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第451回 RPCIで阪神JFを考える

2010/12/9(木)

今週日曜日は阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF)が行われる。このレースは2歳女王決定戦であると同時に、来年のクラシック戦線を占う重要な一戦。特に近年はその傾向が強く、06年以降の優勝馬はすべて翌年クラシックを勝っている。今回は阪神JFをRPCI(レースペースチェンジ指数)の観点から分析し、展望を行ってみたい。RPCIの元となるPCIについては、過去の当コーナー(第203回第411)で取り上げているので、詳細はそちらでご覧いただきたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪神JF優勝馬のRPCIほか(過去10年)

優勝馬
PCI
RPCI
過去の実績とRPCI
備考
09年 アパパネ
56.6
48.8
赤松賞1着
53.1
 
08年 ブエナビスタ
53.5
47.4
未勝利1着
48.0
 
07年 トールポピー
46.4
42.7
黄菊賞2着
47.6
 
06年 ウオッカ
52.2
47.5
新馬1着
55.3
黄菊賞2着
05年 テイエムプリキュア
52.5
45.1
かえで賞1着
42.6
 
04年 ショウナンパントル
56.7
45.9
デイリー杯2歳S5着
44.1
新潟2歳S1着
03年 ヤマニンシュクル
57.9
52.4
コスモス賞1着
48.4
 
02年 ピースオブワールド
49
43.8
ファンタジーS1着
44.4
 
01年 タムロチェリー
50.1
46.4
小倉2歳S1着
32.2
 
00年 テイエムオーシャン
46.4
46.4
札幌2歳S3着
48.9
 

上の表1は過去10年の阪神JF優勝馬と、同レース勝利時のRPCI及び、過去の実績を記載したもの。単純に言うと、RPCIは50を平均とし、数値が低ければ低いほどそのレースのペースが速かったことを意味している。今回のような芝のマイル戦の場合、背景が赤くなっている年はハイペース、黄色の場合は平均ペース、後ほど出てくるがスローペースの場合は緑色。そのような認識で考えていただいて構わない。

2009/12/13 阪神11R 阪神ジュベナイルF(Jpn1)1着 18番 アパパネ

周知の通り阪神芝1600mはコース改装が行われ、このレースは06年からガラリと舞台が変貌した。現在は外回りコースが使用されている。しかし、このレースにおいてはコース改装前、改装後ともにレースのおおまかな流れはあまり変わっていないことがわかる。過去10年中、8年でRPCIが赤。必ずハイペースとまでは言えないが、少なくともスローペースの上がり勝負にはなっていないのだ。

よって、このレースを考える上では、今回想定されるペースに対応し、能力を発揮できるかどうかが勝負の大きな分かれ目になる。キャリアが浅い2歳馬にとって、すでに平均ペースからハイペースの淀みがない流れを経験していることは非常に強みで、結果的にそのような経験があった馬が勝ち馬に名を連ねているのだ。例えば、昨年優勝のアパパネは前走RPCI53.1の赤松賞を勝利。ブエナビスタはRPCI48.0の未勝利戦(京都芝1600mの未勝利戦でこのような数値を出るのはめずらしい)で勝利。また、ブエナビスタ以外は500万クラス以上の芝のレースで好走を果たし、今回想定される厳しい流れをすでに経験していたことが分かる。

■表2 阪神JF2着馬のPRCIほか(過去10年)

2着馬
PCI
RPCI
過去の実績とRPCI
備考
09年 アニメイトバイオ
53
48.8
京王杯2歳S2着
44.5
 
08年 ダノンベルベール
48.5
47.4
赤松賞1着
55.3
 
07年 レーヴダムール
49.5
42.7
新馬1着
45.4
 
06年 アストンマーチャン
49.8
47.5
ファンタジーS1着
47.6
 
05年 シークレットコード
49.3
45.1
新馬1着
60.6
 
04年 アンブロワーズ
50.4
45.9
函館2歳S1着
38.3
 
03年 ヤマニンアルシオン
52.4
52.4
新馬1着
46.6
 
02年 ヤマカツリリー
44.3
43.8
500万3着
54.4
 
01年 アローキャリー
45.9
46.4
すずらん賞3着
37.8
 
00年 ダイワルージュ
48
46.4
新潟3歳S1着
32.7
 

同じように阪神JFの2着馬を見ていこう。こちらも優勝馬と同じようにRPCIが黄か赤、どちらかの流れを経験し、そこで好走している馬がほとんどであることがわかる。07年のレーヴダムールはキャリア1戦だったが、前走新馬のRPCIが45.4の競馬。同じくキャリア1戦だった03年ヤマニンアルシオンもRPCIは46.6(ただし、同レースは京都芝1200mのレース。芝1200mのRPCIとしては決して速くはなく、2着馬に5馬身もの差をつけて勝っていたことに注目すべきか)。

よって、05年のシークレットコードだけが異色の存在。こちらもキャリア1戦で好走を果たしたわけだが、前走新馬のRPCIは60.6。明らかにスローペースの上がりだけで勝ってきたタイプ。この経験しかなくいきなりハイペースの阪神JFに対応できたのだから、同馬を褒めるべきなのだが、例外タイプ。理屈で考えると勝ち切るのは大変で、2着が精一杯。スローペースしか経験がない馬は頭から狙いにくいというのが、今回の当コーナーの判断だ。

■表3 阪神JF3着馬のRPCIほか(過去10年)

3着馬
PCI
RPCI
過去の実績とRPCI
備考
09年 ベストクルーズ
57.2
48.8
ファンタジーS2着
47.5
 
08年 ミクロコスモス
52.1
47.4
新馬1着
69.5
 
07年 エイムアットビップ
45.2
42.7
ファンタジーS2着
40.5
 
06年 ルミナスハーバー
44.7
47.5
500万1着
38.3
 
05年 フサイチパンドラ
51.8
45.1
新馬1着
50.4
 
04年 ラインクラフト
52
45.9
ファンタジーS1着
49.8
 
03年 コンコルディア
53.5
52.4
カンナS1着
34.3
 
02年 ブランピュール
45
43.8
コスモス賞1着
49.8
 
01年 オースミコスモ
47.4
46.4
赤松賞1着
37.0
 
00年 リワードアンセル
48.3
46.4
新潟3歳S2着
32.7
 

上の表3は過去10年の阪神JF3着馬。こちらも2着馬とほぼ雰囲気は変わらない。08年ミクロコスモス以外は、平均からハイペースで流れたレースでそれなりの好走実績があったことがわかる。以上の点を前提とし、細かい実績は個別に考えて、今年の展望を行ってみたい。

【結論】
まずは賞金を持っていて、出走が可能なメンバーについて考えよう。実績上位馬ということなので、自然と有力と目される馬が多くはなる。

■表4 今年の阪神JF出走予定馬(1)

順位
馬名
主な実績とRPCI
1
レーヴディソール デイリー杯2歳S1着 50.5
2
マイネイサベル ファンタジーS9着 43.1
3
マルモセーラ ファンタジーS1着 43.1
4
ピュアオパール カンナS1着 36.2
4
ホエールキャプチャ 芙蓉S1着 53.8
4
ラテアート クリスマスローズS1着 45.2
7
アヴェンチュラ 札幌2歳S2着 47.3
8
ダンスファンタジア 赤松賞1着 58.0
8
ツルマルワンピース りんどう賞1着 41.5
8
フォーエバーマーク からまつ賞 59.9
8
ライステラス 京王杯2歳S4着 53.1

2010/10/16 京都11R デイリー杯2歳S(G2)1着 12番 レーヴディソール

まずは前走デイリー杯2歳Sを勝利したレーヴディソール。初戦の札幌芝1500mこそRPCI61.9のスローペースだったが、デイリー杯がRPCI50.5のレース。ステップレースの意味合いとしては、ファンタジーSの方が上だが、過去10年でファンタジーSを勝利してこのレースを制したのは02年ピースオブワールド1頭のみ。同馬は3戦全勝で当日も1番人気に支持された。今年のファンタジーSのRPCIは43.1。流れ自体は例年と変わらずで、特に問題はないが、優勝馬マルモセーラがピースオブワールド並の馬と言えるかどうか。同レース好走馬は1着ではなく、2、3着が多いという傾向からもレーヴディソールを上位に取ってみたい。

マイネイサベルは新潟2歳S(RPCI56.3)を制したが、前走ファンタジーSで9着と大きく負けているのがどうか。それならば休み明けでも注目はアヴェンチュラ。牡馬混合の札幌2歳Sで2着と好走。RPCI47.3の流れで文句はない。ホエールキャプチャも芙蓉Sが53.8なのでOK。

問題はダンスファンタジアの取捨。当日はレーヴディソールと同じぐらいの高評価を集めるかもしれない注目馬だ。初戦の東京芝1400m、2戦目の赤松賞ともに大楽勝。しかし、RPCIはそれぞれ57.6、58.0のスローペース。よって、平均ペース以上の流れへの対応が大きな課題となる。「2、3着はあっても単は厳しい」というのが当コーナーの結論としてみたい。

フォーエバーマークは前走からまつ賞こそスローペースだが、未勝利でRPCI35.1を経験。ライステラスも前走京王杯2歳Sだけでなく、2走前のサフラン賞でRPCI44.2を経験している。ただ、過去10年の勝ち馬は重賞勝ち、もしくは500万クラスの芝1600m以上で好走、無敗馬が多いことを考えると、やや見劣る感じは否めない。表4の中ではレーヴディソールとアヴェンチュラが勝利に最も近い存在と見たい。

■表5 今年の阪神JF出走予定馬(2)

順位
馬名
前走成績とRPCI
12
アドマイヤセプター 札幌2歳S3着 47.3
12
オースミマイカ ファンタジーS12着  
12
クリアンサス 未勝利1着  
12
グルーヴィクイーン 新馬1着 44.7
12
ゼフィランサス 500万4着  
12
タガノラヴキセキ りんどう賞5着  
12
ツカサリボン 未勝利1着  
12
デルマドゥルガー サフラン賞7着  
12
トツゼンノハピネス 未勝利1着  
12
トーセンソニア 未勝利1着  
12
ハピシン 白菊賞3着  
12
バラードソング 500万6着  
12
フレンチカクタス 赤松賞2着  
12
マリアビスティー 白菊賞5着  
12
リトルダーリン 新馬1着 56.1
12
レインボーシューズ 新馬1着 70.9

最後に残りの出走馬を表5にまとめた。抽選により出走できるかどうかが確定する。仮に出走が決まったとして、最も有力なのはアドマイヤセプターだろう。前走札幌2歳Sで3着に敗れはしたが、アヴェンチュラとは0.3秒差。7馬身差で圧勝したデビュー戦のRPCIも42.2で、道中よどみない流れでしっかりと結果を出している。あとは、キャリア1戦1勝馬になると思うが、スローペースの競馬で勝ちあがったリトルダーリンやレインボーシューズよりも、グルーヴィクイーンの方が今回のレースの流れにマッチしていそうだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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