第422回 夏の小倉最終週は差し馬有利?|競馬情報ならJRA-VAN

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第422回 夏の小倉最終週は差し馬有利?

2010/8/30(月)

今週でフィナーレを迎える夏競馬。連続開催の後半、特に最終週ともなると芝コースは内ラチ沿いが荒れ、馬場の中央から外へ進路を取った差し馬が台頭するレースも多くなる。ただ、そもそも小回りローカルは先行有利。果たして差し馬ばかり狙っていいのか、というと疑問も残る。そこで今週は、特に小倉競馬場の夏競馬最終週に絞って、過去の傾向を見てみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、集計期間は00年から09年の10年間としている。

■表1 夏の小倉芝・脚質別成績(最終週のみ、00〜09年)

脚質
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
1着シェア
3内シェア
逃げ
29-  21-  20- 100/ 170
17.1%
29.4%
41.2%
246%
139%
18.7%
15.0%
先行
82-  76-  65- 338/ 561
14.6%
28.2%
39.8%
140%
126%
52.9%
47.8%
中団
37-  51-  59- 740/ 887
4.2%
9.9%
16.6%
57%
67%
23.9%
31.5%
後方
3-   3-  10- 651/ 667
0.4%
0.9%
2.4%
18%
10%
1.9%
3.4%
マクリ
4-   5-   2-   6/  17
23.5%
52.9%
64.7%
92%
135%
2.6%
2.4%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

■表2 夏の小倉芝・脚質別成績(最終週除く、00〜09年)

脚質
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
1着シェア
3内シェア
逃げ
237- 149- 120- 570/1076
22.0%
35.9%
47.0%
179%
140%
23.2%
16.5%
先行
522- 557- 477-2070/3626
14.4%
29.8%
42.9%
120%
120%
51.1%
50.9%
中団
198- 242- 334-4346/5120
3.9%
8.6%
15.1%
54%
60%
19.4%
25.3%
後方
36-  44-  70-3858/4008
0.9%
2.0%
3.7%
7%
15%
3.5%
4.9%
マクリ
28-  26-  19-  53/ 126
22.2%
42.9%
57.9%
213%
185%
2.7%
2.4%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

まず、距離を問わない芝コース全体の成績から見てみたい。表1は夏競馬最終週のみの脚質成績、そして表2は比較用に最終週を除いた成績だ。表1からわかるように、全体としては最終週になっても先行馬や逃げ馬が好成績。「最終週」というより「小回りローカル」という方を引き続き意識しておいた方が良いように見受けられる。

ただ表2と比較してみると、最終週以外では「逃げ」が「先行」馬を勝率で7%以上、連対率、3着内率で4〜5%上回っていたのに対し、最終週ではその差が縮まり、特に連対率や3着内率ではほぼ互角と言える数字になっている。
また、表の右にある1着占有率では、最終週以外では「逃げ」が「中団」を上回っている一方で、最終週では逆転して「中団」のほうが多い。加えて、もともと「中団」のほうが高かった3着以内の占有率も、その差が開いている。
つまり、最終週になっても全体として前有利の傾向ではあるものの、「夏の小倉」というくくりの中で比較すれば、やはり馬場の影響か、最終週は多少なりとも「逃げ」よりは「先行」〜「中団」に好走馬が増えてくる、と言えるだろう。

■表3 夏の小倉芝・枠番別成績

枠番
最終週のみ
最終週以外
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
1枠
20- 17- 21-183/241
8.3%
15.4%
24.1%
59%
101%
6.6%
14.6%
21.2%
58%
61%
2枠
18- 21- 10-202/251
7.2%
15.5%
19.5%
122%
81%
7.3%
14.6%
22.4%
58%
67%
3枠
19- 17- 13-213/262
7.3%
13.7%
18.7%
107%
56%
7.9%
15.6%
23.0%
70%
77%
4枠
15- 12- 15-233/275
5.5%
9.8%
15.3%
27%
58%
7.5%
14.9%
22.7%
76%
67%
5枠
18- 20- 24-222/284
6.3%
13.4%
21.8%
124%
77%
6.7%
12.5%
19.6%
60%
64%
6枠
16- 21- 20-239/296
5.4%
12.5%
19.3%
62%
65%
7.8%
15.6%
23.0%
86%
78%
7枠
22- 24- 24-273/343
6.4%
13.4%
20.4%
47%
59%
6.7%
13.4%
21.2%
66%
72%
8枠
27- 24- 29-274/354
7.6%
14.4%
22.6%
98%
75%
7.9%
15.6%
22.2%
73%
71%

続いて表3は、同じく夏の小倉・芝コースにおける枠番別成績。左が最終週のみ、右が最終週を除いた成績だ。本来は14頭以上限定とか、馬番別などで見たほうが良いのだが、サンプル数確保を優先して今回は全体の枠番別成績としている。
ラチ沿いの馬場が荒れてくるということは、最初から馬場の良い外枠を引いた馬が良いのではないか、という発想もあるものだが、表3を見るかぎり、そういった傾向はなく、むしろ最終週になってかえって内のほうが良いようにも見える。当然ながら全馬が枠なりにコースを取るわけではないため、単純に枠番だけでは判断できない、ということにもなるだろう。

■表4 夏の小倉芝1200m・脚質別成績(00〜09年)

脚質
最終週のみ
最終週除く
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
逃げ
16- 13- 10- 43/ 82
19.5%
35.4%
47.6%
212%
146%
25.1%
41.8%
52.8%
先行
45- 46- 34-178/303
14.9%
30.0%
41.3%
127%
128%
14.6%
28.5%
41.2%
中団
19- 22- 31-430/502
3.8%
8.2%
14.3%
45%
46%
3.5%
8.4%
14.8%
後方
2-  1-  8-354/365
0.5%
0.8%
3.0%
32%
16%
0.7%
2.0%
3.8%
マクリ
0-  1-  0-  3/  4
0.0%
25.0%
25.0%
0%
50%
0.0%
33.3%
33.3%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

2006/9/3 小倉10R 小倉2歳ステークス(G3)1着 12番 アストンマーチャン

ここからは、主な距離別に脚質・枠番別成績を見てみたい。まず、今週小倉2歳Sが行われる1200から。まず、最終週の中での比較では、やはり逃げ・先行が好成績で、注目は特に「逃げ」。勝率〜3着内率いずれも「先行」を上回っている
表の右に記した最終週以外との比較では、その「逃げ」がいずれも5%ほどずつ成績を落としてはいる。しかし、芝全距離を対象とした表1では「逃げ」と「先行」の連対率がほぼ同じだったのに対し、この芝1200mではまだ5%以上の差。加えて、「中団」の組は最終週になっても成績がまったく伸びていないことにも注目したい。

■表5 夏の小倉芝1200m・枠番別成績

枠番
最終週のみ
最終週除く
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
1枠
10-  7- 11- 99/127
7.9%
13.4%
22.0%
49%
69%
6.4%
12.3%
18.0%
2枠
10-  7-  5-113/135
7.4%
12.6%
16.3%
58%
37%
7.0%
13.4%
21.0%
3枠
12-  6-  8-115/141
8.5%
12.8%
18.4%
157%
68%
6.9%
14.8%
21.8%
4枠
8-  6-  8-127/149
5.4%
9.4%
14.8%
31%
51%
7.3%
15.8%
24.1%
5枠
10- 10- 10-123/153
6.5%
13.1%
19.6%
112%
62%
6.4%
12.4%
19.1%
6枠
3- 16- 11-128/158
1.9%
12.0%
19.0%
19%
67%
8.0%
14.5%
22.7%
7枠
16- 14- 14-150/194
8.2%
15.5%
22.7%
38%
66%
5.8%
12.9%
19.2%
8枠
13- 17- 16-153/199
6.5%
15.1%
23.1%
108%
80%
8.2%
15.5%
22.0%

表5は同じく1200の枠番別の成績。少々判断の難しい数字で、最終週の勝率では内に良い数字が多い一方で、連対率や3着内率では7枠、8枠あたりが良いという集計結果になっている。ただ、勝率から3着内率まですべて良いのが7枠、そして2項目で良いのが1枠と8枠という結果から、コースロスのない1枠と、荒れたコースを走らないで済む7〜8枠、という見方もできそうだ。

■表6 夏の小倉芝1800m・脚質別成績(00〜09年)

脚質
最終週のみ
最終週除く
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
逃げ
6-  5-  5- 29/ 45
13.3%
24.4%
35.6%
440%
176%
18.0%
26.8%
37.5%
先行
23- 19- 19- 83/144
16.0%
29.2%
42.4%
109%
123%
13.3%
30.3%
43.2%
中団
9- 16- 17-174/216
4.2%
11.6%
19.4%
80%
102%
5.0%
10.0%
16.8%
後方
1-  1-  0-176/178
0.6%
1.1%
1.1%
3%
4%
1.3%
2.0%
4.2%
マクリ
2-  0-  0-  2/  4
50.0%
50.0%
50.0%
245%
97%
23.1%
46.2%
61.5%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

2009/9/5 小倉9R 不知火特別 1着 2番 ドモナラズ

つぎに、1800についても同様に見てみたい。こちらは1200mとは一転、最終週になると各項目で「先行」が「逃げ」を上回る成績を残している。表の右、最終週以外でもこの距離は勝率を除いて「先行」が好成績だったが、最終週は勝率まで含めて「先行」が良い数字だ。
また、この1800mでは「中団」の連対率が10%台に乗り、最終週の3着内率では20%に迫っているのも芝1200mとの違いとして挙げられる。「中団」は「逃げ」「先行」に比べ分類される馬が多いため、連対率や3着内率では数%の違いしかなくても、実際の好走馬数はかなり違ってくる。表には記さなかったが、「中団」の3着内占有率は、最終週以外では25.4%だったのが、最終週は34.1%。3頭に1頭以上、つまり、平均すれば1レース1頭ずつは絡んでいることになる。

■表7 夏の小倉芝1800m・枠番別成績

枠番
最終週のみ
最終週除く
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
1枠
7- 6- 5-49/67
10.4%
19.4%
26.9%
106%
123%
6.3%
15.5%
22.4%
2枠
3-12- 3-50/68
4.4%
22.1%
26.5%
20%
158%
9.6%
17.3%
25.1%
3枠
5- 7- 3-56/71
7.0%
16.9%
21.1%
56%
48%
8.3%
16.3%
24.3%
4枠
4- 3- 5-61/73
5.5%
9.6%
16.4%
23%
93%
8.1%
13.6%
21.7%
5枠
4- 5- 7-60/76
5.3%
11.8%
21.1%
197%
75%
7.3%
13.8%
19.5%
6枠
7- 2- 5-63/77
9.1%
11.7%
18.2%
179%
56%
7.2%
15.3%
23.3%
7枠
3- 4- 6-64/77
3.9%
9.1%
16.9%
41%
42%
6.7%
13.4%
22.2%
8枠
8- 2- 7-63/80
10.0%
12.5%
21.3%
105%
81%
7.2%
15.9%
22.8%

枠番別成績は、芝1200mよりレース数が少ないためにムラがある。ただ、最終週以外ではやや内が良いとはいえ、外とも大きな差がなかったのに比べ、最終週は全体的に内に良い成績が多いのは確か。少なくとも「最終週だから馬場の良い外枠」という発想は、この芝1800mでは通用しない。その原因は想像の域を出ないが、芝1200mより距離がある分、内枠でも進路を選びやすいということか、あるいは内の馬が勝負どころのコーナーで外に張り出して、外枠の馬は必要以上に外をまわる距離損を喫しやすい、といったあたりだろうか。

■表8 夏の小倉芝2000m・脚質別成績(00〜09年)

脚質
最終週のみ
最終週除く
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
逃げ
6-  1-  3- 26/ 36
16.7%
19.4%
27.8%
111%
83%
16.3%
28.8%
41.9%
先行
9-  9-  9- 63/ 90
10.0%
20.0%
30.0%
254%
132%
15.3%
31.6%
44.7%
中団
9- 11- 10-106/136
6.6%
14.7%
22.1%
80%
105%
3.8%
7.9%
13.9%
後方
0-  1-  2- 99/102
0.0%
1.0%
2.9%
0%
4%
0.8%
1.8%
3.3%
マクリ
1-  3-  1-  1/  6
16.7%
66.7%
83.3%
51%
171%
24.5%
42.9%
61.2%

■表9 夏の小倉芝2000m・枠番別成績

枠番
最終週のみ
最終週除く
着別度数
勝率
連対率
3着内率
単回
複回
勝率
連対率
3着内率
1枠
2- 4- 4-28/38
5.3%
15.8%
26.3%
22%
187%
6.6%
17.6%
25.4%
2枠
4- 2- 0-33/39
10.3%
15.4%
15.4%
534%
98%
7.0%
16.2%
24.0%
3枠
2- 3- 2-33/40
5.0%
12.5%
17.5%
45%
40%
8.3%
14.9%
22.2%
4枠
3- 2- 2-36/43
7.0%
11.6%
16.3%
30%
33%
6.0%
14.0%
21.0%
5枠
2- 4- 5-33/44
4.5%
13.6%
25.0%
47%
132%
7.2%
11.9%
21.1%
6枠
5- 2- 3-38/48
10.4%
14.6%
20.8%
32%
81%
6.8%
15.9%
20.3%
7枠
3- 5- 4-47/59
5.1%
13.6%
20.3%
97%
66%
8.7%
14.4%
24.4%
8枠
4- 3- 5-49/61
6.6%
11.5%
19.7%
64%
49%
8.0%
14.7%
20.9%
※脚質はTarget frontier JVによる分類

最後に、芝2000mについて。こちらは1800mよりさらにレース数が減り、特に枠番別の最終週限定では2〜3頭の好走で数字が大きく変わる程度のサンプル数しかなく、これは参考程度になる。
脚質別では「中団」の成績が1800mよりさらに良くなり、特に連対率や3着内率では「逃げ」にかなり接近してきているのは見逃せないところ。また、好走馬の実数では「中団」が「先行」を上回ってきていることにも注目だ。そして、「逃げ」の単複回収率が1200mや1800mでは100%を大きく超えていたのに対し、2000mでは複勝回収率で100%を割ってきてしまっている。
枠番別は勝率がバラバラ、連対率では内、3着内率なら外と、いかにもサンプル不足という結果で判断が難しいが、1800m同様「外だから良い」ということはなさそうだ。

以上、小倉最終週の芝コースについて、脚質別、枠番別の成績を見てみた。表1〜3の全体的な傾向としては、最終週になって多少は逃げ馬の成績が落ちても、ローカルらしく逃げ・先行有利という傾向。しかし距離別に見ると、距離が伸びるほど逃げよりも先行、そして中団も無視できない成績になってゆく、という形になる。

恐らく、最終週だからといって過度に差し馬ばかりを警戒すると、特に芝1200mでは失敗に繋がりやすいだろう。ただ、同じ小倉、同じ距離で2度3度と走っている馬なら、前走や前々走にくらべてやや後ろの馬に注意すべきなのも間違いない。レースによって、近走の成績だけで人気が形成されたり、逆に「最終週だから」といって開催前半不振の差し馬が過剰人気に推されたりすることもあるだけに、人気妙味もしっかり見極めた上で馬券は組み立てたい。

また枠番別では、特に1800mや2000mでは「馬場の良い外枠」という発想が通用しづらい成績になっていることも覚えておきたい。芝1200mでは表5に記した通り1枠と7〜8枠が好成績で、こちらは外枠狙いが功を奏することもありそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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