071020 芝1800 マイネルチャールズ
2
4
皐月賞3着
071117 ダ1400 ソーマジック
2
3
桜花賞3着
081115 芝1600 レッドスパーダ
2
1
NHKマイルC2着
091114 芝2000 ヒルノダムール
1
2
皐月賞2着
101024 芝1400 リアルインパクト
1
1
NHKマイルC3着(安田記念1着)
111030 芝2000 フェノーメノ
4
1
ダービー2着

続いて、現在開催が行われる東京と京都について、もう少し詳しく見てみたい。表3は、東京でデビューした翌春の3歳G1好走馬の一覧である。その9頭を見ると該当馬はすべて秋の開催デビューで、翌春のG1好走は古馬相手の安田記念(集計対象外)を勝ったリアルインパクト以外すべて2〜3着である。朝日杯の優勝馬であれば07年にゴスホークケンが出ているほか、古馬G1ならここ数年だけでもナカヤマフェスタ、ヒルノダムール、ストロングリターンといった名前も見られるが、3歳春のG1優勝馬は02年のNHKマイルCを勝ったテレグノシスが一番近い例。春のクラシックは00年皐月賞のエアシャカール、東京デビューの関東馬によるクラシックとなると、97年の二冠馬・サニーブライアンまでさかのぼらねばならない。

■表4 秋・京都デビューの3歳春G1好走馬

デビュー戦
馬名
人気
着順
3歳春G1好走
031018 芝1400 スイープトウショウ
1
1
オークス2着
031116 芝1800 キングカメハメハ
1
1
ダービー、NHKマイルC1着
041009 芝1400 デアリングハート
2
2
NHKマイルC2着、桜花賞3着
041016 芝1400 ラインクラフト
3
1
桜花賞、NHKマイルC1着
041121 芝1600 エアメサイア
1
1
オークス2着
051008 芝1400 ロジック
1
1
NHKマイルC1着
051112 芝1800 フサイチパンドラ
1
1
オークス2着
061029 芝1600 ウオッカ
2
1
ダービー1着、桜花賞2着
061104 芝1600 アドマイヤオーラ
1
1
ダービー3着
061105 芝2000 ヴィクトリー
1
1
皐月賞1着
061119 芝2000 ダイワスカーレット
1
1
桜花賞1着
071008 芝1400 ディープスカイ
2
4
ダービー、NHKマイルC1着
071103 芝1200 ダノンゴーゴー
1
1
NHKマイルC3着
071111 芝1800 ブラックシェル
4
2
NHKマイルC2着、ダービー3着
081026 芝1800 アンライバルド
3
1
皐月賞1着
リーチザクラウン
2
2
ダービー2着
ブエナビスタ
1
3
桜花賞、オークス1着
091025 ダ1400 アグネスワルツ
3
8
オークス3着
091025 芝1800 ローズキングダム
2
1
ダービー2着
ヴィクトワールピサ
1
2
皐月賞1着、ダービー3着
091122 芝1800 ダノンシャンティ
2
1
NHKマイルC1着
091128 芝2000 オウケンサクラ
2
4
桜花賞2着
101009 芝1800 ベルシャザール
1
1
ダービー3着
101017 芝1600 サダムパテック
5
2
皐月賞2着
101024 芝1800 ダノンバラード
1
1
皐月賞3着
101106 芝1600 コティリオン
1
1
NHKマイルC2着
111119 芝1600 ジェンティルドンナ
1
2
桜花賞、オークス1着

2008/10/26 京都5R サラ2歳新馬 1着 11番 アンライバルド

一方、京都デビューの該当馬は表2の通り33頭だが、頭数が多いため表4にはそのうち秋開催デビューの27頭を掲載した。こちらは日曜に大熱戦の末、牝馬三冠を達成したジェンティルドンナなど、東京デビューとは違い翌春のG1優勝馬も数多く出ている

また、この京都デビュー馬については、最近になって傾向が変わってきたところもあるようだ。まず、07年までは1400m以下の新馬戦でデビューした馬も翌春のG1で多く好走していたが、08年以降は該当馬13頭中12頭が芝1600m以上でのデビューになっている。そしてもう1点。06年までは該当馬11頭中10頭がデビュー戦を制していたのに対し、07年以降は16頭中9頭と半数以上が新馬戦2着以下から翌春のG1好走を果たしており、ジェンティルドンナもこの中の1頭に数えられる。数字だけを見れば、有力馬が特定のレースに集中しているのではないかと考えてしまうが、実際に翌年のG1好走馬が重なったのは08年のアンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタ、そして09年のローズキングダム、ヴィクトワールピサの2レースのみである。

■表5 3歳春G1好走馬の世代別新馬戦成績

世代
デビュー年
着別度数
勝率
連対率
複勝率
現11歳(2001年産)
03〜04
9-1-0-2/12
75.0%
83.3%
83.3%
現10歳(2002年産)
04〜05
8-2-0-0/10
80.0%
100.0%
100.0%
現 9歳(2003年産)
05〜06
6-4-2-1/13
46.2%
76.9%
92.3%
現 8歳(2004年産)
06〜07
10-0-1-3/14
71.4%
71.4%
78.6%
現 7歳(2005年産)
07〜08
4-2-1-4/11
36.4%
54.5%
63.6%
現 6歳(2006年産)
08〜09
4-6-2-0/12
33.3%
83.3%
100.0%
現 5歳(2007年産)
09〜10
4-3-2-3/12
33.3%
58.3%
75.0%
現 4歳(2008年産)
10〜11
8-4-1-0/13
61.5%
92.3%
100.0%
現 3歳(2009年産)
11〜12
8-3-1-0/12
66.7%
91.7%
100.0%

表4の傾向を受けて、今度は全競馬場デビュー馬に対象を広げ、世代別に春のG1好走馬の新馬戦着順を調べたのが表5である。秋の京都の影響が大きい面もあるとはいえ、全競馬場で見ても07年デビューからの3世代は他の世代に比べ極端に新馬戦優勝馬の翌春G1好走が少ない。ただその一方で、ここ2年は6割以上が新馬勝ちを収めており、07年以降がすべて悪いというわけではない。原因のほどは定かではないが、年によって偏りが出ているのは確かだ。

■表6 朝日杯、阪神JF3着以内馬の新馬戦成績

世代
デビュー年
朝日杯、阪神JF3着以内馬の新馬成績
同連対馬
同勝ち馬
朝日杯優勝馬
阪神JF優勝馬
着別度数
勝率
連対率
複勝率
着別度数
着別度数
現11歳(2001年産)
03
4-1-0-1/6
66.7%
83.3%
83.3%
3-0-0-1/4
1-0-0-1/2
コスモサンビーム ヤマニンシュクル
現10歳(2002年産)
04
4-1-1-0/6
66.7%
83.3%
100.0%
3-1-0-0/4
2-0-0-0/2
マイネルレコルト ショウナンパントル
現 9歳(2003年産)
05
4-0-0-2/6
66.7%
66.7%
66.7%
2-0-0-2/4
1-0-0-1/2
フサイチリシャール テイエムプリキュア
現 8歳(2004年産)
06
4-2-0-0/6
66.7%
100.0%
100.0%
3-1-0-0/4
2-0-0-0/2
ドリームジャーニー ウオッカ
現 7歳(2005年産)
07
3-2-0-1/6
50.0%
83.3%
83.3%
3-1-0-0/4
1-1-0-0/2
ゴスホークケン トールポピー
現 6歳(2006年産)
08
4-1-1-0/6
66.7%
83.3%
100.0%
2-1-1-0/4
0-1-1-0/2
セイウンワンダー ブエナビスタ
現 5歳(2007年産)
09
1-1-2-2/6
16.7%
33.3%
66.7%
1-0-1-2/4
1-0-1-0/2
ローズキングダム アパパネ
現 4歳(2008年産)
10
4-1-1-0/6
66.7%
83.3%
100.0%
3-1-0-0/4
2-0-0-0/2
グランプリボス レーヴディソール
現 3歳(2009年産)
11
4-0-2-0/6
66.7%
66.7%
100.0%
3-0-1-0/4
2-0-0-0/2
アルフレード ジョワドヴィーヴル

表6は、同様のデータを朝日杯フューチュリティS、阪神JFについて調べたもの(優勝馬の背景青は新馬戦2着以下)。こちらは両レースの3着以内馬で見るとはっきりしないが、連対馬や勝ち馬を見ると、翌年のG1と関連性があるように見て取れる。表5で新馬戦2着以下からの翌春G1好走が多かったのは現5〜7歳と、これに次いで現9歳。この4世代はすべて、朝日杯FSか阪神JFの時点でどちらか一方、あるいは両レースを新馬戦2着以下の馬が優勝していた。唯一コスモサンビームが朝日杯FSを制した03年のみ、翌年のG1は新馬戦優勝馬の好走が多かったが、それ以外は朝日杯FSと阪神JFの結果を見れば、翌春のG1で新馬戦2着以下の馬にも期待が持てるかどうかの判断がある程度はつくという結果になっている。
もちろん、朝日杯FSや阪神JFの優勝馬が翌春のG1でも好走するケースも多い(特に牝馬)影響はあるだろう。ただ、それだけにとどまらない差が表5にはあり、そのような場合でも他の新馬戦2着以下の馬を引き連れてきている。たとえばトールポピーのオークスは、3着レジネッタが新馬戦10着。ブエナビスタは春二冠とも3着がジェルミナル(新馬戦3着)。そしてアパパネは桜花賞2〜3着のオウケンサクラ(新馬戦4着)、エーシンリターンズ(新馬戦2着)に、オークス3着のアグネスワルツ(新馬戦8着)といった具合である。

以上、新馬戦と翌春のG1の関係、そして最後には朝日杯FSや阪神JFとの関係についても調べてみた。「馬券直結」というデータではないが、ペーパーオーナーゲームの指名馬やクラブ馬主の出資馬などでは非常に気になる新馬戦。勝ってくれるに越したことはないとはいえ、年によってG1好走馬の傾向に大きな差があるほか、デビュー月や競馬場によってもまた違いがある。もし既にデビューした馬が新馬戦で負けてしまっていても、現時点でデビューを果たしているだけでも翌春にはまだまだ期待が持てる。そして、もし朝日杯FSや阪神JFを新馬戦2着以下の馬(あるいは自身の指名馬、出資馬)が勝てば、より可能性は広がりそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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