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第475回 芝1400m戦は距離短縮、距離延長のどちらが有利?

2011/3/7(月)

2011/2/27 阪神11R 阪急杯(G3)1着 15番 サンカルロ

短距離レースの番組が細分化されたことによって1200mが得意な馬、1600mが得意な馬は明確に分かれるようになってきたが、その中間の距離である1400mでも「1400m巧者」と呼ばれる馬がいる。阪急杯を勝ったサンカルロも、昨年の阪急杯で3着、一昨年の阪神Cでも2着(同着)と1400mで安定した成績を収めている「1400m巧者」の1頭だ。そこで今回は、芝1400mについて距離短縮、距離延長を中心に考えてみることにしたい。集計対象は、08年3月15日から11年3月6日まで3年分の芝1400m戦。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 芝1400m・前走距離別成績

前走距離
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
同距離 150- 135- 150-1532/1967
7.6%
14.5%
22.1%
72%
82%
今回延長 118- 123- 106-1964/2311
5.1%
10.4%
15.0%
95%
73%
今回短縮 156- 167- 165-1740/2228
7.0%
14.5%
21.9%
86%
90%
1200m 116- 118- 101-1833/2168
5.4%
10.8%
15.5%
99%
72%
1600m 114- 123- 119-1117/1473
7.7%
16.1%
24.2%
93%
88%

中央競馬で芝1400mのコース設定があるのは、東京、京都、阪神、新潟の4競馬場。そのうち、京都では内回りと外回りの設定があるので、合計5コースが使われている。また、芝1400mで行なわれるG1レースはない反面、阪急杯、フィリーズレビュー、阪神牝馬S、京王杯スプリングC、スワンS、ファンタジーS、京王杯2歳SとG1直前のトライアル重賞が設定されることが多い。「1400m巧者」が生まれるのは、こうした背景があることも影響していそうだ。

表1は、芝1400m戦における前走距離別の成績(前走が芝かダートかは問わず)。純粋に距離だけを「同距離=前走も1400mを使っていた馬」「今回延長=前走で1300m以下を使っていた馬」「今回短縮=前走で1500m以上を使っていた馬」の3パターンを比較すると、もっとも勝率が高いのが「同距離」の馬。しかし、「同距離」は勝率こそ高いものの、単勝回収率は3パターンのなかでもっとも低い。その点、「今回短縮」の馬は、連対率、複勝率は「同距離」とほぼ同等で、勝率でもほとんど差がなく、そのうえ単勝回収率は「同距離」に比べて10%以上も優秀となっている。もし、芝1400m戦の予想をするときに最後の2頭で迷って、その2頭が「同距離」と「今回短縮」なら、後者を狙ってみたほうが配当的に有利となることが多いはずだ。さらに、「今回短縮」でも前走が1600m戦の馬に限れば、勝率、連対率、複勝率、そして単複の回収率のすべての数字で「同距離」を上回っている。1400m戦で手堅く稼ぎたいのなら距離短縮の馬を狙っていきたい。

「今回延長」は、「同距離」「今回短縮」に比べると好走率的には不利。特に複勝率の下げ幅は著しいものがある。しかし、単勝回収率に限っては95%と「同距離」や「今回短縮」以上の数字を残しているのが見逃せないところ。つまり、それだけ穴をあけているということだ。たとえば、本来は芝1400mを得意とする馬が番組などの関係で1200m戦に出走して大敗し、また芝1400mに戻ってきて人気を落としているような場合は格好の狙い目となりそうだ。

■表2 芝1400m「今回延長」競馬場別成績

競馬場
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
新潟
23-  26-  23- 357/ 429
5.4%
11.4%
16.8%
119%
69%
東京
33-  31-  26- 684/ 774
4.3%
8.3%
11.6%
76%
49%
京都・内
8-  15-  11- 190/ 224
3.6%
10.3%
15.2%
72%
64%
京都・外
16-  17-  17- 211/ 261
6.1%
12.6%
19.2%
89%
95%
阪神
38-  34-  29- 522/ 623
6.1%
11.6%
16.2%
113%
98%

「今回延長」と「今回短縮」のケースをもうすこし細かく見ていこう。まずは「今回延長」。距離延長で芝1400m戦に臨む場合、どの競馬場が狙い目かということを探っていきたい。やはりと言うべきか、東京芝1400mに距離延長で出走するケースはあまり好結果を生まない。普段1200mを舞台に戦っているような馬は、東京競馬場で最後に待ち構える長い直線が厳しい関門となって待ち構えているようだ。逆に、新潟や阪神では単勝回収率が100%を超えており、馬券的には妙味がある。最後の直線がともに約360mとさほど長くないこともあり、ペースが緩んだときなどにスプリンターが穴をあけるケースに注意したい。ただし、内回りと外回りの設定がある京都では、直線の長い外回りのほうが「今回延長」の好走率が高い点に注意したい。これはおそらく、京都芝1400mの内回りレースが、2、3歳限定戦の条件クラスでしか使われないことと関係しているのだろう。つまり、若い時期の馬にとっては距離延長が思った以上に過酷な条件になるということ。1400m戦自体が初出走という馬も少なくないだけに、結果が出ないのも仕方がないところだ。一方、同じ京都でも外回りの芝1400mは古馬混合戦か古馬戦だけが行なわれる。出走馬はそれなりの経験を積んだ馬ばかりで、最後の直線の距離は長くなるものの平坦ということもあって「今回延長」でも比較的こなしてしまうのだろう。

■表3 芝1400m「今回短縮」競馬場別成績

競馬場
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
新潟 20-  20-  23- 287/ 350
5.7%
11.4%
18.0%
81%
65%
東京 67-  61-  66- 658/ 852
7.9%
15.0%
22.8%
85%
92%
京都・内 14-  17-  12- 158/ 201
7.0%
15.4%
21.4%
60%
78%
京都・外 18-  19-  18- 213/ 268
6.7%
13.8%
20.5%
128%
117%
阪神 37-  50-  46- 424/ 557
6.6%
15.6%
23.9%
82%
96%

次に、「今回短縮」の競馬場別成績。距離短縮で芝1400mに臨む場合、どの競馬場だと狙い目かということを調べてみよう。この場合、勝率と複勝率がもっとも高いのは東京芝1400mとなった。要するに、これは前項で述べたことの逆の理屈。つまり、最後の長い直線を乗り越えるスタミナ面で不安がない馬が多いので、安定した成績になっているというわけだ。その反対と言えるのが新潟で、5コースのなかで勝率がもっとも勝率が低く、複勝率も唯一20%を切っている。直線が短いうえに平坦というコース形態なので、距離短縮馬のスタミナ面での優位性があまり活きないのだろう。距離短縮で馬券的におもしろいのが京都外回りの芝1400m。好走率では目立ったところがないが、単複ともに回収率が非常に優秀だ。

■表4 芝1400m・種牡馬別成績

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
マンハッタンカフェ
16- 11- 10-101/138
11.6%
19.6%
26.8%
53%
101%
タイキシャトル
21- 17- 15-145/198
10.6%
19.2%
26.8%
208%
110%
ホワイトマズル
9-  5-  6- 72/ 92
9.8%
15.2%
21.7%
48%
105%
アグネスタキオン
19- 16- 16-144/195
9.7%
17.9%
26.2%
82%
82%
アドマイヤベガ
7- 10-  4- 52/ 73
9.6%
23.3%
28.8%
130%
98%
ステイゴールド
9-  0-  9- 80/ 98
9.2%
9.2%
18.4%
131%
107%
クロフネ
15- 13- 10-127/165
9.1%
17.0%
23.0%
74%
112%
デュランダル
7-  6-  5- 62/ 80
8.8%
16.3%
22.5%
120%
56%
キングカメハメハ
19- 23- 20-157/219
8.7%
19.2%
28.3%
62%
124%
サクラバクシンオー
32- 24- 21-297/374
8.6%
15.0%
20.6%
65%
55%
フジキセキ
23- 21- 25-201/270
8.5%
16.3%
25.6%
178%
109%
ファルブラヴ
8-  4-  5- 77/ 94
8.5%
12.8%
18.1%
52%
55%
フレンチデピュティ
8-  7-  6- 80/101
7.9%
14.9%
20.8%
64%
55%
コロナドズクエスト
5-  4-  4- 51/ 64
7.8%
14.1%
20.3%
37%
39%
タニノギムレット
11- 13- 13-115/152
7.2%
15.8%
24.3%
72%
69%
グラスワンダー
10-  3- 10-120/143
7.0%
9.1%
16.1%
108%
83%
ダンスインザダーク
16- 24- 20-172/232
6.9%
17.2%
25.9%
49%
124%
ゼンノロブロイ
4-  7-  7- 41/ 59
6.8%
18.6%
30.5%
27%
79%
シンボリクリスエス
10- 14- 10-114/148
6.8%
16.2%
23.0%
30%
67%
アグネスデジタル
8- 13- 14- 98/133
6.0%
15.8%
26.3%
53%
85%
※50走以上

最後に、芝1400mにおける種牡馬別成績を見ていこう。表4は、集計対象レースのうち産駒が50走以上した馬を、勝率順に20位まで並べたもの。ここでは、単勝回収率100%以上の6種牡馬について狙いどころをシンプルにまとめていこう。唯一、200%台の単勝回収率をマークしたタイキシャトルだが、東京コースに限っては単勝回収率42%と冴えない。京都、阪神、新潟の芝1400m戦なら積極的に狙っていこう。アドマイヤベガは全7勝のうち、1600万下〜G2までの上位クラスで6勝を挙げ、単勝回収率257%、複勝回収率144%と抜群。上級クラスこそが買いどきだ。ステイゴールドは全9勝のうち半数以上の5勝を阪神でマークして単勝回収率495%と驚異的。一方、東京では37戦して3着3回、残るはすべて着外と両極端な成績となっている。デュランダルも東京のみ【0.1.0.26】と落ち込むので、京都、阪神、新潟で狙っていきたい。フジキセキは各競馬場でまんべんなく高い好走率を残しており、際立った得意不得意はない。より手堅いのは全23勝の半数近くの11勝をマークした阪神だ。グラスワンダーは右回りの京都・阪神で勝率13.3%、単勝回収率240%、左回りの東京・新潟で勝率2.4%、単勝回収率13%と回りの得手不得手がクッキリしているので、芝1400mで非常に狙いを絞りやすい種牡馬だ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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