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第583回 穴馬の逃げ切りが多いコースは?

2012/3/26(月)

先週土曜の日経賞では、人気薄のネコパンチが大逃げを打ち、そのまま鮮やかな逃げ切り勝ち。逃げ馬の魅力、あるいは競馬の怖さを改めて感じたファンの方も多いだろう。そこで月曜掲載分の今回は、穴馬の逃げ切りが決まりやすいコースについて調べてみた。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用。集計期間は07年以降、本年の3月18日までとし、中央4場の1000万条件以上を対象とした。

■表1 6番人気以下の逃げ馬、芝コース別ベスト10(07〜12.3.18、中央4場1000万条件以上)

コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
中山・芝1800 9- 3- 2-31/45
20.0%
26.7%
31.1%
502%
198%
阪神・芝1600外 8- 4- 2-47/61
13.1%
19.7%
23.0%
229%
142%
中山・芝1600 7- 6- 5-80/98
7.1%
13.3%
18.4%
192%
117%
京都・芝1600外 6- 7- 2-55/70
8.6%
18.6%
21.4%
430%
210%
阪神・芝2000 6- 3- 1-31/41
14.6%
22.0%
24.4%
421%
172%
京都・芝1200 5- 4- 3-41/53
9.4%
17.0%
22.6%
269%
204%
京都・芝1400外 5- 1- 7-42/55
9.1%
10.9%
23.6%
380%
220%
東京・芝1400 4- 2- 9-44/59
6.8%
10.2%
25.4%
185%
194%
阪神・芝1400 4- 0- 2-42/48
8.3%
8.3%
12.5%
166%
103%
京都・芝2000 3- 5- 4-39/51
5.9%
15.7%
23.5%
93%
298%

まずは芝コースから。表1は冒頭に記した条件で、6番人気以下で逃げた馬の成績をコース別に集計したものである(勝ち鞍順)。注意したいのは、そのレースで逃げた馬の成績であるという点。かなり回収率や好走確率が高く出ているが、実際に馬券を買う際は、そのレースで逃げる馬を見つけ出す精度にも左右されるので注意したい。

2012/3/11 中山11R 中山牝馬ステークス(G3)1着 12番 レディアルバローザ

計9勝で第1位になったのは中山芝1800。先日の中山牝馬Sでも8番人気のレディアルバローザが逃げ切り勝ちを決めていたが、「前有利」のコースと認識されている方も多いだろう。この集計条件では勝率や連対率も1位で、そういったイメージ通りの好成績と言える。

そして2位は阪神の外回り芝1600。日経賞直後の阪神最終レースでは、10番人気ラディアーレが大逃げからあわや逃げ切りという場面を作っていたが、「2匹め」を狙っていた方は悪くない狙いだったと言える。中山芝1800mとは1勝差。「6番人気以下の逃げ」に該当した馬が多い分、勝率はやや差があるものの、それでも他のコースに比べれば良い。昨年は代替開催のダービー卿CT・ブリッツェン(8番人気)や、マイラーズC・シルポート(7番人気)の逃げ切りが見られた。以下、中山芝1600m、京都芝外1600mと、同じ1600mが続く。京都内回り1600mは該当条件にレースがなく、中央4場で残る1コース、東京芝1600mは【1.4.4.76】勝率1.2%、連対率5.9%止まり。「マイル戦なら東京以外、特に阪神」と覚えておきたい。特に東京は全体的にひと息で、芝で勝ち鞍上位にランクインしたのは1400mのみである。

5位には中距離の阪神芝2000。好走確率ではこの阪神芝2000mは、勝ち鞍1位の中山芝1800mに次ぐ好成績だ。全体を見ると、勝ち鞍上位には1400m〜1800mあたりが多く、2000m以上でランクインしたのは阪神芝2000mと京都芝2000mのみ。長距離はレース数がさほど多くないため、勝ち鞍順のランキングでは不利になっている可能性も考えられる。

■表2 6番人気以下の逃げ馬、芝コース別ワースト10(07〜12.3.18、中央4場1000万条件以上)

コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
京都・芝3200外 0- 0- 0- 5/ 5
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
阪神・芝3000 0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
中山・芝3600 0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
東京・芝1800 0- 3- 2-65/70
0.0%
4.3%
7.1%
0%
54%
京都・芝3000外 1- 0- 0- 9/10
10.0%
10.0%
10.0%
277%
95%
東京・芝3400 1- 0- 1- 3/ 5
20.0%
20.0%
40.0%
3800%
912%
阪神・芝1800外 1- 0- 3-36/40
2.5%
2.5%
10.0%
34%
29%
東京・芝2500 1- 1- 0- 6/ 8
12.5%
25.0%
25.0%
313%
256%
中山・芝2500 1- 2- 0-20/23
4.3%
13.0%
13.0%
63%
53%
中山・芝2200 1- 3- 0-16/20
5.0%
20.0%
20.0%
71%
90%

そこで、表1のデータを今度は下位から順に見てみたい。こちらは全体的に長距離戦が多い印象。3000m級のレースは該当レース数が少なく判断し難いが、中山芝2200mや2500mはそこそこの該当数がありながら1勝のみと(先日の日経賞は集計期間外)、決して良いとは言えない。また、東京芝1800mや阪神芝外1800mはかなりの該当馬があっての不振。こちらは明らかに、人気薄の逃げ馬は狙いづらいコースと考えられる。

■表3 6番人気以下の逃げ馬、芝距離、コーナー回数別成績(07〜12.3.18、中央4場1000万条件以上)

距離
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
距離
1000m〜1300m
9-  8- 14-100/131
6.9%
13.0%
23.7%
165%
194%
1400m〜1600m
35- 24- 31-386/476
7.4%
12.4%
18.9%
218%
147%
1700m〜2000m
25- 22- 24-301/372
6.7%
12.6%
19.1%
158%
150%
2100m〜2400m
10- 12- 13-135/170
5.9%
12.9%
20.6%
246%
160%
2500m〜
4-  3-  1- 51/ 59
6.8%
11.9%
13.6%
436%
149%
コーナー
2回(180度)
40- 31- 48-539/658
6.1%
10.8%
18.1%
168%
142%
3回(270度)
9- 11-  9-118/147
6.1%
13.6%
19.7%
172%
149%
4回(360度)
31- 25- 25-271/352
8.8%
15.9%
23.0%
262%
186%
5回(450度)〜
3-  2-  1- 45/ 51
5.9%
9.8%
11.8%
455%
132%

同じく芝コースについて、距離区分とコーナー数別の成績も見てみたい。表1〜2からは該当数の少ない長距離をどう捕らえるかが難しかったが、この表3を見ると2500m以上の距離や、コーナー5回以上のコースは決して良くはない。好走確率が比較的高いのは、中距離の多いコーナー4回のコース。長距離のほうが「人気薄の逃げ」を警戒すべきという印象も強いが、あっさり力負けに終わってしまうことも多々あるもの。当たれば大きいが、あまりに狙いすぎると回収率には悪影響を及ぼしそうだ。

■表4 6番人気以下の逃げ馬、ダートコース別成績(07〜12.3.18、中央4場1000万条件以上)

コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
中山・ダ1800 11- 3- 6-61/81
13.6%
17.3%
24.7%
636%
241%
東京・ダ1400 5- 4- 4-52/65
7.7%
13.8%
20.0%
172%
303%
京都・ダ1800 4- 7- 2-64/77
5.2%
14.3%
16.9%
147%
97%
阪神・ダ1400 4- 4- 5-47/60
6.7%
13.3%
21.7%
131%
126%
中山・ダ1200 3- 9- 3-52/67
4.5%
17.9%
22.4%
97%
131%
阪神・ダ2000 3- 2- 3-27/35
8.6%
14.3%
22.9%
459%
207%
東京・ダ1600 2- 2- 3-68/75
2.7%
5.3%
9.3%
101%
118%
阪神・ダ1200 2- 2- 2-32/38
5.3%
10.5%
15.8%
207%
103%
東京・ダ2100 2- 0- 1-27/30
6.7%
6.7%
10.0%
228%
68%
京都・ダ1400 1- 5- 5-48/59
1.7%
10.2%
18.6%
34%
145%
京都・ダ1200 1- 5- 4-39/49
2.0%
12.2%
20.4%
31%
117%
京都・ダ1900 1- 2- 1-10/14
7.1%
21.4%
28.6%
84%
172%
東京・ダ1300 1- 2- 0-17/20
5.0%
15.0%
15.0%
121%
109%
阪神・ダ1800 1- 0- 3-28/32
3.1%
3.1%
12.5%
57%
85%
中山・ダ2400 1- 0- 1- 7/ 9
11.1%
11.1%
22.2%
244%
111%
東京・ダ2400 1- 0- 0- 0/ 1
100.0%
100.0%
100.0%
1980%
620%

続いて、表1同様のデータをダートコースについても調べてみた。ダートはコース設定数があまり多くないため、全コースを掲載している(中山2500mは1000万条件以上に該当なし)。1位は芝同様「中山の1800m」、中山ダート1800。芝の表1は勝ち鞍にあまり差がなかったが、こちらは2位に6勝もの差がつき、勝率13.6%も群を抜いている。ただ、今回の「6番人気以下の逃げた馬」という条件では、ダート戦は芝に比べると全体的に好走確率が低めの傾向にある。該当数が多い中で連対率15%を超えたのは3コースしかなく、人気薄の逃げ馬を狙うならどちらかといえば芝のほうが良い印象だ。

■表5 大逃げの決まったコースベスト5(07〜12.3.18、中央4場1000万条件以上)

コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
阪神・芝1600外 3- 0- 0- 3/ 6
50.0%
50.0%
50.0%
725%
255%
京都・芝1800外 2- 2- 1- 0/ 5
40.0%
80.0%
100.0%
362%
462%
中山・芝2500 2- 0- 0- 2/ 4
50.0%
50.0%
50.0%
482%
155%
阪神・芝1800外 2- 0- 0- 2/ 4
50.0%
50.0%
50.0%
527%
110%
京都・芝2400外 1- 1- 0- 3/ 5
20.0%
40.0%
40.0%
688%
250%

2008/3/1 阪神11R アーリントンカップ(Jpn3)1着 12番 ダンツキッスイ

最後に、日経賞の後なので「大逃げ」のコース別成績ベスト5(人気順は不問)も調べてみた。Target frontier JVではレース検索機能で「大逃げの馬がいたレース」を抽出できる。成績画面の「コーナー位置ボタン」を押して確認できる通過順で、大きな差があることを意味する「=」マークが先頭から3番手までの間に表示されるレースが対象になる。表5はその「大逃げの馬がいたレース」で逃げた馬の成績が良い順にベスト5を調べたものだ。

大逃げ→逃げ切りというとテイエムプリキュアの日経新春杯(09年)のような長めの距離で多くありそうだが、重賞ではほかにアーリントンCのダンツキッスイ(08年)、そしてきさらぎ賞のアサクサキングス(07年)。表5でも上位の5コース中3コースが芝16〜1800である。また、6位以下も含め16勝中10勝を京都か阪神の外回りコースが占めている。大逃げとなると、逃げた馬がそれなりのペースを刻むと同時に、後続がスローに落ちることも条件。長距離や直線の短いコースが良いという単純な話でもないようである。

以上、逃げに関するコース別のデータを、主に人気薄を中心に調べてみた。今回は、あまり古くまでさかのぼらない中である程度のサンプルが揃う範囲として、「07年以降の6番人気以下」とした(表5を除く)。人気薄の逃げならもっと大穴を、という方なら、もう少し人気のない馬について期間を長めに取るなどして、Target frontier JVで調べてみてもおもしろいだろう。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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