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第444回 福島記念激走馬の共通点を探る

2010/11/15(月)

2009/11/21 福島11R 福島記念(G3)1着 6番 サニーサンデー

福島記念は開催最終週のハンデ重賞という条件で行なわれる。この条件を聞いただけでも波乱をイメージするところだが、実際、一筋縄ではいかない結果となっているようだ。昨年も8番人気のサニーサンデーが勝ち、12番人気のトーセンクラウンが3着に入って3連単は49万馬券の高配当に。こうした穴馬の激走は珍しいことではなく、近10年の3着以内に入ったのべ30頭のうち、17頭までが6番人気以下のダークホースなのである。つまり、本命党も穴党も関係なく、福島記念を的中させるためには穴馬を見つけ出すのが必須事項なのである。そこで本稿では、単に福島記念で好走確率の高い馬を探るのではなく、近10年の福島記念で6番人気以下から3着以内に入ったのべ17頭の共通点を調べて、穴馬の発見につなげていくこととしたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 6番人気以下好走馬一覧(00年〜)

年度
着順
馬名
性齢
人気
00
2
レガシーハンター
牡5
6
3
テイエムトッキュー
牡6
15
01
1
ミヤギロドリゴ
牡7
8
2
サイレントセイバー
牡6
13
3
バンブーマリアッチ
牡6
14
02
2
アンクルスーパー
牡5
9
3
バンブーマリアッチ
牡7
12
04
1
セフティーエンペラ
セ5
6
2
ミスキャスト
牡6
9
3
ラヴァリージェニオ
セ5
16
05
2
トウカイトリック
牡3
7
07
2
ナリタプレリュード
牡5
16
3
ヤマニンメルベイユ
牝5
9
08
1
マンハッタンスカイ
牡4
7
3
グラスボンバー
牡8
14
09
1
サニーサンデー
牡3
8
3
トーセンクラウン
牡5
12

まず、近10年で6番人気以下から3着以内に入った馬を列記してみた。単純に列記しただけだが、意外と気がつくことは多い。まず言えるのが、ほとんどが牡馬(セン馬含む)ということ。牝馬で激走したのは07年3着のヤマニンメルベイユしかいない。穴を狙うのであれば牡馬。牝馬を狙うときは5番人気以内にとどめておくのが正解となりそうだ。また、3、4歳馬の激走が少なく、5、6歳馬が穴演出の中心となっている点もポイント。内訳を書けば、3歳2頭、4歳1頭、5歳7頭、6歳4頭、7歳2頭、8歳1頭となる。大まかな傾向ではあるが、この2点をひとつの基準として覚えておきたい。

■表2 6番人気以下好走馬・前走着順別成績(00年〜)

前走着順
着別度数
前走1着 0- 1- 0- 0/ 1
前走2着 1- 0- 0- 0/ 1
前走3着 1- 0- 0- 0/ 1
前走4着 0- 0- 1- 0/ 1
前走5着 0- 0- 0- 0/ 0
前走6〜9着 1- 3- 1- 0/ 5
前走10着〜 1- 2- 5- 0/ 8

表2は、近10年で6番人気以下から3着以内に入ったのべ17頭を前走着順で分けたものだ。さすがに穴馬だけあって、前走でも3着以内に入っていた馬は少ない。前走3着以内だった好走馬3頭のうち2頭の前走は条件戦だし、もう1頭も3歳限定戦のもの。残る馬の大半は、古馬混合のオープンクラスで6着以下に沈んでいた馬ということになるわけで、前走10着以下の馬が8頭もいる。このあたりにも福島記念の難解さの一端が表れているとは言えるだろう。

■表3 6番人気以下好走馬・前々走着順別成績(00年〜)

前々走着順
着別度数
前々走1着 0- 1- 0- 0/ 1
前々走2着 0- 0- 0- 0/ 0
前々走3着 0- 0- 2- 0/ 2
前々走4着 0- 0- 1- 0/ 1
前々走5着 1- 1- 0- 0/ 2
前々走6〜9着 3- 3- 2- 0/ 8
前々走10着〜 0- 1- 2- 0/ 3

前走10着以下の馬を狙えというのも乱暴な話なので、前々走の着順はどうだったのかということを調べてみた。その結果が表3。のべ17頭のうち6頭は5着以内、8頭は6〜9着には入っていた。10着以下に大敗していたのはわずか3頭のみ。前走10着以下の馬が多く激走しているとはいえ、前2走ともに大敗しているようでは望み薄。前走10着以下でも、前々走ではそれなりに走っていることが条件になる。

■表4 3走前に重賞で好走していた6番人気以下好走馬(00年〜)

年度
着順
馬名
着順
3走前
前走
前々走
着順
レース名
00
2
レガシーハンター
8
6
3
札幌記念・G2
01
1
ミヤギロドリゴ
9
5
3
新潟記念・G3
3
バンブーマリアッチ
4
3
3
エプソムC・G3
07
3
ヤマニンメルベイユ
16
8
3
福島牝馬S・G3
08
3
グラスボンバー
11
7
3
エプソムC・G3

さらにもうひとつ前、3走前に好走していた馬も意外なほど多い。表4は、3走前に重賞で好走していた馬をまとめたもの。予想の際にもっとも重視されるのは前走で、前々走もさほど顧みられない。3走前ともなると、ほとんど忘れられているのではないだろうか。とはいえ、わずか3走前に重賞で好走していた馬が極端に力を落とすとも考えにくい。3走前ではあっても重賞で好走していた馬が、前走や前々走での凡走でハンデに恵まれたとすれば、激走のチャンスが十分にあるはずだ。

■表5 6番人気以下好走馬・前走競馬場別成績(00年〜)

前走競馬場
着別度数
福島
1- 0- 1- 0/ 2
新潟
0- 0- 1- 0/ 1
東京
1- 1- 3- 0/ 5
中山
0- 0- 0- 0/ 0
中京
0- 0- 0- 0/ 0
京都
2- 4- 2- 0/ 8
阪神
0- 1- 0- 0/ 1

近10年で6番人気以下から3着以内に入ったのべ17頭を前走で走った競馬場別に分けたものが表5。こうして見ると、京都や東京から転戦してきた激走馬が多いことが一目瞭然だ。もっとも、時期的なことを考えれば、前走で京都や東京を走っていた馬が多いのは当然ではある。

■表6 6番人気以下好走馬のうち前走が東京・京都の馬(00年〜)

年度
着順
馬名
前走
着順
競馬場
00
2
レガシーハンター
8
京都
3
テイエムトッキュー
13
京都
01
1
ミヤギロドリゴ
9
京都
2
サイレントセイバー
12
東京
02
2
アンクルスーパー
9
京都
04
1
セフティーエンペラ
3
京都
3
ラヴァリージェニオ
11
京都
05
2
トウカイトリック
1
京都
07
2
ナリタプレリュード
12
京都
3
ヤマニンメルベイユ
16
東京
08
1
マンハッタンスカイ
13
東京
3
グラスボンバー
11
東京
09
3
トーセンクラウン
18
東京

そこで、前走が京都と東京だった6番人気以下好走馬の前走をもうすこし詳しく調べてみたのが表6。すると、おもしろいことがわかった。該当する13頭のうち11頭は前走で8着以下に敗れており、8頭はふたケタ着順に大敗していたのだ。好走していた馬も2頭いるが、いずれも条件戦でのもの。つまり、京都や東京での前走大敗はまったく気にする必要がなく、そうした馬こそが福島記念で穴をあけるのである。たとえば、01年1着のミヤギロドリゴのように、福島に良績を残していながら前走の京都で大敗していた馬がいるようなら、格好の狙い目になるだろう。

■表7 6番人気以下好走馬・前走上がり3Fタイム別成績(00年〜)

2001/11/17 福島11R 福島記念(G3)1着 8番 ミヤギロドリゴ

前走上がり3Fタイム
着別度数
3F 1位 0- 1- 0- 0/ 1
3F 2位 1- 1- 0- 0/ 2
3F 3位 0- 1- 0- 0/ 1
3F 〜5位 1- 2- 1- 0/ 4
3F 6位〜 2- 1- 6- 0/ 9

一般的に、東京のように直線の長いコースでは速い上がり3Fタイムをマークできる瞬発力に優れた馬が有利。一方、福島のような小回りコースではさほど瞬発力を要求されない。つまり福島記念では、前走、瞬発力勝負で見劣って負けた馬が巻き返して穴をあけるパターンが期待できるのではないか、と推測することができる。実際、表7のとおり、前走で上位の上がり3Fタイムをマークしていた馬はさほどおらず、半数以上は6位以下でしかなかった。前項と合わせて考えると、東京や京都の瞬発力勝負で大敗した馬が、小回りコースで行なわれる福島記念で巻き返して穴をあける構図が見えてくるだろう。

■表8 10年福島記念出走登録馬

馬名
性齢
前走
3走前
着順
競馬場
上がり3F
着順
アルコセニョーラ
牝6
14
新潟
6位〜
2
G3
イケトップガン
牡6
8
京都
6位〜
12
G3
オートドラゴン
牡6
1
京都
1位
2
1600万下
キョウエイストーム
牡5
9
東京
6位〜
7
G3
サクラオリオン
牡8
11
札幌
6位〜
12
G3
サニーサンデー
牡4
11
福島
6位〜
3
G3
ショウナンライジン
牡6
7
京都
3位
11
OP特別
シルクネクサス
牡8
15
東京
6位〜
7
OP特別
セントラルコースト
牡5
6
東京
6位〜
2
OP特別
ダンスインザモア
牡8
13
東京
6位〜
8
G2
ディアアレトゥーサ
牝3
6
京都
6位〜
1
500万下
トウショウウェイヴ
牡5
7
東京
6位〜
8
G3
トウショウシロッコ
牡7
7
東京
〜5位
2
G3
ナムラクレセント
牡5
2
京都
2位
8
G2
ニルヴァーナ
牡7
4
京都
6位〜
6
OP特別
ベルモントルパン
牡6
16
札幌
6位〜
9
G3
ホワイトピルグリム
牡5
15
新潟
6位〜
4
OP特別
マイネルキーロフ
牡6
14
函館
6位〜
3
1600万下
マイネルチャールズ
牡5
14
東京
6位〜
12
G3
ミステリアスライト
牡5
6
中山
6位〜
1
1000万下
ムラマサノヨートー
牡6
2
東京
〜5位
7
G3
メイショウクオリア
牡5
6
東京
6位〜
3
OP特別
ヤマニンキングリー
牡5
10
東京
6位〜
11
G1
レッドアゲート
牝5
13
東京
6位〜
10
OP特別
ロッソトウショウ
牝5
10
東京
1位
7
1600万下

では最後に、これまでに述べてきたことを踏まえて、今年の出走登録馬25頭のなかから激走候補になりそうな馬を具体的に探していきたい。当日人気についてはこの段階ではなんとも言えないので、その点については度外視する。また、あくまで激走候補なので、当日上位人気に推された馬については除外していただきたい。

まず、「5、6歳の牡馬(セン馬)」という条件に合致するのは15頭いた。競走寿命が伸びた近年は7、8歳ぐらいなら衰えが感じられなくなっているし、福島記念でも7、8歳の激走例はある。気にしすぎる必要はないだろうが、一応の基準としては押さえておきたい。

福島記念で激走の多い「前走、京都か東京で8着以下に敗れていた馬」には、イケトップガンキョウエイストームマイネルチャールズヤマニンキングリーの4頭が該当している。この4頭は「前走上がり3Fタイム6位以下」という条件も満たしており、出走してきたら有力な穴馬候補となりそうだ。また、すべて「5、6歳の牡馬」でもあり、この点でも注目すべき存在になってくる。

「3走前に重賞で好走」という条件に合致するのは、アルコセニョーラサニーサンデートウショウシロッコの3頭。この3頭は、アルコセニョーラが07年の勝ち馬、サニーサンデーとトウショウシロッコは09年の1、2着馬と、すでに福島記念で実績を残している馬たちでもある。それだけに上位人気に推される可能性も高いが、もし人気の盲点になるようなら押さえて損はないはずだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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