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第603回 「1番人気が単勝5倍以上」の混戦で狙うべき馬は?

2012/6/4(月)

2012/6/3 東京11R 安田記念(G1)1着 4番 ストロングリターン

今年の安田記念で1番人気に推されたサダムパテックの最終的な単勝オッズは6.6倍。JRA-VAN DataLab.がデータを提供する1986年以降のG1レースにおける1番人気馬としてはもっとも高いオッズとなったが、サダムパテックは残念ながら9着まで。勝ったのは僅差の2番人気、ストロングリターンだった。

このサダムパテックの単勝オッズが示すとおり、希に見る混戦ムードとなった安田記念。どの馬から馬券を買い、どの馬を軽視すべきかで迷った方も多かったのではないだろうか。そこで今回は、「1番人気の単勝オッズが5.0倍以上のレース」について分析してみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 1番人気の単勝オッズが5.0倍以上だったG1(1986年以降)

レース名
1番人気馬
単オッズ
着順
1着馬
人気
2着馬
人気
3着馬
人気
88年 ダービー サッカーボーイ
5.8
15
サクラチヨノオー
3
メジロアルダン
6
コクサイトリプル
4
89年 ダービー ロングシンホニー
6.0
5
ウィナーズサークル
3
リアルバースデー
6
サーペンアップ
11
90年 エリザベス女王杯 トウショウアイ
5.1
2
キョウエイタップ
8
(トウショウアイ)
1
ウィナーズゴールド
2
JCG1 ベルメッツ
5.8
7
ベタールースンアップ
2
オード
9
カコイーシーズ
3
93年 JCG1 コタシャーン
5.2
2
レガシーワールド
6
(コタシャーン)
1
ウイニングチケット
4
00年 フェブラリーS キングヘイロー
5.1
13
ウイングアロー
4
ゴールドティアラ
2
ファストフレンド
7
05年 天皇賞・春 リンカーン
5.4
6
スズカマンボ
13
ビッグゴールド
14
アイポッパー
4
安田記念 テレグノシス
5.8
6
アサクサデンエン
7
スイープトウショウ
10
サイレントウィットネス
5
06年 安田記念 オレハマッテルゼ
5.7
10
ブリッシュラック
3
アサクサデンエン
10
ジョイフルウィナー
8
07年 NHKマイルC ローレルゲレイロ
5.5
2
ピンクカメオ
17
(ローレルゲレイロ)
1
ムラマサノヨートー
18
11年 安田記念 サダムパテック
6.7
9
ストロングリターン
2
グランプリボス
13
コスモセンサー
15

まず、今年の安田記念のような「1番人気の単勝オッズが5.0倍以上のG1」についての傾向を見てみたい。1986年以降、このケースに該当するレースは今年の安田記念を含めて11レースあったが、この11レースで1番人気が勝ったのはゼロ。3頭いる2着が最高となっている。その一方で、掲示板にも載れず6着以下に敗れた1番人気馬が7頭もいる。G1では他馬からのマークも厳しくなることもあり、「押し出された1番人気」という面もある単勝5.0倍以上の1番人気馬では3着以内を確保することも難しくなるようだ。

また、「1番人気の単勝オッズが5.0倍以上のG1」で1〜3着に入った計33頭のうち、半数以上にあたる17頭が6番人気以下のダークホースだったことも注目したい。特に、近年は10番人気以下の人気薄が激走するケースが増えている。

■表2 単勝5.0倍以上の1番人気馬・条件別成績(07年1月5日〜12年5月27日)

条件
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
全体
15- 15- 13- 70/113
13.3%
26.5%
38.1%
70%
76%
11-13-11-47/82
13.4%
29.3%
42.7%
71%
86%
ダート
4- 2- 2-22/30
13.3%
20.0%
26.7%
68%
51%
牡・セン
12-10- 8-42/72
16.7%
30.6%
41.7%
88%
84%
3- 5- 5-28/41
7.3%
19.5%
31.7%
38%
62%
新馬
0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
未勝利
1- 1- 2- 9/13
7.7%
15.4%
30.8%
40%
56%
500万下
4- 4- 4-19/31
12.9%
25.8%
38.7%
68%
76%
1000万下
5- 3- 2-15/25
20.0%
32.0%
40.0%
102%
82%
1600万下
3- 3- 2- 7/15
20.0%
40.0%
53.3%
102%
104%
OPEN特別
1- 1- 1- 5/ 8
12.5%
25.0%
37.5%
66%
75%
G3
1- 2- 2-11/16
6.3%
18.8%
31.3%
41%
67%
G2
0- 0- 0- 3/ 3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
G1
0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
200%

表2は、「単勝5.0倍以上の1番人気」がどのような成績を残しているのかを条件別で示したもの。参考として、今回の集計期間とした07年1月5日〜12年5月27日のすべての「単勝5.0倍以上の1番人気馬」の成績を一番上に「全体」として示したが、勝率13.3%、複勝率38.1%と、やはり1番人気としては厳しめの成績になっている。

まず、芝とダートを比べると勝率はほぼ同等なのだが、ダートの連対率、複勝率がかなり下がっている。なかでもダートの複勝率26.7%は芝に比べて15%以上も低くなっており、単純計算でも4回に1回ぐらいしか3着以内を確保できないことになる。軸馬としても過信しないように注意したい。

次に牡馬(セン馬を含む)と牝馬の比較だが、こちらは牝馬の勝率の低さが目立つ。勝率7.3%、単勝回収率38%はいかにも物足りない数字で、「牝馬の単勝5.0倍以上の1番人気」を馬単や3連単の1着固定で狙うのは、かなりのリスクを背負うことを覚悟しなくてはならない。一方、牡馬の成績は「全体」を上回り、単複の回収率も控除率を除いた基準となる80%をクリアしている。「単勝5.0倍以上の1番人気」を狙うなら、牡馬に限ったほうが無難とは言えるだろう。

クラス別では1600万下の回収率が単複ともに100%を超え、1000万下も単勝回収率102%と良好だ。ともに勝率20.0%というのも「単勝5.0倍以上の1番人気」としては優秀だ。下級クラスの未勝利戦や500万下、上級クラスのオープン特別、重賞になると信頼度が下がる傾向にあるので、狙うなら中堅クラスの1000万下、1600万下にしたい。

■表3 単勝5.0倍以上の1番人気馬・距離別成績(07年1月5日〜12年5月27日)

条件
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1000 〜 1300m 3- 4- 1-17/25
12.0%
28.0%
32.0%
62%
66%
1400 〜 1600m 4- 3- 5-12/24
16.7%
29.2%
50.0%
91%
100%
1700 〜 2000m 4- 6- 2-15/27
14.8%
37.0%
44.4%
79%
89%
2100 〜 2400m 0- 0- 1- 2/ 3
0.0%
0.0%
33.3%
0%
70%
2500m 〜 0- 0- 2- 1/ 3
0.0%
0.0%
66.7%
0%
126%
ダート
1000 〜 1300m 0- 2- 0-11/13
0.0%
15.4%
15.4%
0%
27%
1400 〜 1600m 1- 0- 0- 4/ 5
20.0%
20.0%
20.0%
108%
42%
1700 〜 2000m 3- 0- 2- 6/11
27.3%
27.3%
45.5%
137%
87%
2100 〜 2400m 0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
2500m 〜 0- 0- 0- 0/ 0          

表3は「単勝5.0倍以上の1番人気」の成績を距離別に示したものだが、芝ダートともに「1400〜1600m」や「1700〜2000m」の成績が良く、「1000〜1300m」が落ちることも芝ダートに共通している。このデータを見る限り、「単勝5.0倍以上の1番人気」は短距離戦で信頼性が落ちる傾向があると考えてよさそうだ。なかでもダートの1000〜1300mはかなりの不振傾向が出ているので気をつけたい。2000m超の距離については該当例が少なく(特にダート)、これだけではなんとも言いづらいところだ。

■表4 単勝5.0倍以上の1番人気馬がいるレースの人気別成績(07年1月5日〜12年5月27日)

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
平均オッズ
1番人気
15-  15-  13-  70/ 113
13.3%
26.5%
38.1%
70%
76%
5.4
2番人気
10-  13-  13-  77/ 113
8.8%
20.4%
31.9%
50%
70%
5.8
3番人気
13-  11-  14-  75/ 113
11.5%
21.2%
33.6%
69%
76%
6.3
4番人気
17-  14-  11-  71/ 113
15.0%
27.4%
37.2%
111%
98%
7.2
5番人気
19-  10-   7-  77/ 113
16.8%
25.7%
31.9%
136%
90%
8.3
6番人気
9-  11-  13-  80/ 113
8.0%
17.7%
29.2%
79%
90%
9.9
7番人気
5-   9-   8-  91/ 113
4.4%
12.4%
19.5%
51%
74%
12.1
8番人気
9-   7-   6-  91/ 113
8.0%
14.2%
19.5%
108%
85%
15.2
9番人気
5-   7-   3-  98/ 113
4.4%
10.6%
13.3%
77%
70%
19.1
10番人気
3-   8-   4-  98/ 113
2.7%
9.7%
13.3%
68%
85%
25.4
11番人気
2-   2-   4- 105/ 113
1.8%
3.5%
7.1%
37%
44%
32.3
12番人気
2-   1-   8- 102/ 113
1.8%
2.7%
9.7%
54%
73%
44.3
13番人気
0-   1-   2- 110/ 113
0.0%
0.9%
2.7%
0%
30%
62.1
14番人気
2-   1-   2- 106/ 111
1.8%
2.7%
4.5%
94%
51%
77.6
15番人気
0-   1-   3- 102/ 106
0.0%
0.9%
3.8%
0%
85%
106.5
16番人気
1-   2-   2-  92/  97
1.0%
3.1%
5.2%
65%
97%
147.3
17番人気
1-   0-   0-  42/  43
2.3%
2.3%
2.3%
176%
44%
146.0
18番人気
0-   0-   1-  36/  37
0.0%
0.0%
2.7%
0%
105%
201.0

「単勝5.0倍以上の1番人気馬がいるレース」における人気別の成績を示したものが表4である。表の一番右に平均オッズも付記しているが、1番人気が5.4倍、2番人気が5.8倍、93番人気が6.3倍と、1〜3番人気の平均オッズにほとんど差がなく、6番人気でも9.9倍。そして、複勝率は1〜6番人気で大きな差がなく、勝率は5番人気、連対率は4番人気がトップという逆転現象が起こっている。やはり、「単勝5.0倍以上の1番人気馬がいるレース」は出走馬の力量差があまりない混戦には間違いなく、混戦にもかかわらずマークされる1〜3番人気が不利になりやすい傾向があると考えていいのではないか。

好走率が変わらないのなら人気がない馬を狙ったほうがいいのが道理。単勝回収率から判断すると4、5番人気が狙い目となりそうだ。また、10番人気以下となると勝ち切るまではさすがに厳しく、基本的にはヒモとして2、3着で狙うのが無難。1着固定として狙うのは単勝20倍あたりまでの馬にとどめたほうがいいだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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