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第335回 ウオッカが天皇賞(秋)を連覇する可能性は?

2009/10/26(月)

2008/11/2 東京11R天皇賞(秋)(G1)1着 14番 ウオッカ

歴史に残る名勝負だった昨年の天皇賞(秋)。直線はしぶとく粘るダイワスカーレットに08年ダービー馬ディープスカイと07年ダービー馬ウオッカが急追。最後は3頭が横一線に並んでゴールしたが、ウオッカがハナ差ダイワスカーレットを抑えて見事優勝を果たした。あの激戦から1年。前年の2着ダイワスカーレットと3着ディープスカイは現役を退いてしまったが、勝ち馬ウオッカは今年も健在。当然、今年も人気の中心になるだろう。もし今年も優勝すれば、シンボリクリスエス以来、史上2頭目の天皇賞(秋)連覇達成になる。

そこで同一G1連覇に挑戦した馬を分析して、ウオッカの天皇賞(秋)連覇の可能性を考えてみたい。なおデータ分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

■表1 同一G1連覇を達成した馬(過去10年)

馬名
レース名
初制覇
連覇
人気
オッズ
人気
オッズ
ウオッカ 安田記念
08年
2
4.1
09年
1
1.8
ダイワメジャー マイルCS
06年
1
2.3
07年
1
3.8
デュランダル マイルCS
03年
5
8.1
04年
1
2.7
アドマイヤグルーヴ エリザベス女王杯
03年
2
3.6
04年
2
3.3
シンボリクリスエス 有馬記念
02年
2
3.7
03年
1
2.6
天皇賞(秋)
02年
3
6.5
03年
1
2.7
テイエムオペラオー 天皇賞(春)
00年
1
1.7
01年
1
2.0

始めに同一G1連覇を達成した馬を見ていこう(表1参照)。過去10年で同一G1連覇を達成したのは、昨年と今年の安田記念を制したウオッカを始め6頭(シンボリクリスエスは天皇賞・秋と有馬記念で連覇達成)。そこで連覇を達成した時の人気を見ると、7頭中6頭が1番人気に支持されていた。04年エリザベス女王杯に出走したアドマイヤグルーヴも2番人気とはいえ、単勝オッズ3.3倍と人気の一角。実際、単勝オッズは全馬が4.0倍以下だった。つまり連覇する条件は、1番人気かつ単勝オッズ4.0倍以下と言えるかもしれない。

■表2 過去10年で同一G1連覇に挑戦した馬の成績(1)

着別度数
勝率
連対率
複勝率
7-12-6-21/46
15.2%
41.3%
54.3%

そうは言っても、実際は連覇に挑み敗退するケースの方が圧倒的に多い。表2は過去10年で同一G1連覇に挑戦した馬の成績(1)をまとめたもの。同一G1連覇を達成した馬は前述の6頭だが、実際は2着に敗れるケースが目立つ。複勝率は54.3%で、同一G1連覇に挑戦する馬のほぼ半数は4着以下に敗れている

■表3 過去10年で同一G1連覇に挑戦した馬の成績(2)

レース名
馬名
着順
人気
翌年
着順
人気
フェブラリーS 08年 ヴァーミリアン
1
1
09年
6
2
05年 メイショウボーラー
1
1
06年
15
9
04年 アドマイヤドン
1
1
05年
5
2
01年 ノボトゥルー
1
5
02年
3
2
00年 ウイングアロー
1
4
01年
2
4
高松宮記念 08年 ファイングレイン
1
4
09年
17
8
07年 スズカフェニックス
1
1
08年
3
1
06年 オレハマッテルゼ
1
4
07年
5
6
02年 ショウナンカンプ
1
3
03年
7
1
01年 トロットスター
1
1
02年
5
1
天皇賞(春) 07年 メイショウサムソン
1
2
08年
2
2
00年 テイエムオペラオー
1
1
01年
1
1
安田記念 08年 ウオッカ
1
2
09年
1
1
05年 アサクサデンエン
1
7
06年
2
10
00年 フェアリーキングプローン
1
10
01年
9
1
宝塚記念 04年 タップダンスシチー
1
1
05年
7
1
02年 ダンツフレーム
1
1
03年
7
7
00年 テイエムオペラオー
1
1
01年
2
1
スプリンターズS 05年 サイレントウィットネス
1
1
06年
4
3
04年 カルストンライトオ
1
5
05年
10
8
03年 デュランダル
1
5
04年
2
2
02年 ビリーヴ
1
1
03年
2
1
00年 ダイタクヤマト
1
16
01年
3
2
天皇賞(秋) 06年 ダイワメジャー
1
4
07年
9
3
04年 ゼンノロブロイ
1
1
05年
2
1
02年 シンボリクリスエス
1
3
03年
1
1
00年 テイエムオペラオー
1
1
01年
2
1
エリザベス女王杯 06年 フサイチパンドラ
※1
7
07年
2
3
05年 スイープトウショウ
1
2
06年
2
2
04年 アドマイヤグルーヴ
1
2
05年
3
4
03年 アドマイヤグルーヴ
1
2
04年
1
2
マイルCS 06年 ダイワメジャー
1
1
07年
1
1
05年 ハットトリック
1
3
06年
8
6
04年 デュランダル
1
1
05年
8
1
03年 デュランダル
1
5
04年
1
1
01年 ゼンノエルシド
1
4
02年
14
12
ジャパンCD 07年 ヴァーミリアン
1
1
08年
3
1
04年 タイムパラドックス
1
4
05年
4
3
00年 ウイングアロー
1
4
01年
2
3
ジャパンC 04年 ゼンノロブロイ
1
1
05年
3
1
01年 ジャングルポケット
1
2
02年
5
3
00年 テイエムオペラオー
1
1
01年
2
1
有馬記念 07年 マツリダゴッホ
1
9
08年
12
2
04年 ゼンノロブロイ
1
1
05年
8
2
02年 シンボリクリスエス
1
2
03年
1
1
00年 テイエムオペラオー
1
1
01年
5
1
※06年エリザベス女王杯は1位入線したカワカミプリンセスの降着により繰り上がった着順。

表2で全体的な数字を見たが、表3ではレースごとに同一G1連覇に挑戦した馬(過去10年)をまとめてみた。まずはレースごとに見ていくことにしよう。

フェブラリーSは97年にG1競走に昇格したレース。しかし、いまだ連覇を達成した馬はいない。過去10年では5頭が挑戦しているが、最高着順は01年ウイングアローの2着。近年はヴァーミリアン、メイショウボーラー、アドマイヤドンが連覇に挑んだが、5着以下に敗退している。

高松宮記念は散々な成績で、5頭中4頭は4着以下に敗れている。唯一の好走馬スズカフェニックスも1番人気に支持されて、3着。近年は短距離路線の勢力図が定まらない傾向にあり、難しいレースが続いているようだ。また同レースもG1競走に昇格された96年以降を見ても、連覇を達成した馬はいない。

天皇賞(春)はメイショウサムソンとテイエムオペラオーが挑み、前者は2着で後者は見事に連覇達成。2頭ともに連覇を狙った年の前哨戦は大阪杯に出走して、4着以下に敗れたが、見事な巻き返しを見せた。

安田記念は今年ウオッカが連覇を達成。直線は前が詰まる厳しい競馬だったが、見事に人気に応え快勝した。05年の覇者アサクサデンエンは、06年に10番人気の低評価だったが、底力を見せて2着を確保。フェアリーキングプローンは香港からの遠征馬。外国馬として史上初の安田記念連覇を狙ったが、翌年は9着と大きく着順を落としてしまった。

宝塚記念は今年で50回を迎えたレースだが、未だ連覇を達成した馬はいない。近年で最も惜しかったのが01年のテイエムオペラオー。上手くレースを運んだメイショウドトウを捕らきれず、2着に終わった。05年には前年の覇者タップダンスシチーが1番人気でレースに臨んだが、ハイペースに巻き込まれ7着と大敗した。

スプリンターズSは5頭が挑戦して、2着2回3着1回の成績。デュランダルとビリーヴはともに惜しい2着だったが、前者は香港から遠征してきたサイレントウィットネスに敗れ、ビリーヴはデュランダルに敗れた。連覇を狙った馬を見ると、05年カルストンライトオ以外は3番人気以内に支持されていた。着順も2〜4着の間で、大崩れは少ない。同じスプリント戦の高松宮記念よりは前年の覇者の信頼度は高いと言えるだろう。

そして天皇賞(秋)は長らく連覇が難しいレースと言われていたが、03年にシンボリクリスエスが圧倒的な強さを見せつけ史上初の連覇を達成。00年テイエムオペラオー、05年ゼンノロブロイも敗れはしたものの、2着を確保。同レースも前年の覇者が強い印象だ。

エリザベス女王杯はG1競走の中で最も前年の覇者が崩れないレース。過去連覇に挑んだ馬は4頭いて、連覇を達成した馬は04年アドマイヤグルーヴだけだが、他の馬も3着以内を確保。牝馬限定戦では1年でそれほど勢力図が変わることはないのだろう。

続いてマイルCSは連覇達成するか惨敗かという両極端な結果。連覇を達成したダイワメジャーとデュランダルは対照的な脚質だったが、見事に連覇を達成。ただし、2頭ともに連覇に挑んだ年は1番人気だった。

00年に創設されたジャパンCDも前年の覇者が力を発揮するレースと言える。まだ歴史は浅いが、挑戦した3頭はいずれも4着以内だった。なお同レースを連覇した馬はいないが、08年にカネヒキリが同レース2度目の優勝を果たしている(初制覇は05年)。

そしてジャパンCも連覇が難しい競走の一つ。過去28回行われているが、いまだ連覇を達成した馬はいない。しかし、前年の覇者が翌年全く走らないわけではなく、それなりに結果を残している。05年ゼンノロブロイ、01年テイエムオペラオーはともに3着以内に入った。ジャングルポケットは連覇を挑んだ年が中山開催。同馬が得意としていた府中ではなかったのが、不運だったかもしれない。

最後に有馬記念を見てみよう。過去10年で4頭が挑戦して、いずれも連覇に挑んだ年は2番人気以内だった。しかし、好走したのは03年シンボリクリスエスだけで、全体的に惨敗するケースが目立つ。

以上、個別のレースを見てきたが、全馬に言えることは、連覇に挑んだ年は人気以上に走ることは難しいということ。過去10年で同一G1連覇に挑戦した馬は46頭いるが、人気より着順が上だった馬は、わずか6頭のみ。そのうち2頭はダート戦で、3頭はエリザベス女王杯だった。つまりそれ以外のレースでは、まず人気以上に走ることは難しいと考えて良さそうだ。

■表4 天皇賞(秋)の連覇に挑戦した馬の成績(86年以降)

馬名
着順
人気
オッズ
翌年
着順
人気
オッズ
勝ち馬
ダイワメジャー
06年
1
4
7.0
07年
9
3
5.6
メイショウサムソン
ゼンノロブロイ
04年
1
1
3.4
05年
2
1
2.2
へヴンリーロマンス
シンボリクリスエス
02年
1
3
6.5
03年
1
1
2.7
 
テイエムオペラオー
00年
1
1
2.4
01年
2
1
2.1
アグネスデジタル
バブルガムフェロー
96年
1
3
7.4
97年
2
1
1.5
エアグルーヴ

2003/11/2 東京11R天皇賞(秋)(G1)1着 18番 シンボリクリスエス

しかしながら、表3の天皇賞(秋)の連覇に挑戦した馬を見てもわかるが、天皇賞(秋)は前年の覇者が翌年も崩れないレースの一つ。表4ではターゲットで検索可能な86年以降に連覇に挑戦した馬をまとめてみた。最も古いのは97年に連覇に挑んだバブルガムフェロー。1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されたが、牝馬のエアグルーヴに交わされて2着。そしてテイエムオペラオーとゼンノロブロイも1番人気で2着だった。ダイワメジャー以外は1番人気に支持されているので、前年の天皇賞(秋)優勝馬が翌年の同レースで1番人気なら連対率は100%となっている

今年のウオッカはおそらく1番人気に支持されるだろう。そう考えると、まず2着以内は堅いと判断できそうだ。もしウオッカを負かす馬がいるとしたら、それは前年の天皇賞(秋)不出走馬かもしれない。天皇賞(秋)の連覇に挑んだ馬を阻んだ馬(07年メイショウサムソン、05年へヴンリーロマンス、01年アグネスデジタル、97年エアグルーヴ)はいずれも前年の天皇賞(秋)に出走していなかった。ウオッカは秋初戦の毎日王冠でカンパニーに敗れたが、同馬は昨年の天皇賞(秋)出走馬。よって、ウオッカを負かす馬がいるとしたら、それは昨年の天皇賞(秋)不出走馬の中にいる可能性が高そうだ

ライタープロフィール

フランキー森山(ふらんきー もりやま)

1984年1月、神奈川県生まれ。重賞レースにおいては、毎年同じようなステップで出走してくる馬が多いことから、データ競馬の有効性に着目。データde出〜たでは主に過去の好走馬の実績を重視し、予想を展開している。馬券を買うのはもちろん、競馬場へ行くことも好きなタイプ。好きなレースは平安S。05年に中央競馬の全場踏破達成。その後は、地方、海外の競馬場へもたびたび訪れている。

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