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第527回 春G1以来の出走となる馬の秋初戦を分析

2011/9/5(月)

2010/9/26 阪神10R 神戸新聞杯(G2)1着 3番 ローズキングダム

サラブレッドが苦手とする暑い夏をいかに過ごすかは、今も昔も変わらぬテーマ。春のG1戦線を走り抜いたスターホースたちは、夏場を休養に充て秋初戦を休み明けで出走することが多いが、こうした馬の取捨に悩まされることも多いだろう。昨年は、ダービー1、2着馬のエイシンフラッシュとローズキングダムがワンツーを確保したのに対し、ローズSでは春の二冠牝馬アパパネが4着に敗れている。

そこで今回は「前走で同年春のG1に出走していた馬が、休み明けで秋の重賞に出走した場合の成績」について考えてみたい。集計期間は06〜10年の過去5年分で、集計対象レースは、平年開催時の4回中山、4回阪神、4回東京、4回京都の平地重賞(06年は阪神競馬場改修のため3回中京、5回京都、10年は中京競馬場改修のため5回京都が集計対象)。秋競馬4開催のうち前半2開催の重賞、朝日チャレンジカップから天皇賞・秋までと言い換えればわかりやすいだろう。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 成績および牡牝別成績

着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
全成績
23- 21- 12-139/195
11.8%
22.6%
28.7%
92%
82%
14- 16-  8-101/139
10.1%
21.6%
27.3%
66%
88%
9-  5-  4- 38/ 56
16.1%
25.0%
32.1%
156%
74%
※牡馬にはセン馬も含む

まずは全体成績、それに牡牝で分けた成績を見てみよう。過去5年、「前走で同年春のG1に出走していた馬が、休み明けで秋の重賞に出走した場合」の全成績は勝率11.8%、連対率22.6%、複勝率28.7%、単勝回収率92%、複勝回収率82%。好走率は水準以上のもので、単複の回収率もともに控除率の壁はクリアしている。春のG1に出走していたほどの馬となると、さすがに休み明けでもしっかりと走ってくるようだ。

では、牡馬と牝馬ではどうかというと、複勝回収率以外はすべて牝馬のほうが優秀な数字を残している。一般的に牡馬より牝馬のほうが休み明けでも仕上げやすいとされるが、まさにそのとおりと言えるデータだ。この牝馬の成績はローズSなど牝馬限定重賞も含まれてのものだが、牡馬との混合重賞に限った成績でも【2.3.1.7】で勝率15.4%、連対率38.5%、複勝率46.2%とむしろ好走率は上昇するぐらい。やはり、牝馬は休み明けでも仕上げやすいのは間違いないようだ。

■表2 人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気
6-  9-  3- 15/ 33
18.2%
45.5%
54.5%
42%
69%
2番人気
5-  2-  3- 12/ 22
22.7%
31.8%
45.5%
112%
73%
3番人気
4-  3-  0- 16/ 23
17.4%
30.4%
30.4%
113%
64%
4番人気
4-  1-  0- 12/ 17
23.5%
29.4%
29.4%
217%
84%
5番人気
1-  1-  2- 13/ 17
5.9%
11.8%
23.5%
165%
104%
6番人気
2-  1-  1- 16/ 20
10.0%
15.0%
20.0%
135%
81%
7番人気
1-  1-  0- 10/ 12
8.3%
16.7%
16.7%
193%
105%
8番人気
0-  1-  0-  4/  5
0.0%
20.0%
20.0%
0%
102%
9番人気
0-  0-  2-  9/ 11
0.0%
0.0%
18.2%
0%
119%
10番人気
0-  1-  1-  7/  9
0.0%
11.1%
22.2%
0%
97%
11番人気
0-  0-  0-  3/  3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
12番人気
0-  0-  0-  6/  6
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
13番人気
0-  0-  0-  2/  2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
14番人気
0-  1-  0-  6/  7
0.0%
14.3%
14.3%
0%
274%
15番人気
0-  0-  0-  2/  2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
16番人気
0-  0-  0-  4/  4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
17番人気
0-  0-  0-  1/  1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
18番人気
0-  0-  0-  1/  1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

人気別成績にはおもしろい傾向が出ている。単勝回収率ベースで見ると、1番人気が42%と苦戦しているのに対し、2〜7番人気はすべて100%を突破。なかでも4〜7番人気は100%を大きく上回っている。このことから察するに「休み明けでも実力が違うはず」と考えられた1番人気馬は過剰人気になりやすい反面、その期待を裏切るケースが少なくなく、逆に「休み明けのぶん人気を落とした」と馬は狙い目というということ。複勝率や複勝回収率ベースで見ると、10番人気までは好走を期待できるが、11番人気以下にまで落ちるとかなり苦しいようだ。

■表3 クラス別成績

クラス
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
G3
5-  3-  2- 25/ 35
14.3%
22.9%
28.6%
91%
125%
G2
15- 17-  9- 92/133
11.3%
24.1%
30.8%
104%
78%
G1
3-  1-  1- 22/ 27
11.1%
14.8%
18.5%
32%
48%

2010/10/31 東京11R 天皇賞(秋)(G1)1着 2番 ブエナビスタ

表3はクラス別成績だが、ステップレースのG3やG2なら休み明けでも走れるが、さすがにG1では苦しいということが歴然としている。「前走G1から、休み明けでG1に出走」というローテーションの場合、(使いたくても)ステップレースを使えなかったというケースも考えられるだけに、低調な数字になるのは妥当なところ。そうした不利なデータが残っているなかで好走した数少ない5頭は、06年秋華賞1着のカワカミプリンセス、07年秋華賞3着のウオッカ、07年天皇賞・秋1着のメイショウサムソン、09年天皇賞・秋2着のスクリーンヒーロー、10年天皇賞・秋1着のブエナビスタで、この5頭はすべてそれまでにG1勝ちの実績があった。やはし、休み明けでのG1好走は相当な実力、実績がなければ難しいと判断できる

■表4 前走着順別成績

前走着順
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
前走1着 3- 5- 0- 7/15
20.0%
53.3%
53.3%
48%
64%
前走2着 3- 4- 1- 8/16
18.8%
43.8%
50.0%
50%
66%
前走3着 3- 2- 1- 7/13
23.1%
38.5%
46.2%
170%
89%
前走4着 6- 2- 0- 6/14
42.9%
57.1%
57.1%
463%
150%
前走5着 1- 1- 1-12/15
6.7%
13.3%
20.0%
28%
90%
前走6〜9着 5- 3- 5-35/48
10.4%
16.7%
27.1%
97%
86%
前走10着〜 2- 4- 4-62/72
2.8%
8.3%
13.9%
37%
74%

前走着順別成績にも興味深い傾向がある。前走の春G1で1〜4着だった馬の好走率はほとんど変わらないのだが、回収率では前走1、2着馬が低く、前走3、4着馬は非常に高いのだ。この数字から考えられるのは、G1で連対という結果を出した馬は過剰人気を集めやすく、3、4着に負けた馬は人気の盲点になりやすいということ。秋前半の重賞では、春G1で惜敗した実力馬の巻き返しに注意したい。

■表5 前走比・馬体重別成績

前走比
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
〜-20kg
0-  0-  0-  0/  0
         
-19〜-10kg
1-  2-  0-  6/  9
11.1%
33.3%
33.3%
31%
75%
-9〜 -4kg
5-  4-  0- 18/ 27
18.5%
33.3%
33.3%
98%
134%
-3〜 +3kg
6-  5-  4- 45/ 60
10.0%
18.3%
25.0%
108%
57%
+4〜 +9kg
8-  5-  6- 36/ 55
14.5%
23.6%
34.5%
93%
102%
+10〜+19kg
2-  4-  2- 29/ 37
5.4%
16.2%
21.6%
84%
65%
+20kg〜
1-  1-  0-  5/  7
14.3%
28.6%
28.6%
42%
40%
540kg〜
0-  0-  0-  3/  3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

休み明けで気になるのが馬体重の増減。表5を見ると、やはりプラス体重での出走が多くなっているが、10キロ以上のプラス体重の場合は特に勝率のダウンが著しい。一般的なイメージのとおり、太め残りで息が持たずにあとひと息勝ちきれないケースが多いようだ。また、3歳馬の場合は馬体重増=成長分というケースも想定できるが、「プラス10キロ以上の3歳馬」というくくりで集計しても【2.3.1.27】と、実際には凡走が目立っている。一方、年齢を問わずマイナス馬体重の好走率は高く、休み明けでもキッチリと仕上がっていると判断することができるだろう。

■表6 馬体重別成績

馬体重
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
〜399kg
0-  0-  0-  1/  1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
400〜419kg
2-  0-  0-  1/  3
66.7%
66.7%
66.7%
913%
243%
420〜439kg
1-  2-  1-  1/  5
20.0%
60.0%
80.0%
136%
162%
440〜459kg
5-  2-  1- 17/ 25
20.0%
28.0%
32.0%
161%
92%
460〜479kg
9-  5-  1- 39/ 54
16.7%
25.9%
27.8%
135%
97%
480〜499kg
2-  7-  3- 51/ 63
3.2%
14.3%
19.0%
8%
43%
500〜519kg
2-  4-  4- 16/ 26
7.7%
23.1%
38.5%
18%
110%
520〜539kg
2-  1-  2- 10/ 15
13.3%
20.0%
33.3%
148%
92%
540kg〜
0-  0-  0-  3/  3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

一般的に「小型馬=仕上げやすい」「大型馬=仕上がりに時間がかかる」とされるが、今回のデータでもその傾向が如実に出ている。440キロ未満の馬は好走率が極めて高く、440〜480キロ未満の範囲でも優秀な回収率を記録している。一方、480キロ以上のデータを合算すると【6.12.9.80】で勝率5.6%、連対率16.8%、複勝率25.2%、単勝回収率30%、複勝回収率65%と振るわない。

■表7 距離別成績

距離
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1000m〜1300m
0-  1-  1- 17/ 19
0.0%
5.3%
10.5%
0%
51%
1400m〜1600m
2-  3-  2- 19/ 26
7.7%
19.2%
26.9%
69%
149%
1700m〜2000m
16-  8-  6- 62/ 92
17.4%
26.1%
32.6%
155%
85%
2100m〜2400m
5-  9-  3- 40/ 57
8.8%
24.6%
29.8%
33%
59%
2500m〜
0-  0-  0-  1/  1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

最後に距離別の成績だが、すぐに気づくのが1000〜1300mの短距離戦で苦戦している点だろう。今回の集計対象レースでここに該当するのはG1のスプリンターズSとG2のセントウルSだが、内訳としては前者が【0.0.0.8】、後者が【0.1.1.9】となっている。G1で苦しいのは表3で確認したとおりだが、G2でも1200m戦のセントウルSでも苦戦傾向があり、オレハマッテルゼ、ファイングレイン、スズカフェニックス、ローレルゲレイロといったG1ホースたちも4着以下に敗れている。こうした実力馬たちでも、休み明けでの出走でレース勘が鈍った状態だと、ハイペース必至のスプリント重賞に対応するのは容易ではないのだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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