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第631回 秋の3歳トライアルG2の激走候補を探す

2012/9/10(月)

2011/01/16 中山11R 京成杯(G3)1着 2番 フェイトフルウォー

昨年もセントライト記念を勝ったのは6番人気のフェイトフルウォー。ローズSでも2着に10番人気のマイネイサベル、3着に7番人気のキョウワジャンヌとダークホースが好走した。春の実績馬の多くが休み明けでの出走となるため、こうした激走が生まれる余地があるのだろう。そこで、今回は過去10年のセントライト記念、ローズS、神戸新聞杯で6番人気以下から1〜3着に入った馬を調べて、「秋の3歳トライアルG2ではどんな馬が激走するのか」を探ってみたい。なお、セントライト記念は02年に新潟芝2200m、ローズSと神戸新聞杯は05年まで阪神芝2000m、06年に中京芝2000mでそれぞれ開催されているが、今回は基本的には考慮しないこととする。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 セントライト記念・6番人気以下好走馬

年度
馬名
人気
着順
02年 マイネルアムンゼン
11
3
03年 ニシノシンフォニー
8
2
04年 トゥルーリーズン
9
3
05年 キングストレイル
8
1
ピサノパテック
6
3
06年 トーセンシャナオー
12
1
ミストラルクルーズ
7
3
07年 スクリーンヒーロー
14
3
08年 ダイワワイルドボア
9
1
09年 フォゲッタブル
7
3
11年 フェイトフルウォー
6
1

■表2 ローズS・6番人気以下好走馬

年度
馬名
人気
着順
02年 トシザダンサー
8
3
04年 グローリアスデイズ
6
2
06年 シェルズレイ
8
2
08年 マイネレーツェル
7
1
ムードインディゴ
9
2
09年 クーデグレイス
10
3
10年 ワイルドラズベリー
6
2
11年 マイネイサベル
10
2
キョウワジャンヌ
7
3

■表3 神戸新聞杯・6番人気以下好走馬

年度
馬名
人気
着順
02年 ナムラサンクス
11
3
05年 ローゼンクロイツ
6
3
06年 ソングオブウインド
6
3
09年 イコピコ
7
1

まず、レースごとに6番人気以下の好走馬を一覧してみた。ここで気づくのが、セントライト記念やローズSに比べて、神戸新聞杯では6番人気以下の好走例がグッと少ない=順当な決着が多いということである。その理由として考えられるのは、まず出走メンバーが他の2レース以上に揃いやすいということ。加えて、神戸新聞杯の開催がセントライト記念やローズSより1週遅いということ。まだ暑さが残る時期だけに、1週でも調整期間を長くとれることが休み明けの実績馬にとっては大きなプラス材料となるのだろう。実際、昨年は1着オルフェーヴル、2着ウインバリアシオン、一昨年も1着ローズキングダム、2着エイシンフラッシュとダービーの1、2着馬がしっかりと連対を果たして穏当な結果となっている。秋の3歳トライアルG2で穴を狙うのであれば、今週末のセントライト記念かローズS、なかでも6番人気以下の1着馬も4頭も出ているセントライト記念が狙い目と言えそうだ。

■表4 実績馬が巻き返した例

年度
レース
馬名
人気
着順
3歳時の主な実績(出走時)
02年 神戸新聞杯 ナムラサンクス
11
3
愛知杯・4着
04年 ローズS グローリアスデイズ
6
2
フローラS・2着
05年 神戸新聞杯 ローゼンクロイツ
6
3
毎日杯・1着
06年 ローズS シェルズレイ
8
2
チューリップ賞・2着
07年 セントライト記念 スクリーンヒーロー
14
3
ラジオNIKKEI杯・2着
08年 ローズS マイネレーツェル
7
1
フィリーズレビュー・1着
ムードインディゴ
9
2
忘れな草賞・1着
09年 神戸新聞杯 イコピコ
7
1
白百合S・1着
10年 ローズS ワイルドラズベリー
6
2
白百合S・1着
11年 セントライト記念 フェイトフルウォー
6
1
京成杯・1着
11年 ローズS マイネイサベル
10
2
クイーンC・2着

2009/9/27 阪神11R 神戸新聞杯(Jpn2)1着 4番 イコピコ

ここからは、激走の多い例をパターン別に見ていきたい。まずチェックしておきたいのが、3歳春に一定以上の実績を残していた馬が巻き返すパターン。具体的には3歳時に重賞2着以内かオープン特別1着の実績を持っていた馬が狙い目となる。春のクラシックで精彩を欠いたために盲点となった格好で、皐月賞とダービーを除けば連対を外したことのなかったローゼンクロイツ、すべて3着以内だったフェイトフルウォーといった馬も意外なほど人気を落としていた。G1に比べれば相手関係も楽になり、休養を挟んで本調子を取り戻しているケースも十分に考えられるだけに、見落とさないようにしたいところだ。

ソングオブウインドやスクリーンヒーロー、イコピコといった春のクラシックには縁がなかった馬も、クラシック出走馬に比べて印象が薄いせいか人気にならない傾向がある。この3頭はいずれも3歳になってから初勝利を挙げていることも共通点。短期間で大きく成長する3歳馬だけに、デビューが遅れながらも素質の片鱗を見せていた馬が一気に素質を開花させるパターンにも注意しておきたい。

もう1頭、「3歳時に重賞2着以内かオープン特別1着」という条件からは外れるが、ナムラサンクスは古馬相手の愛知杯で4着に入っていた。出走例は少ないものの、古馬混合重賞で掲示板に載った経験のあるような馬には当然マークが必要だ。

■表5 前走クラス別成績(条件戦のみ)

前走クラス
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
未勝利
0-  0-  0-  7/  7
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
500万下
2-  0-  2- 82/ 86
2.3%
2.3%
4.7%
92%
32%
1000万下
2-  4-  8- 52/ 66
3.0%
9.1%
21.2%
29%
72%
1600万下
0-  1-  0-  2/  3
0.0%
33.3%
33.3%
0%
96%

秋の3歳トライアルG2では「夏場に古馬混合の1000万下で勝ち負けしていれば通用」とよく言われるが、実際はどうなっているのか、データを確かめてみたい。

表5は、過去10年のセントライト記念、ローズS、神戸新聞杯で、前走で条件戦に出走し、3着以内に入っていた馬の前走クラス別成績。これを見ると、前走で3着以内に入っていたとしても、前走500万下組は約20頭に1頭しか好走できないのに対し、前走1000万下組なら5頭に1頭は好走が望める計算になる。500万下か1000万下かで大きな差が出ており、「前走条件戦」とひとくくりにするのは危険だ。また、前走1000万下組でも4着以下に敗れていた場合は【0.0.1.35】と苦戦。好走例は04年セントライト記念で9番人気3着のトゥルーリーズンのみとなっている。条件戦から出走してきた馬に関しては、前走1000万下で3着以内に入っていた馬のみを狙い、4着以下なら見送りと考えたい。

なお、前走1600万下組は、前走3着以内で【0.1.0.2】、前走4着以下で【0.0.1.2】。前例が少なく断言はできないが、すでに1000万下を突破し、より相手関係が厳しい1600万下を使ってきた馬についてはあまり前走着順を気にしなくてもよさそうだ。

■表6 前走1000万下3着以内から激走した馬

年度
レース
馬名
人気
着順
1着時のレース距離
前走
03年
セントライト記念
ニシノシンフォニー
8
2
芝2000mで2勝 芝2600mで3着
08年 ダイワワイルドボア
9
1
芝2200m、芝2300mで各1勝 芝2200mで3着
09年 フォゲッタブル
7
3
芝2200m、芝2400mで各1勝 芝2200mで2着
02年
ローズS
トシザダンサー
8
3
ダート1800m、芝1800mで各1勝 芝1800mで2着
09年 クーデグレイス
10
3
芝1200m、芝1800mで各1勝 芝1800mで2着
11年 キョウワジャンヌ
7
3
芝1200m、芝1400m、芝1600mで各1勝 芝1400mで1着
※トシザダンサーが出走した02年ローズSは現行条件と異なる芝2000mだったため参考データ

では、6番人気以下で激走した前走1000万下組(前走3着以内)にはどのような共通点があるのか。この条件に該当するのは表6の6頭だが、該当例があるのはセントライト記念とローズSのみとなっている。神戸新聞杯でも前走1000万下組の好走例がないわけではないが、5番人気以内に限られている。このあたりにも実績馬が強く、順当な結果になりやすい神戸新聞杯のレース傾向が表れている。

そこで、前走1000万下組で穴を狙うならセントライト記念かローズS。まず、セントライト記念で激走した3頭の共通点を探してみると、それまでに挙げていた勝ち鞍がすべて芝2000m以上のレースだったことが判明した。また、この3頭は前走でもセントライト記念と同じ芝2200mかそれ以上の距離のレースに出走している。どうやら、長めの距離での好走経験がセントライト記念で激走する1000万下組のキーワードとなりそうだ。

一方、牝馬限定のローズSでは傾向が一変する。02年のトシザダンサーは施行条件が現在と異なり芝2000mだったので参考データとなるが、09年10番人気3着にクーデグレイス、11年7番人気3着のキョウワジャンヌはいずれも芝1200mでの勝ち鞍があった。また、クーデグレイス、キョウワジャンヌともに、ローズSと同じ芝1800mかそれ以下の距離にしか出走経験がなかったことでも共通している。セントライト記念とは逆に、短めの距離経験が活きやすいのがローズSと言えるだろう。

【結論】

セントライト記念、ローズSの登録馬のなかで、フェノーメノやジェンティルドンナ、ヴィルシーナ、ハナズゴールなど当日上位人気に推されることが確実視される馬を除いて、上記に該当する馬を最後に述べておこう。

セントライト記念では青葉賞2着のエタンダール、京成杯1着のベストディールが実績馬の巻き返し候補。あるいは、上記の好走条件とは厳密には異なるが、弥生賞3着のアーデント、京都新聞杯3着のエキストラエンド、2歳時に東京スポーツ杯2着があるフジマサエンペラーあたりも人気を落とすようならマークしておきたい。前走1000万下組では、前走で芝2200mの佐渡特別を勝ち、これまでの3勝がすべて芝2000m以上と激走傾向にピッタリ合致するニューダイナスティは絶好の狙い目。また、前走で1000万下の芝2000mを勝ち、芝に限れば全2勝が芝2000m以上のラニカイツヨシも気になる1頭だ。

ローズSでは、フェアリーS1着のトーセンベニザクラ、クイーンS2着のイチオクノホシ、忘れな草賞1着のキャトルフィーユが実績馬の巻き返し候補。このなかでは芝1200m、1400mでの勝ち鞍があるイチオクノホシに注目してみたい。前走1000万下組はラスヴェンチュラス1頭のみ。ただし、前走3着はいいものの過去2勝は芝1800m、2000m。過去の激走傾向とは合致せず、あまり強調はできない。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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