第551回 師走競馬に強い騎手、調教師は?|競馬情報ならJRA-VAN

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第551回 師走競馬に強い騎手、調教師は?

2011/11/28(月)

今週は開催替わり、師走競馬が開幕する。暮れの開催といえば出馬ラッシュ。使いたいレースに思うように出走できなかったり、騎乗予定だった有力馬が除外の憂き目に遭ったりすることも多い。そんな、いわゆる「餅つき競馬」の騎手、調教師成績に今回はスポットを当ててみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用。集計期間は08年〜10年の3年間、暮れの中山・阪神・中京(昨年は小倉)開催を対象とした。

まず成績とは関係ないが、師走競馬がどの程度の出馬ラッシュなのかを調べてみた。集計期間内には813レースが行われ、1レースあたりの平均出走頭数は約15頭。この期間の通年では14.5頭、今の中央競馬は年中出馬ラッシュとも言えるほどで、実は師走競馬になっても平均出走頭数にあまり大きな差はない。しかし特別登録馬、出馬投票を行う馬は非常に多く、どちらかと言えば「除外ラッシュ」のほうが正解に近い。また、全体的に少ない感のある9月を調べると、平均13頭少々にとどまっており、秋競馬前半あたりに比べれば「頭数が多くなった」という印象を受ける方もあるだろう。

■表1 師走競馬騎手成績(14勝以上)

騎手
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
内田博幸 37- 26- 32-141/236
15.7%
26.7%
40.3%
65%
81%
蛯名正義 34- 20- 18-106/178
19.1%
30.3%
40.4%
145%
102%
デムーロ 30- 23- 17-118/188
16.0%
28.2%
37.2%
94%
80%
岩田康誠 27- 24- 12-126/189
14.3%
27.0%
33.3%
147%
77%
中舘英二 21- 21- 20-152/214
9.8%
19.6%
29.0%
38%
69%
北村宏司 20- 25- 10-133/188
10.6%
23.9%
29.3%
96%
77%
武豊 20- 14-  9- 79/122
16.4%
27.9%
35.2%
58%
70%
藤田伸二 19- 14- 11-116/160
11.9%
20.6%
27.5%
86%
84%
安藤勝己 19- 13- 12- 54/ 98
19.4%
32.7%
44.9%
166%
111%
松岡正海 18- 18- 18-132/186
9.7%
19.4%
29.0%
55%
67%
ルメール 17- 15- 10- 67/109
15.6%
29.4%
38.5%
66%
96%
和田竜二 16- 27- 10-163/216
7.4%
19.9%
24.5%
62%
77%
横山典弘 16- 21- 14-107/158
10.1%
23.4%
32.3%
67%
71%
福永祐一 16- 11- 18-115/160
10.0%
16.9%
28.1%
71%
85%
後藤浩輝 15- 17- 27-141/200
7.5%
16.0%
29.5%
44%
98%
三浦皇成 15- 16- 21-157/209
7.2%
14.8%
24.9%
43%
77%
小牧太 15- 13- 14-122/164
9.1%
17.1%
25.6%
102%
117%
川田将雅 14- 19- 13-126/172
8.1%
19.2%
26.7%
72%
87%
秋山真一 14- 13- 16-119/162
8.6%
16.7%
26.5%
96%
100%
柴田善臣 14- 11- 15-142/182
7.7%
13.7%
22.0%
53%
52%
佐藤哲三 14-  7- 13- 86/120
11.7%
17.5%
28.3%
100%
76%

表1は、師走競馬の騎手成績(勝ち鞍順)。トップの内田博幸騎手は現在休養中。2位蛯名正義騎手、3位デムーロ騎手、そして4位岩田康誠騎手と続く。上位の中では蛯名正義騎手が勝率や回収率が高く、以下では騎乗数ほどさほど多くないものの、安藤勝己騎手が各項目で蛯名騎手を上回る好成績を残している。また、今年もデムーロ騎手ルメール騎手は年末まで短期免許を取得しており、この2名ももちろん注目は必要だ。

■表2 師走競馬と通年成績の比較(騎手)

騎手
師走競馬
通年
勝ち鞍
勝率
単回収
勝ち鞍A
勝率B
単回収C
勝ち鞍D
勝率E
単回収F
A÷D
B−E
C−F
内田博幸
37
15.7%
65%
387
14.5%
74%
9.6%
1.2%
-9%
蛯名正義
34
19.1%
145%
300
12.8%
94%
11.3%
6.3%
51%
デムーロ
30
16.0%
94%
69
14.1%
86%
43.5%
1.9%
8%
岩田康誠
27
14.3%
147%
309
12.7%
73%
8.7%
1.6%
74%
中舘英二
21
9.8%
38%
277
11.1%
66%
7.6%
-1.3%
-28%
北村宏司
20
10.6%
96%
202
9.1%
88%
9.9%
1.5%
8%
武豊
20
16.4%
58%
352
19.2%
71%
5.7%
-2.8%
-13%
藤田伸二
19
11.9%
86%
294
13.7%
75%
6.5%
-1.8%
11%
安藤勝己
19
19.4%
166%
262
19.8%
79%
7.3%
-0.4%
87%
松岡正海
18
9.7%
55%
298
11.9%
85%
6.0%
-2.2%
-30%
ルメール
17
15.6%
66%
61
11.9%
76%
27.9%
3.7%
-10%
和田竜二
16
7.4%
62%
181
6.9%
66%
8.8%
0.5%
-4%
横山典弘
16
10.1%
67%
321
16.0%
83%
5.0%
-5.9%
-16%
福永祐一
16
10.0%
71%
288
11.8%
68%
5.6%
-1.8%
3%
後藤浩輝
15
7.5%
44%
276
11.2%
83%
5.4%
-3.7%
-39%
三浦皇成
15
7.2%
43%
215
9.4%
66%
7.0%
-2.2%
-23%
小牧太
15
9.1%
102%
201
9.0%
83%
7.5%
0.1%
19%
川田将雅
14
8.1%
72%
221
10.6%
86%
6.3%
-2.5%
-14%
秋山真一郎
14
8.6%
96%
132
7.8%
91%
10.6%
0.8%
5%
柴田善臣
14
7.7%
53%
185
8.7%
76%
7.6%
-1.0%
-23%
佐藤哲三
14
11.7%
100%
104
7.2%
61%
13.5%
4.5%
39%
浜中俊
12
7.0%
61%
192
7.8%
68%
6.3%
-0.8%
-7%
田辺裕信
12
8.9%
93%
83
5.4%
89%
14.5%
3.5%
4%
川須栄彦
3
7.0%
100%
18
5.2%
71%
16.7%
1.8%
29%

2009/12/13 阪神11R 阪神ジュベナイルF(Jpn1)1着 18番 アパパネ 蛯名正義騎手

表1では師走競馬で好成績の騎手はわかるが、師走競馬でふだんより成績が向上する騎手はわからない。そこで、通年の成績と比較したのが表2である。変則3日間開催を除けば、年間104日騎乗可能な中の8日間は約7.7%。全勝ち鞍の7.7%をこの期間に挙げていれば、師走競馬はその騎手にとって平均的な成績になる。そんな中、全勝ち鞍の11.3%を師走競馬で挙げているのが蛯名正義騎手。通年の平均人気が5.4、師走競馬は5.2と大差がない中で勝率を大幅にアップしており、単勝回収率も通年に比べかなり高い。年別にみると、08年から10年まで徐々に単勝回収率を上げており、昨年は勝率23.1%で単勝回収率は189%を記録している。
また、安藤勝己騎手は勝率や勝ち鞍の割合はほぼ自身の平均程度だが、騎乗馬の平均人気は通年3.0から師走競馬では3.7と低くなっており、その分、単勝回収率は高い。昨年は4勝止まりながら、2着7回で連対率は50.0%をマークした。ほかに、岩田康誠騎手は平均人気が4.5→5.1と下がる中で勝率は上げ、単勝回収率も高くなっている。

今年、その岩田騎手とリーディングを争う福永祐一騎手は、通年より成績がやや下がっており、この数字をみるかぎり、リーディング争いは岩田騎手が優位に思える。ただ、福永騎手は本サイト掲載の「私の競馬はちょっと新しい」第34回で、関東遠征時の成績向上が全国リーディング獲得のカギになるとが語っており、実際、この秋の東京開催では14勝。今年の師走競馬は、これまでとはひと味違う結果を出してくれる可能性も大いにありそうだ。

なお、本年のリーディング上位で表1に名前のなかった浜中俊騎手、田辺裕信騎手、川須栄彦騎手の成績も表の下部に追加している。川須騎手は昨年のみの成績のため参考程度だが、田辺裕信騎手はローカルを中心に師走競馬の勝ち鞍占有率が、蛯名騎手を上回る14.5%。この年末は騎乗停止明けになるだけに、その分を取り返すような活躍が見られるかもしれない。

■表3 師走競馬調教師成績(10勝以上)

調教師
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
(栗)池江泰寿 18- 11-  5- 58/ 92
19.6%
31.5%
37.0%
79%
82%
(栗)松田博資 16- 12-  5- 44/ 77
20.8%
36.4%
42.9%
136%
114%
(栗)角居勝彦 16-  8-  5- 48/ 77
20.8%
31.2%
37.7%
82%
81%
(栗)池江泰郎 14- 12- 15- 59/100
14.0%
26.0%
41.0%
74%
130%
(栗)藤原英昭 14- 10-  6- 42/ 72
19.4%
33.3%
41.7%
99%
76%
(栗)矢作芳人 14-  8-  8- 80/110
12.7%
20.0%
27.3%
168%
99%
(美)藤沢和雄 12- 18-  7- 62/ 99
12.1%
30.3%
37.4%
51%
82%
(栗)吉田直弘 12-  7-  0- 42/ 61
19.7%
31.1%
31.1%
192%
91%
(栗)西園正都 11-  5-  2- 63/ 81
13.6%
19.8%
22.2%
71%
44%
(美)戸田博文 11-  3-  6- 56/ 76
14.5%
18.4%
26.3%
97%
91%
(美)小島茂之 10-  6-  4- 32/ 52
19.2%
30.8%
38.5%
184%
128%
(栗)松田国英 10-  5-  6- 52/ 73
13.7%
20.5%
28.8%
77%
83%

続いて、調教師成績を調べたのが表3。上位では松田博資厩舎が勝率〜複勝率、そして回収率まですべてで好成績を残しているのが目立っている。ただ、これも騎手同様に通年成績と比較して「師走競馬に強い厩舎」を探ってみたい。

■表4 師走競馬と通年成績の比較(調教師)

調教師
師走競馬
通年
勝ち鞍
勝率
単回収
勝ち鞍A
勝率B
単回収C
勝ち鞍D
勝率E
単回収F
A÷D
B−E
C−F
(栗)池江泰寿
18
19.6%
79
133
16.3%
86
13.5%
3.3%
-7%
(栗)松田博資
16
20.8%
136
107
13.0%
75
15.0%
7.8%
61%
(栗)角居勝彦
16
20.8%
82
136
15.6%
84
11.8%
5.2%
-2%
(栗)池江泰郎
14
14.0%
74
131
14.1%
92
10.7%
-0.1%
-18%
(栗)藤原英昭
14
19.4%
99
117
16.1%
88
12.0%
3.3%
11%
(栗)矢作芳人
14
12.7%
168
119
9.3%
102
11.8%
3.4%
66%
(美)藤沢和雄
12
12.1%
51
149
15.5%
67
8.1%
-3.4%
-16%
(栗)吉田直弘
12
19.7%
192
56
7.7%
57
21.4%
12.0%
135%
(栗)西園正都
11
13.6%
71
101
10.5%
88
10.9%
3.1%
-17%
(美)戸田博文
11
14.5%
97
79
8.3%
62
13.9%
6.2%
35%
(美)小島茂之
10
19.2%
184
69
9.9%
115
14.5%
9.3%
69%
(栗)松田国英
10
13.7%
77
89
12.2%
74
11.2%
1.5%
3%
(栗)音無秀孝
8
8.8%
49
136
26.3%
91
5.9%
-17.5%
-42%
(栗)石坂正
8
13.1%
46
100
22.5%
87
8.0%
-9.4%
-41%
(栗)安田隆行
7
10.8%
49
102
12.6%
80
6.9%
-1.8%
-31%
(美)国枝栄
7
11.1%
50
99
11.2%
64
7.1%
-0.1%
-14%
(美)堀宣行
7
13.2%
65
87
12.2%
79
8.0%
1.0%
-14%
(栗)浅見秀一
5
6.1%
455
67
7.0%
89
7.5%
-0.9%
366%

2010/12/25 小倉10R 樅の木賞 1着 8番 ボレアス 吉田直弘厩舎

全体的に通年より成績を上げている厩舎が多いが、中でも目立つのは吉田直弘厩舎。全56勝中12勝をこの師走競馬で挙げ、全体に占める割合はなんと21.4%。08年2勝、09年3勝ときて、昨年は7勝(勝率28.0%)と大幅に勝ち鞍を伸ばしており、今年も要注目だ。また、表3で好成績の目立った松田博資厩舎も勝ち鞍の15.0%が師走競馬。特に昨年は【9.7.1.11】連対率57.1%という驚異的な成績を残している。ほかに、今年は2着が多く勝ち鞍が伸びていない小島茂之厩舎も、師走競馬で巻き返してくる可能性もありそうだ。

なお、この表4も表2同様、今年のリーディング上位で表3に登場していない調教師を表の下部に追加しているが、いずれも通年と大差ないか、成績を落としている。

以上、師走競馬の騎手、調教師成績を通年と比較しつつ見てきた。主に、この時期に成績を向上している騎手、調教師を取り上げたが、今年のリーディング上位を占める角居、池江寿、藤原英厩舎は、通年の成績も良い上に師走競馬でも好成績を残すだけに、見落とさないようにしたい。また、騎手についは、この時期は外国人騎手参戦の影響を受けやすいほか、遠征絡みなどで成績を落としている例も見られるので注意が必要だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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