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第309回 レコード記録後の次走は買いか軽視か!?

2009/7/27(月)

2009/7/19 札幌9R マリーンステークス1着 1番 マチカネニホンバレ

今は夏競馬真っ盛り。にもかかわらず全国的に不安定な天気の日が多く、道悪による競馬が多くなっている。そんな中、7月19日の札幌9R・マリーンSでレコードタイムが記録された。不良馬場のレースではあったが、1番人気で勝利したマチカネニホンバレが記録した時計は1分41秒7。これはダート1700mの日本レコードだった。そこで、今回はJRAのレコードタイムにスポットを当ててみたい。特にレコードタイムそのものよりも、レコードを記録した馬の次走について考えてみることにする。

あるレースでレコードが記録された場合、競馬新聞・スポーツ紙によっては馬柱の該当タイムのところが太字になっているなど、強調されているケースがある。そうなっていると、読んでいる方としてはその部分に目が行ってしまいがち。予想する際に頭に入ってくる特別な情報であり、その他のレースタイムの情報とは意識する度合いが違ってくることだろう。だが、競馬はタイムを競うものではない。クラスが上がれば上がるほど平均タイムは上がるが、レコードホルダーがG1馬とは限らない。実際には同じレコードタイムといっても、当日の馬場差によってその価値は大きく変わってくることになる。弱い馬では速い時計は出すことができないが、速い時計を出した馬が現役最強馬とは限らない。ごく当たり前のことではあるが、今回はそれを証明する機会でもある。まずは下の表1をご覧いただこう。

■表1 重賞で記録された現在のコースレコード

コース
タイム
馬名
記録年月日
レース名
着差
次走成績
札幌芝1200m
1.07.9
タニノマティーニ 2008/8/31 キーンランドC
0.1
セントウルS6着(7人気)
札幌芝2000m
1.58.6
タスカータソルテ 2008/8/24 札幌記念
0.0
天皇賞秋17着(5人気)
函館芝2000m
1.57.8
サッカーボーイ 1988/8/21 函館記念
0.8
マイルCS1着(1人気)
新潟芝1000m
0.53.7
カルストンライトオ 2002/8/18 アイビスSD
0.3
セントウルS3着(2人気)
新潟芝1600m(外)
1.31.8
マグナーテン 2001/8/5 関屋記念
0.4
毎日王冠4着(1人気)
新潟芝2200m
2.11.7
ロサード 2002/9/22 オールカマー
0.0
天皇賞秋12着(15人気)
東京芝1400m
1.20.0
エイシンドーバー 2007/5/12 京王杯SC
0.0
安田記念6着(6人気)
東京芝1600m
1.32.0
ミレニアムバイオ 2003/10/25 富士S
0.4
マイルCS5着(3人気)
東京芝1800m
1.44.2
チョウサン 2007/10/7 毎日王冠
0.2
天皇賞秋8着(5人気)
東京芝2000m
1.57.2
ウオッカ 2008/11/2 天皇賞(秋)
0.0
JC3着(2人気)
東京芝2400m
2.22.1
アルカセット 2005/11/27 JC
0.0
引退
東京芝2500m
2.29.8
オペラシチー 2005/5/21 目黒記念
0.0
札幌記念7着(1人気)
東京芝3200m
3.29.4
モンテクリスエス 2009/2/15 ダイヤモンドS
0.2
日経賞3着(3人気)
東京ダ1600m
1.34.6
サクセスブロッケン 2009/2/22 フェブラリーS
0.0
東京ダ2100m
2.06.7
ヴァーミリアン 2007/11/24 JCダート
0.2
東京大賞典1着(1人気)
中山芝1200m
1.07.0
トロットスター 2001/9/30 スプリンターズS
0.0
マイルCS12着(3人気)
中山芝1600m
1.31.5
ゼンノエルシド 2001/9/9 京成杯AH
0.7
スプリンターズS10着(1人気)
中山芝1800m
1.44.9
サクラプレジデント 2004/2/29 中山記念
0.4
天皇賞秋14着(11人気)
中山芝2200m
2.10.1
コスモバルク 2004/9/19 セントライト記念
0.0
菊花賞4着(2人気)
中山芝2500m
2.29.5
ゼンノロブロイ 2004/12/26 有馬記念
0.1
宝塚記念3着(2人気)
中山芝3600m
3.41.6
エアダブリン 1994/12/10 ステイヤーズS
0.1
ダイヤモンドS1着(1人気)
中山ダ1200m
1.08.7
ビクトリーテツニー 2008/12/14 カペラS
0.3
根岸S6着(2人気)
中京芝200m
1.56.9
ローゼンクロイツ 2007/3/4 中京記念
0.3
金鯱賞1着(1人気)
中京ダ2300m
2.22.3
ハギノハイグレイド 2002/5/19 東海S
0.0
武蔵野S6着(1人気)
京都芝1200m
1.06.9
エイシンバーリン 1997/4/20 シルクロードS
0.7
高松宮記念2着(3人気)
京都芝1400m(外)
1.19.3
スギノハヤカゼ 1996/10/26 スワンS
0.0
マイルCS8着(3人気)
京都芝220m
2.10.2
ダンツシアトル 1995/6/4 宝塚記念
0.1
引退
京都芝3000m
3.02.7
ソングオブウインド 2006/10/22 菊花賞
0.0
香港ヴァーズ4着
京都芝3200m
3.13.4
ディープインパクト 2006/4/30 天皇賞(春)
0.6
宝塚記念1着(1人気)
京都ダ1800m
1.47.8
ウォータクティクス 2009/4/26 アンタレスS
0.3
東海S16着(1人気)
阪神芝1200m
1.07.1
ビリーヴ 2002/9/8 セントウルS
0.7
スプリンターズS1着(1人気)
阪神芝1400m
1.19.9
サクラバクシンオー 1994/10/29 スワンS
0.2
マイルCS2着(2人気)
阪神芝2000m
1.58.1
タップダンスシチー 2002/9/7 朝日チャレンジC
0.0
京都大賞典3着(3人気)
阪神芝3000m
3.02.5
ナリタトップロード 2001/3/18 阪神大賞典
1.3
天皇賞春3着(2人気)
阪神ダ1400m
1.21.9
ゴールドティアラ 2000/6/18 プロキオンS
0.2
エルムS6着(2人気)
小倉芝1800m
1.44.1
ダイタクバートラム 2004/7/18 北九州記念
0.0
京都大賞典5着(4人気)
小倉芝2000m
1.57.8
スウィフトカレント 2006/7/30 小倉記念
0.2
新潟大賞典4着(1人気)

上の表1は平地の重賞レース(3歳以上)で記録された現在(7/19終了時点)のJRAコースレコードの一覧。本来であれば全コースのレコードタイムを表記したいところであったが、スペースの関係で重賞レースだけに絞らせていただいた。古くは1988年の函館記念でサッカーボーイが記録した函館芝2000mのレコードタイム。今年に入ってからは2月のダイヤモンドSでモンテクリスエスが記録した東京芝3200mのレコードタイム、そして翌週のフェブラリーSではサクセスブロッケンが記録した東京ダート1600mのレコード、4月のアンタレスSではウォータクティクスが記録した京都ダート1800mのレコードタイムが挙げられる。今年に入り重賞だけで3つのレコードが記録されている。

まずはこの4レースの勝ち馬の次走を見てみよう。サッカーボーイは次走、3か月後のマイルCSに出走して1番人気で優勝。モンテクリスエスは次走日経賞に出走し3番人気で3着。サクセスブロッケンは、フェブラリーS優勝後、まだどのレースにも出走していない。そしてウォータクティクスは次走東海Sに出走。1番人気に支持されたが16着という大惨敗に終わった。こうしてみると、たまたまではあるが、四者四様の成績。勝負ごとなので結果は様々なのが当然だが、表1全体を見てみると、次走勝てていないケースの方が目立つ。勝てないどころか、3着以内にも入れないケースが多い印象だ。

2009/2/22 東京11R フェブラリーステークス(G1)1着 15番 サクセスブロッケン

具体的な数字でまとめると(後の表3参照)、表1の該当馬は37頭。その内レース後に引退したアルカセットとダンツシアトル、そして未出走のサクセスブロッケンを除く34頭の次走成績は【6.2.6.20】。勝率は17.6%、連対率は23.5%、複勝率は41.4%。評価が難しいファクターではあるが、決して優秀な成績ではないだろう。むしろ悪い印象すら受ける。レコードタイムという点を抜きにして、前走重賞勝ちという点から考えても該当馬はただのOP馬・重賞ウイナーというわけではない。にもかかわらずこの成績は低調と言わざるを得ない。これだけでも「レコード勝ち=能力の高さ」ということにはならないことがわかる。

レコード勝ちというファクターが加わると、次走の人気面にも影響するようで、大半の馬が上位人気に支持されていることもわかる。次走2けた人気だったのは02年オールカマー勝ち後のロサードと04年中山記念勝ち後のサクラプレジデントのみ。しかも後者は故障で休養を強いられていた。よって、前走レコード勝ち馬だからといって過大評価をするのは禁物だし、次走人気が上積みされやすいことを考えると、余計に手を出しにくい存在と言える。コアな競馬ファンの格言にもあるかもしれないが、「前走レコード勝ちの馬は軽視」という考えは、ほぼ的を射ている。

だが、レコード勝ち馬を無条件にすべて軽視するのも乱暴な話。前走レコード勝ち馬の中でも、接戦ではなくある程度の着差をつけて勝ってきた馬に関しては例外がある。例えば、2着に0.5秒以上の差をつけて勝った馬に絞ると、表1の該当馬は6頭。前述のサッカーボーイ、エイシンバーリン、ディープインパクトら6頭の次走の成績(表3参照)は【3.1.1.1】。勝率50%、連対率66.7%、複勝率83.3%と飛躍的に好成績となる。唯一馬券圏内を外したのはゼンノエルシド。同馬は次走スプリンターズSで1番人気に支持されて10着に敗れたが、その次のマイルCSでは4番人気で優勝を果たした。普通に考えれば、僅差ではないレコード勝ちに関しては、(高速)馬場の恩恵だけでない強さの証明であり、素直に評価して積極的に買いに行ってもよさそうだ。

■表2 重賞で記録された現在の2歳コースレコード

コース
タイム
馬名
記録年月日
レース名
着差
次走成績
函館芝1200m
1.09.8
アグネスワールド 1997/7/27 函館3歳S
0.3
朝日杯3歳S4着(3人気)
新潟芝1600m
1.33.8
ワナ 2002/9/1 新潟2歳S
0.0
ファンタジーS4着(2人気)
東京芝1800m
1.46.9
フサイチリシャール 2005/11/19 東スポ杯2歳S
0.4
朝日杯FS1着(2人気)
中山芝1200m
1.07.8
サーガノヴェル 2001/12/16 フェアリーS
0.2
クリスタルC1着(2人気)
中山芝1600m
1.33.4
マイネルレコルト 2004/12/12 朝日杯FS
0.3
弥生賞3着(2人気)
京都芝1400m(外)
1.20.3
アストンマーチャン 2006/11/5 ファンタジーS
0.8
阪神JF2着(1人気)
京都芝1600m(外)
1.33.3
シェーンヴァルト 2008/10/18 デイリー杯2歳S
0.0
朝日杯FS7着(4人気)
阪神芝1600m
1.33.1
ウオッカ 2006/12/3 阪神JF
0.0
エルフィンS1着(1人気)
阪神芝2000m
2.00.8
アグネスタキオン 2000/12/23 ラジオたんぱ杯3歳S
0.4
弥生賞1着(1人気)

続いて上の表2は平地の2歳重賞レースで記録された現在(7/19終了時点)のJRAコースレコードの一覧。2歳限定のレースに関しては、通常のレコードと区分して記録されるので、ここでも分けて考える必要があるだろう。現在、2歳重賞で記録されたレコードは9レース。それぞれの該当馬の次走を見ていくと、【4.1.1.3】という成績(表3参照)。サンプル数は少なくなってしまうが、勝率44.4%、連対率55.6%、複勝率66.7%と、まずまずの成績。3歳以上のレースのように、着差で区分しなくても次走の好走確率は高い。該当馬すべてが次走で4番人気以内に支持されており、配当的な妙味はほとんどないが、2歳重賞でのレコード勝ち馬は次走も有力と言えるだろう。

■表3 表1と表2のまとめ

着別度数
勝利率
連対率
複勝率
3歳以上
6-2-6-20
17.6%
23.5%
41.1%
0.5秒差以上での勝利(3歳以上)
3-1-1-1
50.0%
66.7%
83.3%
2歳馬
4-1-1-3
44.4%
55.6%
66.7%

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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