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第389回 10番人気以下の取捨が大事なNHKマイルC

2010/5/6(木)

設立当初は、クラシックに出走できない外国産馬のための救済レースという意味合いの強かったNHKマイルC。しかし、外国産馬にもクラシックの門戸が開かれた現在は、同じ東京コースで行われるダービーに直結するレースという側面も強くなってきた。NHKマイルCで強い勝ち方を見せた04年のキングカメハメハ、08年のディープスカイは距離が800m延びたダービーもやはり完勝。アサクサキングスやブラックシェルのようにダービーで人気を落としながら好走した例もある。そんな、3歳春のマイル王決定戦であると同時に、ダービー最終便ともなっているNHKマイルCを近10年の傾向を元に分析してみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
1番人気
3-  1-  2-  4/ 10
30.0%
40.0%
60.0%
91%
86%
2番人気
2-  0-  0-  8/ 10
20.0%
20.0%
20.0%
82%
33%
3番人気
1-  1-  1-  7/ 10
10.0%
20.0%
30.0%
87%
73%
4番人気
1-  1-  1-  7/ 10
10.0%
20.0%
30.0%
143%
71%
5番人気
0-  4-  0-  6/ 10
0.0%
40.0%
40.0%
0%
126%
6番人気
0-  0-  2-  8/ 10
0.0%
0.0%
20.0%
0%
113%
7番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
8番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
9番人気
1-  1-  0-  8/ 10
10.0%
20.0%
20.0%
260%
137%
10番人気
1-  1-  0-  8/ 10
10.0%
20.0%
20.0%
398%
174%
11番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
12番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
110%
13番人気
0-  1-  1-  8/ 10
0.0%
10.0%
20.0%
0%
436%
14番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
76%
15番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
16番人気
0-  0-  0- 10/ 10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
17番人気
1-  0-  0-  9/ 10
10.0%
10.0%
10.0%
760%
191%
18番人気
0-  0-  1-  9/ 10
0.0%
0.0%
10.0%
0%
390%

近10年のうち、4番人気までで7勝。2勝のほかはすべて着外という2番人気はやや極端な成績になっているが、上位人気はそれなりに安定して走っているようだ。大ざっぱに言って、1〜4番人気から軸馬、1〜6番人気から相手の筆頭をそれぞれ据える、というのがひとつの目安になる。

ただし、それだけでは3連勝系の馬券には届かないかもしれない。NHKマイルCでは穴馬が3着以内に入るケースが少なくなく、近5年はふたケタ人気の馬が必ず馬券に絡んでいる。こうした買いにくい馬たちも買い目に加えていかなければ、3連単や3連複では的中から遠ざかってしまうのだ。

■表2 9番人気以下の好走馬

年度
NHKマイルC成績
前走
前々走
馬名
人気
着順
レース名
着順
レース名
着順
01年 グラスエイコウオー
13
2
ニュージーランドT(G2)
14
クリスタルC(G3)
3
サマーキャンドル
12
3
500万下
1
500万下
3
03年 ウインクリューガー
9
1
毎日杯(G3)
8
アーリントンC(G3)
1
05年 デアリングハート
10
2
桜花賞(G1)
3
フィリーズレビュー(G2)
2
06年 ファイングレイン
9
2
ニュージーランドT(G2)
2
スプリングS(G2)
9
07年 ピンクカメオ
17
1
桜花賞(G1)
17
菜の花賞(OP特別)
1
ムラマサノヨートー
18
3
ニュージーランドT(G2)
14
500万下
1
08年 ダノンゴーゴー
14
3
ニュージーランドT(G2)
7
ファルコンS(G3)
1
09年 ジョーカプチーノ
10
1
ニュージーランドT(G2)
3
ファルコンS(G3)
1
グランプリエンゼル
13
3
橘S(OP特別)
1
500万下
1

近10年、NHKマイルCで9番人気以下ながら馬券に絡んだ馬を抜き出したのが表2だ。

2009/5/10 東京11R NHKマイルC(G1)1着 3番 ジョーカプチーノ

この馬たちの戦績を見ていくうちに、「おや?」と思うことがあった。それは「つい最近の前走や前々走、しかも重賞やオープン特別で好走しているのに、どうしてこんなに人気がないの?」というケースが非常に多かったのだ。たとえば、昨年の勝ち馬ジョーカプチーノは前々走でファルコンSを勝ち、前走のニュージーランドTで3着と重賞で連続好走していたにもかかわらず、本番では10番人気の評価にとどまった。マイルの距離が不安視されたのだろうが、未勝利勝ちはダートとはいえ1700mのものだし、現にマイル重賞のニュージーランドTで3着に入っていたのだから、これはさすがに人気がなさすぎたようにも思える(もちろん、今だから言えることではあるが)。

表2の激走馬10頭のうち「前々走か前走のどちらかで、重賞3着以内かオープン特別を勝っていた馬」に該当するのが実に8頭もいる。03年のウインクリューガーや07年のピンクカメオといった人気薄の勝ち馬も、ここに見事に合致している。ムラマサノヨートーやサマーキャンドルのように当てはまらない馬もいるが、穴馬のデータだけに完璧でなくとも仕方がない部分もある。それよりも、「近2走の成績を見るだけでも十分に買える穴馬なのに、買いそびれてしまった」という悔しい事態を招かないよう、このデータを活用していただければ幸いだ。

■表3 前走レース別成績(3着内実績があるレース)

前走レース名
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
毎日杯
4- 0- 0- 3/ 7
57.1%
57.1%
57.1%
501%
167%
ニュージーランドT
3- 4- 3-59/69
4.3%
10.1%
14.5%
76%
132%
桜花賞
2- 1- 0- 2/ 5
40.0%
60.0%
60.0%
1598%
542%
スプリングS
1- 2- 0- 4/ 7
14.3%
42.9%
42.9%
204%
127%
皐月賞
0- 3- 2-22/27
0.0%
11.1%
18.5%
0%
34%
マーガレットS
0- 0- 2-13/15
0.0%
0.0%
13.3%
0%
57%
橘S
0- 0- 1-10/11
0.0%
0.0%
9.1%
0%
259%
ベンジャミンS
0- 0- 1- 3/ 4
0.0%
0.0%
25.0%
0%
135%
500万下・牝
0- 0- 1- 0/ 1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
1100%

近10年、勝ち馬を出しているステップレースは毎日杯、ニュージーランドT、桜花賞、スプリングSの4レース。これに出走馬の多い皐月賞を加えた5レースがNHKマイルCの重要ステップレースとなるが、今年の特別登録馬には前走スプリングSという馬がいないので、そのほかの4レースについて考察を加えていくこととしよう。

表3は、NHKマイルCにおける前走レース別成績。好走例のないレースは省いている。このなかでは7頭が出走して4勝という毎日杯の相性の良さが群を抜いている。毎日杯を勝ってNHKマイルCで1番人気に推されたクロフネ、キングカメハメハ、ディープスカイの3頭がきっちり勝利を収めた一方、本番では2番人気どまりだった09年の毎日杯勝ち馬アイアンルックは9着に大敗した。今年も毎日杯勝ち馬がNHKマイルCにスタンバイしているが、そのダノンシャンティにとっては、1番人気と2番人気の違いが命運を大きく分けることになるのだろうか。

■表4 ニュージーランドT組・前走着順別成績

前走着順
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
前走1着
0- 1- 0- 8/ 9
0.0%
11.1%
11.1%
0%
43%
前走2着
0- 1- 1- 7/ 9
0.0%
11.1%
22.2%
0%
83%
前走3着
2- 0- 0- 6/ 8
25.0%
25.0%
25.0%
606%
176%
前走4着
0- 1- 0- 5/ 6
0.0%
16.7%
16.7%
0%
41%
前走5着
0- 0- 0- 5/ 5
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
前走6〜9着
1- 0- 1-15/17
5.9%
5.9%
11.8%
25%
53%
前走10着〜
0- 1- 1-13/15
0.0%
6.7%
13.3%
0%
360%

最多出走のステップレースはニュージーランドT。トライアルに指定されているだけに当然ではあるが、よく知られているようにNHKマイルCとの相性はかなり悪い。人気薄の激走によって複勝回収率こそ132%をマークしているが、ニュージーランドTの好走馬が本番で凡走するケースが非常に目立つのである。

表4は、ニュージーランドT組を前走着順別で集計したもの。このように近10年、ニュージーランドTの1、2着馬18頭(※NHKマイルCに出走しなかった2頭を除く)は、本番では1頭も勝てず、2着馬も1頭ずついるのみという大不振に喘いでしまっている。まるでトライアルG2としての機能を放棄しているかのようだ。ニュージーランドTとNHKマイルCは同距離とはいえ、小回りの中山から広々とした東京にコース替わりするため、まったく異なる適性が求められる影響も多いのだろう。

ニュージーランドT連対馬が不振ということはわかったが、問題はどのような馬を狙えばいいのか。ひとつ狙いとなりそうなのが、「差し・追い込みで届かなかったものの1秒未満差までに詰めていた馬」。いい脚を使ってよく差してきたものの中山の短い直線では届かず、東京の長い直線に替わって前進するパターンだ。07年18番人気3着のムラマサノヨートー、08年14番人気3着のダノンゴーゴーなどの超人気薄馬もこのパターンだった。

■表5 皐月賞組・前走着順別成績

前走着順
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回率
複回率
前走3着
0- 0- 2- 0/ 2
0.0%
0.0%
100.0%
0%
130%
前走4着
0- 1- 0- 0/ 1
0.0%
100.0%
100.0%
0%
170%
前走5着
0- 0- 0- 2/ 2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
前走6〜9着
0- 2- 0- 3/ 5
0.0%
40.0%
40.0%
0%
98%
前走10着〜
0- 0- 0-17/17
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
※前走1、2着は該当例なし

皐月賞組は人気になりやすいだけに慎重に取捨したい。近10年で1番人気に支持された馬が4頭いるがいずれも勝てず、複勝回収率も34%とデータ的にも過剰人気の傾向が出ているからだ。

それだけに、まずは消しのデータを探したほうがわかりやすそうだ。まず、皐月賞で10着以下だった馬は【0.0.0.17】。そして、当日人気が5番人気以下だった馬も【0.0.0.17】となっている。いずれにも当てはまらない馬、つまり、皐月賞がひとケタ着順で当日人気が1〜4番人気なら【0.3.2.4】で連対率33.3%、複勝率55.6%と信頼できる軸馬の条件が浮かび上がってくる。さらに皐月賞で1着馬とのタイム差が0秒5までなら【0.2.2.1】とさらに信頼性を増すので、皐月賞組の取捨に関しては「前走着順、できれば前走タイム差も確認。そして当日4番人気以内なら手堅い軸馬となる」というスタンスで臨みたい。

最後に桜花賞組とそれ以外の組にも触れておこう。桜花賞組は5頭が出走して【2.1.0.2】という好成績を残している。前例が少ないだけに傾向までは見出しにくいのだが、好走した3頭のうちの2頭、05年にワンツーを決めたラインクラフトとデアリングハートは、桜花賞でもそれぞれ1、3着。この点から察するに、世代トップクラスの力の持ち主でなければ牡馬相手となるNHKマイルCでは苦しく、ただ単に「オークスでは距離が長いから……」というだけの消極的な理由でこちらに回った馬は、見送ったほうがいいのではないかと思う。なお、07年に大穴をあけたピンクカメオに関しては前掲した表2などを参照していただきたい。

マーガレットSや橘Sなどの前走オープン特別組は近10年では3着が最高。条件としてはとにかく前走で勝っていなければならない。例外は06年3着のキンシャサノキセキだが、この馬は前々走の重賞、アーリントンCで1番人気に推されるほど実力を評価されていた。オープン特別組に関してはこのあたりを目安としたい。

【結論】

2010/3/27 阪神10R 毎日杯(G3)1着 4番 ダノンシャンティ
2010/4/10 中山11R ニュージーランドT(G2)1着 16番 サンライズプリンス

今年有力視されるのは、ともに前走の重賞で強い勝ち方をしたダノンシャンティサンライズプリンス。もちろん、データ的にはNHKマイルCと相性のいい毎日杯を勝ったダノンシャンティを重視したい。前述したように、毎日杯勝ち馬が1番人気に推された場合は近10年で3戦3勝。当日1番人気なら自信の本命と言っても差し支えないぐらいである。

大外枠から先行してそのまま押し切ったニュージーランドTのサンライズプリンスは圧巻だったが、とにかくステップレースの相性の悪さが気になるところ。能力の高さは一目瞭然だけに無視はできないが、ここでは3番手評価にとどめたい。代わって対抗格としたいのが、皐月賞組の好走条件である「前走ひとケタ着順、できれば勝ち馬から0秒5差、そして当日4番人気以内」を満たしそうなリルダヴァル。3連勝系の馬券ならダノンシャンティ、リルダヴァルの2頭軸で臨みたい。

表2で示した激走条件「前々走か前走のどちらかで重賞3着以内かオープン特別を勝っていた馬」に該当する馬は結構いて、すでに名前の出た3頭を除くと、アイウエオ順にエイシンアポロン、エーシンダックマンエーシンホワイティガルボ、コスモセンサー、サウンドバリアーシゲルモトナリ、ダイワバーバリアン、トシギャングスターレトとなる。この条件は当日9番人気以下の穴馬に関するものなので、エイシンアポロンやコスモセンサー、ダイワバーバリアンあたりは除外することとなりそうだが、当日人気を確認しながら前述の2頭軸からこれらの穴馬に流せば結構な配当も見込めるのではないだろうか。そのほか、ニュージーランドTで最速の上がりを使って0秒7差の4着まで追い上げたキョウエイアシュラの名前も挙げておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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