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第627回 新潟リーディング上位騎手を1着で狙えるのは人気馬だけ!?

2012/8/27(月)

今週で夏の新潟、小倉もいよいよ最終週を迎える。最終週といえばよく話題に上がるのがリーディングジョッキー争いだが、今夏の新潟リーディング上位を争っている騎手は、例年に比べ上位人気馬で勝利を挙げているレースが非常に多い印象がある。そこで今回は、実際に人気馬での勝利が多いのか、例年とどのように違うのかを調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 今夏の新潟リーディング上位騎手(〜8.19)

騎手
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
人気別勝利数
〜3
4〜5
6〜
内田博幸
15-16-15-50/96
15.6%
32.3%
47.9%
54%
85%
13
2
0
岩田康誠
14-4-4-30/52
26.9%
34.6%
42.3%
75%
70%
14
0
0
北村宏司
13-8-12-74/107
12.1%
19.6%
30.8%
54%
79%
11
2
0
蛯名正義
11-12-14-52/89
12.4%
25.8%
41.6%
34%
80%
10
1
0
松岡正海
11-9-11-70/101
10.9%
19.8%
30.7%
77%
75%
7
2
2
柴田善臣
10-7-7-68/92
10.9%
18.5%
26.1%
75%
76%
6
3
1
田中勝春
9-12-5-65/91
9.9%
23.1%
28.6%
84%
94%
6
1
2
石橋脩
7-10-7-71/95
7.4%
17.9%
25.3%
46%
85%
4
3
0
吉田豊
7-3-7-85/102
6.9%
9.8%
16.7%
58%
59%
4
1
2
中舘英二
5-6-4-64/79
6.3%
13.9%
19.0%
235%
118%
3
1
1

2012/8/12 新潟11R 関屋記念(G3)1着 14番 ドナウブルー 内田博幸騎手

表1は、この夏の新潟騎手成績(8月19日まで)。内田博幸騎手が15勝でトップに立っているが、今年は新潟に多く参戦している岩田康誠騎手が14、そして北村宏司騎手が13と僅差で続いている。そして11勝の蛯名正義騎手、松岡正海騎手の順だが、この上位5名を見ると、6番人気以下では5位の松岡騎手が2勝を挙げている以外、すべて勝利は5番人気以内。冒頭に触れた通り、勝ち鞍が上位人気馬にかなり偏っていることがわかる。

■表2 今夏の新潟リーディング上位5名の人気別成績(〜8.19)

人気
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
1番人気
29-19-13-28/89
32.6%
53.9%
68.5%
70%
88%
2番人気
16-8-10-36/70
22.9%
34.3%
48.6%
90%
77%
3番人気
10-8-10-29/57
17.5%
31.6%
49.1%
89%
91%
4番人気
4-7-4-27/42
9.5%
26.2%
35.7%
70%
81%
5番人気
3-4-5-32/44
6.8%
15.9%
27.3%
52%
75%
6番人気
0-1-6-28/35
0.0%
2.9%
20.0%
0%
81%
7番人気
2-1-2-25/30
6.7%
10.0%
16.7%
102%
60%
8番人気
0-1-3-22/26
0.0%
3.8%
15.4%
0%
99%
9番人気
0-0-1-11/12
0.0%
0.0%
8.3%
0%
88%
10番人気
0-0-2-10/12
0.0%
0.0%
16.7%
0%
132%
11〜人気
0-0-0-28/28
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

その上位5名について人気別の成績を見てみると、勝ち鞍は松岡正海騎手の7番人気2勝以外は5番人気以内で、連対馬も8番人気まで。そして11番人気以下になると3着もないという成績になっている。
もちろん、人気馬に数多く乗れれば勝ち鞍も伸びやすく、その結果として厩舎サイドやファンから好調とみられればさらに有力馬が多く集まる上に、馬券でも「騎手人気」が発生する、という循環も起きやすい。表1や表2を見ても、リーディング上位騎手が人気馬ばかりで勝っていても「当たり前」と思われる方もいるだろう。

■表3 新潟リーディング上位5名の人気別勝ち鞍推移

1〜3人気
4〜5人気
6人気以下
全勝ち鞍
該当騎手(勝利数)
勝利数
占有率
勝利数
占有率
勝利数
占有率
09
56
68.3%
14
17.1%
12
14.6%
82
蛯名(21)、松岡(20)、田中勝(15)、後藤(13)、北村宏(13)
10
65
69.9%
12
12.9%
16
17.2%
93
蛯名(27)、松岡(21)、内田博(18)、吉田豊(14)、柴田善(13)
11
63
81.8%
3
3.9%
11
14.3%
77
福永(24)、蛯名(17)、北村宏(13)、田辺(12)、田中勝(11)
12
55
85.9%
7
10.9%
2
3.1%
64
内田博(15)、岩田(14)、北村宏(13)、蛯名(11)、松岡(11)

そこで、過去3年と今年を比較してみたのが表3である。09年、10年の夏の新潟リーディング上位5名は、5名トータルの勝ち鞍のうち、約70%を1〜3番人気で挙げていた。ところが、昨年はこの率が81.8までグンと高まり、今年は8月19日まで85.9とさらに高い占有率になっている。今夏の新潟は、例年にも増してリーディング上位騎手の勝利が人気馬中心になっていることがわかるだろう。

■表4 夏の新潟開催(全騎手)人気別勝率数、勝率

1〜3人気
4〜5人気
6人気以下
全勝ち鞍
平均出走頭数
勝利数
勝率
占有率
勝利数
勝率
占有率
勝利数
勝率
占有率
09
131
22.7%
68.2%
31
8.1%
16.1%
30
1.5%
15.6%
192
15.6頭
10
106
18.4%
55.2%
35
9.1%
18.2%
51
2.6%
26.6%
192
15.3頭
11
134
23.3%
69.8%
17
4.4%
8.9%
41
2.1%
21.4%
192
15.2頭
12
98
22.7%
67.6%
27
9.4%
18.6%
20
1.4%
13.8%
145
15.0頭
※本年は144レース、7/15最終レース1着同着

こういったデータを見ると、そもそもこの夏の新潟は例年より人気馬が強いのではないか、という疑問も生じる。そこで今度は、リーディング上位騎手にかぎらず全騎手(全馬)の人気別勝率数や占有率も調べてみた。すると、1〜3番人気馬は10年こそ今ひとつの成績だったが、今年の1〜3番人気の勝率22.7%、勝ち馬占有率67.6%という数字は、09年や11年との比較では特に傑出したものではないことがわかる。この夏はリーディング上位騎手にかぎって、1〜3番人気馬での勝利が増えているのだ。

■表5 新潟リーディング上位5名の人気別騎乗数推移

1〜3人気
4〜5人気
6人気以下
全騎乗数
騎乗数
勝率
占有率
騎乗数
勝率
占有率
騎乗数
勝率
占有率
09
231
24.2%
35.5%
122
11.5%
18.7%
298
4.0%
45.8%
651
10
309
21.0%
47.1%
141
8.5%
21.5%
206
7.8%
31.4%
656
11
242
26.0%
39.9%
124
2.4%
20.5%
240
4.6%
39.6%
606
12
216
25.5%
48.5%
86
8.1%
19.3%
143
1.4%
32.1%
445

なぜそのような事態が起きているのか、今度はもう一度リーディング上位5名に絞って、人気別の騎乗数と占有率、そして勝率を見てみよう。すると、1〜3番人気の勝率は25.5%で、不振だった10年を除けば似たような成績である。しかし、1〜3番人気の騎乗数占有率はなんと48.5%。この夏の新潟リーディング上位5名の騎乗馬は、ほぼ2頭に1頭が3番人気以内に推されていたことになる。10年も47.1%と非常に高かったが、この年のリーディング上位騎手は1〜3番人気の勝率が21.0%と、例年に比べ結果を出せていなかった。しかし今年は勝率25.5%で、09年や11年とほぼ互角。人気馬の騎乗が増え、その人気馬での勝率も落ちていないことが、今年の傾向を形作っていると言えるだろう。その分、人気薄(6番人気以下)の騎乗数も減っているが、前述のように今年は松岡正海騎手の2勝だけで、勝利数だけでなく、勝率も1.4%と過去3年4.0〜7.8%に比べかなり低い。「好調の○○騎手がこんな人気薄に!」などと飛びついてアタマで買うと、今年は失敗ばかりという結果である。

■表6 今夏の新潟リーディング上位5名、1〜3番人気成績(〜8.19)

騎手
1番人気
2番人気
3番人気
1〜3人気計
勝利
勝率
単回収
勝利
勝率
単回収
勝利
勝率
単回収
勝利
勝率
単回収
内田博幸
6
20.0%
39%
5
26.3%
85%
2
12.5%
50%
13
20.0%
55%
岩田康誠
10
58.8%
130%
3
23.1%
100%
1
50.0%
210%
14
43.8%
123%
北村宏司
3
27.3%
67%
5
25.0%
98%
3
33.3%
196%
11
27.5%
111%
蛯名正義
8
36.4%
76%
2
25.0%
82%
0
0.0%
0%
10
23.3%
54%
松岡正海
2
22.2%
46%
1
10.0%
79%
4
23.5%
125%
7
19.4%
92%

2012/7/29 新潟11R NST賞 1着 12番 スマートシルエット 岩田康誠騎手

最後に表6は、今年の夏の新潟リーディング上位5名についてそれぞれ、1〜3番人気での勝率と回収率を調べたものである(8月19日まで)。表1でも群を抜いた勝率を記録していた岩田康誠騎手は、1〜3番人気にかぎると43.8%の高勝率。単勝回収率も123%と、「人気だから」と嫌う必要もまったくない好成績だ。本稿執筆中の26日・日曜1レースでも3番人気(4.7倍)・サンブルエミューズで圧勝しており、もし最終週も新潟での騎乗があるようなら注目は欠かせない。ほかに、表1では勝率12.1%、単勝回収率54%とさほどではなかった北村宏司騎手が、1〜3番人気にかぎれば勝率27.5%、単勝回収率111%を記録している(25日・土曜1勝、2番人気)。松岡正海騎手(土曜1勝、5番人気)も単勝回収率は92%と上々だ。対して、リーディングトップの内田博幸騎手は勝率、回収率ともひと息。特に1番人気での成績が物足りず、「馬券」という意味では、内田博幸騎手を1着軸にする場合は相手を絞るなり人気薄を拾うなり、ひと工夫が必要だろう。ただ集計期間外にはなるが、土曜は3、3、2、3番人気で計4勝。この段階ではリーディング争いを一歩二歩とリードした印象だ。また、蛯名正義騎手(土曜1勝、2番人気)は3番人気で【0.4.3.6】と未勝利であることが響いているものの、1〜2番人気での成績は他の上位騎手に引けを取らない。

以上、リーディング上位騎手を中心に夏の新潟開催の傾向を調べてみた。さて、今夏の新潟リーディングジョッキーの座に就くのはどの騎手か。腕はもちろん、いかにして有力馬を多く確保できるかが例年以上に重要になっているのがこの夏の新潟競馬。そんな視点も含めて最終週のリーディング争いに注目し、またうまく馬券作戦にも生かしていきたいものだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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