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第405回 新装函館初の重賞、函館スプリントSを分析

2010/7/1(木)

2009/7/5 札幌9R 函館スプリントS(G3)1着 6番 グランプリエンゼル

スタンド改修工事が終わり、2008年以来2年ぶりの開催が行われている函館競馬場。改修後初の重賞となるのが函館スプリントSだ。昨年は3歳牝馬のグランプリエンゼルが優勝。近10年で牝馬が7勝しており、「夏は牝馬」の格言を思い起こさせるような結果が続いている。果たして今年はどのようなレースとなるのか、近10年のデータを元に傾向を探っていこう。なお、札幌競馬場で行なわれた昨年のレースも集計対象に加えることとする。データ分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気
3-  2-  0-  5/ 10
30.0%
50.0%
50.0%
76%
71%
2番人気
3-  2-  0-  5/ 10
30.0%
50.0%
50.0%
121%
90%
3番人気
2-  0-  1-  7/ 10
20.0%
20.0%
30.0%
156%
77%
4番人気
0-  0-  3-  7/ 10
0.0%
0.0%
30.0%
0%
74%
5番人気
1-  1-  1-  7/ 10
10.0%
20.0%
30.0%
129%
91%
6番人気
0-  3-  1-  6/ 10
0.0%
30.0%
40.0%
0%
159%
7番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
8番人気
0-  2-  1-  7/ 10
0.0%
20.0%
30.0%
0%
179%
9番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
10番人気
0-  0-  2-  8/ 10
0.0%
0.0%
20.0%
0%
174%
11番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
12番人気
0-  0-  1-  8/  9
0.0%
0.0%
11.1%
0%
104%
13番人気
1-  0-  0-  7/  8
12.5%
12.5%
12.5%
967%
142%
14番人気
0-  0-  0-  7/  7
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
15番人気
0-  0-  0-  5/  5
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
16番人気
0-  0-  0-  4/  4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

はじめに基本的なデータをいくつか確認しておこう。まずは人気別成績だが、勝ち馬は1〜3番人気が計8頭、5番人気の中穴が1頭、13番人気のダークホースが1頭という分布。複勝圏内で見ても、上位人気は確実に馬券に絡み、一方で穴馬も突っ込んできている。特別に堅いわけでも荒れるわけでもなく、馬券戦略としても奇をてらわず、上位人気馬のいずれかを軸に据え、ヒモには穴馬もまぶしていくというオーソドックスな狙い方がいいのではないだろうか。

■表2 馬番別成績

馬番
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番
0- 1- 0- 9/10
0.0%
10.0%
10.0%
0%
28%
2番
2- 0- 1- 6/ 9
22.2%
22.2%
33.3%
100%
143%
3番
1- 0- 1- 8/10
10.0%
10.0%
20.0%
52%
55%
4番
0- 2- 1- 7/10
0.0%
20.0%
30.0%
0%
77%
5番
0- 0- 1- 9/10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
50%
6番
2- 2- 0- 6/10
20.0%
40.0%
40.0%
59%
76%
7番
1- 0- 0- 8/ 9
11.1%
11.1%
11.1%
18%
13%
8番
0- 1- 2- 7/10
0.0%
10.0%
30.0%
0%
131%
9番
0- 1- 1- 8/10
0.0%
10.0%
20.0%
0%
47%
10番
0- 1- 1- 8/10
0.0%
10.0%
20.0%
0%
133%
11番
0- 0- 1- 9/10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
80%
12番
2- 1- 0- 5/ 8
25.0%
37.5%
37.5%
1081%
228%
13番
0- 0- 0- 8/ 8
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
14番
1- 1- 0- 6/ 8
12.5%
25.0%
25.0%
55%
78%
15番
1- 0- 0- 5/ 6
16.7%
16.7%
16.7%
215%
50%
16番
0- 0- 1- 4/ 5
0.0%
0.0%
20.0%
0%
58%

次に馬番別成績。こちらも内、中、外の枠から偏りなく1着および3着圏内に入ってきており、全体的に見た感じでは枠順による大きな有利不利はない。ただし、個別の成績を確認すると1番枠で人気馬の凡走が多いのが気がかり。02年は高松宮記念を勝ったばかりで単勝1.2倍に支持されたショウナンカンプが4着に敗れ、06年はシンボリグランが2番人気5着。昨年のエーシンエフダンズは2番人気で3位入線も8着降着の憂き目に遭うなど、ゲンの悪さをも感じさせる。

■表3 1〜3番人気で3着以内に入った馬(近10年)

年度
馬名
性齢
人気
着順
前走
出走時点における函館芝実績
(09年は札幌芝実績)
レース名
着順
00年
タイキトレジャー
牡4
2
1
パラダイスS
1
初出走
01年
タイキトレジャー
牡5
1
2
UHB杯
1
【2・0・0・0】
02年
サニングデール
牡3
3
1
ファルコンS・G3
1
初出走
タイキトレジャー
牡6
2
2
マイルチャンピオンシップ・G1
3
【2・1・0・0】
03年
ビリーヴ
牝5
1
1
安田記念・G1
12
初出走
アグネスソニック
牡4
2
2
高松宮記念・G1
6
【2・0・0・0】
04年
シーイズトウショウ
牝4
2
1
高松宮記念・G1
5
初出走
05年
シーイズトウショウ
牝5
2
1
テレビ愛知オープン
1
【1・0・0・0】
ディープサマー
牡3
3
3
NHKマイルC・G1
13
【1・1・0・0】
06年
シーイズトウショウ
牝6
1
2
CBC賞・G3
1
【2・0・0・0】
07年
アグネスラズベリ
牝6
3
1
CBC賞・G3
3
初出走(※札幌芝【1・1・0・0】)
08年
キンシャサノキセキ
牡5
1
1
高松宮記念・G1
2
初出走
09年
グランプリエンゼル
牝3
1
1
NHKマイルC・G1
3
初出走(※函館芝【0・1・0・0】)

人気別、馬番別成績を見たところで、ここからは3つのパターンについて分析を加えていきたい。その3パターンとは、函館スプリントSにおいて「1.人気に応えた馬」「2.人気を裏切った馬」「3.激走した穴馬」である。

まずは「1.人気に応えた馬」から見てみよう。ここでは1〜3番人気で3着以内に入った馬のことを指すが、近10年、この条件に該当する馬はのべ12頭いる(表3参照)。この12頭は、前走レースの格と着順によって、さらに3つの好走パターンに分類することが可能だ。

00、01年のタイキトレジャー、05年のシーイズトウショウが該当するが、前走でオープン特別を使っていた馬が1〜3番人気に推されて人気に応えるためには、前走で勝っていなければならない(表3・黄部分)。メンバーの落ちるオープン特別なのだから、しっかり勝っているぐらいでなければ次走の重賞で人気に応えることはできない、と解釈することができるだろう。次に、前走で重賞を使っていた馬は前走3着以内が条件となる(表3・緑部分)。これも、前走で重賞を好走した好調馬と考えれば、人気に応えられるのも納得。なかでも高松宮記念やCBC賞など中京1200m重賞での好走、函館スプリントSの好結果につながりやすいようだ。最後に、前走で馬券圏内に絡むことができなかったにもかかわらず1〜3番人気に推されている場合だが、これは前走がG1の場合のみ巻き返しが可能というデータが出ている(表3・赤)。また、北海道特有の洋芝ということもあり、好走馬の多くは函館芝での好走実績を持っていた。07年1着のアグネスラズベリは函館芝への出走歴はなかったが、同じく洋芝で行なわれる札幌芝では実績があった。洋芝適性があることがわかっていれば鬼に金棒と言えるだろう。

■表4 1〜3番人気で4着以下に敗れた馬(近10年)

年度
馬名
性齢
人気
着順
前走
レース名
着順
00年 ブロードアピール
牝6
1
6
栗東S
1
ダイヤモナーク
牡3
3
7
TVh杯・900万下(現1000万下)
1
01年 ブロードアピール
牝7
2
6
プロキオンS・G3
1
ディヴァインライト
牡6
3
7
UHB杯
3
02年 ショウナンカンプ
牡4
1
4
高松宮記念・G1
1
03年 タイキトレジャー
牡7
3
7
安田記念・G1
17
04年 ウインラディウス
牡6
3
5
安田記念・G1
14
サニングデール
牡5
1
6
京王杯SC・G2
7
05年 プレシャスカフェ
牡6
1
9
京王杯SC・G2
14
06年 シンボリグラン
牡4
2
5
安田記念・G1
7
プリサイスマシーン
牡7
3
9
かきつばた記念・G3
2
07年 アドマイヤホクト
牡3
1
12
CBC賞・G3
10
ビーナスライン
牝6
2
14
ヴィクトリアマイル・G1
18
08年 ゴスホークケン
牡3
3
5
NHKマイルC・G1
12
ウエスタンビーナス
牝5
2
14
CBC賞・G3
4
09年 マヤノツルギ
牡5
3
8
京王杯SC・G2
14

今度は、1〜3番人気に推されながら4着以下に敗れてしまった馬たちだが、前項で述べた好走パターンの逆に該当してしまうと、やはり厳しいようだ。前走のオープン特別で勝てなかった01年のディヴァインライトや、G2・G3重賞で3着以内に入れなかった04年のサニングデールなどは、人気を裏切る結果に終わってしまった。また、前走で勝っていても厳しいパターンが、前走がダートや条件戦だった場合。二度にわたって凡走馬リストに入ってしまったブロードアピールは、前走をいずれも快勝しているのだがどちらもダート戦。06年3番人気9着のプリサイスマシーンも、前走2着ながら交流重賞のかきつばた記念だった。

微妙なのが前走G1組。前項では「前走G1組は4着以下からでも巻き返せる」と述べたばかりで矛盾してしまうのだが、実際には巻き返せなかった馬が5頭いる。じゃあどうするんだという話だが、ひとつの目安として前走着差を挙げておきたい。前走G1で4着以下から巻き返した4頭のうち3頭は1秒未満の着差に収まっていたのに対して、巻き返せなかった5頭のうち4頭は1秒以上負けていた。いずれも全馬が該当するわけではないので完璧なデータではないのだが、ある程度の目安にはなるはずだ。

最後にデータではどうしようもない存在なのが、02年に1番人気で4着に敗れたショウナンカンプだ。前述したように函館スプリントSで相性の悪い1番枠からのスタートだったとはいえ、前走で高松宮記念を勝ったばかりのバリバリのG1馬がそれだけで4着に敗れてしまうとは思えない。アナログな話にはなってしまうが、函館芝初出走で洋芝があまり合わなかった、あるいは、本当の目標(スプリンターズS)が先にあるG1馬だからこそステップレース仕様での仕上げだった、などと考えるべきなのだろう。

■表5 6番人気以下で3着以内に入った馬(近10年)

年度
馬名
性齢
人気
着順
出走時点における函館・札幌芝実績
2歳時の芝1200m戦実績
00年 ダイタクヤマト
牡6
6
2
初出走 【1・0・0・0】複勝率100.0%
メジロダーリング
牝4
8
3
初出走 【0・0・1・0】複勝率100.0%
02年 ダンツキャスト
牡5
6
3
初出走 【2・0・1・1】複勝率75.0%
03年 アタゴタイショウ
牡3
10
3
【2・1・0・1】複勝率75.0% 【1・1・0・1】複勝率66.7%
04年 ゴールデンロドリゴ
牡7
8
2
【2・1・0・4】複勝率42.9% 【0・0・0・1】複勝率0.0%
05年 ボールドブライアン
セ6
6
2
【1・0・0・0】複勝率100.0% 出走なし
06年 ビーナスライン
牝5
13
1
【4・0・1・1】複勝率83.3% 【0・0・1・1】複勝率50.0%
ブルーショットガン
牡7
10
3
【3・3・2・7】複勝率53.3% 【1・0・0・2】複勝率33.3%
07年 サープラスシンガー
牡3
6
2
初出走 【2・2・0・0】複勝率100.0%
09年 タニノマティーニ
牡9
8
2
【6・0・0・7】複勝率46.1% 出走なし
ブラックバースピン
牡6
12
3
【0・0・1・1】複勝率50.0% 出走なし
(※09年3着のブラックバースピンは4位入線→繰り上がり3着)

2006/7/2 函館11R 函館スプリントS(G3)1着 12番 ビーナスライン

穴党ファンのみなさん、お待たせしました。函館スプリントSで6番人気以下ながら、3着以内に好走した穴馬の共通点を探ってみた。やはりと言うべきか、函館ないしは札幌の洋芝馬場への適性が高い馬は常に怖い存在となる。06年に最低人気で勝ったビーナスラインは函館・札幌で4勝をあげており、昨年、9歳馬ながら2着に好走したタニノマティーニも函館・札幌で計6勝をあげている名うての洋芝巧者だった。00年の出走時点では洋芝経験のなかったメジロダーリングも、その後、引退するまでに函館・札幌で計4戦を走ることになるが、すべて3着以内にまとめている。函館・札幌芝での複勝率が5割を超えるような馬は、どれほど人気薄でも注意を怠るべきではないだろう。

さて、このメジロダーリングのように洋芝は初出走という馬はどうすればいいのだろうか。そこで激走馬の共通点を探していたところ、おもしろいことに気づいた。それは、2歳時に芝1200m戦で好成績を収めていることが多いのだ。もっとも、芝1200m重賞で好走するような馬なのだから、より相手が弱い2歳時に芝1200mで好成績を収めるのは当然ではある。そこで各々の成績をより掘り下げていくと、芝1200m戦で2着を1秒以上突き放すような圧勝をしていることが多いことがわかった。00年6番人気2着のダイタクヤマトは未勝利戦で1秒3差、02年6番人気3着のダンツキャストはかえで賞で1秒3差の圧勝を飾っている。08年6番人気2着のサープラスシンガーも、2歳時の芝1200m4戦でオープン特別を含んで2勝2着2回の好成績を残していた。このように洋芝経験のない馬に関しては、2歳時に芝1200m戦で素質を見せていたかどうかがひとつの目安となりそうだ。

なお、ここまで4、5番人気から3着以内に入った馬には触れてこなかったが、概ねこれまでに述べてきたような好走パターンに該当する馬が好走してきている。前走レースの格と着順、洋芝適性、2歳時の芝1200戦成績などを参考に取捨を選択していきたい。

【結論】

まずは、信頼できそうな1〜3番人気馬を選定していきたいところ。今年の函館スプリントSで上位人気を形成しそうなのが、高松宮記念2着のビービーガルダン、CBC賞を勝ったヘッドライナーに、アーバニティ、ワンカラットといったあたりだろうか。このなかで実績、洋芝適性ともに群を抜いた存在なのがビービーガルダンだ。昨秋のスプリンターズS、今春の高松宮記念とスプリントG1で連続2着、札幌・函館の芝で【5・3・1・1】とまさに申し分なしの成績。唯一心配する点があるとすれば、今回はおそらく宿願のG1獲りに向けてのステップレースという位置づけだろうということだが、それを差し引いても大敗は考えにくい。よほどパドックで悪く見えない限りは手堅い軸馬となるだろう。

ヘッドライナーも函館・札幌で【1・0・3・0】と凡走しらず。ただし、芝は3着1戦のみで残る3戦はダートでの成績だが、少なくとも北海道の環境がマイナスになることはなさそう。ワンカラットは北海道でのレースが初めてになるが、2歳時は芝1200mの新馬戦を勝ち上がり、小倉2歳Sでも僅差の5着。圧勝こそないものの、このレースと相性のいい牝馬でもあり、ヘッドライナーと甲乙つけがたく、この2頭をともに対抗格としたい。洋芝、2歳時の芝1200m戦ともに実績のないアーバニティは評価を下げることとした。

穴では函館・札幌の芝で好成績を残しているタニノマティーニピサノパテックキョウエイアシュラシンボリウエストケイアイアストングランプリエンゼルの6頭をピックアップした。特に、キョウエイアシュラは2歳時にラベンダー賞を勝ち、函館2歳Sでも2着に入るなど(いずれも代替開催で札幌でのレース)、北海道の芝1200m戦で3戦2勝2着1回と洋芝のスプリント戦適性は十分。レベルが高いと言われている3歳馬でもあり、怖い存在になりそうだ。また、昨年の勝ち馬グランプリエンゼルも函館・札幌の芝では複勝率10割をマーク。ここのところ大敗続きではあるが、注意だけはしておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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