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第640回 阪神芝1600m実績と上がりの脚を重視したいローズS

2012/10/11(木)

今年の秋華賞で焦点となるのは、なんといっても史上4頭目の牝馬三冠が懸かるジェンティルドンナ。しかし、桜花賞とオークスで連続2着に泣いたヴィルシーナ、クイーンSで古馬を撃破してきたアイムユアーズ、オークスで1番人気に推されたミッドサマーフェアらも黙ってはいないだろう。偉業の達成はなるのか、はたまた阻止する馬が現れるのか、過去10年の秋華賞の傾向を調べてみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 単勝人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気
2-  2-  3-  3/ 10
20.0%
40.0%
70.0%
34%
81%
2番人気
7-  0-  1-  2/ 10
70.0%
70.0%
80.0%
234%
117%
3番人気
0-  2-  0-  8/ 10
0.0%
20.0%
20.0%
0%
40%
4番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
34%
5番人気
0-  2-  1-  7/ 10
0.0%
20.0%
30.0%
0%
103%
6番人気
0-  1-  0-  9/ 10
0.0%
10.0%
10.0%
0%
30%
7番人気
0-  2-  1-  7/ 10
0.0%
20.0%
30.0%
0%
131%
8番人気
0-  1-  1-  8/ 10
0.0%
10.0%
20.0%
0%
91%
9番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
10番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
128%
11番人気
1-  0-  0-  9/ 10
10.0%
10.0%
10.0%
299%
93%
12番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
13番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
14番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
15番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
16番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
621%
17番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
18番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

人気別成績で目を引くのが、過去10年で7勝を挙げている2番人気。1番人気も複勝率70.0%と手堅く走ってはいるものの2勝にとどまっており、1着という点に関しては2番人気に後塵を拝している。1番人気が確実視されるジェンティルドンナにとってはあまり歓迎すべきデータないかもしれない。一方、3番人気は過去10年で2着が2回あるのみで、残りは着外。堅実な1、2番人気のあおりを受けている格好となっている。

■表2 4着以下に敗れた1、2番人気馬

年度
着順
人気
馬名
春のG1成績
前走
出走間隔
桜花賞
オークス
レース
着順
02年
2
18
シャイニンルビー
3
5
紫苑S
3
中4週
04年
1
4
ダンスインザムード
1
4
アメリカンオークス・G1
2
中14週
06年
1
4
アドマイヤキッス
2
4
ローズS・G2
1
中3週
08年
2
8
レジネッタ
1
3
ローズS・G2
3
中3週
1
10
トールポピー
8
1
ローズS・G2
6
中3週

過去10年は1、2番人気馬がしっかりと好走している秋華賞。それだけに、好走できなかった1、2番人気馬にはどのような事情があったのか、共通項を知っておくことは損にならないだろう。これに該当するのは表2の5頭。まず、危険なのが(1)春の牝馬G1で無冠に終わっていた馬。02年のシャイニンルビー、06年のアドマイヤキッスはいずれも桜花賞、オークスで1番人気に推されたものの勝てなかった。次いで(2)前走で連対を外していたケースも危険で、08年のレジネッタとトールポピーのほか、02年のシャイニンルビーはここにも該当していた。最後は(3)休み明け。04年のダンスインザムードは桜花賞を勝ち、前走も2着ということで(1)(2)はクリアしていたものの、休み明けが響いて単勝1.7倍の圧倒的支持を裏切るかたちとなってしまった。

今年はジェンティルドンナが春の牝馬二冠を制した関係で、ほかの馬は必然的に(1)に合致してしまうため、今年はこの条件を考慮しなくていいだろう。また、1番人気に推されるのもこの馬でほぼ間違いない。よって、当日の2番人気馬が(2)か(3)のどちらかに該当していないかどうかをチェックしたいところだ。

■表3 前走着順別成績

前走着順
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
前走1着 5-  3-  3- 34/ 45
11.1%
17.8%
24.4%
29%
43%
前走2着 1-  4-  3- 17/ 25
4.0%
20.0%
32.0%
12%
85%
前走3着 1-  3-  1- 14/ 19
5.3%
21.1%
26.3%
26%
94%
前走4着 1-  0-  0-  9/ 10
10.0%
10.0%
10.0%
23%
12%
前走5着 1-  0-  0- 11/ 12
8.3%
8.3%
8.3%
26%
10%
前走6〜9着 0-  0-  2- 40/ 42
0.0%
0.0%
4.8%
0%
34%
前走10着〜 1-  0-  1- 24/ 26
3.8%
3.8%
7.7%
115%
274%

よく「一度崩れた牝馬を立て直すのは大変」と言われるが、これは秋華賞にも当てはまる傾向と言えそうだ。表3は前走着順別成績で、これを見るとわかるように、前走3着以内か前4着以下かで好走率がかなり変わってくることがわかる。もちろん優秀なのは前走3着以内。夏に休養を挟んで1走して秋華賞という臨戦過程で臨んでくる馬が多いが、その前走で4着以下に落ちてしまうと巻き返しは容易ではないと考えたほうがいいだろう。

■表4 前走4着以下から好走した馬

年度
着順
人気
馬名
前走
レース
着順
03年
2
1
スティルインラブ ローズS・G2
5
04年
10
3
ウイングレット クイーンS・G3
8
07年
1
3
ウオッカ 宝塚記念・G1
8
08年
11
1
ブラックエンブレム ローズS・G2
15
16
3
プロヴィナージュ シリウスS・G3
16
10年
1
1
アパパネ ローズS・G2
4

では、前走で4着以下に落ちながら秋華賞で3着以内に入った馬にはどのような共通項があったのだろうか。該当するのは6頭。このうち、春の二冠を制していた03年のスティルインラブと10年のアパパネは、前走のローズSはステップと割り切って牝馬三冠の懸かる秋華賞に備えた面もあるはず。この2頭は桜花賞の前哨戦であるチューリップ賞でいずれも2着に敗れており、明らかに叩き良化型のタイプということでも共通していた。また、07年のウオッカの前走は古馬相手の宝塚記念。さすがにこれは厳しかったようだ。もっとも、この3頭はいずれもすでにG1を2勝以上していた格上馬。前走で少々負けようが、そもそもの実力が違っていたと考えるべきだったかもしれない。

そういう意味で参考にすべきなのは、04年のウイングレット、08年のブラックエンブレムとプロヴィナージュ、この3頭かもしれない。この3頭はいずれも重賞連対歴があったことで共通。また、ウイングレットとプロヴィナージュは前走が古馬相手の重賞で、強い相手とやってきたことが活きたのだろう。その点、ブラックエンブレムは同じ3歳牝馬相手のローズSで15着に大敗しており、言い訳ができないように見える。しかし、この08年はローズSが重馬場、秋華賞が良馬場とまったく異なる馬場状態になったため、ブラックエンブレムは巻き返すことができたのではないだろうか。今年のトライアルレース、紫苑SとローズSはいずれも良馬場開催。となると、ここで4着以下に敗れていた馬が巻き返すとしたら、秋華賞が道悪になったときではないだろうか。

以上をまとめると、前走で4着以下に敗れていながら巻き返せるのは(1)すでにG1を2勝以上している実績上位馬、(2)前走が古馬相手の重賞、(3)前走と秋華賞が異なる馬場状態になった場合、この3つのいずれかに限られる。仮に、前走で3歳牝馬同士のレースや条件戦に出走し、良馬場開催で4着以下に敗れていた場合、本番も良馬場になったときの巻き返しは至難の業となりそうだ。

■表5 前走レース別成績

前走レース名
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
ローズS・G2 8- 8- 3-54/73
11.0%
21.9%
26.0%
68%
68%
クイーン・G3 1- 1- 2- 6/10
10.0%
20.0%
40.0%
31%
196%
オークス・G1 1- 0- 0-11/12
8.3%
8.3%
8.3%
30%
15%
アメリカンオークス・G1 0- 1- 0- 2/ 3
0.0%
33.3%
33.3%
0%
123%
紫苑S 0- 0- 1-36/37
0.0%
0.0%
2.7%
0%
8%
シリウスS・G3 0- 0- 1- 1/ 2
0.0%
0.0%
50.0%
0%
3105%
宝塚記念・G1 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
150%
札幌記念・G2 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
110%
五頭連峰特別・1000万下 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
340%
※好走例のある前走レースのみ

表5は前走レース別成績だが、とにかくローズS組が強い。しかも、好走した19頭のうち16頭はローズSで3着に入っていた。例外は、前項で見たとおり、春の二冠を制していたスティルインラブとアパパネ。それと、ローズSが重馬場だった08年のブラックエンブレムである。

ローズS以外で複数の好走馬を出している前走はクイーンSのみで、3着以内に入っていれば【1.1.1.1】と堅実。これも前項で見たように、04年にウイングレットが8着から巻き返した例もあるが3着どまりだった。秋華賞で連対するにはクイーンSでは3着以内には入っておきたい。

ほかに好走例がある前走は、古馬相手の牡馬混合重賞、宝塚記念、札幌記念、シリウスSがそれぞれ1頭ずつある。一方、紫苑S組は37頭が出走して3着1回のみと相変わらず相性が悪く、前走で条件戦を走っていた馬も【0.0.1.26】と3着が1頭いるだけ。メンバーが手薄な年ならともかく、春の実績馬が揃って出てきそうな今年も苦戦を強いられそうだ。

そのほか、3歳牝馬同士のG1から休み明けで出走して好走した例も、06年1着のカワカミプリンセス(オークス1着以来5カ月ぶり)、06年2着のアサヒライジング(アメリカンオークス2着以来3カ月ぶり)と1頭ずつある。3カ月ぶり以上(中12週以上)で出走して好走したのは、この2頭と前述したウオッカの3頭だけで【1.1.1.25】となっている。3カ月以上ぶり以上の休み明けで好走するには最低でもG1の連対経験が必要と、かなり厳しいハードルとなっている。

【結論】

■表6 前走4着以下から好走した馬

馬名
前走
レース
着順
アイスフォーリス 紫苑S
5
アイムユアーズ クイーンS・G3
1
アナスタシアブルー 夕月特別・1000万下
2
アロマティコ ムーンライトH・1600万下
3
オメガハートランド 紫苑S
9
キャトルフィーユ ローズSG2
4
サトノジョリー ローズSG2
8
サンシャイン 優駿牝馬G1
8
ジェンティルドンナ ローズS・G2
1
ダイワズーム 紫苑S
7
チェリーメドゥーサ 白井特別1000
1
トーセンベニザクラ ローズSG2
5
ハナズゴール 札幌記念・G2
4
ハワイアンウインド 夕月特別・1000万下
1
フレイムコード 紫苑S
3
ブリッジクライム 紫苑S
2
ミッドサマーフェア クイーンS・G3
3
メイショウスザンナ 紫苑S
10
ラシンティランテ 夕月特別・1000万下
5
ラスヴェンチュラス ローズS・G2
3
ヴィルシーナ ローズS・G2
2
※アナスタシアブルー、フレイムコード、ラシンティランテは回避予定

表3で見たとおり、秋華賞で大きな基準となるのが「前走3着以内」。また、前走3着以内でも前走紫苑S組と前走条件戦組はほとんどが凡走し、好走しても3着までとなっている。今年は春の実績馬が揃って順調ということもあり、アロマティコチェリーメドゥーサハワイアンウインドブリッジクライムは買うとしても3着欄で十分だろう。

2012/9/16 阪神11R 関西TVローズS(G2)1着 6番 ジェンティルドンナ
2012/7/29 札幌11R クイーンステークス(G3)1着 8番 アイムユアーズ

また、前走4着以下でも好走できるのは「G1を2勝以上の実績を持っている」か「前走で古馬重賞を使っていた場合」か「前走と秋華賞の馬場状態が違っていたとき」。このうち、今年の出走メンバーのなかで唯一G1を2勝しているジェンティルドンナは前走を勝っている。また、馬場状態に関しては当日になるまでわからないので、ここでは考えないこととする。となると、前走4着以下で資格があるのは札幌記念を使っていたハナズゴールだけということになる。ローズSを取り消して臨戦過程には不安があるが、札幌記念で牡馬の強豪に混じって4着に入った能力は魅力がある。体調が整っていれば、割って入るケースもあるだろう。

表1で見たとおり、秋華賞は1、2番人気が非常に強いレースで、今年の1番人気はジェンティルドンナでほぼ確定的。また、近10年で牝馬三冠を狙ったスティルインラブ、ブエナビスタ、アパパネはいずれも前走で敗れていたが、スティルインラブとアパパネは牝馬三冠を達成し、ブエナビスタも3着へ降着処分を受けたとはいえハナ差で2位入線。そう考えると、ローズSで健在ぶりをアピールしたジェンティルドンナはますます死角が見当たらない。三冠達成は濃厚、最低でも連対は確保するとみる。

過去10年で7勝している2番人気を争うのがヴィルシーナアイムユアーズだろう。表2で見た「1、2番人気で凡走するケース」の(春のG1で無冠)にどちらも該当するが、今年はジェンティルドンナが二冠を独占したため、これは仕方のないところ。(2)と(3)の条件は難なくクリアしており、どちらが2番人気になっても3着以内は確保してきそう。ただし、秋華賞の3番人気は過去10年で【0.2.0.8】と苦戦しており、3番人気に落ちた瞬間にジンクスが頭をもたげるところだ。

残る好走候補は、クイーンS3着のミッドサマーフェアとローズS3着のラスヴェンチュラスだが、ジェンティルドンナを相手に勝ち切るとなると厳しく、やはり相手までだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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