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第463回 外国人騎手を分析する

2011/1/24(月)

近年、外国人騎手の活躍が目覚ましい。特に昨秋は、スミヨン騎手とデムーロ騎手が大活躍。スミヨン騎手はブエナビスタで天皇賞(秋)を制したほか、東京スポーツ杯2歳S、阪神Cを勝利。デムーロ騎手は、グランプリボスで朝日杯FS、ヴィクトワールピサで有馬記念を制したほか、京王杯2歳S、中日新聞杯を勝利した。

二人の外国人騎手が優れた技術を持っているのは間違いないが、積極的に外国人騎手を起用する流れも彼らが活躍する追い風となっている。それを象徴するのが昨年のジャパンC。出走馬18頭のうち日本人騎手はわずか6名で、外国人騎手が12名。勝ち馬ローズキングダムは武豊騎手が騎乗していたものの、2〜4着までは外国人騎手だった。

今年に入ってからはイタリアで2年連続してリーディングを獲得しているリスポリ騎手が来日するなど、もはや馬券を検討する上で外国人騎手の取捨は重要なテーマになっている。そこで今回は、近年、来日経験がある外国人騎手の特徴を詳しく分析。馬券に役立つ外国人騎手のデータをご紹介したい。データの集計期間は08年から11年1月16日までの約3年間。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 日本人騎手と外国人騎手の成績(08年以降)

騎手
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
日本人
10245- 10288- 10322- 119484/ 150339
6.8%
13.7%
20.5%
70%
76%
外国人
268-   222-   185-  1569/  2244
11.9%
21.8%
30.1%
110%
86%

始めに表1では日本人騎手と外国人騎手の成績(08年以降)をまとめてみた。一目でわかるのは、日本人騎手より外国人騎手の成績が優秀なこと。外国人騎手の勝率、連対率、複勝率は日本人騎手より1.5倍ほど高い数字をマークしている。しかし、短期免許で来日する外国人騎手は、ほとんどがトップジョッキーのため、乗り馬に恵まれるケースが多い。一方、日本人騎手の中にはリーディング上位争いの騎手もいれば、年間ほとんど勝てない騎手も含まれている。そのため、外国人騎手の成績の方が優秀になるのは当然といえるかもしれない。ただし、それらを考慮しても、外国人騎手の単・複回収率はかなり高い数字をマークしている。特に単回収率は110%に達しており、単純に外国人騎手の単勝を買い続けるだけでプラスになるから驚きだ。

■表2 外国人騎手の成績(08年以降)

順位
騎手
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1
デムーロ 69- 54- 48-318/489
14.1%
25.2%
35.0%
86%
91%
2
ルメール 61- 57- 49-346/513
11.9%
23.0%
32.6%
76%
76%
3
ホワイト 29- 14- 25-111/179
16.2%
24.0%
38.0%
90%
85%
4
スミヨン 28- 23-  6- 77/134
20.9%
38.1%
42.5%
88%
75%
5
ウィリアムズ 18- 20- 16-164/218
8.3%
17.4%
24.8%
76%
87%
6
ペリエ 18- 13- 13-107/151
11.9%
20.5%
29.1%
86%
89%
7
クラストゥス 15- 16-  9-170/210
7.1%
14.8%
19.0%
214%
102%
8
ムーア 7-  2-  2- 29/ 40
17.5%
22.5%
27.5%
233%
99%
9
リスポリ 5-  4-  4- 22/ 35
14.3%
25.7%
37.1%
111%
87%
10
ベリー 4-  8-  2- 39/ 53
7.5%
22.6%
26.4%
90%
69%

2010/12/26 中山10R 有馬記念(G1)1着 1番 ヴィクトワールピサ

続いて表2が外国人騎手の成績(08年以降)で、勝利数順にベスト10まで並べてある。1位は日本でもお馴染みのデムーロ騎手。03年にはネオユニヴァースに騎乗して、皐月賞と日本ダービーを制覇。昨年はグランプリボスで朝日杯FSを制し、有馬記念ではヴィクトワールピサに騎乗して、圧倒的な1番人気ブエナビスタを破って勝利した。乗り馬に恵まれている面があるとはいえ、勝率、連対率、複勝率はとても優秀な成績を残している。また単・複回収率もかなり高い数字で、デムーロ騎手が騎乗しているだけで積極的に買ってもいいくらいだ。

2位はデムーロ騎手と同年代のルメール騎手。05年有馬記念ではハーツクライに騎乗して無敗のディープインパクトを破る大金星を上げたほか、09年にはウオッカに騎乗してジャパンCを優勝した。単・複回収率の面では目立った成績を上げていないが、勝率、連対率、複勝率はデムーロ騎手とほとんど変わらない優秀な成績を残している

夏に来日することが多いホワイト騎手はG1での優勝経験こそないものの、04年函館2歳Sをアンブロワーズに騎乗して優勝。昨年はマイネルスターリーに騎乗して函館記念を制覇。JRAの重賞2勝目を挙げた。やや地味な印象はあるが、複勝率38.0%はデムーロ、ルメール騎手を凌ぐ数字単・複回収率も優秀で、馬券的には注目度の高い騎手といえるだろう。

スミヨン騎手は09年スワンSでキンシャサノキセキに騎乗してJRAの重賞を初制覇。昨年はご存知の通り、ブエナビスタとのコンビで天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念に出走。優勝したのは天皇賞(秋)だけだったが、スミヨン・ブエナビスタのコンビが昨秋の古馬戦線の中心にいたのは間違いないだろう。好走率は勝率20.9%、連対率38.1%、複勝率42.5%をマーク。いずれの数字もベスト10にランクインした騎手の中で最も優秀な数字を残している。さすがにスミヨン騎手が騎乗するだけで、人気になる傾向はあるが、単・複回収率はまずまずの成績だ。

昨年の天皇賞(春)でジャガーメイルに騎乗してJRAのG1初制覇を成し遂げたのはウィリアムズ騎手。好走率は勝率8.3%、連対率17.4%、複勝率24.8%といまひとつだが、騎乗馬にそれほど恵まれていない面はある。それでも昨年の有馬記念では14番人気のトゥザグローリーに騎乗して3着に入り、波乱の立て役者となった。好走率が低いとはいえ、単・複回収率はほかの外国人騎手とそれほど差はない

以下、ペリエ騎手、クラストゥス騎手、ムーア騎手、リスポリ騎手、ベリー騎手がベスト10にランクイン。その中でもクラストゥス騎手、リスポリ騎手、ベリー騎手は現在、短期免許で来日中。クラストゥス騎手は、フェアリーSでダンスファンタジアに騎乗してJRAの重賞初制覇。6日後には、初来日となるリスポリ騎手がルーラーシップに騎乗して日経新春杯を制覇した。ベリー騎手はまだ重賞勝ちこそないものの、昨年の朝日杯FSではリアルインパクトに騎乗して2着に好走。いずれの騎手もコンスタントに活躍している。

以上のことからもわかるように、好走率は騎手によってバラつきがあるものの、単・複回収率はほとんどの騎手が75%〜100%の間に収まっている。つまり外国人騎手ならどの騎手も馬券的に妙味があるといえるだろう。以下ではベスト10にランクインした騎手の得意な条件を見ていきたい。

■表3 外国人騎手の芝・ダート別成績(08年以降)

騎手
芝/ダート
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
デムーロ
33-28-20-165/246
13.4%
24.8%
32.9%
90%
89%
ダート
36-26-28-153/243
14.8%
25.5%
37.0%
83%
93%
ルメール
32-35-20-185/272
11.8%
24.6%
32.0%
76%
72%
ダート
29-22-29-161/241
12.0%
21.2%
33.2%
76%
81%
ホワイト
18-7-15-64/104
17.3%
24.0%
38.5%
114%
81%
ダート
11-7-10-47/75
14.7%
24.0%
37.3%
58%
90%
スミヨン
18-13-3-41/75
24.0%
41.3%
45.3%
104%
80%
ダート
10-10-3-36/59
16.9%
33.9%
39.0%
69%
70%
ウィリアムズ
11-12-10-91/124
8.9%
18.5%
26.6%
100%
113%
ダート
7-8-6-73/94
7.4%
16.0%
22.3%
44%
53%
クラストゥス
12-7-5-72/96
12.5%
19.8%
25.0%
347%
97%
ダート
3-9-4-98/114
2.6%
10.5%
14.0%
102%
107%
ムーア
3-1-1-20/25
12.0%
16.0%
20.0%
88%
66%
ダート
4-1-1-9/15
26.7%
33.3%
40.0%
475%
153%
リスポリ
1-2-0-12/15
6.7%
20.0%
20.0%
21%
40%
ダート
4-2-4-10/20
20.0%
30.0%
50.0%
179%
122%
ベリー
2-5-1-23/31
6.5%
22.6%
25.8%
135%
71%
ダート
2-3-1-16/22
9.1%
22.7%
27.3%
26%
65%

2010/10/31 東京11R 天皇賞(秋)(G1)1着 2番 ブエナビスタ

表3では表2にランクインした10名の騎手のうち、過去2年の騎乗回数が少ないペリエ騎手を除いた9名の芝・ダート別成績をまとめてみた。ここでは得意なコース、競馬場なども含めて、各騎手の特徴を紹介していきたい。

まずデムーロ騎手は芝・ダートの成績がほとんど互角。回収率も芝・ダートで大きな変化はない。優秀なコースは、中山ダート1800m、阪神芝1800m、京都ダート1200m、中京ダート1700m、京都芝1800m芝・ダートを問わず、距離は中距離前後を得意としている

ルメール騎手もデムーロ騎手と同様の傾向で、芝・ダートの成績に違いは見られない。優秀なコースは、阪神ダート1800m、東京ダート1600m、東京芝1800m、東京芝1600m東京コースは【17.17.16.81】で勝率13.0%、連対率26.0%、複勝率38.2%、単回収率115%、複回収率96%と優秀な成績を残している

ホワイト騎手も上位二人の騎手同様に芝・ダートの成績は互角。ただし、単回収率は芝の方が圧倒的に優秀な数字である優秀なコースは札幌ダート1700m、小倉ダート1700m、函館芝1800m、函館芝1200m。騎乗数は圧倒的に函館が多いが、昨年は小倉で3日間だけ騎乗。その時の成績が【6.4.6.7】と大暴れ。今後も小倉競馬場で騎乗していた時があったら、注意が必要だろう

スミヨン騎手は明らかに芝の方が優秀。ただし、ダートの数字が悪いわけではなく、実際東京ダート1600mは【2.3.2.3】で勝率20%、連対率50.0%、複勝率70.0%という数字をマークしている。全体的にはまだ騎乗回数が多くないため、狙い目を立てるのはやや難しい印象だ。

ウィリアムズ騎手も芝の方が優秀。勝率、連対率、複勝率ではそれほど大差がないものの、回収率の面では芝の方が圧倒的に優秀である。優秀なコースは京都ダート1800m、阪神芝1600m、京都芝1200m、小倉芝1200m。特に京都コースとの相性が良く、成績は【7.4.5.36】で、勝率13.5%、連対率21.2%、複勝率30.8%、単回収率117%、複回収率135%となっている

クラストゥス騎手は圧倒的に芝の方が優秀。ダート戦はわずか3勝しか上げておらず、単・複回収率は100%を超えているものの、好走率は低い。優秀なコースは、中山芝2000m、中山芝1200m、中山芝1600mと上位は中山コースが独占している。ただし、中山ダート1800m【1.4.0.32】、中山ダート1200m【0.1.2.32】と中山ダートの成績は悪いので注意したい

ムーア騎手、リスポリ騎手、ベリー騎手はこれまでの騎手とは対照的に芝よりダートの成績がいい。ただし、3名ともに騎乗回数はまだ少なく、現時点で芝よりダートの方が得意と決めつけるのは良くないかもしれない。それでもリスポリ騎手は初勝利がダート戦だったように、ダート戦で4勝を挙げているのに対し、芝では日経新春杯の1勝のみ。今後もダート戦の方が期待できそうな雰囲気はある。

ライタープロフィール

フランキー森山(ふらんきー もりやま)

1984年1月、神奈川県生まれ。重賞レースにおいては、毎年同じようなステップで出走してくる馬が多いことから、データ競馬の有効性に着目。データde出〜たでは主に過去の好走馬の実績を重視し、予想を展開している。馬券を買うのはもちろん、競馬場へ行くことも好きなタイプ。好きなレースは平安S。05年に中央競馬の全場踏破達成。その後は、地方、海外の競馬場へもたびたび訪れている。

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