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第547回 最後の直線距離と脚質傾向の関係について考える(芝1600m編)

2011/11/14(月)

今週末は京都競馬場でマイルチャンピオンシップが行われる。同レースの展望は週半ばに行うとして、今回は芝1600mにちなんだデータ分析を行ってみたい。芝1600mが行われている現在の競馬場は、新潟、東京、中山、京都、阪神の5場。それぞれの競馬場の、最後の直線距離(外回り)と脚質傾向の関係について考えてみた。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 芝1600mが行われる競馬場の直線距離

競馬場
直線距離(外)
新潟
659m
東京
525.9m
阪神
473.6〜476.3m
京都
399〜404m
中山
310m

上の表1は冒頭に述べた5競馬場の、最後の直線距離(外回り)を長い順番に並べたもの。日本最長である659mの直線を持つ新潟がトップ。以下、東京、阪神、京都、中山という順になっている。阪神と京都にそれぞれ幅があるのは仮柵位置によって変わるためだ。「直線が長い」コースにはどういうイメージをお持ちだろうか。一般的には瞬発力勝負で、差し・追い込み馬が有利といったところか。反対に「直線が短い」コースは、対照的に逃げ・先行馬が有利。特に中山の直線距離は310mというローカル並で、小回りの部類に入るコースだ。では、果たしてそれらの印象は正しいのだろうか。ここであらためてデータで検証してみたい。データの集計期間は阪神競馬場に外回りコースが創設された06年以降(2011/11/6開催終了時まで)のデータを参照。新潟と京都に関しては外回りコースのみを対象としている。

■表2 新潟芝1600m(外)の脚質別成績(06年以降)

脚質上り
着別度数
勝率
連対率
複勝率
逃げ 23-  14-  13- 136/ 186
12.4%
19.9%
26.9%
先行 59-  57-  59- 490/ 665
8.9%
17.4%
26.3%
差し 75-  85-  82-1025/1267
5.9%
12.6%
19.1%
追い込み 29-  31-  32- 824/ 916
3.2%
6.6%
10.0%
マクリ 0-   0-   0-   1/   1
0.0%
0.0%
0.0%
3F 1位 72-  51-  26-  75/ 224
32.1%
54.9%
66.5%
3F 2位 37-  46-  30-  97/ 210
17.6%
39.5%
53.8%
3F 3位 26-  21-  36- 107/ 190
13.7%
24.7%
43.7%
3F〜5位 26-  34-  41- 280/ 381
6.8%
15.7%
26.5%
3F6位〜 25-  35-  53-1914/2027
1.2%
3.0%
5.6%

まずは新潟芝1600m(外)の脚質別成績(表2)。好走馬の数は差し馬が圧倒的。追い込み馬の好走例も多く、いかにも直線が長いコースの傾向。直線距離が659mもあると、4コーナーを回り切ってからの追い出しでも十分間に合うため、明らかに他場とは異なる性質の競馬になる。ただ、一方で逃げ馬の勝利は12.4%もある。後述することになるが、この12.4%という数字は他場の逃げ馬の勝率と比較して一番低い。しかしながら、同競馬場の先行、差し、追い込みの勝率の中で最も優秀な成績になる。連対率や複勝率に至っても同じだ。これは競馬の本質を示す一端であろう。どんなに直線が長いコースでも、「競馬は前に行っている馬の方が有利」なのだ。

■表3 東京芝1600mの脚質別成績(06年以降)

脚質上り
着別度数
勝率
連対率
複勝率
逃げ 45-  39-  23- 255/ 362
12.4%
23.2%
29.6%
先行 130- 127- 106- 926/1289
10.1%
19.9%
28.2%
差し 141- 140- 166-1766/2213
6.4%
12.7%
20.2%
追い込み 45-  56-  67-1397/1565
2.9%
6.5%
10.7%
マクリ 1-   0-   1-   4/   6
16.7%
16.7%
33.3%
3F 1位 141-  89-  66- 137/ 433
32.6%
53.1%
68.4%
3F 2位 66-  73-  67- 216/ 422
15.6%
32.9%
48.8%
3F 3位 42-  44-  64- 213/ 363
11.6%
23.7%
41.3%
3F〜5位 49-  79-  64- 557/ 749
6.5%
17.1%
25.6%
3F6位〜 64-  77- 102-3213/3456
1.9%
4.1%
7.0%

■表4 阪神芝1600mの脚質別成績(06年以降)

脚質上り
着別度数
勝率
連対率
複勝率
逃げ 37-  34-  15- 150/ 236
15.7%
30.1%
36.4%
先行 71-  89-  82- 614/ 856
8.3%
18.7%
28.3%
差し 107-  91- 102-1127/1427
7.5%
13.9%
21.0%
追い込み 21-  23-  36- 935/1015
2.1%
4.3%
7.9%
マクリ 0-   0-   0-   1/   1
0.0%
0.0%
0.0%
3F 1位 87-  57-  34- 100/ 278
31.3%
51.8%
64.0%
3F 2位 48-  41-  39- 136/ 264
18.2%
33.7%
48.5%
3F 3位 31-  41-  28- 153/ 253
12.3%
28.5%
39.5%
3F〜5位 37-  47-  65- 350/ 499
7.4%
16.8%
29.9%
3F6位〜 33-  51-  69-2086/2239
1.5%
3.8%
6.8%

■表5 京都芝1600m(外)の脚質別成績(06年以降)

脚質上り
着別度数
勝率
連対率
複勝率
逃げ 19-  15-   5-  92/ 131
14.5%
26.0%
29.8%
先行 48-  54-  42- 349/ 493
9.7%
20.7%
29.2%
差し 52-  46-  50- 590/ 738
7.0%
13.3%
20.1%
追い込み 11-  18-  32- 485/ 546
2.0%
5.3%
11.2%
マクリ 1-   0-   1-   2/   4
25.0%
25.0%
50.0%
3F 1位 38-  27-  32-  63/ 160
23.8%
40.6%
60.6%
3F 2位 29-  25-  21-  92/ 167
17.4%
32.3%
44.9%
3F 3位 16-  19-  11-  83/ 129
12.4%
27.1%
35.7%
3F〜5位 21-  26-  24- 196/ 267
7.9%
17.6%
26.6%
3F6位〜 27-  36-  42-1083/1188
2.3%
5.3%
8.8%

■表6 中山芝1600mの脚質別成績(06年以降)

脚質上り
着別度数
勝率
連対率
複勝率
逃げ 77-  57-  32- 270/ 436
17.7%
30.7%
38.1%
先行 148- 153- 139- 809/1249
11.8%
24.1%
35.2%
差し 108- 121- 147-1546/1922
5.6%
11.9%
19.6%
追い込み 18-  24-  36-1470/1548
1.2%
2.7%
5.0%
マクリ 6-   2-   2-  22/  32
18.8%
25.0%
31.3%
3F 1位 106-  76-  60- 206/ 448
23.7%
40.6%
54.0%
3F 2位 72-  61-  61- 184/ 378
19.0%
35.2%
51.3%
3F 3位 60-  44-  47- 241/ 392
15.3%
26.5%
38.5%
3F〜5位 57-  85-  86- 502/ 730
7.8%
19.5%
31.2%
3F6位〜 62-  91- 102-2981/3236
1.9%
4.7%
7.9%

新潟競馬場のデータと同様、東京、阪神、京都、中山の順番で一気に脚質別成績を並べてみた。まず着別度数から見ていくと東京競馬場は差し馬の好走例が多く、直線が長いコースならではの傾向を依然として保っている。リニューアルを果たした阪神芝1600mも差し馬の好走が多い。京都になると先行馬と差し馬の好走数はほぼ互角。そして中山では逆転し、差し馬より先行馬の好走数が上回る。このあたりの数字は容易にうなずけるだろう。

■表7 

逃げ 中山>阪神>京都>東京>新潟
先行 中山>京都≧東京>阪神>新潟
差し 阪神>京都>東京>新潟>中山
追い込み 新潟>東京>阪神>京都>中山

では勝率と連対率、複勝率ベースで見て、競馬場別に比較するとどうなるか。その結果が上の表7だ。見方としては逃げ馬を考えた場合、中山>阪神>京都>東京>新潟という順番で好成績になる。厳密に言うと、勝率は新潟と東京は12.4%で互角だが、連対率と複勝率では東京>新潟のため、表7のような結論とした。順番に先行は中山>京都≧東京>阪神>新潟、差しは阪神>京都>東京>新潟>中山、追い込みは新潟>東京>阪神>京都>中山というようになる(マクリは割愛)。

京都競馬場

ここで面白いのは中山の次に直線距離が短い京都だが、逃げ馬は3番目の成績であること。中山の次にいいのは阪神となっている。しかし、阪神は先行馬があまりよくない。新潟にはさすがに勝つが、東京に負けている。一方、差し馬が最も強いのは阪神。阪神よりも直線距離が長い東京や新潟ではないのだ。追い込み馬は新潟>東京>阪神>京都>中山という順番。つまり直線距離が長い順番だ。直線距離の長さがダイレクトに反映するのは、追い込み馬の成績というわけだ。

また、中山競馬場はわかりやすい。逃げと先行が優勢で、差しと追い込みは劣勢。そして、マイルCSが行われる京都だが、これが難しい。前述したように今回の5場の中では直線距離が短い部類なのだが、逃げ馬は決して強くない。先行馬も東京とほぼ互角かやや上という程度。一方で差しは案外届く。阪神の次にいい。追い込みは直線距離通り、あまり決まりやすいところではない。勝率は連対率ベースでは逃げ〜先行に目が行くが、他場との比較で考えると「京都芝1600m(外)=差し馬」。大雑把ながらこのようなイメージを持っておくといいだろう。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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