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第437回 二強ムードが色濃い今年の菊花賞を占う

2010/10/21(木)

牡馬クラシックの最終戦は淀の長距離決戦、菊花賞。今年は皐月賞馬のヴィクトワールピサが凱旋門賞に挑戦した関係で不在だが、ダービー馬のエイシンフラッシュとその2着馬で昨年の2歳チャンピオンでもあるローズキングダムが前哨戦でも接戦を繰り広げ、二強ムードとなっている。「二強並び立たず」という格言もあるが、菊花賞での二強対決ではどのような傾向が出ているのか。そのあたりを中心に今年のレースを予想してみよう。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ダービー馬の菊花賞成績(86年〜)

年度
馬名
人気
着順
前走
86
ダイナガリバー
5
2
京都新聞杯4着
87
メリーナイス
1
9
セントライト記念1着
88
サクラチヨノオー
出走せず
89
ウィナーズサークル
2
10
京都新聞杯4着
90
アイネスフウジン
出走せず
91
トウカイテイオー
出走せず
92
ミホノブルボン
1
2
京都新聞杯1着
93
ウイニングチケット
2
3
京都新聞杯1着
94
ナリタブライアン
1
1
京都新聞杯2着
95
タヤスツヨシ
5
6
京都新聞杯7着
96
フサイチコンコルド
2
3
カシオペアS2着
97
サニーブライアン
出走せず
98
スペシャルウィーク
1
2
京都新聞杯1着
99
アドマイヤベガ
1
6
京都新聞杯1着
00
アグネスフライト
1
5
神戸新聞杯2着
01
ジャングルポケット
1
4
札幌記念3着
02
タニノギムレット
出走せず
03
ネオユニヴァース
1
3
神戸新聞杯3着
04
キングカメハメハ
出走せず
05
ディープインパクト
1
1
神戸新聞杯1着
06
メイショウサムソン
1
4
神戸新聞杯2着
07
ウオッカ
出走せず
08
ディープスカイ
出走せず
09
ロジユニヴァース
出走せず

表1は1986年以降のダービー馬が菊花賞でどういう成績を残しているかをまとめたものだが、どうやら苦戦傾向が否めない。勝ったのは三冠馬であるナリタブライアンとディープインパクトの2頭だけ。2着もダイナガリバー、ミホノブルボン、スペシャルウィークの3頭のみとなっており、人気を上回る着順を残し馬も1番人気1着の三冠馬2頭を除けばダイナガリバーのみ。神戸新聞杯で順調なところをアピールしたエイシンフラッシュだが、過去のダービー馬も大半は秋初戦でしっかりと着順をまとめながら、菊花賞では人気に応えられていない。エイシンフラッシュにとってはやや厳しいデータと言えそうだ。

■表2 ダービー2着馬の菊花賞成績(86年〜)

年度
馬名
人気
着順
前走
86
グランパズドリーム 出走せず
87
サニースワロー
7
5
京都新聞杯2着
88
メジロアルダン
出走せず
89
リアルバースデー
5
3
京都新聞杯3着
90
メジロライアン
1
3
京都新聞杯1着
91
レオダーバン
3
1
セントライト記念3着
92
ライスシャワー
2
1
京都新聞杯2着
93
ビワハヤヒデ
1
1
神戸新聞杯1着
94
エアダブリン
3
3
京都新聞杯3着
95
ジェニュイン
出走せず
96
ダンスインザダーク
1
1
京都新聞杯1着
97
シルクジャスティス
1
5
京都大賞典1着
98
ボールドエンペラー
7
7
京都新聞杯9着
99
ナリタトップロード
3
1
京都新聞杯2着
00
エアシャカール
2
1
神戸新聞杯3着
01
ダンツフレーム
2
5
神戸新聞杯4着
02
シンボリクリスエス 出走せず
03
ゼンノロブロイ
2
4
神戸新聞杯1着
04
ハーツクライ
1
7
神戸新聞杯3着
05
インティライミ
出走せず
06
アドマイヤメイン
3
3
神戸新聞杯7着
07
アサクサキングス
4
1
神戸新聞杯2着
08
スマイルジャック
3
16
神戸新聞杯9着
09
リーチザクラウン
1
5
神戸新聞杯2着

一方、1986年以降に菊花賞に出走したダービー2着馬18頭から7頭の勝ち馬が出ている。そのうち91年から00年までの10年間に6頭が集中しているだけにやや古い傾向という感もなくはないが、3年前の07年にもアサクサキングスが菊花賞馬に輝いており、現在でも通用しないデータというわけではないだろう。注意するとすれば、勝ち馬は多いものの、2着馬は1頭もいないところ。特に01年以降は大負けするケースも増えている。ローズキングダムにとってはゲンがいい反面、怖さも抱えているデータとは言えるかもしれない。

■表3 二強対決の菊花賞・1、2番人気馬の成績(86年〜)

年度
着順
馬名
人気
単オッズ
93
1
ビワハヤヒデ
1
2.4
2
ステージチャンプ
9
33.5
3
ウイニングチケット
2
2.8
00
1
エアシャカール
2
2.8
2
トーホウシデン
3
10.8
5
アグネスフライト
1
1.9
03
1
ザッツザプレンティ
5
20.2
2
リンカーン
4
14.4
3
ネオユニヴァース
1
2.3
4
ゼンノロブロイ
2
2.5
04
1
デルタブルース
8
45.1
2
ホオキパウェーブ
4
8.3
4
コスモバルク
2
3.8
7
ハーツクライ
1
2.7

過去に二強対決となった菊花賞がどのような結果になっているのかも気になるところだ。もっとも、「二強対決」の定義には難しいところもある。ここでは「1、2番人気の単勝オッズがともに3倍台以下、3番人気の単勝オッズが6倍台以上」をひとつの基準としてみたい。1986年以降、このケースに該当する年は4回あったのだが、二強が順当に1、2着を占めた年は1回もなし。93年のビワハヤヒデ1着、ウイニングチケット3着がもっとも惜しい例で、03年と04年では二強がいずれも2着を外している。4例をもって断定するのは危険だが、菊花賞の二強対決では「並び立たず」の可能性を考慮しておく必要がありそうだ。

■表4 種牡馬別成績(近10年・3着以内がある種牡馬のみ)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
サンデーサイレンス 3- 2- 3-27/35
8.6%
14.3%
22.9%
59%
54%
ダンスインザダーク 3- 2- 0- 6/11
27.3%
45.5%
45.5%
768%
432%
エルコンドルパサー 1- 0- 0- 5/ 6
16.7%
16.7%
16.7%
736%
126%
ジャングルポケット 1- 0- 0- 3/ 4
25.0%
25.0%
25.0%
92%
42%
ホワイトマズル 1- 0- 0- 1/ 2
50.0%
50.0%
50.0%
420%
110%
サツカーボーイ 1- 0- 0- 0/ 1
100.0%
100.0%
100.0%
3660%
880%
ブライアンズタイム 0- 1- 1- 6/ 8
0.0%
12.5%
25.0%
0%
96%
スペシャルウィーク 0- 1- 0- 2/ 3
0.0%
33.3%
33.3%
0%
283%
アドマイヤベガ 0- 1- 0- 3/ 4
0.0%
25.0%
25.0%
0%
72%
ペンタイア 0- 1- 0- 1/ 2
0.0%
50.0%
50.0%
0%
885%
フジキセキ 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
190%
カーネギー 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
240%
オペラハウス 0- 0- 1- 1/ 2
0.0%
0.0%
50.0%
0%
205%
ヤマニンセラフィム 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
650%
ニホンピロウイナー 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
330%
グラスワンダー 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
460%
Red Ransom 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
170%
Danehill 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
230%
アドマイヤベガ 0- 1- 0- 3/ 4
0.0%
25.0%
25.0%
0%
72%
ペンタイア 0- 1- 0- 1/ 2
0.0%
50.0%
50.0%
0%
885%
フジキセキ 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
190%
カーネギー 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
240%
オペラハウス 0- 0- 1- 1/ 2
0.0%
0.0%
50.0%
0%
205%
ヤマニンセラフィム 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
650%
ニホンピロウイナー 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
330%
グラスワンダー 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
460%
Red Ransom 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
170%
Danehill 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
230%

昨年は現代を代表する長距離種牡馬であるダンスインザダーク産駒が1着スリーロールス、2着フォゲッタブルとワンツーを決め、ステイヤーの血を見事に開花させた。これで10年、ダンスインザダーク産駒が3勝。しかも5番人気、8番人気2回という人気がないところからの激走で、2着2回も16番人気、7番人気という人気薄。これはまさに血の成せる業としか言いようがない。ほかに複数の好走例があるのはサンデーサイレンスとブライアンズタイムだけで、02年に亡くなった前者の産駒が菊花賞に出走することはなく、後者の好走例も00年の2、3着が最後。種牡馬で注意すべきは人気薄のダンスインザダーク産駒ということになる。

■表5 前走・トライアル重賞からの激走

年度
馬名
人気
着順
前走
前々走
レース名
着順
着差
レース名
着順
00年 エリモブライアン
6
3
神戸新聞杯(G2)
7
1.0
駒草賞(オープン特別)
1
01年 マンハッタンカフェ
6
1
セントライト記念(G2)
4
0.7
阿寒湖特別(1000万下)
1
02年 ヒシミラクル
10
1
神戸新聞杯(G2)
6
1.3
野分特別(1000万下)
1
06年 ソングオブウインド
8
1
神戸新聞杯(G2)
3
0.1
ラジオNIKKEI賞(G3)
2
08年 ナムラクレセント
9
3
神戸新聞杯(G2)
6
0.5
玄海特別(1000万下)
1
09年 フォゲッタブル
7
2
セントライト記念(G2)
3
0.1
阿賀野川特別(1000万下)
2
セイウンワンダー
6
3
神戸新聞杯(G2)
3
0.4
ダービー(G1)
13

データを分析したところ、菊花賞の激走例(6番人気以下から3着以内)は大きく4つのパターンに分けることができそうだ。もっとも好走例が多いのが、前走のトライアル重賞、神戸新聞杯かセントライト記念のいずれかで僅差に負けていた馬の巻き返し。多少の例外はあるが、トライアルでひとケタ着順かつ着差が1秒以内の馬が巻き返してきている。注目なのが、これらの馬の多くが前々走の1000万下で古馬を相手に勝っていたこと。1000万下で古馬を撃破して注目されながら、トライアルで負けて重賞ではまだ荷が重いかと思わせながら、本番ですぐに巻き返すパターンには要注意だ。

■表6 前走・1000万下からの激走

年度
馬名
人気
着順
前走
レース名
着順
01年 マイネルデスポット
11
2
鳴滝特別
7
04年 デルタブルース
8
1
九十九里特別
4
09年 スリーロールス
8
1
野分特別
6

トライアルを経由せずに前走1000万下から激走するパターンもある。この場合、8番人気1着が2回、11番人気2着が1回と穴の期待はさらに膨らむ。ただし、このパターンで臨んできた馬は近10年で39頭もおり、成功率は決して高いとは言えない。勝った2頭のデルタブルースとスリーロールスは菊花賞で非常に強いダンスインザダーク産駒。マイネルデスポットは前走が京都芝2400mという比較的近い条件だった。こうした強調材料があるようなら、1000万下組も馬券対象に組み入れる価値はある。

■表7 前走・古馬重賞からの激走

年度
馬名
人気
着順
前走
レース名
着順
02年 ファストタテヤマ
16
2
札幌記念
13
04年 オペラシチー
6
3
朝日チャレンジC
7
07年 アルナスライン
6
2
京都大賞典
3

前走でトライアル重賞を使わず、古馬重賞をステップに臨む馬が人気の盲点となることがある。07年2着のアルナスラインは京都芝2400mと条件の近い京都大賞典で古馬に混じって3着に健闘しながら、本番では6番人気と意外なほど人気がなかった。04年3着のオペラシチーは前々走で1000万下を勝っていた点で、前々項で見た激走馬と共通しており、7着とはいえ古馬重賞での0秒3差負けなら十分に評価できるもの。01年2着のファストタテヤマはG2の札幌記念とはいえ15着大敗では買いづらいところではある。ただ、菊花賞と同じ京都芝外回りコースの重賞をすでに2勝していたコース巧者、かつダンスインザダーク産駒。今思えば買えない馬ではなかったようにも思われる。

■表8 春クラシックでの実績馬が激走

年度
馬名
人気
着順
皐月賞
ダービー
着順
着差
着順
着差
05年 アドマイヤジャパン
6
2
3
0.6
10
2.0
08年 フローテーション
15
2
11
1.2
8
0.8
09年 セイウンワンダー
6
3
3
0.3
13
2.6

春のクラシックで活躍した馬が、人気を落とした場合にも要注意。05年2着のアドマイヤジャパンと09年3着のセイウンワンダーはいずれも皐月賞の3着馬。08年2着のフローテーションは春二冠の着順こそ振るわないが、ダービーでは外を回って0秒8差までよく差を詰めていた。こうした馬をうまく拾うことができれば、大きな配当にもつながってくるだろう。

【結論】

2010/5/30 東京10R 東京優駿(G1)1着 1番 エイシンフラッシュ
2010/9/26 阪神10R 神戸新聞杯(G2)1着 3番 ローズキングダム

願わくば二強のしびれるようなマッチレース、と言いたいところだが、過去のデータからは菊花賞の二強対決では明暗分かれるか、共倒れという傾向が出ているようだ。エイシンフラッシュとローズキングダムの2頭でどちらをとるかといえば、菊花賞と相性のいいダービー2着馬のローズキングダムということになる。ただし、先に見たように90年代ほどダービー2着馬が菊花賞で強いわけではなく、盤石の本命とまでとなるとどうか。一応の軸馬とはするが、二強が共倒れになっても的中の可能性を残すような買い方をしたいところだ。

皐月賞2着馬であり、前走で古馬相手の札幌記念で4着に健闘したヒルノダムール。ダービーの9着敗退で評価を落とした感もあるが、着差はわずかに0秒6。打倒二強の一番手に指名したい。ダービー組では4着ゲシュタルト、8着サンディエゴシチーもピックアップしておきたい。ともに神戸新聞杯で大敗しているぶん、妙味がありそうだ。ほかにも神戸新聞杯の敗退組には興味深い馬がおり、10着のシルクオールディーは、前々走の阿寒湖特別で1000万下を勝っているが、この臨戦過程は父であるマンハッタンカフェと同じ。4着のタニノエポレットは今年の登録馬のなかで唯一のダンスインザダーク産駒。抽選待ちの身だが、出走できれば血統派から熱い支持を受けそうだ。

もうひとつのトライアルであるセントライト記念からは前述したゲシュタルト以外では、1着クォークスター、3着アロマカフェなどが出走を予定。2頭ともにマイナス材料はないのだが、これといった強調データもなく、積極的に買いたいとまではいかず。そして最大の惑星馬、北海道で芝2600mのオープン特別を連勝して乗り込んでくるトウカイメロディについては過去に比較できるようなデータがない。古馬相手に長丁場を勝ってきた実力は侮れないが、データでは買えないため、勝たれたら仕方ないとして思い切って無印にする。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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