第604回 「シーズン末」だけに余力を重視したいエプソムC|競馬情報ならJRA-VAN

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第604回 「シーズン末」だけに余力を重視したいエプソムC

2012/6/7(木)

来週からは関東の主場開催が福島へと移り、夏競馬ムードもいよいよ本格的なものとなってくるが、まずは春の東京開催をきれいに締めくくっておきたいところだろう。その掉尾を飾るエプソムCの傾向を、シーズン末のレースらしく「余力の有無」に注目して探ってみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 単勝人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気
3-  2-  3-  2/ 10
30.0%
50.0%
80.0%
94%
118%
2番人気
1-  2-  1-  6/ 10
10.0%
30.0%
40.0%
33%
73%
3番人気
1-  4-  1-  4/ 10
10.0%
50.0%
60.0%
61%
154%
4番人気
3-  0-  0-  7/ 10
30.0%
30.0%
30.0%
297%
105%
5番人気
1-  0-  0-  9/ 10
10.0%
10.0%
10.0%
93%
29%
6番人気
0-  1-  0-  9/ 10
0.0%
10.0%
10.0%
0%
36%
7番人気
1-  1-  1-  7/ 10
10.0%
20.0%
30.0%
198%
153%
8番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
9番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
54%
10番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
62%
11番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
12番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
96%
13番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
14番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
15番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
16番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
17番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
18番人気
0-  0-  1-  8/  9
0.0%
0.0%
11.1%
0%
626%

まずは基本的なデータから。単勝人気順の成績を見てすぐに気づくのが、過去10年の連対馬のべ20頭は7番人気以内に収まっており、8番人気以下は1頭もいないということだ。3着には10番人気以下からも3頭が入っているが、エプソムCで人気薄を軸馬に選ぶのは大きなリスクを伴う。基本的には5番人気までの馬を重視し、そこに穴馬を絡める買い方にすべきだろう。

■表2 脚質別成績

脚質
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
逃げ
0-  2-  1-  7/ 10
0.0%
20.0%
30.0%
0%
621%
先行
6-  2-  4- 27/ 39
15.4%
20.5%
30.8%
139%
73%
中団
4-  4-  3- 71/ 82
4.9%
9.8%
13.4%
28%
52%
後方
0-  2-  1- 44/ 47
0.0%
4.3%
6.4%
0%
18%
マクリ
0-  0-  1-  0/  1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
180%
※脚質は TARGET frontier JV による分類

表2は脚質別の成績。手堅く入るのであれば、ともに連対率20%以上、複勝率30%以上となっている「逃げ」か「先行」の脚質だろう。ただし、展開に恵まれたとしても直線の長い東京で逃げ切るのはなかなか難しいようで、「逃げ」からは勝ち馬が出ていない。「中団」からは4頭の勝ち馬が出ているが、「逃げ」「先行」に比べて好走率は半減以下となり、「後方」になるとさらにダウンしてしまう。「後方」にはレースについていけなかった馬も含まれることを考慮する必要はあるが、回収率を考えても「逃げ」「先行」のほうが優勢とは言えそうだ。

■表3 上がり3Fタイム順位別成績

上がり3F
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1位
2-  3-  2-  6/ 13
15.4%
38.5%
53.8%
92%
167%
2位
2-  1-  2-  6/ 11
18.2%
27.3%
45.5%
248%
231%
3位
3-  1-  1-  5/ 10
30.0%
40.0%
50.0%
193%
96%
4 〜 5位
2-  2-  2- 15/ 21
9.5%
19.0%
28.6%
61%
70%
6位 〜
1-  3-  3-117/124
0.8%
3.2%
5.6%
4%
58%

最後の直線が長い東京、特に芝のレースでは鋭い決め手、末脚が重要となってくるが、エプソムCも例外ではない。出走メンバーにおける上がり3ハロンタイムの順位と着順の関係を示した表3を見ると、「上がり1〜3位」>「上がり4〜5位」>「上がり6位〜」という傾向がハッキリと表れている。差し・追い込みタイプの馬はもちろん、逃げ・先行馬を狙うときも、ハイペースを粘り込むようなタイプではなく、速い上がりに対応できる馬を重視するようにしたい。

■表4 前走クラス別成績

間隔
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
連闘
0-  1-  0-  0/  1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
190%
中1週
0-  0-  0- 21/ 21
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
中2週
0-  2-  0- 14/ 16
0.0%
12.5%
12.5%
0%
35%
中3週
3-  2-  0- 30/ 35
8.6%
14.3%
14.3%
65%
41%
中4〜8週
6-  4-  8- 50/ 68
8.8%
14.7%
26.5%
76%
77%
中9週〜半年
1-  1-  1- 18/ 21
4.8%
9.5%
14.3%
11%
61%
半年以上
0-  0-  1- 16/ 17
0.0%
0.0%
5.9%
0%
331%

表4は前走からの出走間隔別の成績。これを見ると、もっとも好走率が高いのは「中4〜8週」のローテーションとなっている。「中3週」は、勝率、連対率では「中4〜8週」と互角ながら複勝率がダウンし、「中2週」では2着馬が2頭いるだけ。「中1週」になると好走例はゼロとなっている。エプソムCは春シーズンの最後に行なわれる重賞。年末の有馬記念などでよく言われるように、春や秋のシーズン末のレースでは余力の有無も重要になってくる。そのため、前走から間隔を詰めて使うより、「中4〜8週」程度の間隔をあけたほうが好結果を得やすいのだろう。

また、連闘で出走した04年のダンツジャッジが2着に入っているが、その前走の安田記念が3カ月ぶりの出走だったため、連闘ではあっても使い詰めの状態ではなかった。さらに、03年に最低人気で3着に逃げ粘ったエーピーグリードや、02年7番人気2着のエアスマップ、05年7番人気3着のダイワレイダースなどは「中9週〜半年」や「半年以上」の休養明けで激走している。こうした例からも、エプソムCでは余力の有無がレース結果に直結する傾向があると考えて間違いないのではないだろうか。

■表5 前走クラス別成績

前走クラス
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
未勝利
0-  0-  0-  1/  1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
500万下
0-  0-  0-  0/  0
1000万下
0-  0-  0-  0/  0
1600万下
1-  3-  1- 13/ 18
5.6%
22.2%
27.8%
18%
95%
OPEN特別
3-  1-  5- 40/ 49
6.1%
8.2%
18.4%
77%
59%
G3
4-  2-  4- 44/ 54
7.4%
11.1%
18.5%
56%
155%
G2
2-  3-  0- 39/ 44
4.5%
11.4%
11.4%
13%
27%
G1
0-  1-  0- 11/ 12
0.0%
8.3%
8.3%
0%
15%

余力の有無の重要さを表すもうひとつのデータが、表5の前走クラス別成績である。というのも、前走が障害未勝利戦だった1頭は別として、複勝率トップは1600万下、ワーストはG1と、前走の格が高いほど複勝率が下がる反比例の関係がほぼ成立しているからだ。厳しいG1を戦ってきたばかりの馬より、相手関係で楽な条件戦を勝ち上がってきた馬のほうが消耗しておらず、勢いにも乗って好走するケースが多いようだ。

■表6 近10年の1〜3着馬(出走時重賞勝ちあり)

年度
着順
人気
馬名
前走
レース名
着順
02年
1
4
ジョウテンブレーヴ 都大路S
8
2
7
エアスマップ アメリカJCC・G2
9
03年
2
3
ローマンエンパイア 京王杯SC・G2
6
04年
1
3
マイネルアムンゼン 新潟大賞典・G3
1
2
2
ダンツジャッジ 安田記念・G1
8
06年
2
3
グラスボンバー 新潟大賞典・G3
7
07年
2
2
ブライトトゥモロー 新潟大賞典・G3
1
08年
1
4
サンライズマックス 新潟大賞典・G3
8
3
12
グラスボンバー 新潟大賞典・G3
10
09年
1
2
シンゲン 新潟大賞典・G3
1
10年
1
1
セイウンワンダー マイラーズC・G2
4
11年
3
2
セイクリッドバレー 新潟大賞典・G3
1

表6は、近10年のエプソムC好走馬のうち、出走時にすでに重賞を勝っていた馬とその前走を示したものだが、「新潟大賞典1着」か「オープンクラスで4着以下に敗れ、中7週以内で出走」のどちらかに限られている点に注目したい。

まず「新潟大賞典1着」の馬が好調であることは間違いない。さらに、新潟大賞典とエプソムCは「最後の直線の長い左回りの芝中距離重賞」という似通った条件であることもあって、連続好走が可能になるのだろう。もうひとつの「重賞で4着以下に敗れて中7週以内で出走」の場合は、前走で好走できなかったためにかえって余力を残すことができたため、エプソムCでの巻き返しにつながっているのではないだろうか。

■表7 近10年の1〜3着馬(出走時重賞勝ちなし・前走オープンクラス)

年度
着順
人気
馬名
前走
備考
レース名
着順
02年
3
10
ジェミードレス 都大路S
2
 
03年
3
18
エーピーグリード 新潟記念・G3
15
※10カ月ぶりの出走
04年
3
1
ワールドスケール メトロポリタンS
3
 
05年
1
4
スズノマーチ 新潟大賞典・G3
6
※前々走でオープン特別1着
06年
1
7
トップガンジョー 都大路S
3
 
3
1
マチカネキララ オーストラリアT
3
 
07年
1
5
エイシンデピュティ オーストラリアT
1
 
3
1
サイレントプライド 新潟大賞典・G3
2
 
09年
2
1
ヒカルオオゾラ マイラーズC・G2
6
※前年の2着馬
3
3
キャプテンベガ 都大路S
2
 
10年
2
3
シルポート メイS
2
 
3
9
キャプテンベガ 都大路S
9
※前年の3着馬
11年
1
1
ダークシャドウ 産経大阪杯・G2
2
 

表7は、出走時に重賞未勝利馬だった馬のうち、前走でオープンクラスに出走していたのべ13頭とその前走を示したものである。このうち9頭に共通するのが、前走の重賞かオープン特別で3着以内に入っていたこと。重賞勝ちのある馬とは逆に、重賞勝ちという確かな実績を欠く馬の場合は、前走でしっかり3着以内に入っているだけの調子の良さが求められるのだろう。

前走で3着以下に入れなかったにも関わらず好走した4頭については、備考欄を参照していただきたい。まず、09年2着のヒカルオオゾラと10年3着のキャプテンベガは、前年のエプソムCでも好走していたのでわかりやすい。この両馬以外にもマイネルアムンゼン(03、04年に連覇)、グラスボンバー(06年2着、08年3着)と、同じ馬が繰り返し好走するケースが多い重賞だけに、過去に3着以内に入ったことのある馬が出走してきた場合には注意したい。残る2頭では、05年1着のスズノマーチは、前々走ではオープン特別を勝ち、前走の新潟大賞典でも2番人気と高く評価されていた馬。また、03年3着のエーピーグリードも過去にオープン特別を2勝。加えて、10カ月の長期休養を挟んだことで状態が一変し、最低人気での激走を呼んだのかもしれない。

最後に、表にはしなかったが、前走が1600万下だった5頭について触れておくと、もちろん前走を勝っていることは絶対条件となる。また、このうち4頭は条件戦を勝ち上がったばかりとはいえ、オープンクラスへの出走歴を持っており、素質の一端を見せていたことで共通していた。もう1頭の11年2着エーブダッチマンは前走で同条件の東京芝1800mを勝利しており、コース適性を示していたことが大きかったのだろう。

【結論】

■表8 12年エプソムC登録馬(重賞勝ちあり)

馬名
前走
出走間隔
レース名
着順
アクシオン 日経賞・G2
13
中10週
アドマイヤコマンド メイS
4
中2週
オウケンサクラ 安土城S
3
中1週
サンライズベガ 中日新聞杯・G3
15
中25週
ストロングガルーダ アルデバランS
16
中16週
マイネルスターリー 新潟大賞典・G3
8
中4週
レッツゴーキリシマ 関屋記念・G3
1
中95週
レッドデイヴィス マイラーズC・G2
5
中6週
レディアルバローザ ヴィクトリアマイル・G1
9
中3週

2011/3/27 阪神12R 被災地支援 毎日杯(G3)1着 6番 レッドデイヴィス

すでに重賞を勝ちの実績を持っているエプソムC登録馬は9頭。また、今年は「新潟大賞典1着」のヒットザターゲットが登録をしなかったので、「オープンクラスで4着以下に敗れ、中7週以内で出走」を狙いたいが、これに該当するのはアドマイヤコマンドマイネルスターリーレッドデイヴィス、レディアルバローザの4頭である。ただし、表5で見たとおり前走でG1に出走していた馬の好走率は低く、なかでも前走でヴィクトリアマイルに出走していた馬は3番人気2頭を含みながら【0.0.0.4】。やはり、G1に出走した直後の牝馬が中3週の詰まった間隔で牡馬混合重賞に出走し、なおかつ好走するのは大変なことなのだろう。よって、レディアルバローザは狙い馬から除外したい。

■表9 12年エプソムC登録馬(重賞勝ちなし)

馬名
前走
備考
レース名
着順
アドバンスウェイ コーラルS
16
 
オーシャンエイプス 六甲S
7
※中62週での出走
オセアニアボス メイS
10
 
キングストリート メイS
11
 
シルクアーネスト みらい賞・1600万下
1
※重賞出走歴あり
スピリタス 都大路S
2
 
セイクレットレーヴ NHKマイルC・G1
5
 
ダイワファルコン ダービー卿CT・G3
5
 
ダノンシャーク マイラーズC・G2
2
 
ダノンスパシーバ 新潟大賞典・G3
6
 
トーセンレーヴ マイラーズC・G2
8
※前々走でオープン特別1着
トップゾーン 新潟大賞典・G3
5
 
ドリームゼニス ニューイヤーS
10
※中20週での出走
ベイリングボーイ 鞍馬S
10
 
メイショウカンパク 新潟大賞典・G3
3
 
モエレビクトリー アンドロメダS
11
※中29週での出走
モンテエン メイS
3
 
ヤマカツハクリュウ 京王杯SC・G2
5
 

2011/5/8 東京12R 被災地支援 みらい賞 1着 8番 シルクアーネスト

重賞勝ちのない馬でまずピックアップできるのは、前走オープンクラスで3着以内に入っているスピリタスダノンシャークメイショウカンパクモンテエンの4頭である。前走4着以下から巻き返しがあるとすれば、「前々走でオープン特別を勝ち、前走の重賞で2番人気に支持されていた」ことが05年1着のスズノマーチと共通するトーセンレーヴ。さらに激走候補として、長期休養を挟んだことで一変の可能性があるオーシャンエイプスドリームゼニスモエレビクトリーを挙げたい。

好走率が高い1600万下を勝ってきたばかりの馬は、今年はシルクアーネスト1頭のみ。この馬はすでに重賞に出走歴があり、これは過去の好走例に合致している。しかも、G1にも2回出走したことのある実績は、過去の前走1600万下組の好走馬を大きく上回っており、これは有力と考えてよさそうだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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