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第575回 左回りコースに強い種牡馬は?

2012/2/27(月)

今週はいよいよ中京競馬場が新装オープン。コースが大きく変更され、芝・ダートとも直線が410mほどと長くなるとともに、直線前半には急坂も設けられた。いったいどんな競馬が繰り広げられることになるのか非常に楽しみだ。ただその一方で、かなりの大改修になったため、従来のデータが使えなくなってしまった。そこで今回は、予想にあたっての手がかりのひとつとして、左回りコースの種牡馬成績を調べてみた。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、集計期間は09年〜11年の3年間としている。

■表1 芝コース種牡馬成績(09〜11年)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
キングカメハメハ 278-209-232-1773/2492
11.2%
19.5%
28.9%
84%
87%
アグネスタキオン 204-207-194-1578/2183
9.3%
18.8%
27.7%
64%
68%
マンハッタンカフェ 198-152-161-1589/2100
9.4%
16.7%
24.3%
93%
80%
サクラバクシンオー 190-181-142-1561/2074
9.2%
17.9%
24.7%
78%
82%
フジキセキ 179-164-163-1408/1914
9.4%
17.9%
26.4%
94%
91%
シンボリクリスエス 166-173-175-1625/2139
7.8%
15.8%
24.0%
59%
67%
スペシャルウィーク 164-170-143-1577/2054
8.0%
16.3%
23.2%
66%
71%
ジャングルポケット 161-167-159-1518/2005
8.0%
16.4%
24.3%
85%
86%
ダンスインザダーク 158-183-202-2034/2577
6.1%
13.2%
21.1%
68%
78%
ディープインパクト 154-111-105-557/927
16.6%
28.6%
39.9%
68%
76%

まず表1は、左回りとの比較用に全競馬場芝コースの種牡馬成績(勝ち鞍順)を調べてみた。この3年ではキングカメハメハが勝ち鞍トップで2位以下には大差。アグネスタキオン、マンハッタンカフェの順で続いている。

■表2 芝左回り種牡馬成績(09〜11年)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
芝全勝利
左芝勝利/全芝勝利
キングカメハメハ 76-68-73-538/755
10.1%
19.1%
28.7%
88%
82%
278
27.3%
アグネスタキオン 65-60-56-477/658
9.9%
19.0%
27.5%
54%
60%
204
31.9%
シンボリクリスエス 64-60-56-550/730
8.8%
17.0%
24.7%
60%
66%
166
38.6%
マンハッタンカフェ 59-48-53-512/672
8.8%
15.9%
23.8%
85%
85%
198
29.8%
フジキセキ 59-40-40-387/526
11.2%
18.8%
26.4%
204%
102%
179
33.0%
ダンスインザダーク 49-60-67-652/828
5.9%
13.2%
21.3%
44%
80%
158
31.0%
スペシャルウィーク 48-54-34-524/660
7.3%
15.5%
20.6%
64%
70%
164
29.3%
サクラバクシンオー 48-48-35-413/544
8.8%
17.6%
24.1%
80%
83%
190
25.3%
ステイゴールド 47-45-44-475/611
7.7%
15.1%
22.3%
100%
76%
148
31.8%
ジャングルポケット 45-56-52-483/636
7.1%
15.9%
24.1%
67%
83%
161
28.0%

そして表2が本題、左回り芝コースの種牡馬成績。東京、新潟、中京の3場芝から、新潟直線1000mを除いたものになる。キングカメハメハの1位、アグネスタキオンの2位は表1の全芝コースと変わりなく、2頭も勝率、連対率もほぼ全芝と同じ。アグネスタキオンは若干左回りのほうが良く、キングカメハメハはやや悪いという数字にはなっているが、さほど大きな差ではない。

そして全芝では勝ち鞍6位から、左回り芝では3位までランクアップしてきたのがシンボリクリスエス。好走確率は1%ほどの上積みにとどまっているものの、注目は全芝の勝利数に対する左回りの勝利数が占める割合で、表2の一番右に記した値がそれにあたる。シンボリクリスエスは芝166勝中64勝が左回りで、その割合は38.6%。表2の種牡馬の中では群を抜いている。ただ、別途ダートを調べると左回りの勝ち鞍占有率は29.7%と並の数字。東京や新潟外回りといった、左回りより直線の長いコース向きの馬が多いだけの可能性もあるだろう。ただ、仮にその通りだったとしても、この改修で直線距離が延びたのは旧・中京に比べプラスに働くはずだ。

2010/3/28 中京11R 高松宮記念(G1)1着 6番 キンシャサノキセキ「父フジキセキ」

また、5位のフジキセキは左回り芝での勝率や単複回収率の高さが目立つ。勝率は表1の全芝より2%近く高い11.2%(右回り芝は8.8%)。回収率も単勝が204%、複勝102%と優秀な成績だ。単勝回収率を競馬場別にみると、新潟286%、東京112%、中京155%と左回り3場が100%を超えているのに対し、他場はすべて80%以下で、右回り合計では53%。さらに、左回り芝の勝利数占有率33.0%も高い部類。ダートでも左回りが31.3%を記録しており、左回り向きの種牡馬と捕らえても良さそうな印象だ。

逆に、左回りでの成績が今ひとつなのはサクラバクシンオー。全芝での勝ち鞍4位から、左回り芝では8位まで落とし、勝利数の占有率も25.3%と低い。好走確率も全芝に比べるとやや低めだ。ただ、産駒にスプリンターの多いサクラバクシンオーにとって、この左回りの成績は東京競馬場に芝1400m以上しか設定がないことがマイナスに働いている可能性もある。ダートの左回り勝利数占有率も23.1%と低いが、これも東京はダートが1300mから。表2のデータだけを頼りに「左回り苦手」と決めつけるのは危険で、1200mの設定がある新・中京は苦にしない可能性もある。開幕週の成績を注意して見ておきたい種牡馬だ。なお、同期間の旧・中京芝は勝率10.7%と決して悪くはなかった。

■表3 ダートコース種牡馬成績(09〜11年)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
クロフネ 262-225-220-1973/2680
9.8%
18.2%
26.4%
78%
77%
キングカメハメハ 201-183-186-1258/1828
11.0%
21.0%
31.2%
88%
84%
シンボリクリスエス 175-188-174-1368/1905
9.2%
19.1%
28.2%
76%
75%
ゴールドアリュール 159-134-143-1179/1615
9.8%
18.1%
27.0%
73%
78%
ネオユニヴァース 147-121-122-1030/1420
10.4%
18.9%
27.5%
89%
97%
ブライアンズタイム 132-131-125-1167/1555
8.5%
16.9%
25.0%
72%
77%
フジキセキ 128-145-109-1173/1555
8.2%
17.6%
24.6%
56%
67%
ワイルドラッシュ 125-80-103-834/1142
10.9%
18.0%
27.0%
105%
89%
フレンチデピュティ 123-115-120-976/1334
9.2%
17.8%
26.8%
92%
85%
マンハッタンカフェ 122-112-78-833/1145
10.7%
20.4%
27.2%
66%
75%

続いてはダート。これも芝同様、比較用に全競馬場ダートコースの種牡馬成績(勝ち鞍順)から見てみたい。勝ち鞍トップはクロフネで、芝では1位だったキングカメハメハに60勝以上もの差をつけている。ただ、好走確率では2位のキングカメハメハの方が高く、単複の回収率も同様だ。そしてシンボリクリスエス、ゴールドアリュールの順となっている。

■表4 ダート左回り種牡馬成績(09〜11年)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
ダ全勝利
左ダ勝利/全ダ勝利
クロフネ 65-62-56-579/762
8.5%
16.7%
24.0%
57%
69%
262
24.8%
キングカメハメハ 56-38-52-376/522
10.7%
18.0%
28.0%
88%
73%
201
27.9%
シンボリクリスエス 52-57-53-401/563
9.2%
19.4%
28.8%
55%
77%
175
29.7%
ゴールドアリュール 46-41-46-351/484
9.5%
18.0%
27.5%
55%
83%
159
28.9%
フレンチデピュティ 43-37-44-298/422
10.2%
19.0%
29.4%
96%
85%
123
35.0%
ネオユニヴァース 43-30-37-291/401
10.7%
18.2%
27.4%
88%
90%
147
29.3%
ブライアンズタイム 41-38-41-367/487
8.4%
16.2%
24.6%
78%
91%
132
31.1%
フジキセキ 40-40-28-322/430
9.3%
18.6%
25.1%
82%
63%
128
31.3%
アフリート 40-27-25-328/420
9.5%
16.0%
21.9%
84%
75%
106
37.7%
ワイルドラッシュ 39-22-31-236/328
11.9%
18.6%
28.0%
91%
83%
125
31.2%

2009/3/29 中京10R 桶狭間ステークス 1着 6番 アドマイヤダンク「父フレンチデピュティ」

そして表4は左回りのダートコースにおける種牡馬成績である。勝ち鞍1位のクロフネからキングカメハメハ、シンボリクリスエス、ゴールドアリュールの順は、全ダートコースと同じ。ただ左回りの勝利占有率を見ると、勝ち鞍1位のクロフネが24.8%と低い。芝の状況も別途調べると、やはり左回り勝利占有率は25.2%にとどまっている。また、好走確率も全ダートに比べ左回りダートはやや低め。クロフネ自身は武蔵野SやJCダート(当時東京)の圧勝ぶりが印象深く、芝でもNHKマイルCを制した馬だが、産駒に関しては右回りに比べやや割引が必要なようだ。

対して、左回りで多くの勝ち鞍を挙げているのは、フレンチデピュティとアフリート。フレンチデピュティは全ダートの8位から5位まで順位を上げ、アフリートはランク外(12位)から9位へ。ダートの左回り勝利数占有率は、フレンチデピュティは35.0%、アフリートは37.7%とかなり高い。特にフレンチデピュティは、左回りの勝ち鞍上位種牡馬の中では好走確率や単複の回収率も高い部類に入るので要注意だ。

以上、種牡馬について左回りコースでの成績を、全競馬場と比較しつつ、いくつかポイントを挙げてみた。古馬であれば旧中京や東京や新潟など、明らかに左回りの成績が良い、または悪い馬も見つけやすく、そういった馬は種牡馬以前に自身の成績を参考にしたいもの。ただ、中京改修中にデビューした特に関西馬には左回り未経験の馬も多いだけに、コース替わりで良くも悪くも一変するケースには注意したい。

■表5 09〜10年2回中京開催騎手成績

騎手
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
中舘英二 10-14-9-80/113
8.8%
21.2%
29.2%
40%
69%
丸山元気 10-1-4-42/57
17.5%
19.3%
26.3%
154%
83%
古川吉洋 9-5-6-48/68
13.2%
20.6%
29.4%
99%
81%
藤岡康太 9-5-4-52/70
12.9%
20.0%
25.7%
68%
72%
松田大作 8-7-6-59/80
10.0%
18.8%
26.3%
42%
93%
北村友一 8-5-8-78/99
8.1%
13.1%
21.2%
160%
104%
武豊 7-4-4-10/25
28.0%
44.0%
60.0%
145%
113%
秋山真一郎 6-2-5-42/55
10.9%
14.5%
23.6%
150%
67%
佐藤哲三 5-4-4-27/40
12.5%
22.5%
32.5%
121%
107%
岩田康誠 5-4-4-20/33
15.2%
27.3%
39.4%
53%
79%

■表6 昨年2〜3回小倉の騎手成績(2.26〜4.17)

騎手
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回収
複回収
川須栄彦 15-14-7-84/120
12.5%
24.2%
30.0%
100%
65%
田辺裕信 13-11-13-80/117
11.1%
20.5%
31.6%
162%
104%
中舘英二 13-9-11-71/104
12.5%
21.2%
31.7%
49%
58%
丸山元気 9-13-8-79/109
8.3%
20.2%
27.5%
59%
58%
太宰啓介 9-5-5-78/97
9.3%
14.4%
19.6%
170%
91%
勝浦正樹 8-5-6-85/104
7.7%
12.5%
18.3%
78%
91%
高倉稜 7-11-9-86/113
6.2%
15.9%
23.9%
34%
82%
酒井学 6-9-5-58/78
7.7%
19.2%
25.6%
44%
91%
大野拓弥 5-3-5-72/85
5.9%
9.4%
15.3%
130%
58%
吉田隼人 5-3-5-14/27
18.5%
29.6%
48.1%
144%
154%

最後に、種牡馬とは関係ないが、09〜10年のこの時期の中京開催(表5)、および昨春の小倉開催(表6)における騎手成績(勝ち鞍順)も参考までに掲載しておく。一昨年後半あたりからローカルでは川須騎手や田辺騎手の活躍が目立ち、昨春の小倉開催では、09〜10年の中京で上位だった中舘騎手、丸山騎手(09年はデビュー直後で10年に10勝)よりも上に、この川須騎手と田辺騎手が入った形だった。現在、田辺騎手はいわゆる「表開催」中心の騎乗になったが、今年1〜2月の小倉開催は川須騎手、中舘騎手の順(3位は丸田騎手)。中舘騎手は負傷により休養中のため、まずは川須騎手に注目ということになりそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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