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第521回 ハンデ戦の常識は間違いだった!?

2011/8/15(月)

ハンデ戦ではしばしば「斤量減だから買い」といわれる。いつもは少し足りない馬が、斤量減の恩恵を受けて好勝負する。これが一般的なハンデ戦のイメージではないだろうか。逆にいえば、「斤量増」は嫌われる傾向にある。前走で勝利していても、斤量増では厳しいのでは…と思われがちだ。しかし、ハンデ戦のデータを調べて見ると、そのイメージとは大きく異なる傾向が見えてきた。今回はそれらのデータをご紹介したい。集計したのは06年から11年8月7日(日)までの平地戦。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ハンデ戦の斤量別成績

斤量
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
斤量増 201-  191-  141- 1063/ 1596
12.6%
24.6%
33.4%
95%
87%
増減無し 372-  318-  340- 3742/ 4772
7.8%
14.5%
21.6%
70%
73%
斤量減 581-  644-  673- 8792/10690
5.4%
11.5%
17.8%
85%
83%

基本的な話から始めたい。たとえば、Aという馬が前走レースを勝って、今回が1キロ増だったとする。そしてBという馬は同様の前走レースを2着で、今回は1キロ減。2頭の差は縮まるのが自然で、「斤量減」のほうに注目がいきやすい。

ところが、表1のハンデ戦の斤量別成績を見ると、斤量増こそが買いなのである。斤量減は勝率5.4%、連対率11.5%、複勝率17.8%に対し、斤量増は同12.6%、同24.6%、同33.4%。いずれの数値も約2倍近い差が出ており、斤量増のほうが明らかにいい。回収率の面でも、斤量増は単回収率95%、複回収率87%と優秀なのだ。

■表2 「ハンデ戦→ハンデ戦」の斤量別成績(前走同クラス編)

斤量
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
斤量増 51-  73-  41- 336/ 501
10.2%
24.8%
32.9%
103%
105%
増減無し 163- 158- 193-2528/3042
5.4%
10.6%
16.9%
67%
74%
斤量減 15-  16-  25- 666/ 722
2.1%
4.3%
7.8%
101%
90%

2011/7/24 函館11R 函館記念(G3)1着 4番 キングトップガン

「ハンデ戦は斤量増のほうが強い」。今夏、この事実を物語るレースが2つあった。サマー2000シリーズの函館記念と小倉記念である。函館記念では前走目黒記念を51キロで制したキングトップガンが、前走から3キロ増をモノともせず優勝。小倉記念では前走七夕賞を52キロで制したイタリアンレッドが、こちらも前走から3キロ増で重賞連勝を成し遂げた。この2頭は前走で重賞を勝利していながら、当日はともに4番人気。評価を上げなかったのは、間違いなく前走からの斤量増が嫌われたからだろう。

ここで表2を見てほしい。前走もハンデ戦に使われているハンデ戦出走馬の斤量別成績である。ただし、前走クラスによって斤量の増減に大きな変化があるので、表2では対象を前走同クラスの馬に絞った。回収率は斤量増、斤量減ともに高いが、好走率の差は歴然。斤量増は勝率10.2%、連対率24.8%、複勝率32.9%に対し、斤量減は同2.1%、同4.3%、同7.8%。斤量増のほうが明らかに優秀な成績を残している

■表3 「ハンデ戦→ハンデ戦」の斤量別成績(昇級馬編)

斤量
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
斤量増 1-  1-  1- 11/ 14
7.1%
14.3%
21.4%
35%
37%
増減無し 8- 10-  8- 54/ 80
10.0%
22.5%
32.5%
109%
122%
斤量減 33- 29- 22-293/377
8.8%
16.4%
22.3%
108%
91%

表2の対象は前走同クラスだったが、上の表3の対象は昇級馬。つまり「前走1000万クラスのハンデ戦→今回1600万クラスのハンデ戦」のようなタイプだ。前走が下級クラスのハンデ戦の場合、今回で斤量増になるケースは稀。06年以降のデータでわずか14頭しかいない。好走馬はわずか3頭。うち2頭は1番人気で、昇級馬の斤量増は敬遠したほうがいい

出走馬の大半は斤量減。好走率はまずまずで、単回収率108%、複回収率91%と悪くない数字だ。ただし、最も好成績なのは増減なしのタイプ。好走率は勝率10.0%、連対率22.5%、複勝率32.5%で、単・複回収率は100.0%以上。昇級馬にも関わらず、前走からハンデが据え置きなのは能力が評価されている証し。そういうタイプは要注意だ。

■表4 「ハンデ戦→ハンデ戦」の斤量別成績(降級馬編)

斤量
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
斤量増 23- 21- 22-200/266
8.6%
16.5%
24.8%
108%
85%
増減無し 2-  1-  0-  9/ 12
16.7%
25.0%
25.0%
143%
61%
斤量減 0-  0-  0-  2/  2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

表4は「ハンデ戦→ハンデ戦」の斤量別成績で、降級馬を対象にした。出走馬のほとんどは斤量増のタイプ。前走からクラスを降級しても、ハンデが据え置きや減るケースはほとんどない。斤量増は勝率8.6%、連対率16.5%、複勝率24.8%で、単回収率108%、複回収率85%。悪くはない数字だが、「前走同クラスの斤量増」「昇級馬の増減なし」と比べるといまひとつである。

■表5 前走ハンデ戦勝ち馬のハンデ戦成績

前走着順
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
同級1着 14- 11-  6- 64/ 95
14.7%
26.3%
32.6%
95%
94%
下級1着 34- 33- 27-258/352
9.7%
19.0%
26.7%
98%
96%

2011/7/31 小倉11R 小倉記念(G3)1着 17番 イタリアンレッド

今年の函館記念を制したキングトップガン、小倉記念を制したイタリアンレッド。この2頭に共通するのは前走でハンデ戦を勝利していたこと。そこで最後に前走ハンデ戦勝ち馬のハンデ戦成績を調べてみた(表5参照)。ただし、前走ハンデ戦勝ち馬といっても、前走クラスを無視することはできないので、同級1着、下級1着で比較。どちらも単・複回収率は90.0%以上をマークしており、積極的に狙いたい数字だ。特に優秀なのは同級1着。勝率14.7%、連対率26.3%、複勝率32.6%と好走率が高い。今年のサマー2000シリーズの前にこれらのデータを紹介したかったが、今後もハンデ戦における前走同級のハンデ戦勝ち馬には注目してみたい。

ライタープロフィール

フランキー森山(ふらんきー もりやま)

1984年1月、神奈川県生まれ。重賞レースにおいては、毎年同じようなステップで出走してくる馬が多いことから、データ競馬の有効性に着目。データde出〜たでは主に過去の好走馬の実績を重視し、予想を展開している。馬券を買うのはもちろん、競馬場へ行くことも好きなタイプ。好きなレースは平安S。05年に中央競馬の全場踏破達成。その後は、地方、海外の競馬場へもたびたび訪れている。

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