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第515回 2011年・新種牡馬のスタートは?

2011/7/25(月)

今週は小倉競馬が開幕。変則開催となった関西でも、いよいよ夏競馬本番という雰囲気になってきた。そして、2歳新馬戦はスタートから約ひと月が経過。注目される新種牡馬の産駒も何頭かが勝ち上がっているが、今回はその新種牡馬にスポットを当ててみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用。集計期間は6月18日から7月17日までとしている。

■表1 11年2歳戦種牡馬の勝ち鞍ベスト10(〜7/17)

種牡馬
出走頭数
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
ジャングルポケット
7
3- 0- 1- 4/ 8
37.5%
37.5%
50.0%
210%
83%
ファスリエフ
8
2- 2- 1- 5/10
20.0%
40.0%
50.0%
108%
102%
デュランダル
10
2- 2- 0-10/14
14.3%
28.6%
28.6%
136%
65%
クロフネ
8
2- 1- 2- 5/10
20.0%
30.0%
50.0%
147%
106%
アドマイヤムーン
8
2- 0- 2- 5/ 9
22.2%
22.2%
44.4%
138%
94%
マイネルラヴ
4
2- 0- 1- 2/ 5
40.0%
40.0%
60.0%
456%
142%
ケイムホーム
13
2- 0- 0-15/17
11.8%
11.8%
11.8%
125%
28%
ダイワメジャー
21
1- 6- 1-16/24
4.2%
29.2%
33.3%
20%
71%
アドマイヤマックス
6
1- 2- 2- 3/ 8
12.5%
37.5%
62.5%
65%
203%
ゼンノエルシド
4
1- 2- 1- 4/ 8
12.5%
37.5%
50.0%
91%
103%

ここまでの2歳戦における勝ち鞍順位を見ると、トップはジャングルポケットの3勝。そして、新種牡馬は4頭がベスト10にランクインしている(背景黄色)。まだ出走数が少ないためはっきりした傾向が出ていない可能性もあるが、そんな中からでも今後へ向けた手がかりを探ってみたい。

■表2 ファスリエフ産駒の好走馬

場所
コース
レース
馬名
110619 函館 1200 新馬 パチャママ
5
2
110625 阪神 1200 新馬 ローレルボルケーノ
4
1
110702 函館 1200 未勝利 パチャママ
1
1
110703 中山 1200 新馬 タニセンジャッキー
2
3
110716 新潟 1200 新馬 トキノワイルド
4
2

2011/6/25 阪神5R サラ2歳新馬 1着 8番 ローレルボルケーノ 父ファスリエフ

まずは2勝、2着2回、3着1回の成績を残すファスリエフから。表にあるように、好走馬は芝、ダートとも1200m戦に集中している。特にダートは【1.1.0.0.2.1】(1〜5着、着外)、着外はわずか1回と安定しているのが特徴だ。
ファスリエフは日本で繋養される以前、アイルランドで繋養されており、中央競馬でも外国産馬・持ち込み馬12頭がデビュー、7頭が計16を挙げている。内訳は芝が【6.8.6.45】連対率21.5%、ダートが【10.10.6.44】同28.6%。また、距離別では1400m以下11勝、1500m以上5勝となっている。種牡馬の中には配合牝馬との関係によるものか、日本に輸入されると海外繋養時とはやや違う傾向を見せるものもあるが、このファスリエフは芝よりもダート、そして短距離型という点で、日本輸入後の産駒も今のところ同じような傾向が出ているようだ。1800mで勝ったミゼリコルデやアドマイヤゴルゴも、後々は短距離に活躍の場を移していることも覚えておきたい。

■表3 アドマイヤムーン産駒の好走馬

場所
コース
レース
馬名
110625 中山 1200 新馬 レオアクティブ
4
3
110703 函館 1200 新馬 エクソプラネット
5
1
110703 中山 1200 未勝利 レオアクティブ
2
1
110717 新潟 1600 新馬 ムーンベックカフェ
2
3

2勝、3着2回で続くのはアドマイヤムーン。現役時は07年春にドバイデューティーフリー、そして同年6月に宝塚記念、さらに秋にはジャパンCを制している。その産駒は今のところすべて芝での出走で、勝ち鞍はともに1200戦。集計期間外だが、本稿執筆中の7月23日函館5レースの芝1200m新馬戦でもファインチョイスが優勝した。一方で、1600m戦は表にある1走のみで3着1回、そして1800m戦は7、5、8着(8、4、3番人気)に終わっている。まだマイル以上のレースが少ないことや、出走馬自体が少ない影響もあろうが、現状では短距離戦の好走馬が多い
前述のように自身はマイル以上で活躍したが、父はエンドスウィープ(その父フォーティナイナー)。父系の印象からすれば短距離馬が多く出るのも自然で、また、今後はダート巧者が出現しても不思議はない。もちろん、中距離戦が増えてくれば自身と同じようなタイプが出る可能性もゼロではなく、今後の推移は注視すべきだろう。ただ、明らかな中距離型が出るまで、馬券作戦としては短距離型とみておくのが良いかもしれない。

■表4 ケイムホーム産駒の好走馬

場所
コース
レース
馬名
110702 函館 1200 新馬・牝 クールユリア
1
1
110703 京都 1800 新馬 シンゼンレンジャー
7
1

そしてもう1頭、2勝を挙げているのはケイムホーム。しかし、3着以内に入ったのは勝利を挙げたこの2走のみ、距離も1200mと1800mとバラバラ。4〜5着は各2回あるが、これも1200m2回、1600m2回と、はっきりした傾向は出ていない。ただ、出走17回中14回は芝で、ダートは8、11、8着。組まれているダート戦が少ないこともあるが、芝向きと判断されている馬が多いのではないか、との想像はできる。
このケイムホームもファスリエフ同様、以前は海外(アメリカ)で繋養されており、中央競馬では4頭がデビューして3頭が計8勝。ケイアイライジンが芝でプリンシパルSを勝ち、京成杯AHで4着、福島民報杯では2着。芝のマイル以上で結果を出している。また、アグネスカルミアが地方の交流戦も含めダート短距離で4勝。もう1頭はダート1000m勝ちのエーシンフラクタル。頭数が少ないこともあって、2歳馬同様に掴みづらい。ただ、ケイムホームの父・ゴーンウエストも芝・ダートを問わず、距離も中距離までは幅広く活躍馬を出した種牡馬。馬券を買うには困ったものだが、このケイムホームも父同様に「さまざまなタイプを出す種牡馬」として捕らえておくのが良さそうだ。

■表5 ダイワメジャー産駒の好走馬

場所
コース
レース
馬名
110619 阪神 1600
新馬
ダローネガ
2
1
110619 阪神 1600
新馬
エピセアローム
3
2
110625 中山 1200
新馬
ビウイッチアス
5
2
110703 函館 1200
新馬
デイジーバローズ
4
2
110703 中山 1200
新馬
カディーシャ
6
2
110709 中山 1600
新馬
メジャーアスリート
3
2
110710 京都 1400
新馬
オークブラフ
2
3
110716 函館 1200
未勝利・牝
デイジーバローズ
3
2

2011/6/19 阪神5R サラ2歳新馬 1着 11番 ダローネガ 父ダイワメジャー

そして最後に、現役時には皐月賞にマイルCS連覇、さらに秋の天皇賞と安田記念も制したダイワメジャー。その産駒は新馬戦開幕週の6月19日、阪神5レース(芝1600m)でダローネガとエピセアロームがワン・ツーを決めるという好スタートを切った。ただ、今回の集計期間になる先々週まで、勝ち鞍はその1勝のみ。表1で記したように【1.6.1.16】と好走馬は非常に多いものの、その好走の大半を2着が占めている。集計期間外の本稿執筆中にはエピセアローム(京都芝1600m)が2勝目を記録。しかしラパージュ(新潟芝1600m)、ブレイズアトレイル(新潟芝1800m)の2頭が2着。新馬1走しかしていない馬が中心のため、まだ「叩き良化型」が多いのか、それとも「安定している反面、勝ち味に遅い」タイプが多いのか判断はできないが、馬券作戦としてはこの「2着が多い」という傾向を押さえておきたい。
距離は、前述のブレイズアトレイルが芝1800mで好走しており、産駒も自身同様にマイルから中距離あたりは問題なくこなせそうだ。また、執筆期間中も含め3着以内11回中8回を牝馬が記録。出走数自体が牝馬のほうが多いこともあるが、今後も、もしかしたら牝馬が強いという傾向が出てくる可能性はありそうだ。

以上、今年の新種牡馬4頭の1ヶ月を簡単に振り返ってみた。データが少ない上、秋になれば中距離戦、ダート戦も増えてくるため今の傾向だけで判断するのは危険だが、この夏競馬の期間中は参考になりそうなデータもあり、馬券作戦の一助としていただければ幸いである。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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