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第429回 近年は名前ほど間口が広くない?オールカマーを分析

2010/9/23(木)

2009/9/27 中山11R 産経賞オールカマー(G2)1着 15番 マツリダゴッホ

昨年までマツリダゴッホが3連覇を遂げているオールカマー。希代の中山巧者として知られた同馬はすでに引退したが、昨年2着のドリームジャーニー、3着のシンゲンが今年もスタンバイしてきた。秋の古馬中長距離G1戦線をにらむステップG2としても注目されるオールカマーをデータ分析してみたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。なお、集計対象は近10年だが、新潟開催だった02年を除いて、中山開催の9年分を分析していく。

■表1 人気別成績

場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気
4- 1- 0- 4/ 9
44.4%
55.6%
55.6%
77%
65%
2番人気
1- 2- 1- 5/ 9
11.1%
33.3%
44.4%
41%
76%
3番人気
1- 2- 1- 5/ 9
11.1%
33.3%
44.4%
51%
85%
4番人気
2- 2- 0- 5/ 9
22.2%
44.4%
44.4%
126%
93%
5番人気
0- 1- 1- 7/ 9
0.0%
11.1%
22.2%
0%
65%
6番人気
0- 1- 3- 5/ 9
0.0%
11.1%
44.4%
0%
97%
7番人気
0- 0- 2- 7/ 9
0.0%
0.0%
22.2%
0%
82%
8番人気
0- 0- 1- 7/ 8
0.0%
0.0%
12.5%
0%
51%
9番人気
1- 0- 0- 7/ 8
12.5%
12.5%
12.5%
833%
71%
10番人気
0- 0- 0- 6/ 6
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
11番人気
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
12番人気
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
13番人気
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
14番人気
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
15番人気
0- 0- 0- 3/ 3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
16番人気
0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

まずは基本的なデータから見ていこう。オールカマーは基本的に非常に堅いレースである。集計対象とした9年では、1着9頭のうち8頭は4番人気以内、2着9頭はすべて6番人気以内に推されていた。連対馬で明確に穴サイドといえるのは04年の勝ち馬トーセンダンディだけ(9番人気)。馬連や馬単では大穴は狙いにくいようだ。ただし、3着には5〜8番人気の範囲から7頭が来ている。高配当を狙うのであれば3連単もしくは3連複を活用する必要がありそうだ。とはいえ、穴狙いといっても10番人気以下は馬券絡みすらないので、バットを振り回すのはやはり得策ではない。人気サイドを中心に確実に当てていくスタンスで臨みたいところだ。

■表2 前走レース別成績(好走例のあるレースのみ)

前走レース名
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
札幌記念 5- 2- 1- 6/14
35.7%
50.0%
57.1%
111%
117%
新潟記念 2- 3- 2-17/24
8.3%
20.8%
29.2%
293%
74%
宝塚記念 2- 2- 0- 4/ 8
25.0%
50.0%
50.0%
92%
80%
札幌日経オープン 0- 1- 0- 4/ 5
0.0%
20.0%
20.0%
0%
40%
キーンランドC 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
380%
エプソムC 0- 0- 1- 3/ 4
0.0%
0.0%
25.0%
0%
32%
朝日チャレンジC 0- 0- 1- 5/ 6
0.0%
0.0%
16.7%
0%
48%
ブリーダーズGC 0- 0- 1- 1/ 2
0.0%
0.0%
50.0%
0%
80%
クイーンS 0- 0- 1- 1/ 2
0.0%
0.0%
50.0%
0%
105%
みなみ北海道S 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
360%
ヴィクトリアマイル 0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
290%

前走レースで注目すべきは札幌記念組。札幌記念での着順を問わず、このステップで出走してきたら5割以上の確率で馬券になるという抜群の相性の良さだ。出走馬がもっとも多い新潟記念組は、ハンデG3から別定G2と条件が厳しくなることもあって、基本的には3着以内に入っていることが好走の条件。新潟記念4着以下から巻き返したのは、01年2着のゲイリートマホーク(前走7着)と同年3着サイレントセイバー(前走10着)の2頭だけで、どちらも前々走を勝っていたことで共通している。前走宝塚記念組は、複勝率5割とさすがの好走確率。そのほかのレースとなると好走例がそれぞれ1頭のみ。基本的にはこの3レースをステップに臨む馬の取捨を重点的に考えていきたい。

■表3 出走間隔別成績

出走間隔
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
連闘
0- 0- 0- 1/ 1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
中1週
0- 0- 1- 6/ 7
0.0%
0.0%
14.3%
0%
41%
中2週
1- 2- 1- 8/12
8.3%
25.0%
33.3%
19%
84%
中3週
2- 4- 2-17/25
8.0%
24.0%
32.0%
281%
86%
中4〜8週
4- 1- 3-14/22
18.2%
22.7%
36.4%
60%
70%
中9週〜
2- 2- 2-32/38
5.3%
10.5%
15.8%
19%
27%

オールカマーは休み明けの馬には厳しいレースである。前走から中2〜8週の場合は複勝率30%を超えるのに対し、前走から中9週以上の間隔が空くとその数字が半減以下になってしまう。基本的には使われている馬を中心に考えていこう。また、中9週以上でも好走した6頭は「前走が宝塚記念」「前走のG1で3着以内」「前走で重賞1着」のいずれかに該当していた。

■表4 芝2200m重賞実績を持っていたオールカマー好走馬

年度
馬名
性齢
人気
着順
主な芝2200m重賞実績
00年 メイショウドトウ
牡4
1
1
00年宝塚記念2着
03年 ファストタテヤマ
牡4
3
2
04年京都新聞杯1着
04年 ウインジェネラーレ
牡4
3
3
04年AJCC2着
05年 ホオキパウェーブ
牡4
4
1
04年セントライト記念2着
エルノヴァ
牝6
6
2
04年エリザベス女王杯3着
06年 バランスオブゲーム
牡7
4
1
02年セントライト記念1着
コスモバルク
牡5
2
2
04年セントライト記念1着
07年 マツリダゴッホ
牡4
1
1
07年AJC杯1着
シルクネクサス
牡5
5
2
07年AJC杯3着
08年 マツリダゴッホ
牡5
1
1
07年オールカマー1着
キングストレイル
牡6
6
2
05年セントライト記念1着
トウショウシロッコ
牡5
8
3
07年セントライト記念2着
09年 マツリダゴッホ
牡6
3
1
08年オールカマー1着
ドリームジャーニー
牡5
1
2
09年宝塚記念1着

2005/9/18 中山11R セントライト記念(G2)1着 14番 キングストレイル

ここからはオールカマーで好走した馬の共通点をふたつ紹介したい。まず、オールカマーのコース条件は中山芝2200mだが、2200mで実績を残していた馬の活躍がとにかく目立つのだ。表4は、それまでに芝2200m重賞で3着以内に入ったことのあるオールカマー好走馬をまとめたものだが、特に05年以降は毎年ここから勝ち馬が出ているうえに、2頭以上が馬券に絡んでいる。なかでも同じ中山芝2200mG2であるセントライト記念、AJC杯で好走歴を持つ馬は要注意。この2レースでも、オールカマーと施行時期がほぼ同じのセントライト記念の連対馬が出てきたら絶好の狙い目だ。06年はセントライト記念勝ち馬がワンツー。08年2着のキングストレイルは長らく短距離〜マイル戦を使われていたにもかかわらず、久しぶりに出走した2200m戦で3年前のセントライト記念勝利時を思い出したかのように激走してみせた。表には載せなかったが、03年に7番人気から3着に好走したメジロランバートも、京都新聞杯やAJC杯でともに4着の実績を持っていた馬だった。人気薄でも芝2200m重賞実績を持っているかどうかを確認しておくことは、決して無駄ではないはずだ。

■表5 同年夏の芝2000m重賞で3着以内に入っていたオールカマー好走馬

年度
馬名
性齢
人気
着順
同年夏の芝2000m重賞実績
00年 サクラナミキオー
牡5
4
2
七夕賞3着
01年 エアスマップ
牡6
2
1
新潟記念2着
ゲイリートマホーク
セ5
3
2
七夕賞1着
03年 エアエミネム
牡5
1
1
函館記念1着、札幌記念2着
04年 トーセンダンディ
牡6
9
1
新潟記念3着
スーパージーン
牡6
4
2
新潟記念1着
05年 グラスボンバー
牡5
2
2
七夕賞3着、新潟記念2着
07年 エリモハリアー
セ7
7
3
函館記念1着
08年 マツリダゴッホ
牡5
1
1
札幌記念2着
トウショウシロッコ
牡5
8
2
新潟記念3着

芝2200m実績と並ぶオールカマー好走の条件として挙げられるのが、夏の重賞好走馬たちである。オールカマーは秋G1へのステップレースであると同時に、夏競馬の延長戦上という意味合いもある。休み明けで臨む馬も多いだけに、9月の段階では夏場に使われているアドバンテージがあるのだろう。表5は、オールカマー好走馬のなかで夏の芝2000m重賞で好走していた馬たちを抽出したものである。前項で取り上げた芝2200m重賞実績馬ほどではないものの、コンスタントに馬券に絡んでおり、こちらもしっかりとチェックしておきたい。

【結論】

■表6 10年オールカマー登録馬

馬名
性齢
主な芝2200m重賞実績
同年夏の芝2000m重賞実績
ケンブリッジレーザ
牡7
   
サンライズベガ
牡6
  七夕賞3着、新潟記念3着
シルポート
牡5
   
シンゲン
牡7
   
ジャミール
牡4
  函館記念2着
デストラメンテ
牡6
   
トウショウシロッコ
牡7
06年セントライト記念2着 新潟記念2着
ドリームジャーニー
牡6
09年宝塚記念1着  
ベンチャーナイン
牡5
   
ミステリアスライト
牡5
   
ミッキーミラクル
牡5
   

先に「オールカマーは非常に堅いレース」と述べたが、表4や表5のように同コース実績馬や近走好調馬がしっかりと好走しているのだから、堅い結果になるのも当然なのかもしれない。どうも近年は、オールカマーという名前ほどは、「誰でも来い」というレースではないようだ。さらに、今年は登録段階で11頭のみとなっており出走頭数も少なくなりそうなので、可能な限り点数を絞って確実に当てにいきたいところだ。

重視するのは、芝2200m重賞実績と同年夏の芝2000m重賞成績。この両方を満たした登録馬はトウショウシロッコだけである。表6には06年セントライト記念2着のみを掲載したが、これ以外にも08年オールカマーや09、10年AJC杯でそれぞれ3着に入っており、中山芝2200mに抜群の適性を持っている。前走の新潟記念でもしっかりと2着に入っており、連の軸としてはこの馬だろう。

ただし、トウショウシロッコはこれまで重賞未勝利ということが示すように勝ち味に遅い面のある馬。当然、G1を3勝しているドリームジャーニーが逆転する可能性は大いにある。前走はこのレースとの相性がいい宝塚記念。そこで中間に一頓挫ありながら4着したことを思えば、大きな力落ちはないはず。前年の2着馬でもあり、コース適性も十分。馬連やワイドで買うなら、ドリームジャーニーとトウショウシロッコの1点で勝負したいところだ。

3着候補には夏の芝2000mで好走してきたサンライズベガジャミールの2頭。奇しくもサンライズベガはトウショウシロッコと同じアドマイヤベガ産駒、ジャミールはドリームジャーニーと同じステイゴールド産駒である。また、両馬ともに中山では1戦1勝。このあたりから察するに、中山芝2200m適性は十分にありそうだ。この2頭で優劣を決めるのであれば、前走がオールカマーと好相性の札幌記念だったジャミールを上位にとりたい。

そのほかの実績馬では、昨年の3着馬シンゲン、今年のエプソムC2着馬シルポートだが、前者は天皇賞・秋以来11カ月ぶりのレースではいかにも厳しい。後者も中9週以上の休み明け馬の好走条件である「前走重賞1着」を満たしておらず、どちらも無印扱いとした。また、条件戦を連勝中で最大の惑星候補であるミステリアスライトは不気味な存在だが、近10年、前走が条件戦という馬はオールカマーでの好走はなし。データからは拾えない馬なので、来たら仕方がないというスタンスで潔く消してみたい。

まとめると、1、2着候補がドリームジャーニーとトウショウシロッコ。3着候補にサンライズベガ、ジャミール。3連単のフォーメーションでいえば4点。いささか絞りすぎたかという気がしなくもないが、人気サイドを狙う以上は、このぐらいの思い切りも必要になってくるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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