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第397回 春の東京G1・5連戦ファイナル!安田記念を分析

2010/6/3(木)

2009/6/7 東京11R 安田記念(G1)1着 3番 ウオッカ

NHKマイルCに始まる東京G1・5連戦もとうとう最終戦。今週は安田記念が行なわれる。昨年はウオッカ、ディープスカイというダービー馬のワンツー決着となったが、近10年で1番人気が勝ったのはその昨年だけと、波乱決着に終わるケースが多いようだ。そんな春のマイル王決定戦の好走傾向をデータから考察してみたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 芝2000m以上のG1で連対歴があった馬(近10年・日本馬のみ)

年度
馬名
性齢
人気
着順
芝2000m以上G1連対歴
前走着順
出走間隔
00
キングヘイロー
牡5
3
3
皐月賞2着
11
中2週
ウメノファイバー
牝4
8
12
オークス1着
4
中2週
フサイチエアデール
牝4
9
7
エリザベス女王杯2着
13
中6週
01
ヤマカツスズラン
牝4
16
12
秋華賞2着
10
中2週
02
ダンツフレーム
牡4
2
2
ダービー2着など
4
中2週
ダイタクリーヴァ
牡5
8
17
皐月賞2着
9
中2週
アメリカンボス
牡7
16
13
有馬記念2着
2
中22週
03
ダンツフレーム
牡5
3
5
ダービー2着など
1
中2週
アグネスデジタル
牡6
4
1
天皇賞・秋1着
4
中4週
ローズバド
牝5
13
14
オークス2着
5
中6週
04
ファインモーション
牝5
3
13
エリザベス女王杯1着など
1
中23週
ツルマルボーイ
牡6
6
1
天皇賞・秋2着など
6
中8週
05
ダイワメジャー
牡4
2
8
皐月賞1着
1
中8週
ダンスインザムード
牝4
3
18
天皇賞・秋2着
9
中2週
スイープトウショウ
牝4
10
2
秋華賞1着など
5
中3週
06
ダイワメジャー
牡5
2
4
皐月賞1着
1
中6週
07
ダイワメジャー
牡6
2
1
天皇賞・秋1着など
3
中8週
08
ウオッカ
牝4
2
1
ダービー1着
2
中2週
09
ウオッカ
牝5
1
1
ダービー1着
2
中2週
ディープスカイ
牡4
2
2
ダービー1着など
2
中8週
スマイルジャック
牡4
5
9
ダービー2着
7
中2週

1、2番人気で決着した昨年でも3着には10番人気のファリダットが突っ込んだように、一筋縄ではいかないのが近年の安田記念。とはいえ、人気薄の馬であっても、終わってみれば「来てもおかしくないよなあ」という実力馬だったというケースも少なくない。たとえば、05年の勝ち馬アサクサデンエン(7番人気)は前哨戦・京王杯SCの勝ち馬。同馬は翌06年も前走のドバイデュティーフリーで結果を出せなかったことが嫌われてか、前年の覇者ながら10番人気に甘んじたが、人気に反発して2着に好走した。レース後に嘆くことがないよう、こうした馬をしっかりと拾っていきたいものだ。

さて、そんな安田記念ではあるが、データを確認していると意外と好走パターンが限られていることに気がつく。まず、本命サイドのデータとして重視したいのが、「芝2000m以上のG1で連対歴があるかどうか」だ。表1を見ていただきたい。これは、安田記念に芝2000m以上のG1で連対歴があった馬が出走してきたときの成績だ。これに該当すれば好走が保証されるというわけではないのだが、前走で4着以下に敗れていた馬や長期休養明けの馬を除けば好走する確率は高い。また、芝2000m以上のG1で連対歴があっても、それが牝馬限定G1の場合は割り引く必要がある。こうしたマイナス材料のない馬、つまり「芝2000m以上の牡馬混合G1で連対歴があり」「前走で掲示板に載っていて」「休み明けでもない」馬が好走する確率は相当に高い。東京芝1600mは通常のマイル戦以上のスタミナを要するコースと言われるが、その最高峰に位置する安田記念では2000m以上のG1でも勝ち負けできるほどのスタミナが必要とされるということだろう。

■表2 4着以下に敗れた1〜3番人気馬(近10年・日本馬のみ)

年度
馬名
性齢
人気
着順
芝2000m以上G1実績
00
スティンガー
牝4
1
4
天皇賞・秋4着など
ブラックホーク
牡6
2
9
出走歴なし
01
スティンガー
牝5
2
15
天皇賞・秋4着など
ジョウテンブレーヴ
牡4
3
13
皐月賞4着など
02
エイシンプレストン
牡5
1
5
出走歴なし
ゼンノエルシド
牡5
3
18
出走歴なし
03
テレグノシス
牡4
2
7
ダービー11着
ダンツフレーム
牡5
3
5
ダービ2着など
04
ローエングリン
牡5
1
5
宝塚記念3着
ウインラディウス
牡6
2
14
出走歴なし
ファインモーション
牝5
3
13
エリザベス女王杯1着など
05
テレグノシス
牡6
1
6
天皇賞・秋11着など
ダイワメジャー
牡4
2
8
皐月賞1着
ダンスインザムード
牝4
3
18
天皇賞・秋2着
06
ダイワメジャー
牡5
2
4
皐月賞1着
オレハマッテルゼ
牡6
1
10
出走歴なし
07
スズカフェニックス
牡5
1
5
出走歴なし
08
スーパーホーネット
牡5
1
8
皐月賞10着など
09
スーパーホーネット
牡6
3
7
皐月賞10着など

逆に、人気を背負って4着以下に敗れた馬を見てみると、芝2000m以上のG1に出走したことがない馬も多いし、出走していても連対例がない馬がほとんど。このことからも、安田記念におけるスタミナ要求度の高さがわかるのではないだろうか。のちに香港で芝2000mG1を勝つエイシンプレストン(02年)だが、この時点では出走歴なし。ファインモーション(04年)は、約半年ぶりの出走となってのG1ではさすがに厳しかった。ダンスインザムード(05年)は前走の京王杯スプリングCで1番人気を背負いながら9着に敗れ、本番でもまさかのシンガリ負けということからもわかるように、大スランプに陥っていた時期だった。こうした明らかな減点材料がある人気馬は、芝2000m以上のG1連対歴があってもまずは疑ってみるべきだろう。なお、ほかに芝2000m以上のG1で連対例がありながら敗れた馬にはダンツフレーム(03年)とダイワメジャー(05、06年)がいるが、この2頭は別の年に連対を果たしている。戦績を振り返れば、いずれも競走馬としてのピークを迎えていた時期にのみ連対しており、どのタイミングで出走するかということも重視したほうがよさそうだ。

■表3 6番人気以下の1〜3着馬(近10年・日本馬のみ)

年度
馬名
性齢
人気
着順
前走着順
前走上がり
01
ブラックホーク
牡7
9
1
3
34.8
ブレイクタイム
牡4
15
2
2
36.1
メイショウオウドウ
牡6
7
3
2
34.6
02
アドマイヤコジーン
牡6
7
1
2
36.0
03
アドマイヤマックス
牡4
6
2
3
34.5
04
ツルマルボーイ
牡6
6
1
6
35.0
05
アサクサデンエン
牡6
7
1
1
34.6
スイープトウショウ
牝4
10
2
5
33.1
06
アサクサデンエン
牡7
10
2
15
07
ジョリーダンス
牝6
9
3
5
32.9
08
エイシンドーバー
牡6
9
3
3
34.0
09
ファリダット
牡4
10
3
3
33.4
(※前走上がりは、黄色が出走馬中1位、青が2位、緑が3位)

2002/6/2 東京11R 安田記念(G1)1着 18番 アドマイヤコジーン

次に、安田記念で穴をあけた馬の共通点を探ってみた。波乱傾向となっているだけに、馬券的にはこちらのほうがカギとなるとも言えるだろう。表3は、近10年の安田記念で6番人気以下から3着以内に入った馬の一覧。どうやら、前走で速い上がりを使っていた馬が穴をあける傾向にあるようだ。前走が海外だったアサクサデンエンを除く11頭のうち、9頭は前走でメンバー中3位以内の上がり3ハロンタイムをマーク。うち8頭までは2位以内の速い上がりを記録していた。速い上がりをマークしていただけに大敗していた馬はいないが、前走1位なら5着以内、前走2位なら3着以内をひとつのメドとしたい。そして、前走の上がりが4位以下だったブラックホークとアドマイヤコジーンはいずれもG1ホース。アサクサデンエンも前年の覇者ということも併せて、人気の落ちたG1馬はぜひとも買い目に加えておきたいところだ。

■表4 人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気 1-  0-  1-  8/ 10
10.0%
10.0%
20.0%
18%
28%
2番人気 2-  2-  0-  6/ 10
20.0%
40.0%
40.0%
85%
72%
3番人気 1-  1-  1-  7/ 10
10.0%
20.0%
30.0%
64%
94%
4番人気 1-  1-  1-  7/ 10
10.0%
20.0%
30.0%
94%
93%
5番人気 0-  1-  2-  7/ 10
0.0%
10.0%
30.0%
0%
115%
6番人気 1-  2-  0-  7/ 10
10.0%
30.0%
30.0%
113%
128%
7番人気 2-  0-  1-  7/ 10
20.0%
20.0%
30.0%
281%
151%
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
66%
9番人気 1-  0-  2-  7/ 10
10.0%
10.0%
30.0%
201%
189%
10番人気 1-  2-  1-  6/ 10
10.0%
30.0%
40.0%
399%
285%
11番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
12番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
13番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
14番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
15番人気 0-  1-  0-  9/ 10
0.0%
10.0%
10.0%
0%
251%
16番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
17番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
18番人気 0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%

最後に押さえておくべき基本データをいくつか確認しておこう。近年の安田記念は波乱傾向と繰り返して書いてきたが、改めてデータを確認すると驚くほど。1番人気から10番人気まで、好走率がほとんど変わらないのである。買ってみたいと思っていた馬がこの範囲に収まっていれば、人気にはこだわらず積極的に狙っていくべきだ。ただし、波乱傾向とはいっても、11番人気以下になると途端に好走例が少なくなり、15番人気2着が1頭いるだけ。それも01年のブレイクタイムとかなり以前の例だ。波乱傾向とはいっても、あまり極端な人気薄を狙うのは得策ではないだろう。

■表5 年齢別成績

年齢
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
3歳
0-  0-  0-  2/  2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
4歳
1-  5-  3- 42/ 51
2.0%
11.8%
17.6%
8%
105%
5歳
2-  3-  2- 47/ 54
3.7%
9.3%
13.0%
77%
46%
6歳
5-  0-  5- 34/ 44
11.4%
11.4%
22.7%
120%
108%
7歳以上
2-  2-  0- 25/ 29
6.9%
13.8%
13.8%
91%
70%

昨年秋のマイルチャンピオンシップで8歳馬のカンパニーが勝ったのは記憶に新しいが、安田記念でも高齢馬の活躍が顕著。10年のうち半分は6歳馬が勝っており、7歳馬もブラックホークとブリッシュラックが勝利。一方、働き盛りの4歳馬はわずかに1勝のみとなっている。

■表6 厩舎別成績(複勝率順)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
京王杯スプリングC 2- 3- 2-53/60
3.3%
8.3%
11.7%
54%
46%
ヴィクトリアマイル 2- 0- 1- 7/10
20.0%
20.0%
30.0%
59%
90%
チャンピオンズマイル(香港) 1- 1- 2-10/14
7.1%
14.3%
28.6%
45%
126%
産経大阪杯 1- 1- 1- 2/ 5
20.0%
40.0%
60.0%
226%
156%
ドバイDF(UAE) 1- 1- 0- 1/ 3
33.3%
66.7%
66.7%
146%
316%
高松宮記念 1- 0- 0- 3/ 4
25.0%
25.0%
25.0%
395%
122%
かきつばた記念 1- 0- 0- 2/ 3
33.3%
33.3%
33.3%
313%
120%
(不明・他) 1- 0- 0- 2/ 3
33.3%
33.3%
33.3%
1330%
276%
マイラーズC 0- 1- 4-21/26
0.0%
3.8%
19.2%
0%
80%
都大路S(ハンデ戦) 0- 1- 0- 4/ 5
0.0%
20.0%
20.0%
0%
128%
京阪杯 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
600%
オアシスS 0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
2510%
(※好走例のあるレースのみ)

前走レースは多種多様。ただし、主要ステップの京王杯スプリングCとマイラーズCの好走率の低さは気になるところだ。近10年、京王杯と安田記念を連覇したのは05年のアサクサデンエンのみ。というより、3着に入った例すらこの1頭しかいない。残る9頭には安田記念で1番人気、2番人気に推された馬を3頭ずつ含んでいるものの、すべて4着以下に敗れている。前走マイラーズC組の場合、そこで3着以内に入っていなければならないというわかりやすい傾向があるので、取捨は比較的容易。ただし、勝ち馬は出ていない。相性がいいのは産経大阪杯。安田記念では2000m以上のG1での実績がものを言うことは前述したが、大阪杯も2000mのレースだけにこのリンクは納得しやすいはずだ。あとは、香港のチャンピオンズマイルで好走した海外所属馬にはやはり注意を払っておきたい。

【結論】

今年の登録馬には、芝2000m以上のG1で連対したことのある馬が4頭いる。皐月賞馬キャプテントゥーレ、ダービー2着のスマイルジャックとリーチザクラウン、皐月賞2着のトライアンフマーチである。ただ、このすべてがここ10年の安田記念で勝ち馬を出していない前走マイラーズC組。スマイルジャック以外の3頭で1〜3着を占めており、安田記念でも馬券圏内という点では問題ないが、軸馬とまでなると引っ掛かる部分があるのも確か。いずれも有力ではあるが、ここでは2番手グループと位置づけたい。近10年で勝ち馬が1頭しかいない4歳馬のぶん、リーチザクラウンの評価をやや下げることも可能だ。

穴馬候補に前走で速い上がりを出していた馬。前走の上がり3ハロンタイムがメンバー中1位かつ5着まで、あるいは2位かつ3着までに入った馬を挙げていくと、ショウワモダンセイクリッドバレートライアンフマーチファリダットマルカフェニックスの5頭がいる。芝2000m以上でのG1連対歴もあるトライアンフマーチを最上位とするのが自然だが、穴データだけに手広く構えたほうがいいだろう。また、唯一のG1馬であるセイウンワンダーが人気を落とすようなら、これも要注意。11番人気以下の激走例は少ないので、6〜10番人気に収まっていればしっかりと押さえておきたい。

芝2000m以上のG1馬に本命視できるだけの馬がいないので、思い切って香港馬を軸馬に指名したい。基本的には4月のチャンピオンズマイルで3着以内に好走、というのがボーダーライン。今年登録のある香港馬はいずれもチャンピオンズマイルに出走しているが、2着フェローシップ、3着ビューティーフラッシュ、4着サイトウィナーという結果だった。また、サイトウィナーは昨年に続く出走となるが、2年連続出走した海外馬は2年目に着順を落とすケースが多いようだ。また、香港馬のうち最上位人気に推された馬もなぜか成績が振るわない傾向がある。そこで、あいまいな結論ではあるが、フェローシップとビューティーフラッシュで人気のないほうをここでは軸馬と決定したい。

まとめると、本命はフェローシップかビューティーフラッシュ。続いてトライアンフマーチ、キャプテントゥーレ、リーチザクラウンの3頭が2番手グループで、穴馬にショウワモダン、セイクリッドバレー、ファリダット、マルカフェニックス。人気を落とすようならセイウンワンダーも買い目に加えておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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