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第586回 08年の大波乱が再現か!?軸馬不在の桜花賞を占う

2012/4/5(木)

今年も3歳クラシック路線がついに本番を迎える。その第一弾は、若き牝馬たちが満開の桜をバックに競う「もっとも華やかなG1」桜花賞。姉ブエナビスタに続く制覇を目指すジョワドヴィーヴルが注目を集めそうだが、もちろんそのほかのメンバーも多士済々。そんな今年の桜花賞をデータから占ってみよう。集計期間は、阪神競馬場の改修によって芝の外回りコースで開催されるようになった2007年からの5年分。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 桜花賞1〜3着馬と主な配当(07年以降)

年度
着順
馬名
単人気
配当
単勝(単オッズ)
馬連
3連単
07年
1
ダイワスカーレット
3
590円
270円
1万2680円
2
ウオッカ
1
(1.4)
3
カタマチボタン
7
(63.4)
08年
1
レジネッタ
12
4340円
19万6630円
700万2920円
2
エフティマイア
15
(94.3)
3
ソーマジック
5
(10.8)
09年
1
ブエナビスタ
1
120円
640円
5680円
2
レッドディザイア
2
(14.4)
3
ジェルミナル
5
(25.2)
10年
1
アパパネ
1
280円
1440円
3万8520円
2
オウケンサクラ
3
(9.9)
3
エーシンリターンズ
11
(29.1)
11年
1
マルセリーナ
2
380円
620円
5880円
2
ホエールキャプチャ
1
(3.1)
3
トレンドハンター
4
(7.4)

07年以降の1〜3着馬と主な馬券の配当は表1のとおり。1番人気が2勝2着2回と確実に連対して、2〜5番人気も計7頭が馬券に絡んでおり、全体的には堅めの決着となっている。

ただし、7番人気以下で3着以内に入った馬も4頭いる。コース改修後の桜花賞で1番人気が凡走した唯一の例である08年は3連単700万馬券の大波乱となっており、穴党ファンはまったくのお手上げのレースというわけでもない。これらの穴馬たちの前走に目を転じると、07年3着のカタマチボタンはクイーンC2着、08年1着のレジネッタはフィリーズレビュー3着、10年3着のエーシンリターンズはチューリップ賞3着と4頭のうち3頭は3着以内に入っていた。前走のトライアルや重賞レースで好走していながら人気薄に甘んじている馬にしっかりと注意を払いたいところだ。

■表2 枠番別成績

枠番
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1枠
0- 0- 0-10/10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
2枠
0- 0- 1- 9/10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
51%
3枠
0- 0- 0-10/10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
4枠
1- 1- 0- 7/ 9
11.1%
22.2%
22.2%
42%
50%
5枠
2- 0- 0- 8/10
20.0%
20.0%
20.0%
40%
24%
6枠
0- 0- 1- 9/10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
55%
7枠
1- 1- 2-11/15
6.7%
13.3%
26.7%
289%
132%
8枠
1- 3- 1-10/15
6.7%
26.7%
33.3%
39%
270%

コース改修後の桜花賞で目立つのが、外枠の好走例だ。5年のみのデータということもあり、たまたま強い馬が外枠に入っただけと考えることもできるが、08年12番人気1着のレジネッタは7枠、08年15番人気2着のエフティマイアは8枠、10年11番人気3着のエーシンリターンズは6枠と、人気薄の好走馬も外枠に入っていたケースが多い。逆に、1〜3枠は合計で【0.0.1.29】と大苦戦。上位人気馬が内枠に入った場合は狙いを下げて、穴馬を探すときは外枠を中心に、というのが基本的な考え方になりそうだ。

■表3 脚質別成績

脚質
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
逃げ
0- 1- 0- 4/ 5
0.0%
20.0%
20.0%
0%
62%
先行
2- 0- 2-14/18
11.1%
11.1%
22.2%
48%
73%
中団
1- 3- 1-39/44
2.3%
9.1%
11.4%
98%
119%
後方
2- 1- 2-17/22
9.1%
13.6%
22.7%
22%
42%
マクリ
0- 0- 0- 0/ 0
         
※脚質はTARGET frontier JVによる分類

■表4 桜花賞1〜3着馬の脚質(07年以降)

年度
着順
馬名
単人気
脚質
07年
1
ダイワスカーレット
3
先行
2
ウオッカ
1
中団
3
カタマチボタン
7
先行
08年
1
レジネッタ
12
中団
2
エフティマイア
15
中団
3
ソーマジック
5
中団
09年
1
ブエナビスタ
1
後方
2
レッドディザイア
2
中団
3
ジェルミナル
5
後方
10年
1
アパパネ
1
先行
2
オウケンサクラ
3
逃げ
3
エーシンリターンズ
11
先行
11年
1
マルセリーナ
2
後方
2
ホエールキャプチャ
1
後方
3
トレンドハンター
4
後方
※脚質はTARGET frontier JVによる分類
※「逃げ」「先行」を赤、「中団」「後方」を青で表示

コース改修後の桜花賞では、レースの流れによって似たような脚質の馬が上位を占める特徴がある。表3は脚質別の成績、表4は07年以降の1〜3着馬の脚質だが、07年と10年は「逃げ」「先行」に有利な流れとなり、それ以外の3年は「中団」「後方」に向いた流れになったようだ。

07年は、「先行」に分類されるダイワスカーレットが1着、カタマチボタンが3着。この2着に割り込んだのは圧倒的1番人気に推されて、「中団」から進めたウオッカだが、その後の実績を見ればわかるように、流れに逆らって能力の高さで2着に食い込んだものだろう。それでも、前に有利な流れとなったため、ウオッカと同じぐらい強かった「先行」のダイワスカーレットには届かなかった、と考えることができる。また10年も、過去5年で馬券に絡んだ唯一の「逃げ」馬であるオウケンサクラが2着に粘り、勝ったアパパネ、3着のエーシンリターンズも「先行」に分類されるポジションと、こちらも前に行った馬に利がある展開となった。

一方、それ以外の3年は「中団」「後方」の馬が1〜3着を独占している。しかも、08年は「中団」の馬が1〜3着を占めて大波乱を起こし、11年は「後方」の馬が1〜3着を独占。つまり、同じような位置にいた馬がまとまって好走する傾向があるのだ。こうした脚質傾向を見ると、レースの流れを見極めることがかなり大事になってくるのは間違いない。また、「後方」から3着に入ったのは1〜5番人気のみと、追い込み脚質の馬が好走するためには一定以上の能力の裏付けが必要になることも覚えておきたい。

■表5 馬体重増減別成績

馬体重
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
〜-20kg
0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
-19〜-10kg
0- 1- 0- 7/ 8
0.0%
12.5%
12.5%
0%
413%
-9〜 -4kg
1- 1- 1-21/24
4.2%
8.3%
12.5%
180%
65%
-3〜 +3kg
2- 3- 3-29/37
5.4%
13.5%
21.6%
23%
58%
+4〜 +9kg
2- 0- 1-15/18
11.1%
11.1%
16.7%
27%
42%
+10〜+19kg
0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

表5は、レース当日に発表された馬体重の増減別で成績を分けたものだが、「−3〜+3キロ」の好走例がもっとも多く、連対率と複勝率もここがもっとも高い。また、「+4〜+9キロ」で好走した3頭はいずれも+4キロでの出走、「−4〜−9キロ」で好走した3頭も−4キロが2頭、−6キロが1頭という内訳になっていることからも、やはり馬体重の増減幅はなるべく少ないほうがいいことがわかる。

過去5年の好走馬でもっとも増減幅が大きかったのは、08年2着のエフティマイアで−10キロ。同馬は5走敗中と近走が振るわなかったこともあり、思い切った仕上げで臨んできていた可能性はある。また、この年の1番人気に推されたトールポピーも−10キロだったが、8着に大敗。こちらはエフティマイアとは逆に、過去5戦すべて連対と順調に来ていたこと、次走のオークスでは巻き返して優勝を飾っていることをあわせて考えると、状態面の危険サインが馬体重に現れていたと考えるべきなのかもしれない。

「この時期の3歳牝馬は調整が難しい」とも言われるが、前例を見ても、馬体重の増減幅には比較的素直に体調の良し悪しが反映されているとみるべきだろう。

■表6 前走レース別成績

前走レース名
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
チューリップ賞・G3
3- 1- 2-12/18
16.7%
22.2%
33.3%
55%
75%
エルフィンS
1- 1- 0- 0/ 2
50.0%
100.0%
100.0%
190%
205%
フィリーズレビュー・G2
1- 0- 0-26/27
3.7%
3.7%
3.7%
160%
41%
クイーンC・G3
0- 2- 1- 8/11
0.0%
18.2%
27.3%
0%
358%
フラワーS・G3
0- 1- 1- 6/ 8
0.0%
12.5%
25.0%
0%
67%
アネモネS
0- 0- 1- 9/10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
43%
※好走例のあるレースのみ

■表7 桜花賞1〜3着馬と主な配当(07年以降)

年度
着順
馬名
前走
レース名
人気
着順
07年
1
ダイワスカーレット
チューリップ賞・G3
2
2
2
ウオッカ
チューリップ賞・G3
1
1
3
カタマチボタン
クイーンC・G3
1
2
08年
1
レジネッタ
フィリーズレビュー・G2
4
3
2
エフティマイア
クイーンC・G3
10
6
3
ソーマジック
アネモネS
2
1
09年
1
ブエナビスタ
チューリップ賞・G3
1
1
2
レッドディザイア
エルフィンS
1
1
3
ジェルミナル
チューリップ賞・G3
3
5
10年
1
アパパネ
チューリップ賞・G3
1
2
2
オウケンサクラ
フラワーC・G3
3
1
3
エーシンリターンズ
チューリップ賞・G3
8
3
11年
1
マルセリーナ
エルフィンS
2
1
2
ホエールキャプチャ
クイーンC・G3
2
1
3
トレンドハンター
フラワーC・G3
5
1

前走レース別の成績が表6で、桜花賞1〜3着馬の前走レース、その人気と着順を示したものが表7。これを見ると、桜花賞の好走馬を出した前走レースは6レースしかなく、すべて牝馬限定の重賞かオープン特別ということがわかる。大半の出走馬はこの6レースに該当するだろうが、チェックしておきたいポイントだ。

●チューリップ賞組

最多の好走馬6頭を送り出しているのがチューリップ賞組。この6レースのなかで唯一、本番と同じコースで行なわれるだけに、これは当然とも言える結果だろう。桜花賞で好走したのは6頭いるが、そのうち4頭はチューリップ賞で1、2番人気に推されて1、2着に入った馬だった。そして、本番でも3勝2着1回と連を外しておらず、この条件に合致すればかなり堅い軸馬となる。この4頭の内訳は、ダイワスカーレット、ウオッカ、ブエナビスタ、アパパネという錚々たる顔ぶれ。唯一2着に敗れたウオッカは、ダイワスカーレットと同年だったのが敗因だろう。

チューリップ賞で1、2番人気に推されて1、2着に入ったにもかかわらず、敗れた馬も2頭いる。1頭は、08年8着のトールポピーで、この馬に関しては馬体重の項で前述したとおり。さらにいえば、チューリップ賞は2着に敗れているが、1着エアパスカルの勝ち時計が1分35秒8。これはトールポピー自身が阪神JFでマークした1分33秒8より2秒も遅く(いずれも良馬場)、それでも勝てなかったという事実もまた、調子落ちを示唆していたのかもしれない。

もう1頭は、11年に2番人気2着も、桜花賞では12着に大敗したライステラス。G1勝ちや牡馬相手に重賞を勝っていた前述の好走馬4頭に比べると、重賞勝利のないこの馬は実績面で大きく見劣っていた。

チューリップ賞組から桜花賞で好走した残る2頭は、09年のジェルミナルと10年のエーシンリターンズで、この2頭はいずれも本番では3着までだった。

●エルフィンS組

出走自体が2頭しかいないが、その2頭が、09年2着のレッドディザイア、11年1着のマルセリーナと結果を出した見逃せないレースだ。もちろん、両馬ともにエルフィンSでは1着。桜花賞出走時点の成績も、前者は2戦2勝、後者も3戦2勝で敗れた1戦も牡馬相手のシンザン記念3着と、どちらも底を見せていなかったのが共通点だ。

●フィリーズレビュー組

出走頭数は最多ながら【1.0.0.26】。レジネッタ以外の馬はすべて馬券圏外にも入れない非常に苦しい結果に終わっているのは、内回りの1400mで行なわれるフィリーズレビューと、外回りの1600mで行なわれる桜花賞はレースの性格がまったく異なる、という理由が考えられる。唯一の好走馬であるレジネッタは、芝のマイル戦で500万下を勝ち、桜花賞と同条件のG1である阪神JFでもコンマ5秒差の6着という実績があったことが大きかったのだろう。

●クイーンC組

■表8 クイーンC組・前走上がり別成績

前走上がり
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
3F 1位 0- 0- 0- 2/ 2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
3F 2位 0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
3F 3位 0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
3F〜5位 0- 1- 1- 3/ 5
0.0%
20.0%
40.0%
0%
126%
3F6位〜 0- 1- 0- 1/ 2
0.0%
50.0%
50.0%
0%
1655%

勝ち馬こそ出していないものの、複勝率が27.3%あり、11年1番人気2着のホエールキャプチャだけでなく、07年に7番人気3着のカタマチボタン、08年に15番人気2着のエフティマイアという穴馬も出しており。この組で注意したいのが、前走クイーンCの上がり3Fタイムだ。表8のとおり、クイーンCで上がり1〜3位をマークしていた4頭はすべて凡走しており、ともにクイーンCを勝って桜花賞でも2番人気に推されながら5着に終わったリトルアマポーラとアプリコットフィズも含まれている。

逆に、桜花賞で好走した3頭は、クイーンCの上がりがすべて4位以下。上がり4位タイで2着のカタマチボタン、上がり4位タイで1着のホエールキャプチャと、クイーンCでそれほど速い上がりを使わずに好走した馬がいれば要注意の存在となりそうだ。

●フラワーC組

フラワーCからは2頭の好走馬が出ている。ただし、昨年の桜花賞で3着に入ったトレンドハンターは、フラワーCが本番と同じ阪神での振替開催だったので、これは例外と考えるべきだろう。残る1頭の好走馬は、10年2着オウケンサクラ。脚質別データの項で前述したように、この馬は「逃げ」「先行」に有利な流れだった年に逃げていた馬。いずれにしても、フラワーC組は勝ち馬であることが最低条件となる。

●アネモネS組

最後はアネモネS組だが、ここも【0.0.1.9】と苦戦傾向が強い。同じく苦戦しているフィリーズレビューと似たような理由で、距離は同じでも、直線の短い中山のアネモネSと阪神外回りコース使用の桜花賞では求められる適性が異なるからだろう。唯一の好走馬は08年3着のソーマジック。中山のレースという点が共通するフラワーC組と同じく、すくなくとも勝ち馬であることが条件だ。

【結論】

今年の桜花賞に登録のある29頭のうち、前走が好走例のある6レースだったのは20頭。それを前走人気と着順にまとめたのが表9である。前述したデータを踏まえて、前走のレースごとに取捨を考えていきたい。

■表9 12年桜花賞登録馬

馬名
前走
レース名
人気
着順
アイムユアーズ
フィリーズレビュー・G2
1
1
アラフネ
クイーンC・G3
14
12
イチオクノホシ
フィリーズレビュー・G2
2
4
エイシンキンチェム
フィリーズレビュー・G2
9
14
エピセアローム
チューリップ賞・G3
3
2
オメガハートランド
フラワーC・G3
6
1
サンシャイン
エルフィンS
2
1
ジェンティルドンナ
チューリップ賞・G3
2
4
ジョワドヴィーヴル
チューリップ賞・G3
1
3
セシリア
フラワーG3
11
7
ダームドゥラック
フィリーズレビュー・G2
16
15
トーセンベニザクラ
アネモネS
2
5
ハナズゴール
チューリップ賞・G3
4
1
パララサルー
アネモネS
1
1
ファインチョイス
フィリーズレビュー・G2
6
12
プレノタート
フィリーズレビュー・G2
7
3
マイネエポナ
アネモネS
10
2
メイショウスザンナ
フラワーC・G3
1
2
ラフレーズカフェ
アネモネS
11
9
ヴィルシーナ
クイーンC・G3
2
1
※ほかに、アンチュラス、ガーネットチャーム、サウンドオブハート、テイエムコウノトリ、ハイリリー、マコトワラタナ、マシュマロ、マスイデア、ミッドサマーフェアが登録

やはり、まずはチューリップ賞組から。この組に「阪神JFや牡馬相手の重賞を勝ったことがあり、チューリップ賞で1、2番人気→1、2着を確保」という馬がいれば桜花賞では堅軸となる。しかし、今年その可能性のあったジョワドヴィーヴルジェンティルドンナが3、4着に敗れてしまった。また、今年のチューリップ賞は、良馬場にもかかわらず勝ち時計が1分36秒0と遅かった。ジョワドヴィーヴル自身が阪神JFでマークした1分34秒9より遅かったのにもかかわらず、2着も確保できなかったのは不満が残る。桜花賞で大敗したトールポピーのケースに似ており、当日の馬体重が大幅に減るようなことがあると危険な人気馬になりかねない。牡馬相手にシンザン記念を勝っているとはいえ、このジョワドヴィーヴルに先着できなかったジェンティルドンナを上位に評価することもできない。

チューリップ賞組は「1、2番人気→1、2着を確保」以外は本番では3着までというのが前例なので、ハナズコールエピセアロームも本命視までできない。

出走していただけでも苦しいフィリーズレビュー組だが、それを覆すためには最低でもマイル戦を勝っている実績が欲しい。その観点から浮かび上がるのは阪神JF2着のアイムユアーズと、阪神JF4着、クイーンC2着のイチオクノホシ。ただし、両馬ともにマイル戦で勝ったことはないのはマイナス材料。また、前走ではないものの、イチオクノホシは前々走のクイーンCで上がり2位の脚を使っており、これはクイーンC組が凡走するパターンだ。

もうひとつの勝ち馬を出しているステップ、エルフィンSはどうか。今年の1着はサンシャイン。マイル戦の新馬勝ちからシンザン記念を挟んで本番、という臨戦過程は、昨年の桜花賞馬マルセリーナとまったく同じもので期待がふくらむが、勝ち馬が同じ牝馬のシンザン記念で11着に大敗し、エルフィンSの勝ち時計も1分36秒9といたって平凡。1着レッドデイヴィス、2着オルフェーヴルのシンザン記念で3着、エルフィンSの勝ち時計が1分34秒4だったマルセリーナに比べると見劣る感は否めない。

クイーンC組で注目を集めそうなのはヴィルシーナだが、上がり3位タイだったこの馬も桜花賞の好走パターンとは合致しない。アネモネSとフラワーC組で好走できるのは勝ち馬のみだが、桜花賞で勝った馬はおらず、パララサルーオメガハートランドも本命視はできない。

データを洗ってみると馬券圏内までという有力馬が多く、実は、固たる軸となるほどの馬は見当たらない今年の桜花賞。流れによって「逃げ」「先行」か「中団」「後方」のどちらかがまとめてやってくる傾向を紹介したが、それこそ流れひとつで、08年の700万馬券のような大波乱も想定しておいたほうがいいのかもしれない。結論の部分で述べられなかった馬まで無視はしないほうがいいだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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