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第417回 洋芝適性がカギ!?クイーンSを分析する

2010/8/12(木)

今週の前半では牝馬限定重賞(3・4歳以上)について分析した。そこで牝馬限定重賞は波乱の決着が続いていることに触れた。昨年のこのレースも1番人気ザレマが2着に入ったものの、勝利したのは11番人気ピエナビーナス。3着には6番人気アメジストリングが入り、3連複は199倍、3連単は17万馬券となった。果たして今年も波乱の決着になるのだろうか。過去10年のデータを基に分析していきたい。なおデータ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 クイーンSの年齢別成績(過去10年)

年齢
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
3歳
1-  3-  3- 19/ 26
3.8%
15.4%
26.9%
135%
91%
4歳
6-  2-  1- 32/ 41
14.6%
19.5%
22.0%
92%
41%
5歳
2-  5-  5- 34/ 46
4.3%
15.2%
26.1%
176%
121%
6歳
1-  0-  1- 12/ 14
7.1%
7.1%
14.3%
27%
27%
7歳以上
0-  0-  0-  2/  2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

始めに表1ではクイーンSの年齢別成績をまとめてみた。勝ち馬が多いのは4歳で、最多の6勝をマーク。勝率14.6%は、3歳3.8%、5歳4.3%、6歳7.1%を大きく上回っている。しかし、連対率、複勝率ベースで見ると、4歳が特に優秀な成績とは言えない。3〜5歳の複勝率はいずれも22〜27%の間で拮抗している。
3歳は斤量の恩恵があるものの、意外と勝ち切れず、勝利したのは03年オースミハルカのみ。08年には桜花賞馬レジネッタが人気を集めたが、2着止まりだった。6歳の好走馬は2頭で、3〜5歳と比べると、成績はやや劣るか。7歳以上で出走したのは2頭しかいないが、いずれも着外に敗れている。

■表2 過去10年のクイーンSで好走した古馬(1)

着順
人気
馬名
北海道の芝成績(複勝率)
09年
1
11
ピエナビーナス
4-1-0-2(71%)
3
6
アメジストリング
2-0-0-1(67%)
08年
1
2
ヤマニンメルベイユ
1-0-0-1(50%)
3
12
フミノサチヒメ
4-1-2-1(88%)
07年
3
5
ディアチャンス
2-0-3-3(63%)
06年
2
2
ヤマニンシュクル
2-1-2-0(100%)
3
7
レクレドール
2-0-0-0(100%)
05年
1
5
レクレドール
1-0-0-0(100%)
2
10
へヴンリーロマンス
1-2-1-0(100%)
3
3
チアフルスマイル
4-1-0-1(83%)
04年
1
5
オースミハルカ
2-0-2-0(100%)
2
6
エルノヴァ
2-2-0-0(100%)
03年
2
1
ファインモーション
2-0-0-0(100%)
3
2
テイエムオーシャン
3-0-1-0(100%)
02年
2
1
ダイヤモンドビコー
0-1-0-0(100%)

■表3 過去10年のクイーンSで好走した古馬(2)

着順
人気
馬名
同年の重賞実績
G1実績
09年
2
1
ザレマ 阪神牝馬S2着 ヴィクトリアM4着
07年
1
2
アサヒライジング ヴィクトリアM2着 ヴィクトリアM2着
06年
1
3
デアリングハート   NHKマイルC2着
02年
1
7
ミツワトップレディ    
01年
1
1
ヤマカツスズラン マーメイドS2着 阪神3歳牝馬S1着
00年
1
1
トゥザヴィクトリー マーメイドS2着 オークス2着
2
7
エイダイクイン 中山牝馬S2着  
3
2
サンデーピクニック   英オークス4着

ここからは過去10年のクイーンS好走馬を3歳馬と古馬にわけて見ていきたい。まずは古馬から。好走パターンは大きくわけて2つある(表2、表3参照)。圧倒的に好走馬が多いのは表2のケースで、昨年の勝ち馬ピエナビーナスを始め15頭が該当。共通するのは北海道(札幌、函館)の芝で実績があったこと。好走馬すべてが北海道の芝で複勝率50%以上をマークしていた。また02年2着ダイヤモンドビコー以外は北海道で最低1勝以上を挙げており、勝ち鞍があることも条件だ。昨年、11番人気の低評価を覆して勝利したピエナビーナスは札幌1勝、函館3勝と北海道を大得意としていた馬。3着アメジストリングも札幌で3戦2勝と好成績を収めていた。札幌と函館はいわゆる洋芝が使われており、そのほかの競馬場とは適性がやや異なる。そのため、クイーンSでも実績より洋芝適性が結果を大きく左右しているのだろう。
そして表3は、上記の条件に該当しなかった古馬の好走馬。該当馬は09年ザレマを始め8頭いるが、うち5頭は02年以前の好走馬。基本的には表2の条件に該当する馬を上位に取りたい。それでも表3のグループに共通している点を探すと、同年の重賞実績とG1実績に注目できる。好走馬8頭中5頭は同年の重賞で連対を果たしており、6頭はG1で5着以内の実績があった。洋芝適性がない場合は、同年に重賞で活躍しているかG1で上位に入る力がないと好走は難しいようだ。

■表4 過去10年のクイーンSで好走した3歳馬

着順
人気
馬名
オークス
桜花賞
北海道の芝成績(複勝率)
08年
2
1
レジネッタ 3着 1着 1-0-0-1(50%)
07年
2
6
イクスキューズ 不出走 5着 1-0-1-0(100%)
04年
3
3
ヤマニンシュクル 5着 3着 2-1-1-0(100%)
03年
1
7
オースミハルカ 10着 6着 1-0-2-0(100%)
02年
3
9
サクラヴィクトリア 不出走 不出走 未経験
01年
2
4
ダイヤモンドビコー 不出走 不出走 未経験
3
3
ムーンライトタンゴ 6着 2着 未経験

続いて3歳の好走馬をまとめたのが表4。3歳でも洋芝適性は重要で、好走馬7頭中4頭は北海道で1勝以上を挙げており、複勝率50%以上をマークしていた。またオークスと桜花賞に出走していた馬が多く、好走馬7頭中4頭はオークスまたは桜花賞で5着以内に入っていた

■表5 クイーンSの脚質別成績(過去10年)

脚質
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
逃げ
6- 0- 0- 4/10
60.0%
60.0%
60.0%
589%
129%
先行
3- 4- 4-26/37
8.1%
18.9%
29.7%
110%
74%
中団
1- 5- 4-41/51
2.0%
11.8%
19.6%
115%
91%
後方
0- 0- 2-28/30
0.0%
0.0%
6.7%
0%
38%
マクリ
0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
170%

表5はクイーンSの脚質別成績。このレースは開幕週に行われるため、圧倒的に逃げ・先行が有利。逃げた馬の勝率はなんと60%にも達している。オースミハルカの2年連続の逃げ切り勝ち(03・04年)を始め、07年アサヒライジング、08年ヤマニンメルベイユも逃げ切り勝ちだった。好走馬の数では先行馬が最多の11頭。中団でも好走馬は多いが、勝利したのは昨年のピエナビーナスのみ。同馬はラチ沿いをピッタリ回ってきただけに、馬場の外から差すタイプでは2、3着に終わる可能性が高い。そして後方は3着が精いっぱいという成績で、追い込み馬は苦戦が続いている。

■表6 クイーンSの枠番別成績(過去10年)

枠番
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
2- 1- 0- 6/ 9
22.2%
33.3%
33.3%
313%
126%
2枠
0- 2- 0- 8/10
0.0%
20.0%
20.0%
0%
38%
3枠
5- 1- 2- 7/15
33.3%
40.0%
53.3%
540%
170%
4枠
0- 3- 2-12/17
0.0%
17.6%
29.4%
0%
200%
5枠
1- 2- 2-13/18
5.6%
16.7%
27.8%
48%
56%
6枠
2- 1- 1-16/20
10.0%
15.0%
20.0%
201%
52%
7枠
0- 0- 0-20/20
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
8枠
0- 0- 3-17/20
0.0%
0.0%
15.0%
0%
24%

最後にクイーンSの枠番別成績を見ていこう(表6参照)。こちらでも開幕週の影響が出ているのか内枠優勢。特に3枠は5勝を挙げており、複勝率は53.3%にも達している。6枠までなら連対馬が出ているが、7枠と8枠は3着が2回あるのみ。7、8枠に入ったら、割引が必要だろう

<結論>
それでは今年のクイーンSを展望していこう。今年の登録馬を3歳馬と古馬にわけて分析していきたい。

■表7 今年のクイーンS登録馬(1)

2009/4/25 福島11R 福島牝馬ステークス(G3)1着 8番 ブラボーデイジー

馬名
年齢
北海道の芝成績(複勝率)
ピエナビーナス
6
5-1-0-4(60%)
ブラボーデイジー
5
1-1-0-1(67%)
ラヴドシャンクシー
5
0-0-2-2(50%)

表7は北海道の芝成績で複勝率50%以上をマークしている古馬。今年はピエナビーナスを始め3頭が該当。しかし、ラヴドシャンクシーは勝ち鞍がなく、推奨馬はピエナビーナスブラボーデイジーにしたい。

■表8 今年のクイーンS登録馬(2)

2010/1/31 京都11R 京都牝馬ステークス(G3)1着 8番 ヒカルアマランサス

馬名
年齢
同年の重賞実績
G1実績
ウェディングフジコ
6
中山牝馬S2着  
カウアイレーン
4
   
ダークエンジェル
5
   
デリキットピース
4
   
ヒカルアマランサス
4
京都牝馬S1着 ヴィクトリアM2着
プロヴィナージュ
5
阪神牝馬S2着 秋華賞3着
マルティンスターク
5
   
ムードインディゴ
5
  秋華賞2着
レジネッタ
5
福島牝馬S1着 桜花賞1着

表7の条件に合致しなかった古馬をまとめたのが表8。好走条件である「同年の重賞連対」、「G1で5着以内の条件」をクリアしているのは、ウェディングフジコを始め5頭が該当。これでは推奨馬が多くなってしまうので、2点ともに該当している馬に絞ると、ヒカルアマランサスプロヴィナージュレジネッタが浮上する。

■表9 今年のクイーンS登録馬(3)

馬名
オークス
桜花賞
北海道の芝成績(複勝率)
アプリコットフィズ 6着 5着 未経験
ショウリュウムーン 17着 4着 未経験
テイラーバートン 不出走 不出走 未経験
モーニングフェイス 8着 不出走 未経験

続いて3歳馬を見ていこう(表9参照)。今年はいずれの馬も北海道の芝未経験で、あまり食指が動かないが、オークスまたは桜花賞で5着以内に入った馬はアプリコットフィズショウリュウムーン。しかし、3歳馬は勝ち切れないことが多いので、2、3着候補とするのが妥当だろう。

■表10 今年のクイーンS登録馬(4)

馬名
年齢
前走
アプリコットフィズ
3
オークス6着
ウェディングフジコ
6
スパーキングレディーC3着
カウアイレーン
4
東京スマイルプレミアム1着
ショウリュウムーン
3
オークス17着
ダークエンジェル
5
かもめ島特別1着
テイラーバートン
3
かもめ島特別2着
デリキットピース
4
京王杯SC7着
ピエナビーナス
6
巴賞7着
ヒカルアマランサス
4
マーメイドS5着
ブラボーデイジー
5
マーメイドS13着
プロヴィナージュ
5
ヴィクトリアM9着
マルティンスターク
5
釜山S3着
ムードインディゴ
5
マーメイドS6着
モーニングフェイス
3
オークス8着
ラヴドシャンクシー
5
雄国沼特別1着
レジネッタ
5
マーメイドS15着

最後に「第416回 牝馬限定重賞を再考する」で分析した点について見ていきたい。そこで取り上げた「6・7歳」「前走牡馬混合戦出走」、「前走5〜9着」のうち2つ以上の強調材料があるのは、デリキットピースピエナビーナス。デリキットピースは前走京王杯SCに出走して、勝ち馬から0.8秒差の7着。今回のほうが相手関係は楽になり、警戒が必要だろう。ピエナビーナスはクイーンSの傾向で6歳は割引だったが、最近の牝馬限定重賞では逆に6歳は強調材料。それほど割り引く必要はないかもしれない。

クイーンSで最も重要視したいのは洋芝適性。その適性があるピエナビーナスとブラボーデイジーが最有力候補だろう。相手はやや多くなってしまうが、ヒカルアマランサス、プロヴィナージュ、レジネッタ、アプリコットフィズ、ショウリュウムーン、デリキットピースの6頭を挙げたい。

ライタープロフィール

フランキー森山(ふらんきー もりやま)

1984年1月、神奈川県生まれ。重賞レースにおいては、毎年同じようなステップで出走してくる馬が多いことから、データ競馬の有効性に着目。データde出〜たでは主に過去の好走馬の実績を重視し、予想を展開している。馬券を買うのはもちろん、競馬場へ行くことも好きなタイプ。好きなレースは平安S。05年に中央競馬の全場踏破達成。その後は、地方、海外の競馬場へもたびたび訪れている。

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