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第461回 3年連続リーディング2位の母父トニービンを分析

2011/1/17(月)

バリバリの血統派でなくとも、予想の際に種牡馬を参考にする方は多いだろう。しかし、母父まで考慮する方はそれほど多くはないはず。それだけに、あまり注目されない母父というファクターのポイントを押さえておくだけでもアドバンテージとなりうる。今回のテーマである「母父トニービン」は産駒の数が多く、馬柱で見かけることも多いので、なおさら予想の大きな手助けとなるはずだ。そこで、母父サンデーサイレンスと並ぶポテンシャルを秘めながら、あまり語られることのなかった母父トニービンについて考えてみることにした。集計期間は、2008〜2010年の丸3年。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

2011/1/9 京都11R 日刊スポーツ賞 シンザン記念(G3)1着 8番 レッドデイヴィス 2011/1/16 京都11R 日経新春杯(G2)1着 8番 ルーラーシップ

■表1 母父トニービン・競馬場別成績

ダート
場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
札幌 10-  21-  16- 138/ 185
5.4%
16.8%
25.4%
20%
64%
札幌 10-  21-  16- 138/ 185
8.7%
14.2%
25.2%
47%
70%
函館 15-   6-   7-  56/  84
17.9%
25.0%
33.3%
434%
158%
函館 15-   6-   7-  56/  84
5.3%
8.8%
15.8%
348%
105%
福島 30-  23-  22- 222/ 297
10.1%
17.8%
25.3%
98%
89%
福島 30-  23-  22- 222/ 297
8.0%
15.9%
23.9%
36%
67%
新潟 28-  27-  20- 276/ 351
8.0%
15.7%
21.4%
165%
93%
新潟 28-  27-  20- 276/ 351
10.5%
14.9%
20.2%
91%
56%
東京 45-  49-  48- 381/ 523
8.6%
18.0%
27.2%
80%
89%
東京 45-  49-  48- 381/ 523
6.0%
10.7%
18.0%
48%
76%
中山 49-  35-  33- 318/ 435
11.3%
19.3%
26.9%
103%
91%
中山 49-  35-  33- 318/ 435
6.8%
10.2%
14.0%
56%
35%
中京 23-  24-  26- 244/ 317
7.3%
14.8%
23.0%
64%
75%
中京 23-  24-  26- 244/ 317
6.5%
11.8%
18.2%
29%
47%
京都 57-  50-  35- 381/ 523
10.9%
20.5%
27.2%
86%
79%
京都 57-  50-  35- 381/ 523
10.9%
19.8%
25.5%
158%
110%
阪神 44-  35-  42- 367/ 488
9.0%
16.2%
24.8%
60%
68%
阪神 44-  35-  42- 367/ 488
8.8%
14.4%
23.4%
129%
86%
小倉 27-  26-  26- 251/ 330
8.2%
16.1%
23.9%
126%
76%
小倉 27-  26-  26- 251/ 330
4.7%
9.4%
15.1%
83%
48%

中央競馬の母父リーディングで、2008年から3年連続で2位となったトニービン。産駒の数に差があることもあって、2006年から5年連続首位のサンデーサイレンスの牙城を崩すとなると難しいかもしれないが、2010年のアーニングインデックス(1頭あたり賞金)を比較すると、母父サンデーサイレンスの1.47を上回る1.54をマークしている。つまり、母父トニービンには、母父サンデーサイレンスにも見劣りしないポテンシャルがあるのだ。また、単勝回収率が2008〜2010年の3年間トータルで98%と、母父トニービンは馬券的に狙う価値が高い点も見逃せない。

種牡馬としてのトニービンといえば、東京コースでの強さが印象深い。では、母父としてのトニービンも同じように東京コースを得意としているのだろうか? 表1は母父トニービンの競馬場別成績を芝ダートで分けたものだが、同じ関東の東京芝と中山芝を比較すると、複勝率ではほぼ同等ながら、勝率では中山のほうが3%近くも高い。単勝回収率でも中山芝103%、東京芝80%と、関東における母父トニービンは、こと1着を獲るということでは中山芝のほうが明らかに優勢なのだ。同様に関西でも、阪神芝より京都芝で好成績を収めている。つまり、関東でも関西でも最後の直線が短いコースで成績がいいことで共通しているのだ。「東京に強い種牡馬トニービン」の印象から、母父トニービンでも同様に直線の長いコースは得意なはずと考えてしまうのは、どうやら間違いのようだ。

ほかに目につくのが、函館芝の好調さである。勝率17.9%は10場のなかでずば抜けたトップで、複勝率も唯一30%を超えている。もちろん、回収率も単勝が434%、複勝が158%と優秀な数字をマークしている。ところが、同じ北海道でも札幌になると勝率5.4%、単勝回収率20%とガタ落ちしてしまう。ひとくくりにしがちな函館と札幌だが、母父トニービンにとっては天国と地獄とも言えるほど成績が激変。夏の北海道シリーズでは前半の函館で注目していこう。

ダートだが、中央競馬のダート重賞を勝ったのは01年のマーチSを勝ったアイランドオウジャ1頭のみと、種牡馬トニービンはダートの活躍馬はあまり出せなかった。これは母父トニービンも同様のようで、ダートの出走回数は芝の約半数程度。基本的には芝向きの馬が多いようだ。ただ、芝に比べてダートでは好走率が極端に落ちるというわけではないし、トランセンドのようにダート適性の高い種牡馬を迎えた産駒は問題なくダートをこなしている。そのことを踏まえたうえでダートでの母父トニービンの狙い目としては、好走率、回収率ともに優秀な京都を挙げておきたい。

■表2 母父トニービン・コース別成績(上位10コース・勝率順)

ダート
コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
函館・芝1800m
6-  2-  3- 19/ 30
20.0%
26.7%
36.7%
214%
91%
京都・ダ1200m
15-  8-  4- 69/ 96
15.6%
24.0%
28.1%
244%
102%
中山・芝2500m
5-  2-  2- 22/ 31
16.1%
22.6%
29.0%
56%
113%
新潟・ダ1800m
9-  2-  2- 53/ 66
13.6%
16.7%
19.7%
127%
59%
京都・芝1200m
6-  3-  4- 25/ 38
15.8%
23.7%
34.2%
91%
102%
福島・ダ1700m
8-  5-  6- 53/ 72
11.1%
18.1%
26.4%
44%
75%
中山・芝1800m
12- 11-  5- 55/ 83
14.5%
27.7%
33.7%
190%
177%
京都・ダ1400m
10-  6-  7- 71/ 94
10.6%
17.0%
24.5%
296%
190%
京都・芝2400m
6-  4-  3- 29/ 42
14.3%
23.8%
31.0%
68%
58%
阪神・ダ1800m
13-  8- 13-103/137
9.5%
15.3%
24.8%
60%
90%
小倉・芝2000m
12-  9-  6- 62/ 89
13.5%
23.6%
30.3%
256%
119%
京都・ダ1800m
16- 14-  9-130/169
9.5%
17.8%
23.1%
54%
73%
京都・芝2000m
9-  4-  6- 50/ 69
13.0%
18.8%
27.5%
45%
43%
東京・ダ1600m
10-  6- 12- 80/108
9.3%
14.8%
25.9%
65%
89%
阪神・芝1600m
16-  6- 11- 91/124
12.9%
17.7%
26.6%
49%
62%
札幌・ダ1700m
10-  6- 13- 80/109
9.2%
14.7%
26.6%
51%
76%
新潟・芝1400m
8-  3-  4- 49/ 64
12.5%
17.2%
23.4%
608%
207%
中山・ダ1200m
6-  3-  1- 65/ 75
8.0%
12.0%
13.3%
59%
33%
中山・芝1600m
19- 13- 11-111/154
12.3%
20.8%
27.9%
112%
71%
阪神・ダ1400m
7-  3-  4- 78/ 92
7.6%
10.9%
15.2%
240%
80%
※出走30回以上

次は、よりピンポイントに得意とするコースを探していこう。表2は、母父トニービンが30回以上出走しているコースを勝率順に10位まで並べたものだ。回収率も考慮して得意コースと呼べそうなのが、函館芝1800中山芝1800小倉芝2000新潟芝1400。この4コースは最後の直線が400m以下という点で共通しているに注目したい。新潟芝1400mがかなり高い回収率を記録していることには、母父とはいえトニービンに短距離の印象が薄いことも多少は影響しているのだろう。ダートでは京都の短距離、1200mと1400で抜群の成績を残している。

■表3 母父トニービン・クラス別成績

クラス
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
新馬
35-  30-  32- 268/ 365
9.6%
17.8%
26.6%
104%
78%
未勝利
151- 123- 124-1356/1754
8.6%
15.6%
22.7%
115%
78%
500万下
137- 135- 128-1376/1776
7.7%
15.3%
22.5%
76%
75%
1000万下
72-  63-  53- 536/ 724
9.9%
18.6%
26.0%
134%
97%
1600万下
34-  21-  23- 204/ 282
12.1%
19.5%
27.7%
67%
73%
オープン特別
35-  22-  21- 174/ 252
13.9%
22.6%
31.0%
86%
82%
G3
18-  10-  13- 141/ 182
9.9%
15.4%
22.5%
99%
78%
G2
6-   3-  10-  82/ 101
5.9%
8.9%
18.8%
32%
67%
G1
4-   2-   2-  51/  59
6.8%
10.2%
13.6%
67%
74%

表3はクラス別成績だが、ほとんどのクラスで複勝率20%以上をマークしているように堅実に走っている。なかでも、1600万下やオープン特別の好走率は優秀。ただし、重賞ではG3、G2、G1と格が上がるごとに複勝率が下がってしまう。相手関係が厳しくなるG1、G2で好走率が下がるのは当然とも言えるが、少々気になるデータではある。

■表4 母父トニービン・種牡馬別成績(出走回数順)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
フジキセキ
40- 31- 33-303/407
9.8%
17.4%
25.6%
141%
85%
アグネスタキオン
37- 44- 40-247/368
10.1%
22.0%
32.9%
65%
73%
ダンスインザダーク
21- 16- 21-226/284
7.4%
13.0%
20.4%
103%
68%
クロフネ
21- 20- 18-143/202
10.4%
20.3%
29.2%
56%
99%
ネオユニヴァース
16- 19- 14-139/188
8.5%
18.6%
26.1%
48%
65%
スペシャルウィーク
15- 11-  9-144/179
8.4%
14.5%
19.6%
101%
70%
アフリート
21- 19-  6- 87/133
15.8%
30.1%
34.6%
150%
103%
ホワイトマズル
16- 10- 10- 97/133
12.0%
19.5%
27.1%
80%
91%
フサイチコンコルド
5-  5-  6-116/132
3.8%
7.6%
12.1%
123%
80%
シンボリクリスエス
17-  9- 10- 95/131
13.0%
19.8%
27.5%
133%
78%
バブルガムフェロー
11- 16-  8- 93/128
8.6%
21.1%
27.3%
98%
95%
ブライアンズタイム
4-  9- 15- 99/127
3.1%
10.2%
22.0%
22%
58%
タニノギムレット
8- 14- 11- 83/116
6.9%
19.0%
28.4%
49%
81%
キングヘイロー
4-  4- 10- 94/112
3.6%
7.1%
16.1%
16%
71%
アグネスデジタル
11- 10-  7- 81/109
10.1%
19.3%
25.7%
58%
65%
キングカメハメハ
17-  9- 11- 70/107
15.9%
24.3%
34.6%
98%
81%
マンハッタンカフェ
14-  9-  4- 80/107
13.1%
21.5%
25.2%
99%
65%
ステイゴールド
7-  8-  4- 85/104
6.7%
14.4%
18.3%
166%
135%
ワイルドラッシュ
15-  5-  5- 72/ 97
15.5%
20.6%
25.8%
66%
60%
サクラバクシンオー
15-  4- 10- 65/ 94
16.0%
20.2%
30.9%
59%
88%
ゴールドアリュール
8-  5-  6- 73/ 92
8.7%
14.1%
20.7%
171%
81%
フレンチデピュティ
5-  0-  1- 79/ 85
5.9%
5.9%
7.1%
299%
150%
テイエムオペラオー
4-  6-  8- 60/ 78
5.1%
12.8%
23.1%
83%
93%
カリズマティック
11-  4-  5- 55/ 75
14.7%
20.0%
26.7%
179%
65%
ロージズインメイ
9-  9-  9- 43/ 70
12.9%
25.7%
38.6%
90%
97%
スウェプトオーヴァーボード
5-  2-  2- 60/ 69
7.2%
10.1%
13.0%
77%
30%
サンデーサイレンス
4-  7-  8- 47/ 66
6.1%
16.7%
28.8%
19%
86%
ファルブラヴ
3-  7-  7- 47/ 64
4.7%
15.6%
26.6%
11%
58%
グラスワンダー
15-  4-  9- 35/ 63
23.8%
30.2%
44.4%
97%
82%
ティンバーカントリー
6-  3-  5- 49/ 63
9.5%
14.3%
22.2%
209%
80%

母父トニービンが好成績を収めている理由のひとつに、配合の自由度が高いことが挙げられる。トニービン自身が現在主流となっているヘイルトゥリーズン、ミスタープロスペクター、ノーザンダンサーといった血を持たないため、有力種牡馬のほとんどを制約なく配合することができる。もちろん、大きな成功を収めているサンデーサイレンス系の種牡馬の大多数とも配合が可能だ。母父トニービンとなる繁殖牝馬と好相性を示しているのは、はたしてどの種牡馬なのだろうか。表4は母父トニービンの種牡馬別成績である。ここでは、着別度数順や勝率順ではなく、出走回数順で示してみた。いくら相性が良くても、ほとんど産駒がいないのでは実用性が低い。実際にレースで見かけることの多い種牡馬の特徴をしっかりと把握しておくことのほうが、より役に立つのではないだろうか。

というわけで、母父トニービンで出走回数1〜10位の種牡馬を重点的に見て、得意条件を探していこう。集計期間内に最多出走となったフジキセキは、単勝回収率141%と馬券的な価値も高い種牡馬だ。フジキセキの40勝の内訳は、芝32勝に対してダートが8勝。なかでも得意なのが、新潟と阪神の芝内回りコースである。出走回数2位のアグネスタキオンは好走率ではフジキセキを上回っており、芝33勝に対してダート4勝とフジキセキ以上に芝向きだ。中央4場では人気になりがちだが、ローカルで意外と人気を落とすケースがある。3位のダンスインザダークは勝率ではフジキセキ、アグネスタキオンに見劣るが単勝回収率103%と一発がある。6勝、勝率30.0%の小倉芝は絶好の狙い目だ。4位に非サンデー系では最上位のクロフネ。芝6勝に対してダート15勝とややダート向きだが、阪神より京都のダートで好調の母父トニービン全体の傾向とは逆に、父クロフネの場合は京都ダートで勝率7.4%、単勝回収率9%、阪神ダートで勝率18.5%、単勝回収率18.5%となっていることに注意したい。5位のネオユニヴァースは、好走に占める1〜3番人気馬の割合が高いこともあって回収率が低め。好走率が高いのは芝ダートともに京都だ。6位のスペシャルウィークは複勝率が20%を割り込んでいるが、単勝回収率は101%と高く、福島、新潟、中京のローカル3場に限れば単勝回収率は200%を超えている。7位のアフリートは、ここまでの7種牡馬で勝率、単勝回収率がともにもっとも高い要注意の種牡馬だ。ダート戦に限れば単勝回収率180%とさらに上昇。京都と阪神のダートで合わせて全勝利数の3分の2にあたる14勝を稼ぎ、勝率33.3%、単勝回収率372%と圧巻の好成績だ。8位のホワイトマズルはローカル芝で勝率15.0%、単勝回収率123%。9位のフサイチコンコルドは回収率こそ高いが、1〜3番人気で【0.1.2.11】と信頼できず、完全に穴傾向となっている。10位のシンボリクリスエスは上級クラスではやや不振も、1000万下までなら勝率16.2%、単勝回収率170%で芝ダート問わずに狙える。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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