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第531回 サマーシリーズ王者の秋の成績は?

2011/9/19(月)

今年のサマースプリントシリーズはエーシンヴァーゴウ、サマー2000シリーズはイタリアンレッドが優勝を果たして幕を閉じた。2006年にサマーシリーズが創設されたので、それぞれ6代目の王者となったわけだ。夏競馬が終わり、いよいよ秋のG1戦線に入る。今年のサマーシリーズを制した彼女らは、夏の勢いを持続して秋以降も好成績を挙げることができるだろうか? 歴代のシリーズチャンピオンを振り返り、占ってみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 サマースプリントシリーズ結果

優勝馬
性齢
獲得P
函館ス
アイビ
北九州
キーン
セント
06年 シーイズトウショウ 牝6
22
2
-
-
2
1
07年 サンアディユ 牝5
23
-
1
7
-
1
08年 カノヤザクラ 牝4
22
-
1
-
-
1
09年 カノヤザクラ 牝5
18
-
1
3
-
4
10年 ワンカラット 牝4
20
1
-
-
1
-
11年 エーシンヴァーゴウ 牝4
26
-
1
3
-
1
※レース名のところの数字は着順

2011年サマースプリントシリーズ王者 エーシンヴァーゴウ

上の表1はこれまでのサマースプリントシリーズの結果。初代王者のシーイズトウショウから今年の王者となったエーシンヴァーゴウまですべて牝馬が占めている。同シリーズでの牝馬の活躍は毎年のように見られており、あらためて「夏に強い牝馬」を印象づけている。各馬のシリーズ内訳を見ていくと、6頭中4頭がセントウルSを制している。同レースはG2なので優勝時のポイントが他のレースよりも多い。そのためセントウルSの勝利がシリーズ制覇の大きなカギを握っているのだ。また、アイビスSDも重要な一戦となっている。こちらもやはり6頭中4頭が勝利を飾っている。今年シリーズを制したエーシンヴァーゴウはまさにその両レースを制しての優勝。函館スプリントSとキーンランドCを制して暫定首位に立っていたカレンチャンを逆転で下した。秋の大目標はおそらくスプリンターズSになるだろう。

■表2 歴代サマースプリントS王者の次走

馬名
次走
備考
06年 シーイズトウショウ スプリンターズS8着(2番人気)  
07年 サンアディユ スプリンターズS2着(1番人気) 京成杯1着
08年 カノヤザクラ スプリンターズS7着(5番人気)  
09年 カノヤザクラ スプリンターズS3着(8番人気)  
10年 ワンカラット スプリンターズS5着(2番人気)  
11年 エーシンヴァーゴウ ???  

そこで歴代のサマースプリントシリーズ王者の次走成績を調べてみた。スプリンターズSは秋最初のG1であるため、同シリーズ王者決定後の次走になることがほとんどだ。結果は上の表2の通り。初代王者のシーイズトウショウはスプリンターズSで2番人気に支持されるも8着に敗退。翌年のサンアディユは1番人気で2着と結果を出した。カノヤザクラは、08年は凡走を喫し、09年は8番人気ながら3着と下馬評を覆す走り。そして昨年はワンカラットが挑み、2番人気で5着に終わった。

こうしてみると王者が特別にいい成績を残しているわけではない。その理由は二つ考えられる。一つはG1になって単純に出走馬のレベルが上がること。当然と言えば当然だ。特に近年はテイクオーバーターゲット、ウルトラファンタジーと外国馬が優勝。夏場を充電にあてていた実力馬だけでなく、手ごわい外国馬も相手にしなければならない。あと一つは、調子の問題。歴代王者の中で、スプリンターズS以降の同年重賞で結果を出したのはサンアディユ(京成杯1着)しかいない。あとはそのまま休養に入ってしまうケースが多い。夏場の激走の反動は想像以上にあるような気がする。

さて、今年のエーシンヴァーゴウは果たしてどうか。アイビスSDとセントウルSを制してのシリーズ制覇はサンアディユと08年カノヤザクラと同じ。この2頭のその後を考えると、スプリンターズSでの好走は五分五分といったところか。カノヤザクラは09年に好走を果たしているだけに、エーシンヴァーゴウもスプリントG1で勝ち負けできる潜在能力がある可能性は高い。しかも、同馬が今年シリーズで獲得した26ポイントは歴代最多。スプリンターズSでの好走に期待する方に懸けてみたいところだ。

■表3 サマー2000シリーズ結果

優勝馬
性齢
獲得P
七夕賞
函館記
小倉記
札幌記
新潟記
06年 スウィフトカレント 牡5
13
-
-
1
-
4
07年 ユメノシルシ 牡5
14
3
-
-
-
1
08年 ミヤビランベリ 牡5
13
1
-
5
-
9
09年 ホッコーパドゥシャ 牡7
19
3
-
2
-
1
10年 ナリタクリスタル 牡4
13
-
-
4
-
1
11年 イタリアンレッド 牝5
20
1
-
1
-
-
※レース名のところの数字は着順

2011年サマー2000シリーズ王者 イタリアンレッド

続いてサマー2000シリーズを見ていこう。上の表3はこれまでの同シリーズ優勝馬と獲得ポイントの内訳だ。ここで一つ結論を出すとすれば、スプリントシリーズと全く趣が異なっているということ。スプリントの方ではポイントが高いG2・セントウルSの勝敗がシリーズの行方に直結していたが、2000シリーズの方では全然関与していない。そもそも歴代優勝馬の中で、札幌記念に出走したケースすらない。セントウルSと札幌記念。同じG2ではあるが、前者はグレード別定に対し、後者は定量戦。札幌記念の方がより出走馬のレベルが高くなりやすく、実力馬に有利な一戦になっている。さらに2000シリーズを構成しているレースのほとんどがハンデ戦であることも見逃せない。先ほどのスプリントシリーズで唯一のハンデ戦である北九州記念の結果は、シリーズの勝敗にほとんど関与していなかった。接戦になるように施されたハンデ戦では、別定戦に比べて紛れが生じやすい。短期間で連勝することが容易ではないことは、表を見れば一目瞭然。複数のレースを勝ってシリーズチャンピオンに輝いたのは、今年のイタリアンレッドが初めてなのだ。

■表4 歴代サマー2000シリーズS王者の次走

馬名
次走
備考
06年 スウィフトカレント オールカマー4着(3番人気) 天皇賞(秋)2着
07年 ユメノシルシ -  
08年 ミヤビランベリ 中山金杯3着(11番人気)  
09年 ホッコーパドゥシャ 天皇賞(秋)16着(17番人気)  
10年 ナリタクリスタル 中山金杯3着(5番人気)  
11年 イタリアンレッド ???  

上の表4は歴代のサマー2000シリーズ王者の次走成績。06年のスウィフトカレントは、新潟記念4着の次走オールカマーでも4着に終わったが、同年の天皇賞(秋)で2着と好走。同シリーズのチャンピオンらしい働きを見せた。ところが翌年以降の優勝馬は非常に苦しんでいる。ユメノシルシはその後一走もせずに引退。ミヤビランベリとナリタクリスタルは、同年秋以降は全休で復帰したのが年明けの金杯。ホッコーパドゥシャは天皇賞(秋)に出走も歯が立たず、他の重賞でも結果を残せなかった。好成績を残せていない要因は、スプリントシリーズで述べたこととほぼ同じと見るが、2000シリーズの方がより深刻だと感じる。繰り返しになるが、2000シリーズ自体がハンデ戦中心で構成されているからだ。これではG1に直結しにくいのも無理はない。

さて、今年のイタリアンレッドはどうか。牝馬として初めて2000シリーズを制覇。前述したように七夕賞と小倉記念の優勝で、獲得ポイントは20。これは歴代最多だ。2000シリーズはポイントの多さと秋の活躍は比例していないので何とも微妙だが、エリザベス女王杯あたりで好走するようならばシリーズの存在意義も高まってくる。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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