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第416回 牝馬限定重賞を再考する

2010/8/9(月)

リニューアルオープンされた函館開催も先週で終わり、今週からは札幌開催がスタート。その第1週を飾るのは、牝馬限定重賞のクイーンSだ。レース分析は週半ばに譲るとして、今回は牝馬限定重賞に注目。筆者は昨年にも「第287回 最近の古馬牝馬限定重賞は荒れ放題!?」で牝馬限定重賞について触れたが、改めてその特徴を分析していきたい。なお今回の分析では、2・3歳の牝馬限定重賞は除いている。そのため、以下では全て3・4歳以上の牝馬限定重賞を対象にしている。集計期間は09年から今年のマーメイドSまで。それではさっそく分析していこう。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 牝馬限定重賞(3・4歳以上)の配当(09年以降)

レース名
単勝
馬連
3連複
3連単
09年 京都牝馬S
1,210
9,720
10,560
96,550
中山牝馬S
810
21,930
230,760
1,394,370
阪神牝馬S
1,990
6,420
18,620
149,870
福島牝馬S
1,370
13,060
145,730
792,960
ヴィクトリアマイル
170
5,310
19,770
80,580
マーメイドS
2,210
5,200
18,380
124,220
クイーンS
5,870
11,240
19,930
176,620
府中牝馬S
1,850
5,130
63,410
421,050
エリザベス女王杯
7,710
102,030
157,480
1,545,760
愛知杯
740
7,430
10,730
73,140
10年 京都牝馬S
330
2,790
5,210
28,940
中山牝馬S
730
5,390
22,320
125,120
阪神牝馬S
2,370
8,330
74,440
446,150
福島牝馬S
930
3,710
6,540
45,340
ヴィクトリアマイル
150
2,490
29,700
85,770
マーメイドS
640
8,410
15,580
91,010

始めに表1では、牝馬限定重賞(3・4歳以上)の配当(09年以降)をまとめてみた。配当は左から単勝、馬連、3連複、3連単。まず昨年と今年を比較すると、今年は昨年よりも波乱のレースが少なくなっている。昨年の単勝配当は10R中7Rで10倍以上。そして全てのレースで馬連50倍以上、3連複万馬券だった。一方、今年はこれまでの6Rで
単勝10倍以上の配当は阪神牝馬Sのみ。馬連50倍以上は3R、3連複万馬券も4Rに止まっている。このように今年は昨年より波乱のレースは少ない。しかし、平穏な決着になったとは言えないだろう。圧倒的な1番人気のブエナビスタが勝利したヴィクトリアマイルでさえ、3連複は3万円近い配当。全体的には波乱傾向に変わりはない。

■表2 牝馬限定重賞(3・4歳以上)の結果(09年)

レース名
着順
人気
馬名
前走
京都牝馬S
1
6
チェレブリタ 愛知杯2着
2
7
レインダンス 愛知杯7着
3
1
ザレマ ターコイズS1着
中山牝馬S
1
4
キストゥヘヴン 東京新聞杯10着
2
15
ピンクカメオ 阪急杯15着
3
11
ダンスオールナイト 初音S1着
阪神牝馬S
1
7
ジョリーダンス 阪急杯6着
2
3
ザレマ 中山牝馬S4着
3
4
オディール 京都牝馬S5着
福島牝馬S
1
7
ブラボーデイジー 中山牝馬S6着
2
11
アルコセニョーラ 福島民報杯7着
3
13
ヤマニンメルベイユ 中山牝馬S16着
ヴィクトリアマイル
1
1
ウオッカ ドバイDF7着
2
11
ブラボーデイジー 福島牝馬S1着
3
7
ショウナンラノビア 卯月S1着
マーメイドS
1
9
コスモプラチナ 愛知杯16着
2
4
ニシノブルームーン 府中S1着
3
2
リトルアマポーラ ヴィクトリアマイル6着
クイーンS
1
11
ピエナビーナス パールS6着
2
1
ザレマ マーメイドS10着
3
6
アメジストリング 垂水S2着
府中牝馬S
1
7
ムードインディゴ クイーンS4着
2
3
ベッラレイア ポートアイランドS4着
3
11
レジネッタ ポートアイランドS11着
エリザベス女王杯
1
11
クィーンスプマンテ 京都大賞典9着
2
12
テイエムプリキュア 京都大賞典14着
3
1
ブエナビスタ 秋華賞2着
愛知杯
1
4
リトルアマポーラ エリザベス女王杯7着
2
7
ブラボーデイジー エリザベス女王杯16着
3
1
メイショウベルーガ エリザベス女王杯5着

2009/11/15 京都11R エリザベス女王杯(G1)1着 7番 クィーンスプマンテ

続いて表2が牝馬限定重賞(3・4歳以上)の結果。まずは昨年の結果から見ていこう。昨年の牝馬限定重賞(3・4歳以上)は前述の通り波乱が続き、それを象徴したのが11月に行われたエリザベス女王杯。圧倒的な1番人気に支持されたブエナビスタ、秋華賞2着馬ブロードストリートの3歳勢が人気の一角を占めたが、勝利を収めたのは重賞未勝利馬のクィーンスプマンテだった。そして2着も人気薄のテイエムプリキュア。この2頭に共通するのは、前走が京都大賞典だったことだ。当時のエリザベス女王杯で前走牡馬混合重賞に出走していたのは、この2頭しかいなかった。そしてこれはエリザベス女王杯に限らず、ほかの牝馬限定重賞(3・4歳以上)でも前走牡馬混合重賞に出走していた馬の好走は目立っている

■表3 牝馬限定重賞(3・4歳以上)の結果(10年)

レース名
着順
人気
馬名
前走
京都牝馬S
1
1
ヒカルアマランサス 愛知杯4着
2
7
ベストロケーション 市川S1着
3
2
ザレマ 阪神C10着
中山牝馬S
1
4
ニシノブルームーン 愛知杯5着
2
8
ウェディングフジコ エンプレス杯5着
3
9
チェレブリタ 京都牝馬S5着
阪神牝馬S
1
9
アイアムカミノマゴ オーロC1着
2
5
プロヴィナージュ 六甲S3着
3
10
カノヤザクラ 高松宮記念15着
福島牝馬S
1
5
レジネッタ 中山牝馬S5着
2
4
ブラボーデイジー 中山牝馬S6着
3
3
ウェディングフジコ 中山牝馬S2着
ヴィクトリアマイル
1
1
ブエナビスタ ドバイSC2着
2
8
ヒカルアマランサス 阪神牝馬S13着
3
11
ニシノブルームーン 中山牝馬S1着
マーメイドS
1
3
ブライティアパルス メイS3着
2
14
セラフィックロンプ 都大路S5着
3
4
テイエムオーロラ パールS1着

2010/4/10 阪神10R サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(G2)1着 7番 アイアムカミノマゴ

今年に入ってもその傾向は続いている。表3は今年の牝馬限定重賞(3・4歳以上)の結果で、マーメイドSまでの6レースをまとめたもの。これを見れば、今年も前走牡馬混合戦に出走している馬の好走が目立つ。阪神牝馬Sでは前走オーロC1着のアイアムカミノマゴが勝利を収め、2、3着も前走牡馬混合戦に出走していた馬。同様に波乱の決着だったマーメイドSでも1着馬は前走メイS、2着馬は前走都大路Sだった。

■表4 牝馬限定重賞(3・4歳以上)の人気別成績(09年以降)

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1番人気
3-  1-  3-  9/ 16
18.8%
25.0%
43.8%
40%
61%
2番人気
0-  0-  2- 14/ 16
0.0%
0.0%
12.5%
0%
25%
3番人気
1-  2-  1- 12/ 16
6.3%
18.8%
25.0%
40%
58%
4番人気
3-  2-  2-  9/ 16
18.8%
31.3%
43.8%
142%
122%
5番人気
1-  1-  0- 14/ 16
6.3%
12.5%
12.5%
58%
38%
6番人気
1-  0-  1- 14/ 16
6.3%
6.3%
12.5%
75%
38%
7番人気
3-  3-  1-  9/ 16
18.8%
37.5%
43.8%
325%
199%
8番人気
0-  2-  0- 14/ 16
0.0%
12.5%
12.5%
0%
78%
9番人気
2-  0-  1- 13/ 16
12.5%
12.5%
18.8%
286%
118%
10番人気
0-  0-  1- 15/ 16
0.0%
0.0%
6.3%
0%
45%
11番人気
2-  2-  3-  9/ 16
12.5%
25.0%
43.8%
848%
467%
12番人気
0-  1-  0- 15/ 16
0.0%
6.3%
6.3%
0%
134%
13番人気
0-  0-  1- 15/ 16
0.0%
0.0%
6.3%
0%
73%
14番人気
0-  1-  0- 15/ 16
0.0%
6.3%
6.3%
0%
51%
15番人気
0-  1-  0- 13/ 14
0.0%
7.1%
7.1%
0%
100%
16番人気以下
0-  0-  0- 27/ 27
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

表4は牝馬限定重賞(3・4歳以上)の人気別成績(09年以降)。上位人気の成績はいまひとつで、特に2、3番人気は不振注目したいのは、4番人気と7番人気。勝率、連対率、複勝率は、1番人気と互角以上の成績を残しており、回収率も100%超え。原因は定かではないが、牝馬限定重賞の4、7番人気には注意したい。そして10番人気以下では11番人気が優秀で、複勝率は1番人気と変わらない43.8%をマーク。12番人気以下になると、好走馬は激減するので、11番人気だけの好走率が高いと言える。

■表5 牝馬限定重賞(3・4歳以上)の世代別成績(09年以降)

世代
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
現 4歳(2006年産) 3-  1-  2- 30/ 36
8.3%
11.1%
16.7%
79%
61%
現 5歳(2005年産) 6-  5-  5- 86/102
5.9%
10.8%
15.7%
66%
68%
現 6歳(2004年産) 4-  9-  6- 62/ 81
4.9%
16.0%
23.5%
178%
124%
現 7歳(2003年産) 2-  1-  2- 19/ 24
8.3%
12.5%
20.8%
125%
199%
現 8歳(2002年産) 0-  0-  1- 19/ 20
0.0%
0.0%
5.0%
0%
58%
現 9歳(2001年産) 1-  0-  0-  1/  2
50.0%
50.0%
50.0%
995%
200%

現在の牝馬路線を引っ張っているのは、4歳馬のブエナビスタとレッドディザイアだろう。ブエナビスタは今年のドバイシーマクラシックで僅差の2着に好走。レッドディザイアはドバイワールドCで大敗したが、前哨戦のアル・マクトゥームチャレンジCではのちにドバイワールドCを制覇するグロリアデカンペオらを抑えて優勝した。2頭ともに国内に止まらず、海外の一流馬相手でも互角以上の競馬を見せている。しかし、ブエナビスタとレッドディザイアの2頭以外の現4歳世代に目を向けると、その成績は振るわない。表5は牝馬限定重賞(3・4歳以上)の世代別成績(09年以降)だが、現4世代はそれほど目立つ成績ではない。現5歳世代も同様で、好走馬は多いが、出走馬が多いことを考えると、好走率は高くない。一方、コンスタントに好走馬を送り続けているのが現6歳世代と現7歳世代。両世代ともに連対率、複勝率は、現4、5歳世代を上回っており、単・複回収率も優秀。特に現6歳世代は好走馬も多く、今年に行われた牝馬限定重賞(3・4歳以上)では6歳馬が必ず3着以内に1頭は好走している

■表6 牝馬限定重賞(3・4歳以上)の前走着順別成績(09年以降)

前走着順
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
前走1着
1- 3- 5-30/39
2.6%
10.3%
23.1%
60%
134%
前走2着
2- 0- 3-13/18
11.1%
11.1%
27.8%
75%
58%
前走3着
1- 1- 0-12/14
7.1%
14.3%
14.3%
45%
41%
前走4着
2- 2- 0-11/15
13.3%
26.7%
26.7%
145%
82%
前走5着
2- 2- 3- 9/16
12.5%
25.0%
43.8%
103%
171%
前走6〜9着
6- 3- 1-57/67
9.0%
13.4%
14.9%
266%
80%
前走10着〜
2- 5- 4-83/94
2.1%
7.4%
11.7%
32%
99%

最後に牝馬限定重賞(3・4歳以上)の前走着順別成績を見ていこう(09年以降)。まず前走1着馬は不振で、勝ち馬は今年の阪神牝馬Sを制覇したアイアムカミノマゴ(前走オーロC1着)のみ。好走しても2、3着が多く、勝ち切れないレースが多い。注目したいのは、前走5着で複勝率43.8%をマーク。単・複回収率も優秀で、前走5着馬は狙い目と言えるだろう。前走6〜9着からは6頭の勝ち馬が誕生。さすがに複勝率は14.9%と低いが、単・複回収率も高く、前走6〜9着からの巻き返しには警戒したい

ライタープロフィール

フランキー森山(ふらんきー もりやま)

1984年1月、神奈川県生まれ。重賞レースにおいては、毎年同じようなステップで出走してくる馬が多いことから、データ競馬の有効性に着目。データde出〜たでは主に過去の好走馬の実績を重視し、予想を展開している。馬券を買うのはもちろん、競馬場へ行くことも好きなタイプ。好きなレースは平安S。05年に中央競馬の全場踏破達成。その後は、地方、海外の競馬場へもたびたび訪れている。

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