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第450回 重賞での降着馬の次走は?

2010/12/6(月)

2010/11/28 東京10R ジャパンカップ(G1)2着 16番 1位降着 ブエナビスタ

先週のジャパンカップは単勝1.9倍の圧倒的1番人気に支持されたブエナビスタが一旦は1位入線を果たした。しかし、長い審議の結果、最後の直線で急に内側に斜行し、ローズキングダムの進路を妨害したとして2位に降着というアクシデントが起きた。降着そのものはめずらしくないが、G1という大きな舞台での出来事だけに、降着処分による余波は大きかったように感じる。単に勝っていたはずの人気馬が対象となっていたからではなく、被害馬陣営・加害馬陣営双方による言い分があり、判定に納得できない加害馬陣営のコメントがニュースになっていたりもした。審議時間の長さも、気になるところであった。今回の件に限らず、審議対象となった事象のジャッジは非常にデリケートだし、難しい。通常のレースVTRに加え、パトロールビデオが一般にも公開。JRAのオフィシャルホームページには、「走行妨害および制裁について」と詳細な説明はなされている。ただ、レースは生き物。事前にあらゆる状況での完璧な判断基準などは設けることができないし、誰が見てもセーフ、誰が見てもアウトといったわかりやすいケースは決して多くはあるまい。

■表1 平地重賞で降着となったケース(00年1月以降)

レース名
馬名
人気
着順
次走レース
次走成績
10年 JC ブエナビスタ
1
1→2
??? ???
10年 天皇賞(秋) ジャガーメイル
5
15→18
JC 7番人気4着
10年 スプリンターズS ダッシャーゴーゴー
6
2→4
京阪杯 1番人気10着
10年 天皇賞(春) トーセンクラウン
10
10→18
??? ???
10年 クイーン賞 ビービーエーディン
11
11→12
ファルコンS 17番人気5着
10年 小倉大賞典 マイネルスターリー
4
2→5
中京記念 1番人気8着
09年 阪神C エイシンタイガー
10
8→12
淀短距離S 2番人気1着
09年 秋華賞 ブエナビスタ
1
2→3
エリザベス女王杯 1番人気3着
09年 キーンランドC モルトグランデ
12
2→8
福島民友C 4番人気2着
09年 函館スプリントS エーシンエフダンズ
2
3→8
UHB杯 1番人気12着
09年 ユニコーンS シンゼンオオジ
10
8→15
1000万 9番人気13着
09年 NHKマイルC サンカルロ
3
8→18
富士S 8番人気11着
09年 新潟大賞典 オースミグラスワン
1
8→10
中央抹消
08年 阪急杯 マルカフェニックス
4
5→12
高松宮記念 6番人気9着
07年 天皇賞(秋) エイシンデピュティ
14
8→14
鳴尾記念 3番人気2着
06年 エリザベス女王杯 カワカミプリンセス
1
1→12
ヴィクトリアマイル 1番人気10着
06年 京都金杯 エイシンドーバー
5
4→12
小倉大賞典 1番人気2着
03年 東海S ディーエスサンダー
3
1→3
ブリリアントS 1番人気1着
03年 新潟大賞典 アサカディフィート
5
3→7
金鯱賞 9番人気5着
02年 カブトヤマ記念 カンファーベスト
3
1→10
中山金杯 10番人気3着
02年 神戸新聞杯 レニングラード
5
4→5
菊花賞 8番人気6着
02年 小倉2歳S マルブツタイクーン
3
4→15
500万 2番人気1着
02年 ユニコーンS クーリンガー
6
6→10
JDD 出走取消
01年 阪急杯 ラティール
13
5→13
中山牝馬S 3番人気3着

上の表は00年1月以降、JRAの平地重賞で降着となったケースをまとめたものだ(データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用)。失格のケースは含んでいない。今回のJCのようなG1で1位入線した馬の降着は、06年エリザベス女王杯以来の出来事。当時はカワカミプリンセスが12着への降着となった。さらに遡れば、91年天皇賞(秋)。メジロマックイーンが1位入線後、最下位の18着に降着したケースがある。これがJRAのG1で初の1着降着であった。

よって、JRAのG1での1位降着は過去3件。長い歴史を考えると、今回はレアケースといえる。ただ、1位以外での降着も当然ある。表に目を戻すと、先日の天皇賞(秋)ではジャガーメイルが15着から18着へ降着。今年のスプリンターズSでは2位入線のダッシャーゴーゴーが、4着へ降着。こちらは馬券絡みとなったため、より大きい混乱を招いた。この秋のG1シリーズだけで、すでに3件の降着処分があるのだ。さらに言えば、今年に入ってからは6件。そして、09年は7件の降着処分があった。00年1月以降、つまり約過去10年間で、平地重賞では合計24件の降着があったわけだが、その内13件が近2年。55%が09年以降の出来事なのだ。JRAは同年1月より、「審議から確定に至る手続きの見直し」また、騎手の進路の取り方に対する制裁基準の一部改定を行った(JRAのHP参照)。おそらく、これにより以前に比べて制裁判定が厳しくなっていることが予想される。近年の降着増加は、それによる影響の表れではないだろうか。

ここで表題の件について戻ろう。降着馬の次走についてだ。降着処分を受けた関係者は少なからずショックはあるだろうが、競走馬に及ぼす影響はあるのだろうか。馬のメンタル面はわかりかねるが、常識的にはあまり関係ないように感じる。が、降着後の次走1着となっているのは、エイシンタイガー、ディーエスサンダー、マルブツタイクーン3頭のみ。しかも、重賞ではなくOP特別やそれ以下のクラスでの成績だ。2、3着まで含めると、好走馬は何頭がいるものの、人気より上回る着順の馬は少ない。昨年秋華賞で降着したブエナビスタは、次走エリザベス女王杯で3着に敗れた。直接的な敗因は展開だろうが、勝負ごとにおける「リズム」という点で考えると、決していいことではない。先週の京阪杯では1番人気のダッシャーゴーゴーが10着に敗退。同年の中京記念でもマイネルスターリーが1番人気で8着に敗れている。そこで気になるのが、ブエナビスタの次走の行方。おそらく無事ならば有馬記念に出走するはず。悪いリズムを跳ね除けて、勝利することができるだろうか。ややオカルト的な見方かもしれないが、この点にも少し注目してみたい。

■表2 平地レースで降着があった競馬場別成績(00年1月以降)

場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
札幌 0-  1-  0- 19/ 20
0.0%
5.0%
5.0%
0
5
函館 0-  1-  0-  5/  6
0.0%
16.7%
16.7%
0
33
福島 0-  1-  0- 25/ 26
0.0%
3.8%
3.8%
0
4
新潟 0-  1-  1- 24/ 26
0.0%
3.8%
7.7%
0
54
東京 0-  1-  1- 39/ 41
0.0%
2.4%
4.9%
0
11
中山 0-  1-  2- 38/ 41
0.0%
2.4%
7.3%
0
11
中京 0-  2-  1- 28/ 31
0.0%
6.5%
9.7%
0
18
京都 0-  0-  2- 24/ 26
0.0%
0.0%
7.7%
0
10
阪神 0-  0-  1- 40/ 41
0.0%
0.0%
2.4%
0
17
小倉 0-  1-  2- 13/ 16
0.0%
6.3%
18.8%
0
55
東開催 0-  4-  4-126/134
0.0%
3.0%
6.0%
0
18
西開催 0-  3-  6-105/114
0.0%
2.6%
7.9%
0
21
中央開催 0-  2-  6-141/149
0.0%
1.3%
5.4%
0
13
ローカル 0-  7-  4-114/125
0.0%
5.6%
8.8%
0
26

最後に上の表2をご覧いただきたい。これは重賞以外も含めた全平地レースで降着があった際の競馬場別成績。表1ではやけに東京コースでの降着が多く、中山コースが少ないと感じたので、念のために調べた。結果は、東京と中山ともに41回。阪神も41回。中央場所ではやや京都(26回)が少ないか。ローカルは札幌に比べて、函館が少ない印象。とはいえ、東京が特に多いわけではないことがわかった。東京の重賞で降着が多くなっているのは偶然のようだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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