第459回 最近の馬券の傾向は?|競馬情報ならJRA-VAN

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第459回 最近の馬券の傾向は?

2011/1/10(月)

一昨年春の本コーナーで、近年の重賞では馬連の平均配当が上がるとともに、人気馬の勝率が低下しているというデータを紹介した(第275回「最近は馬券が難しくなった」って本当!?)。それから約2年。ちょうど年も明けたタイミングで、今回はその後の傾向変化について調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

■表1 平地重賞における馬連配当分布

レース数
100〜
500〜
1000〜
2000〜
5000〜
1万〜
平均配当
シェア
シェア
シェア
シェア
シェア
シェア
06
121
6
5.0%
15
12.4%
27
22.3%
33
27.3%
24
19.8%
16
13.2%
6269円
07
121
10
8.3%
17
14.0%
27
22.3%
23
19.0%
16
13.2%
28
23.1%
8729円
08
121
1
0.8%
20
16.5%
23
19.0%
30
24.8%
16
13.2%
31
25.6%
11170円
09
122
6
4.9%
17
13.9%
20
16.4%
32
26.2%
22
18.0%
25
20.5%
7005円
10
123
5
4.1%
16
13.0%
32
26.0%
30
24.4%
21
17.1%
19
15.4%
5346円

まず表1は、06年以降の平地重賞における馬連配当分布と平均配当を調べたものだ。前回の調査では92年以降の状況を調べており、05年までは平均配当は高い年で7000円台中盤、低い年は3000円台で、4000円台の年も多くあった(調査期間の平均で6583円)。それが07年は平均8000円台、そして08年は万馬券と急上昇しており、これがまず「馬券が難しくなった」という印象に繋がっていた。
ところが今回調べてみると、一昨年が馬連平均7005円、そして昨年が5346円と急落。配当分布を見ると、万馬券の占有率がここ2年で約5%ずつ低下し、その分、5000円から9990円のゾーン、そして昨年は1000円から1990円のゾーンもかなりシェアを伸ばしてきている。一方で、1000円を切るゾーンは特に増えたわけでもなく、馬連平均配当の低下はガチガチの本命サイドが増えたのではなく、大波乱(万馬券)が減ったことによるものと考えられる。

■表2 平地重賞における人気別成績

人気
勝率
単勝回収率
複勝回収率
06年
07年
08年
09年
10年
06年
07年
08年
09年
10年
06年
07年
08年
09年
10年
1番人気
27.3%
26.4%
24.8%
29.5%
25.2%
65%
65%
67%
82%
64%
71%
72%
89%
74%
80%
2番人気
12.4%
14.9%
14.0%
15.6%
18.7%
57%
63%
75%
75%
84%
95%
82%
62%
81%
81%
3番人気
15.7%
17.4%
13.2%
10.7%
9.8%
103%
106%
87%
67%
56%
78%
81%
68%
73%
61%
4番人気
10.7%
9.1%
12.4%
9.0%
13.8%
96%
69%
113%
77%
115%
73%
68%
72%
92%
83%
5番人気
5.0%
7.4%
6.6%
7.4%
11.4%
52%
71%
84%
90%
120%
73%
81%
87%
90%
120%
6番人気
6.6%
4.1%
9.1%
4.9%
4.9%
88%
51%
127%
71%
74%
111%
83%
91%
63%
88%
7番人気
7.4%
5.0%
6.6%
9.0%
4.1%
140%
109%
135%
161%
84%
94%
82%
90%
111%
66%
8番人気
2.5%
2.5%
2.5%
4.9%
2.4%
80%
86%
50%
86%
52%
78%
76%
72%
92%
67%
9番人気
0.8%
5.8%
2.5%
0.8%
4.1%
16%
174%
71%
18%
109%
76%
112%
89%
36%
94%
10番人気
1.7%
1.7%
0.0%
0.8%
1.6%
39%
39%
0%
32%
56%
56%
84%
42%
87%
85%
11〜人気
2.0%
1.3%
1.4%
1.2%
0.9%
126%
71%
107%
61%
41%
61%
66%
94%
81%
53%
※回収率背景黄:100%以上、背景青:70%未満

■表3 平地重賞1〜2番人気の勝率、単勝回収率

人気
01年
02年
03年
04年
05年
06年
07年
08年
09年
10年
勝率
1番人気
28.8%
33.9%
32.2%
33.1%
40.7%
27.3%
26.4%
24.8%
29.5%
25.2%
2番人気
16.1%
17.8%
15.3%
22.9%
18.6%
12.4%
14.9%
14.0%
15.6%
18.7%
単勝回収率
1番人気
59%
74%
84%
75%
95%
65%
65%
67%
82%
64%
2番人気
71%
74%
58%
96%
86%
57%
63%
75%
75%
84%
※背景青:下位5年 背景黄:上位5年

2011/1/5 中山11R 日刊スポーツ賞中山金杯(G3)1着 4番 コスモファントム 単勝280円(1番人気)

そんなことを裏付けるのが表2、表3である。特に表3の1番人気勝率推移を見るとわかりやすいが、一昨年こそ30%に近いところまで切り返したものの、昨年は25%台に逆戻り。一昨年の29.5%も02〜05年あたりまでと比較すれば決して良くはなく、1番人気全体の流れとしては勝率の低いゾーンでほぼ安定してしまっている。また、表2を見ると、昨年は2番人気、そして4〜5番人気あたりの成績がそれ以前より良くなり、このあたりが大雑把に「馬連1000円超え万馬券未満」が増えた要因となっているようだ。

また、1番人気の単勝回収率も一昨年は控除率に勝つ成績を残せたものの、昨年は再び60%台。こういった集計で1〜2番人気の単勝を買い続けて儲かるという結果が出ることはあまりなく、100%超えは3番人気以下からひと桁台中盤あたりにかけて出がちなのだが、それにしても近年は1番人気が勝率に比して「買われすぎ」に傾いた状態にある

ちなみに本年、本稿執筆段階まで重賞の1番人気馬はコスモファントム(中山金杯)1勝、勝率33.3%、単勝回収率93.3%。なにせ年明け3戦だけ、掲載日のダンスファンタジア(フェアリーS前売り1番人気)次第で平均以上にも以下にもなるが、もう少し長めに昨年7月以降で見ると、【12.14.8.27】で勝率19.7%、単勝回収率56%。回復するどころかさらに悪くなりつつある、という傾向だ。

■表4 平地重賞における単勝オッズ別勝率推移

単オッズ
01年
02年
03年
04年
05年
06年
07年
08年
09年
10年
1.0〜1.4
76.9%
69.2%
50.0%
50.0%
66.7%
100.0%
50.0%
50.0%
66.7%
33.3%
1.5〜1.9
52.9%
56.3%
28.0%
40.0%
50.0%
56.3%
50.0%
20.0%
29.4%
41.2%
2.0〜2.9
19.0%
35.0%
28.1%
40.0%
41.7%
16.7%
34.0%
32.7%
30.2%
27.3%
(1.0〜2.9)
34.1%
43.8%
30.0%
41.1%
47.7%
33.8%
38.7%
30.6%
33.3%
31.3%
3.0〜3.9
17.7%
22.9%
32.3%
23.4%
25.5%
19.4%
15.4%
13.2%
24.6%
38.6%
4.0〜4.9
16.7%
4.1%
13.5%
14.0%
15.7%
16.9%
12.5%
18.2%
26.7%
9.4%
5.0〜6.9
14.0%
15.2%
10.8%
13.8%
11.4%
12.3%
16.7%
14.0%
9.4%
11.4%
7.0〜9.9
10.2%
4.5%
11.0%
5.4%
6.1%
11.0%
12.5%
11.7%
9.1%
14.0%
10.0〜14.9
8.5%
7.4%
7.8%
7.7%
8.5%
7.6%
4.7%
7.9%
9.8%
7.7%
15.0〜19.9
7.0%
4.5%
5.3%
5.6%
5.8%
6.5%
3.8%
6.1%
4.0%
3.5%
20.0〜29.9
4.1%
6.6%
3.2%
2.6%
1.7%
2.6%
3.4%
3.4%
3.6%
3.2%
30.0〜49.9
0.0%
2.0%
2.9%
2.5%
3.0%
2.5%
2.0%
1.1%
1.7%
2.4%
50.0〜99.9
2.7%
1.1%
1.1%
1.5%
0.8%
2.2%
2.9%
1.3%
1.4%
1.1%
100.0〜
0.4%
0.4%
0.6%
0.3%
0.0%
0.6%
0.0%
1.2%
0.0%
0.0%

続いて人気順ではなくオッズから見てみたい。第275回「『最近は馬券が難しくなった』って本当!?」においては、単勝オッズ視点の分析は行っていなかったので、こちらは10年分で調べている。表4の数字はその勝率だ。

平地重賞限定で1倍台、それも前半になると該当数も少なく、ディープインパクトのような馬がいると大きく変わってしまうのだが、まとめて「1.0〜2.9」というゾーンで見ると、やはり1番人気馬同様に、近年は以前よりも低めの数字で推移していることがわかる。また、昨年は人気順(表2)で4〜5番人気が3番人気の勝率を逆転する現象が起きていたが、オッズ別でも5.0〜9.9倍が4倍台を逆転している。

■表5 平地重賞における単勝オッズ別単勝回収率推移

単オッズ
01年
02年
03年
04年
05年
06年
07年
08年
09年
10年
1.0〜1.4
98%
86%
70%
66%
80%
120%
65%
70%
83%
46%
1.5〜1.9
91%
91%
48%
67%
85%
100%
88%
35%
48%
67%
2.0〜2.9
44%
83%
68%
96%
100%
40%
86%
80%
73%
65%
(1.0〜2.9)
61%
85%
63%
86%
93%
61%
84%
70%
67%
65%
3.0〜3.9
65%
83%
109%
80%
86%
69%
54%
47%
84%
132%
4.0〜4.9
75%
19%
59%
60%
70%
73%
54%
79%
119%
40%
5.0〜6.9
83%
88%
61%
84%
64%
71%
95%
82%
58%
68%
7.0〜9.9
84%
41%
92%
45%
48%
93%
99%
98%
74%
110%
10.0〜14.9
104%
93%
97%
92%
104%
92%
57%
97%
120%
104%
15.0〜19.9
118%
78%
88%
95%
102%
111%
67%
109%
73%
63%
20.0〜29.9
95%
152%
75%
58%
37%
66%
85%
83%
86%
77%
30.0〜49.9
0%
81%
109%
93%
112%
99%
70%
50%
66%
93%
50.0〜99.9
171%
82%
59%
92%
52%
148%
178%
81%
90%
64%
100.0〜
39%
47%
105%
52%
0%
72%
0%
148%
0%
0%

単勝回収率も同様で、1番人気馬の多いゾーン、1.0〜2.9倍はここ5年のうち4年が控除率に対して「負け」となる単勝回収率80%未満。また、表2の人気順で単勝回収率が良かった7番人気に相当するのが、オッズ別では10倍台前半ということになるようで、07年を除き毎年のように高回収率を記録している。

■表6 平地重賞における単勝オッズ別シェア

単オッズ
01年
02年
03年
04年
05年
06年
07年
08年
09年
10年
1.0〜1.4
0.8%
0.8%
0.5%
0.6%
0.7%
0.4%
0.3%
0.1%
0.3%
0.2%
1.5〜1.9
1.0%
0.9%
1.4%
1.2%
1.5%
0.9%
0.9%
0.8%
0.9%
0.9%
2.0〜2.9
3.5%
3.5%
3.3%
3.5%
2.8%
2.7%
2.9%
2.9%
2.2%
2.3%
(1.0〜2.9)
5.3%
5.2%
5.2%
5.3%
4.9%
3.9%
4.1%
3.8%
3.4%
3.3%
3.0〜3.9
3.8%
2.8%
3.6%
3.8%
3.2%
3.4%
2.8%
2.8%
2.9%
3.0%
4.0〜4.9
4.0%
2.9%
3.0%
2.9%
2.9%
3.3%
3.9%
2.9%
3.1%
4.4%
5.0〜6.9
6.9%
7.3%
5.9%
7.2%
7.1%
7.7%
7.2%
6.3%
6.0%
7.3%
7.0〜9.9
7.7%
9.0%
8.4%
7.6%
6.6%
8.6%
8.7%
9.4%
9.6%
8.6%
10.0〜14.9
10.0%
11.1%
9.5%
10.8%
9.5%
10.3%
10.4%
10.6%
9.4%
9.5%
15.0〜19.9
7.0%
7.8%
7.6%
7.3%
8.0%
7.7%
7.1%
8.6%
9.0%
7.4%
20.0〜29.9
11.9%
11.6%
10.7%
9.1%
10.3%
10.7%
11.2%
12.4%
11.5%
11.4%
30.0〜49.9
13.4%
11.8%
12.0%
11.9%
13.2%
13.3%
13.7%
13.9%
15.5%
13.0%
50.0〜99.9
13.3%
16.1%
15.2%
15.8%
13.9%
12.8%
15.1%
16.0%
14.6%
14.8%
100.0〜
16.7%
14.3%
18.9%
18.3%
20.5%
18.4%
15.9%
13.4%
15.0%
17.2%
参考:1番人気単平均オッズ
2.7
2.8
2.6
2.6
2.7
2.8
3.0
2.8
3.0
3.1

2010/12/5 阪神11R ジャパンカップダート(G1)1着 3番 トランセンド 単勝350円(1番人気)

最後に、単勝オッズ別のシェアも見てみたい。10%なら、平地重賞出走馬10頭に1頭の確率で、単勝オッズでそのゾーンに該当した、という意味になる。この表で注目したいのは、単勝3倍未満の馬、あるいはそのひとつ上の3.0〜3.9倍に推される馬が以前より少なくなっている、ということ。参考に記したように、1番人気馬の単勝平均オッズもわずかとはいえ上昇傾向だ。
ただ、それでも1番人気や、単勝1.0〜2.9倍の単勝回収率は低いまま(表3、表5)。以前に比べ疑いの目を向けられる人気馬が増えた(疑われるような混戦が増えたとも言える)ものの、それでもまだ単勝に関して1番人気馬は「買われすぎ」、もっともっと疑ってかかっても良い、という状況が単勝回収率からは見て取れる。なお、昨年の平地重賞1番人気勝率25.2%からすると、単勝回収率100%なら的中時の単勝約4.0倍平均、80%なら約3.2倍平均が必要になる。

もっとも、1番人気や単勝3倍未満といった人気馬の好走確率が、それ以下の人気馬よりも低いわけでは決してない。とりあえず目の前のレースを高確率で当てたい、という思いが強ければ、どうしても1番人気馬は気になってくる。また、年に1〜2レースしか買わないなら、運が良ければ回収率的にもそれが正解になる可能性は十分にある。

逆に、いくら7番人気やら単勝10倍台前半の単勝回収率が高いといっても、その勝率は10%以下。「重賞だけ買う」という方が、このあたりを買い続けてもひと月以上当たらないというケースもあり、せっかく勝っても買ったのが単勝ではなく馬単や3連単1着固定なら、2着や3着の「抜け」を食らうこともあり。もちろん単勝と、馬単や3連単の1着支持率には多少ブレがあるが、ある程度の精度ではリンクしているもの。さすがに2ヶ月以上ハズレ続けたら少々しんどい。

そんな心理も多少は影響しての1番人気の「買われすぎ」や、7番人気や単勝10倍台前半あたりの高回収率、ということなのだろう。ただ、継続して買われる方であればあるほど、目の前のレースを当てにいくことよりも、長期間で回収率を高めることが重要になる。単勝3倍の馬が本当に3回に1回は勝てるのか、もしかしたら単勝10倍で8回に1回とか、6倍で4回に1回くらい勝てる馬がほかにいるのではないか、そんな視点を常に持つようにしたい。もちろんハズレばかり続いては気分も収支も一時的にかなりへこむので、的中率とのバランスを考慮する必要があるだろう。また、重賞なら過去何年かの傾向として、1番人気が安定して強く、しかも回収率が悪くないことが明らかな場合もある。ただ、最初にレースと向き合う際には「この1番人気、本当に大丈夫?」という発想だけは(熟慮した結果、その馬を買うという結論になるとしても)なくしてはならない。

では、なぜこんなことになっているのか。結果であるデータからさかのぼって原因を突き止めるのは少々難しい。ただ、表3で1番人気の勝率がガクンと下がった06年というと、サンデーサイレンス最後の世代(前年までよりサンデー産駒としては数も少なかった)が明け3歳を迎え、2歳馬のデビューがなくなった年だった。いかにもなにがしかの影響がありそうだが、また少し違う話になってしまうため、このあたりは機会があればまた別に分析してみたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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